dogfight高松の長すぎるひとり言
2002年12月
エッセイ&コラム

もう12月覚醒剤見かけで判断高知の休日情報操作原作無視右折レーン下請け仕事のそこ後拝啓ANA様道路公団改革底魚と魚拓平城宮跡速歩電子納品携帯電話異聞メールから鳥目韓国大統領選今時建設界事情バカな判決3億円の使い道判決を考える今時建設界事情2高速化の果てに豊郷小学校人権教育サリドマイド新たな犠牲者決算金融梗塞民主主義と住民運動小さな話法改正のお知らせ
021201(日)もう12月
今年も師走となり、街にクリスマスソングが流れるようになりました。この1年を振り返って何を見つけることが出来るであろうか?
はらん‐ばんじょう【波瀾万丈】‥波の起伏のはげしいように、変化のはげしいさま。「―の生涯」
世に「波瀾万丈」と言う言葉があるが、これは「変化の激しいさま」を表しており、今年のように「沈みっぱなし」では当て嵌まらない。55年を生きてきて、これほど変化のない?年は始めてである。そのくせ「酷く長い1年」であったと思う。春3月に事務所縮小の決断をして引越し、一人「ぽつん」と事務所で過ごす時間のなんと多いことであったか。
今年は、複数の友が消息を絶った。10年前のバブル崩壊が、まるで「甘い出来事」に思えるほど究極の不況に身を置いてきた。11月になり、来年の我が身を「神に委ねる覚悟」が出来たとき、彼方に明りを告げる知らせが届きだした。まだ、楽観を許すものではないが、悲観することもない。あるがまま生きてゆけるなら「こんな素晴らしいことはない」素直にそう思える自分を、もう一人の自分が眺めている。

12月1日…
今日はこれから、載り放題1万円の航空チケットを利用して「高知へ日帰り旅行」をしてきます。息子夫婦は健やかに暮しているであろうか…
kankeinonai追記
北朝鮮問題とテレビ朝日に興味のある人は是非「これ」ををご覧下さい。面白いデータが見られます。
021202(月)覚醒剤
私は、本を読むという意味では「読書好き」です。しかし、嗜好は「歴史時代小説と架空戦記」で、作者には大変失礼ですが「趣味の読書」として認知されるかどうか?は極めて疑問です。
世間が描く『読書』のイメージは「文学書・ビジネス本・ハウツー本」と言ったもので、現に大手書店での「売上ベストテン」にはこれらの本が名を連ねています。そんな訳で、私は「趣味は読書」という発言をしないようにしています。
一ランク下に見られる本にも結構「光る部分」があるもので、私はそれを楽しんでいます。
先日読んだ、高貫布土著「東京武装警察隊-大都爆殺(ウルフノベルス)」は、覚醒剤が作品のテーマとして取上げられていました。何処までが「現実のこと」か不明ですが、傾向を知る意味で非常に興味を覚えました。
覚醒剤には「植物系と化学系」があります。
植物系は「ヘロイン・コカイン・大麻」といったもので、化学系の覚醒剤より「上物」とみなされているそうです。何故「上物なのか?」という理由が、覚醒剤の問題を鋭く抉っています。それは、
---化学系の覚醒剤は「効き目が強く、短時間で廃人や死に至る」ため、植物系のように「長く中毒患者=お得意様」にならない---
と言うもので、密売組織の「経済理論」から来ています。ちなみに、天然(植物系)覚醒剤を分析して、化学技術で覚醒剤を合成することは難しくないそうです。しかし「緩く、永く中毒患者になる」ものが出来ず、ネックとなっています。

覚醒剤という嗜好を「法で規制するのは無理ではないか」という考えが一部の政府機関にあります。覚醒剤の歴史は長く、常に「裏経済」の主力商品となってきました。近年は、エイズの感染(覚醒剤の摂取方法)問題や、覚醒剤中毒患者による凶悪犯罪など、社会問題として大きくクローズアップされてきました。
天然植物系に負けない「緩やかで持続的な効果」を持つ合成覚醒剤(植物には、大なり小なりアルカロイドを含んでおり、合成麻薬の素地となりうるそうです)を政府機関が開発し、麻薬治療薬として医師の処方で「安価に供給」するプロジェクトを計画する。裏経済にとっては壊滅的な影響を被るため阻止に動き、政府の治安部隊と暗闘を繰り広げる。
あくまで小説の世界のことですが「覚醒剤を政府の管理下に置く」と言う、如何にも在りそうな必然性を備えています。スイスなど10年以上も前からエイズ防止のため「覚醒剤用注射針」を配付しており、対岸の火事と思えぬ関係者も多いのではないかと感じました。
kankeinonai追記
昨日、日帰りで高知へ行ってきました。息子夫婦のお陰で楽しい1日でした。編集出来次第UPします。
021203(火)見かけで判断
私は55歳ですが、ハゲている上に残った毛も白髪となり、10歳は老けて見られるようです。
しかし、老眼鏡も掛けずに本を読み、肌にはシミ一つなく、声に張りがあるなど気をつければ「見掛けより若い」ことくらい分りそうなものです。

