いにしえより、熊野詣や高野山詣に使われた「高野街道(熊野街道とも重複している)」
ここから、女人高野「天野山金剛寺」へ枝分かれした約10kmの道が「天野街道」です。
このうち、約3kmを、国交省の補助を受け遊歩道整備をしたものが『あまの街道』です。因みに、この街道は1995年に、国交省から「手づくり郷土賞」を受賞しています。
あまの街道は、女人高野への参詣道で、尾根を繋いだ歩きやすい道路です。堺市と大阪狭山市の市境にあることが幸いして、奇跡的に残った『都会の中の自然』です。
http://mizikanasizen.web.infoseek.co.jp/amano2006/amano2006.htm
ところが、この「あまの街道」が消滅の危機を迎えています。その訳は…
堺市側は大半が公有地で、保全されているのですが、
・大阪狭山市側(あまの街道は大阪狭山市に所在)は民有地
・景観保護や自然保護の条例や指導要綱が存在しない
・全域が「市街化地域」に指定されており、土地活用を促している
・許認可権は大阪府にあり、大阪狭山市は無関心
・縦割り行政で、統一した見解を持っていない
この行政や議会の怠慢(保護政策の提案はなされたことがない)に目をつけた開発業者により、あまの街道が「瀕死の状況』になってきました。
経済的にも、大阪府下最高の「社会資本」を誇る文化都市です。更に、マンションなど「南海電鉄沿線で唯一即日完売する地域」として知られています。
数年前に、東京都国立市で、行政の怠慢から「高層マンション」が建ち、その撤去を求める訴訟がおきたことがあります。まさに、その二の舞が、ここ大阪狭山で起きようとしています。
ところが、国立市の事例は「完璧に合法な事業」であったのに対し、あまの街道消滅の背景にあるのは「全くの不法行為」にあるのです。
国の補助を受け「あまの街道を整備」しながら、一方で、その貴重な歴史遺産であり、素晴らしい景観を保護保全する手段を持たぬ行政や議会。郷土愛も持たぬ人たちが「治める」自治制度。なんと悲しいことだろう!
あまの街道中央部造成後(ポイント7〜9間) |
終点付近の破壊/街道(道路)が崩壊の危険 |
2004年、あまの街道のほぼ中央部・400mの林が崩されました。
あまの街道で最も林が深い場所で、キジ・フクロウ・隼といった大型の野鳥の営巣地でした。
「みかん畑を作る」と称して始まった工事ですが、出来たのは「建売住宅=写真右」で、無残に剥がされた土地が多く残りました。
造成は「産廃」を持ち込んで埋め立てられ、度重なる「工事中止命令」を無視しての強行突破でした。
電気もガスもないまま家を作り「供給責任」を迫る強引な手法でした。
2006年始めから、同じ業者が、あまの街道の終点付近を崩しだした。
元々立っていた家を壊し、それも「谷を埋める」材料にする。相変わらぬ乱暴さです。建設リサイクル法で、産廃処理方法が定められているが、この業者の目には「日本に法律はない」らしい。
あまりの無法行為に、私は市役所へ出向いた。その結果は驚くばかりです。
●開発許可は「つい最近下りたばかり」だそうです。つまり「無届着工」をしていた。
●写真で分るように、あまの街道脇を「垂直に切り崩している」ため、道路が崩壊しそうです。
私以外にも、多くの「あまの街道愛好者」が行政に通報しており、ようやく060404に大阪府の立ち入り調査があったそうです。大阪府の指導は
・道路が崩落しそうなので迂回路を設けること
・崖の安全(道路の崩落防止)を図る工事をすること
ところが何処吹く風」で、工事続行中です。
行政側に「取り締まる熱意」がないのです。道路の崩壊の危険性についても「申請図面では『安全処置』がなされることになっています」という。呆れるばかりの『書類主義』です。書類上さえ法を守れば「なんであり」が罷り通っています。
もうお分かりと思いますが、国立の事例と異なり、この業者には
・法を守る気はない
・歴史を尊ぶ気はない
・環境を守る気はない
あるのは「己の利益」だけです。
悲しいことですが、この業者は「市内業者」で、議会も及び腰のようです。この業者は、あまの街道に何か恨みでもあるのでしょうか?ひょっとしたら「日本に恨みがあるのか」と思ってしまいます。
既に、あまの街道・狭山側の500mが破壊されました。でも、これは「まだ始まり」なのです。
三都神社への参道を挟む両側、約400m(写真右)がこの業者によって買い占められ、測量が終わりました。
行政は「なんら打つ手はない」と、アッケラカンとしています。これが崩されれば、3km中900mが同一業者の餌食となり、数百年の歴史を持つあまの街道が破壊されます。
ここに手が付けられたら・・・
私は「座して待つ」つもりはない。私はクレーマーとなり、あらゆる「違反」をあげつらい、毎日のように行政(大阪府や大阪狭山市)にクレームをつけてやる。力のない私にできることは、粘りと関連法への知識しかない。−−−dogfightになる−−−それしかないではないか…