最近、南海沿線各駅でYAHOOが12MのADSL「2ヶ月間お試し無料」のキャンペーンを張っています。応じる人には「その場でモデムを配って」おり、誰彼なしに声をかけています。私にも声をかけてくれるのですが「コンピュータをお使いになったことはありますか?」だって!
私は「ほっとけバカ野郎」と叫びたいのを堪えて「ニッコリ」笑っています。私を年寄りと判断して「年寄りがこんなに事をするはずがない」と言う思い込みを持つようです。
ニューバランスのスニーカーを履き、ユニクロのGパン(昔はリーバイスだった)、フリースの貫頭衣(被りのコート)に一澤汎布(若者に人気のある京都の超一流ブランド)のショルダーバッグを持つ、こんな『カッコイイ年寄り』がザラに居るもんか!ってんだ。
そのうちに『若い恋人』を作ってやるから(そんなアホな!)と…私は悔しがっています。
※友人に言わせれば、私ほど「アナログ人間に見える」者はいないそうです。なんでやろ?
追記
電車の隣に座っていた「ケバイ女性」が、新聞の俳句欄を熱心に読んでいらっしゃいました。人を見かけで判断してはいけないものですね!
021204(水)高知の休日
12月1日。家内と2人で、息子夫婦の住む高知へ行ってまいりました。
私が用意したものは、1日乗り放題1万円の航空チケットと僅かばかりのお土産です。後は「息子夫婦にお任せ」の休日でした、ではご紹介します。

家内は、夜中に何度も目を覚ましていた。少し緊張気味(それとも興奮気味)であろうか?
私も普段より早く起きて、HPの更新を済ませ、朝食・用便・洗面・シャワー・着替えを済ませました。それから三男を起こし、出発の準備です。三男は空港まで送ってもらう「重要な足」です。
7:50予定の時刻に出発。普段と道が違うが、口出しを嫌う三男に遠慮して黙っていました。しかし、高速の入り口で流石に「これはまずい」と思い口出し。今日は伊丹空港から出発なのに、三男は「関空発」と思い込んでいた様子。急遽ルートを変更するも「スリル満点」のドライブとなりました。間に合わなければ「久しぶりに京都旅行でもするか」と覚悟を決めていましたが、何とかセーフ。無事「空の旅」と相成りました。
天気予報は「全国的に晴れ」なのに、生憎の雨。飛行機の揺れが酷く「こんなものが飛ぶのがオカシイんや」と一人つぶやく。水平飛行をするまもなくフライト25分で、定刻(10:00)に高知着。息子の出迎えを受ける。
大学に用事があるとかで、息子の職場を始めて訪れる(と言ってもキャンパスだけだが)。
農業試験場跡地の半分を大学のキャンパスに、残りは市民に開放された公園だそうです。左の写真がその境界道路で、春には見事な「桜のトンネル」となる。境界に仕切りはなく、往来は自由とのこと。
まだ、秋の名残がある美しいキャンパスで、写真右はメイプルの並木と学生寮(キャンパス内の建物デザインは統一されて大変美しい)。

橋本知事の肝いりで出来たこの大学、農業試験場跡地でも分るように「行政の関与」が大変多いにも拘らず、私立大学だそうです。理由を尋ねらた「公立にすれば教授陣を自由に選べない」とのこと。校風が偲ばれる話でした。

この後、息子達の住居も始めて訪れました。どうやら私達に「生活を見てもらおう」と言うことのようです。
高知国体に、天皇皇后両陛下を始め、皇族揃い踏みのご参加だったそうです。大学や息子達が住んでいる住居前にも御成りがあったそうで、我家も息子夫婦も「皇室を敬って」いるだけにお写真を見ながら話が弾みました。
やっと予報通り晴れてきました!コーヒーを飲んで出発です。
高速道路で高知市の西にある「須崎市」へ。まるで我らの専用道路のように空いた高速をひた走る。南国市から須崎まで高速料金は1000円。一般道を走れば2時間の道のりが「30分で到着」となりました。須崎市は「かわうその町」が売りとなっています。サイトで須崎市を調べたら、我国で最後に「かわうその生存が確認された」ところだそうです。
着いたところは、道の駅「かわうその里すさき」です。ここでのイベントは『鰹のたたき』を体験し「すぐ食べる」ことです。
目の前で捌かれた見事な鰹を大きなフォークの先に載せ、藁の強火で焼くのです。如何ですか!この「へっぴり腰」まあ「熱いのなんの!」顔の皮がめくれるのではと思ったほどです。持帰り用は、焼き上げて直ぐに「氷水に浸す」のですが『直ぐ食べる』部分は、温もりと藁のかおりがあるままに厚切りにし「辛口のポン酢・たっぷりのネギ・玉葱とにんにくのスライス」で頂きま〜す。(普通は、この写真の量を「4人で持て余す」そうですが、我が夫婦には無用の心配です。ワンカップ-日本酒-片手にぺロッと平らげました。あきれながらも、大変喜ばれました)
次は、伊野町の「紙の博物館」へ
私は大変不勉強で知らなかったのですが、伊野町は「土佐和紙の産地」として世界的に有名だそうです。明治期には、和紙の技術の発信基地とまでなり、日本全体の技術向上に尽くされたそうです。
思えば、流通の未発達な昔、全国各地に「紙の産地」があったことでしょう。それが各地に今も残る「和紙の伝統」ですね。
紙の博物館によれば、紀元前に200年頃に中国で発明された「紙漉きの技術」が、4世紀頃に我国に伝来したそうです。
中国における代表的な歴史書「史記」の著者-司馬遷-は、竹簡にその歴史を書き連ねました。紙が発明されて150年後のことです。青竹に墨書するには、火で竹を煽り「青殺」する必要があります。それは、心利いた下僕の重要な仕事であったことでしょう。漢の武帝にあれほど信頼された司馬遷といえども「紙は貴重品」であったようです。
紙漉きに初めて挑戦しました。
写真右上:水槽から、丹念に繊維化された原料を掬い取り、小刻みに揺すりながら「繊維を絡ませて」いきます。
写真右中:漉き取り枠を立て「入念に水切り」
次に、上枠を取り、和紙(吸取り紙=反復使用)の上に置く。この作業を2度行い、重ねて「葉書8枚分」を漉き上げる。これをプレス機に掛け、出来るだけ水分を搾り取ります。
写真右下:プレス後、乾燥機の上に並べて、刷毛で表面を整える。乾燥まで40分。最後に「毛羽立ち」を直して出来上がり。
(とても、葉書に使えるとは思えない代物となりました。見本を示してくださった先生の葉書は「流石!」です)
この後「自分達で作った-雑誌やテレビで紹介されているらしい-」と言うアパートを見学(批評はカンニン)して、若嫁の実家へご挨拶に向かう。結婚式以来の1年ぶりの再会となりました。
和室に炉がきってあり、お母様から本格的な「おうすのおもてなし」を頂いたのですが、私ども夫婦は共に「不調法」で正座も出来ぬ有様です(私は肥満が原因、家内は膝を悪くしています)。無作法をお詫びして「美味しくおうすを頂きました」
お父様とは1年ぶりで美味しくお酒を頂きました。
ご家族総出で、空港までのお見送りありがとうございました。
私どもが「高知にお邪魔するばかり」で、来年こそは『USJ』へお招きしようと、家内と相談しながら帰途につきました。
伊丹空港には、三男が迎えに来てくれました。
機内預けした荷物のひとつが行方不明となり思わぬ時間を取るなど、往復とも「飛行機でちょっとトラブル」がありましたが、それでも無事に『楽しい日帰り旅行』の終わりとなりました。
次の「乗り放題は・・・」札幌へラーメンでも食べに行きましょうか!
021205(木)情報操作
我国のマスコミは「報道の自由」を世界一謳歌しているのではなかろうか。政府を罵倒することは勿論、皇室への無礼の数々など、決して罰せられることはない。また、国益など「マスコミの売上」の前にはなんの価値も持たない。
報道の自由と共に、報道しない自由も謳歌している。自分達の主義主張に合わない事実は「ヘッチャラで抹殺」しており、カウンターとなる雑誌に目を通しておかないと、思想制御を旨とするマスコミにいとも簡単に操られることとなる。
kankeinonai追記でご紹介したが、テレビ朝日の「朝ナマ」で使われた資料など決して例外ではない。
寝ているところをトッラクに乗せられ「強制連行された」と言う報道も、前段が抜けている。間違いなく「トラックで連れ去られた」が、この御仁「徴兵制の時代に7回も出頭命令を無視」して強制執行されたことなど『報道しない自由』で我々は知らされていない。勿論、後年の「信念に基づく徴兵の遺棄」など、世界中の何処にも認められていない時代の出来事である。

無作為に選ばれて、行政から「施策アンケート」が届いたことがある。
これを見てあきれたのは、質問と答えがセットになっており「行政の欲しい答え」がしっかり用意されていることでした。アンケートと言う「公平さ」を装っても、いくらでも情報操作はできる。
テレビ朝日の資料には「回答者9名」のものもあり、これでも『アンケート調査の結果』と言えるであろうか?!私達も常々、自衛に心がけねばなるまい。
021206(金)原作無視
小説の映像化が相次いでいます。ただ、余りにも原作を無視した映像化に「著者の同意条件はどうなっているのだろう?」と首を傾げてしまいます。
澤田ふじ子氏の「公事宿事件書留帳」がテレビ化されて「はんなり菊太郎」と言う題名で放映されている。これなど、主人公の性格を始め、登場人物の設定がまるで変えられており、原作ファンにとっては耐えがたい状況となっています。これに対し、澤田ふじ子氏は如何様な感想をお持ちであろうか?何かの間違いでお会いする機会があれば是非お尋ねしたいものです。
藤沢周平氏の代表作「たそがれ清兵衛」は山田洋二監督で映画化されるそうです。
見たわけではありませんが紹介文によれば、公事宿事件書留帳同様登場人物の設定が変えられており、他の藤沢作品のからストーリーを寄せ集めてシナリオを作ったそうです。熱烈な藤沢ファンとしてはこれまた耐えがたい状況です。
麻生幾氏の「宣戦布告」も映画化されました。宣戦布告は「北朝鮮による原発テロ」を扱ったもので、大変タイムリーな映画化となりました。しかし原作は高く評価されていますが、映画評は余り芳しくありません。元自衛官で軍事に詳しい潮匡人氏も厳しく批判をなさっています。これも、キーマンとなる首相秘書官が「在日朝鮮人から帰化した人物」に変えられる(現時点では考えられない人事)など、登場人物の設定が甚だしく変えられており、更には製作者に「軍事知識の不勉強」が目立つようです。政治圧力を避けるためと言う言い分だそうですが、北朝鮮問題がクローズアップされているときだけに正確に描いて欲しかったと思います。
kankeinonai追記
横田君を呼んで、かおり共々久々のメンバーで忘年会をしました。もう、かつてのMACに戻ることもありませんが「懐かしく、そしてちょっと寂しい一時」でした。
021207(土)右折レーン
私は車の運転免許を持たぬ「生きた化石」で、運転マナーなどとんと分らないのですが、聞くところによれば「関西の運転マナー」は最低らしい。
高速道路「米子道」の米子ICから直線で2kmほどにジャスコがある。ジャスコに行くには右折が必要で、渋滞を避けるために随分手前から「右折専用レーン」がある。ところが、週末ともなると、直進レーンを進んで「直前に右折割込み」を図る車が多くて大渋滞が起きている。酷いときは、一つ手前の溝口ICから列が出来るほどです!その割込み車のナンバーが「大阪や神戸ばかり」となれば、なんとも恥ずかしくなる。

我家から駅に出るのにバスを利用します。
このバスも、約500m程の右折専用レーンを走行して、駅の方に曲がっていきます。何故、随分手前から「右折レーン」があるのかと言えば、駅を基点とするバスの交通量が多いからです。この交差点は、事情を知った地域住民の交通量が多いためルールが守られています。そのため、直進レーンは整然としているもの数珠繋ぎになっており、右折レーンが如何にも空いて見えます。事情を知らない不心得ものが、時折この右折レーンを進入してきます。しかし、直進レーンはルールを守っているだけに「右折レーンからの割込み」を許しません。道路の構造上、割込み以外に右折レーンから直進レーンに入る方法がありません。この時、不心得ものはどうするのか?!何と、割込みが出来るまで居座ってしまいます。
バカが居座ると「朝の通勤バスが麻痺」してしまいます。
私は「警察がなくて、ピストルがあったら」真っ先に殺してやろうと思っています。
021208(日)下請け仕事のそこ後
今年の私は「これでも建築屋やろか?」と思うような下請け仕事をしてきました。当サイトでご紹介したことを含め「その後」をお話ししたいと思います。
『021028(月)1/3』で、1500万円掛かる工事を「500万円で仕上げる方法」の提案を求められたお話しをしました。
この仕事は、某外資系「建材」企業が依頼主です。建設業はヒエラルキーがはっきりしており「事業主→設計者→ゼネコン→サブコン→建材メーカー」と言う、気が遠くなるような「守るべき流れ」があります。私は建材メーカーからの依頼な分けで、どれだけ「末端の出来事」かお分りいただけると思います。「とにかく急ぐから」と言うことで、友人の手を借りて「図面と工費見積り+建材サンプル作り」を5日で仕上げて提出しました。アイディアの可否判断は、私や建材メーカーにはありません。延々と川上に向けて「ご意見伺い」をしていく必要があります。あれから1ヵ月半が経ち、返ってきた返事は「設計者に直接説明して欲しい」と言うものです。ようは、途中経過の誰も「趣旨説明」ができなかったようです。僅か5日間でせかされて、何の進展もない返事が返ってくるまで1ヵ月半…人生の達人を自認する友人によれば、下請け仕事とは「こんなもんだ」そうな。

先日も、同建材メーカーから別件でアイディアを求める連絡がありました。内容を聞き、その場で考えられるアイディアを話したところ、方向性としては良かったようで「直ぐに図面化して欲しい」というものでした。しかし、珍しいことに私は別の仕事を抱えており「着手まで2日待って欲しい」とお願いしたのですが、気分を害したらしく「他に出すからもう結構」と断られました。
気の遠くなる流れを辿って、一つの答えが返るまで数ヶ月が掛かるのに、僅か二日が待てないと言う。どうやら「恐れ入りますダお代官様」で、如何なる無理難題にもひれ伏すのが『下請け』と思っているようです。やはり、下請け仕事とは「こんなもんだ」なのだろうか?
お盆休み返上を強要された仕事がありました。
某外資系家具メーカーが、大阪に200坪の支店(ショールームを含む)を進出させたいと言う。本国に決裁を仰ぐため「とにかく急ぐ」という。外資系だけに「お盆がないのだろう」と諦め、4案を作りました。駐在する担当者には結構気に入られた案でしたが、いまだに「本国から返事がない」そうです。私の「お盆返上」は何であったのであろうか?これも、下請け仕事とは「こんなもんだ」なのであろうか?
021117(日)日影訴訟』で、裁判用の「日影検討資料」を作ったことをお話ししました。
冒頭のテーマ同様、私の立場は「末端の黒子」で、裁判で丁々発矢を繰広げる「直接の担当者」と会うことは間違ってもありません。だから、要求された資料から「争点を想像する」しかありません。021117時点では
 ・建設反対や規模の縮小を求められていない
 ・金銭補償を求めており、その金額は「順当なもの」と思われる
私自身も「近隣問題」をいくつも切り抜けており、その経験から言えば「至極常識的なお隣さん」という印象でした。ところが、続きの資料を依頼されたのです…
なんと!今度依頼された資料は「規模を縮小したらどうなるか?」と言うものです。
この度の「日影訴訟」を私なりに想像すると
 ・何らかで「補償が不可欠な状況」であった
 ・マンションデベロッパーの対応に不手際があったのではなかろうか?
と言うものです。それでも、お隣からの要求は「順当な金額」だったので、解決するだろうと思っていたのですが、これでは「エスカレートの様子」です。私の体験に照し合せれば、建設反対や規模縮小の要求を「金銭交渉」に方向転換できれば『交渉成功で解決は真近』と言うのが相場です。今回の資料要求は明らかに逆行しており、021117の時点でも弁護士のスタンスに疑問を呈したのですが、ますます「?」です。

分譲マンションでは、採算のチェックを「分譲面積」で行います。それだけに「規模縮小」を極端に嫌がります。建設費は規模に応じて可変するものの、土地の購入費や販売経費、更に広告費が変るわけではありません。だから、分譲面積の減少はそのまま「採算の悪化」とイコールです。

追記
私の友人は、分譲マンションの設計で、ミスから「分譲面積が120坪減る」チョンボをしてしまい、マンションデベから「1500万円のペナルティー」を課せられました。それ程「分譲面積の減少」は重大事なのです。
今度の資料作成でシミュレーションした減少面積は、友人のチョンボした面積より大きく、お隣さんが要求していた「金銭補償」は友人のペナルティーよりずっと少ないものでした。
私は黒子…傍観者に過ぎません。下請け仕事とは「こんなもんさ」
021209(月)拝啓ANA様
  拝啓ANA様
毎月1日の「1日乗り放題1万円」を利用して、息子の住む高知へ日帰り旅行をしてまいりました。お陰さまで大変楽しい休日を過ごすことが出来ました、ありがとうございました。

この制度を利用して感じたことなどをお伝えしようとキーボードをたたいています。
ANA様の規定では「1日最大7便まで利用可能」だそうですね。1日で「どれだけ移動できるか!」という趣味あるいは趣旨ならば「ワンダフル」なのですが、私のように歳を重ね「ゆっくりした旅」を楽しみたいものには、ちょっと不満の残るシステムです。
「1日1万円」はANA様の大英断だと思うのですが、折角のアイディアをもう少し幅広いものに出来ないでしょうか。時代は長引く不況で「ガンバル」と言うことを虚しくしています。団塊の世代に生まれ、我国の高度成長を牽引した私達の年代には「あるがままに、のんびりと」がもっとも相応しくなっています。
  ANA大英断PART2『全国何処でも2日間1万円。ただし、最大3便まで!』
これならば、全国何処へでも「1泊旅行」が出来ます。
「1日乗り放題1万円」でも、私達のように「単に往復で利用した」方がもっとも多いのではないでしょうか?きっと、PART2にしても、ANA様のご負担は変らないと思います。日本経済への波及効果でいえば、宿泊が増える分経済効果が上がると思います。また、海外旅行に押され気味の国内観光地への後押しにもなるでしょう。広い心でご配慮頂きますようお願い申し上げます。
本文は021207 ANAに「要望」としてメールしたものです。
何かご返事があるのでしょうか?あるとすれば「どんな内容だろう」か?ちょっと楽しみにしています。ただ、如何なるものも「ANAからの通信は転載禁止」だそうで、簡単な内容のお知らせくらいしか出来ません。さてさて…
021209(夜)追記
ANAより「当り障りのない返事」を頂きました。でも、本当に1泊旅行が出来るようになればいいのにネ!
021210(火)道路公団改革
道路公団改革を目指して、公開討議を重ねてきた推進委員会は、最終段階でドタバタはあったものの、021207「意見書」を政府に提出しました。ドタバタ劇は「今村推進委員長の頑強な抵抗」が原因で、分裂の危機もあったのですが、最終的に「委員長辞任」後、多数決で決着しました。
露骨に「意見書無視」を口にする政治家も多いが、ドタバタも含めて全て「公開」されており、密室の出来事ではないだけに、何処まで無視できるであろうか?余り国民を軽く考えないほうが良い。
土木の世界は、主な工事を公共事業に頼るため、産官学の閉鎖的ファミリーを形成しています。今村委員長はファミリーの一員だけに、道路公団の持つ問題点を誰よりも熟知していた筈だが、内部からの是正より「ファミリーの崩壊防止」を選んでしまったようだ。

道路公団が作る高速道路は、国交省が作る高規格道路(有料道路並みの一般道)に比べ「倍ほど費用が掛かる」と言われている。どの国よりも費用をかけて、どの国よりも完成量が少ないのは、利権とファミリー企業による「利益の分け前」が公然化しているからだと言われる。今後は「運営と建設の分離」して、道路公団の民営化(競争原理の導入)を行うべきであろう。あれほど絶望的であった国鉄が、民営化で見事に立直った事実を私達は忘れてはいない。
■高速道路に配置された「非常電話」の1ヶ所当りの費用は250万円!勿論、ケーブル敷設費を含めてのことだが、それにしても高い。今ならソーラーを組合せ「無線電話」にすれば1/10以下で出来るのではないか。
■工事の単価も国交省より2割高いと言う。更に、過剰仕様や必要な車線数の精査、ファミリー企業を排除して「自由競争の確保」をすれば随分安くつきそうだ。
ただ「不採算道路は作らない」という意見は少し緩和すべきではなかろうか。不採算であろうと「国民が快適に暮らせる権利」はあるわけで、採算だけに拘ればそのまま「地方の切り捨て」に繋がる。必要な道路は外国並に「税で作る」必要があろう。しかし『必要な道路』の判断を族議員に任すべきではない。地域については委員会の公開討議に任せ、ルートについては「提供できる税額を示して」地方に選ばせてはどうであろうか。
kankeinonai追記
仕事上で奈良へ出向く用事がありました。ほんの1時間ばかり余裕が取れたので、前から行ってみたかった「平城宮」へ足を伸ばしました。寒風吹きすさぶ中、電車で5分か掛かる距離を歩きとおし、汗みずくとなりました。イマジネーションを豊かにする必要はありますが、平城人の面影を凌ぐことが出来ました。編集でき次第「近畿探訪」でご紹介したいと思います。
021211(水)底魚と魚拓

クエ

タラ

アンコウ
冬ですね…鍋が美味くなりました。先日も忘年会のクエ鍋を囲みながら、鍋で美味い魚に「底魚が多い」ことに気付きました。
鍋の王者「フグ」の生態を知らないのですが、釣りに行くと「餌取り」にフグとハゲ(共に口が小さい)が登場するところを見ると、案外フグも底魚かもしれません。他の鍋向きの魚には共通点がたくさんあります。例えば、クエ、アンコウ、タラ、山陰地方で獲れる「ババア」など共通することは
 ・底魚であるのに、比較的我国では「大型魚」に属する
  (一般的に底魚は小魚が多い)
 ・口が大きく不細工
 ・白身でよく油が乗っており、軟骨やゼラチン質がある
別に屁理屈を唱えながら食べているわけではありませんが、面白い符合があるものです。
符合といえば「魚拓」も面白い共通性があります。
素人でも釣りやすい大型魚にハマチやブリがあります。しかし、いくら大物を釣ったと言えども、魚拓にする人はまずいません。魚拓で気付くことは「鱗のない魚」が対象になっていないことです。マニアではありませんので、しかと理由は分らないのですが、鱗が「くっきりハッキリ」している方が『見栄えが良い』ことだけは間違いありません。また「めったに釣れない魚」でないと魚拓の値打ちがないと言うこともあると思います。思えば、鱗のない魚みは「釣りやすいものが多い」ことに気付きます。
どうでも良いことです、気付いたままに書いてみました。
021212(木)平城宮跡速歩
先日(021209)奈良市役所へ用事があり行ってきました。近鉄「新大宮駅」で下車、市役所までは結構距離がありますが、市役所のほんに西側は「平城宮跡」です。一度行ってみたいと思いながら果たせていませんでした。この日は次の打合せまで1時間の余裕があり、チャンスです。寒波が来ており、寒風が吹きすさぶ中でしたが、一気に平城宮を突き抜けて近鉄「西大寺駅」まで歩くことにしました。大急ぎの横断で、まさに「突き抜けた」だけに終わりましたが、寒風など何時しか汗と変わっていました。
私が実際に行動したのは、徒歩で東から西へです。時間も1時間しかなく、更に月曜日とあって施設の見学もできませんでした。しかし、充分に1300年前を想像することができました。

この内容は、近畿探訪・奈良「平城宮跡」に纏めてみました、是非ご覧下さい。
なお、体験から「理想的なコース」を割出し、あたかもそのコースで見学したかのように設定してみました。春になっらた、改めてレンタサイクルで堪能してみたいと思っています。そのときは勿論「内容濃く再編集」いたします。
021213(金)電子納品
IT化により、世界中が集まって「産業とコンピュータのあり方」を統一する作業(CALS=カルス)が進んでいます。建築の世界も、CALS/ECによる『電子納品』の統一基準が公表され、ソフトメーカーの対応も急ピッチです。この事態を受けて、設計の分野にも激震が起きそうです。まだまだ不確定要素も多いのですが、ご紹介します。
まず、国交省のwebサイトから抜粋してみました。
  成果品の電子納品要領(案)・基準(案)等の改訂について
国土交通省ではCALS/ECの一環として平成13年度より直轄事業における成果品の電子納品を開始しています。
 (1) 土木設計業務等の電子納品要領(案) (平成12年3月策定)
 (2) 工事完成図書の電子納品要領(案) (平成12年3月策定)
 (3) CAD製図基準(案) (平成12年3月策定)
 (4) 地質調査資料整理要領(案) (昭和61年策定、平成12年6月改訂)
  電子納品の対象とスケジュール
電子納品は図面、写真等の成果物を電子データで提出することを義務付けるもの
 (1)工事を対象とした電子納品
2001年度:国土交通省が発注する3億円以上
  ただし、一般土木工事及び建築工事においては、C等級が参入する工事は除く
2002年度:国土交通省が発注する2億円以上
2003年度:国土交通省が発注する6000万円以上
2004年度:国土交通省が発注する全て
 (2)業務を対象とした電子納品
業務を対象とした電子納品は2001年度から全てが対象(電子納品要領案未策定のものは対象外)
  電子納品に関する要領・基準
ここでは、電子納品に関する要領・基準と適用範囲を提供しています。
 「土木設計業務等の電子納品要領(案)」
 「工事完成図書の電子納品要領(案)」
 「CAD製図基準(案)」
 「地質調査資料整理要領(案)」
 「デジタル写真管理情報基準(案)」
 「測量成果電子納品要領(案)」
 「電子納品運用ガイドライン(案)」
 「現場における電子納品に関する事前協議ガイドライン(案)[土木設計業務編]」
 「現場における電子納品に関する事前協議ガイドライン(案)[土木工事編]」
国交省内部で「土木系と建築系」がまったく別々にCALS/ECを進めているのですが、土木系が逸早くルールと手法を確立し、運用に移行しています(ご覧のように建築系が出てこない)。漏れ聞こえるところでは、建築系では「あらゆるもの」を盛り込もうと欲張ったためデッドロックに乗り上げており、土木系の基準や手法に「相乗り」する可能性が高いそうです。
当面は、国土交通省直轄事業における電子納品の円滑な実施を目的として作成していますが、将来的には「公共事業全般」を視野に収めていることを表明しています。私に直接関係があるのはCAD製図基準で、図面の表現方法まで定めています。

国交省の仕事を受注するような大手では、敏感に「電子納品」に反応しているそうです。多くの設計事務所が「ゼネコンの下請け」で食べている現実から、大手ゼネコンの変化は設計事務所へ大きな影響を及ぼします。
CALS/ECで定められたSXFフォーマットは、電子納品と言う言葉が示すように「結果」を定めています。また、無償でダウンロードできる「ビューア」で図面が閲覧(書込みはできない)できることも決められており、これを利用すれば「個人住宅の竣工図」も電子化してクライアントに提出できるようになります。

dogfight注:「結果」をクリアするため「過程の修正=ソフトの修正」が要求される。
例えば「線種は10種類」という基準をクリアするため、10種未満のソフトは追加が必要だし、11種以上ならば削除する必要がある。個性を売りにしてきたソフトほど対応に苦慮するようだ。

SXFには2種類の形式があります。
 ・P21形式=公共事業用に定められた形式で「図面の書き方」まで厳密に決められている
 ・SFC形式=民間バージョンで、異なるCADソフト間の「完璧な互換性」を保証している
おそらく民間に普及する形式はSFCだと思います。
今までは、異なるCADソフト間のデータ交換はDXF形式で行われてきました。これは、基準と言うよりメーカーごとの自主性に任されており、ソフト間の相性により互換率が0〜80%程度しかなく、不完全な互換性で我慢してきました。そのため、完全なデータ交換を求める「元請−下請」と言った上下関係では、元請と同じソフトの購入を強要される現実がありました。しかし、SXFはファイル形式さえ共有できれば、個々のCADソフトを問いません。しかもSXFはレイヤ(情報の格納区分)、属性情報、ビッドマップを含む色情報、tifやjpegと言った映像情報まで100%互換性を担保します。
異なるCADで共同作業をする機会の多い私には、待ち焦がれたシステムと言えます。おそらく、今後急速に普及するでしょう。

現時点では、CALS/ECの認定を受けたソフトメーカーはまだ4社だそうですが、今後増えていくでしょう。ただ、CALS/ECを巡る喜悲劇も起きています。
世界一のガリバー「AUT0-CAD」は、他のソフトと全く異なる構造をしています(遺伝子で言えばDNAが違う)。それが特徴で世界を席巻してきましたが、それ故にCALSに対応できていません。国交省基準をクリアできないことに、危機感を感じた某県のAUT0-CADユーザーが、集団(600セット)で、SXF対応ソフトに移行することを表明しているそうです。
これは、非関税障壁として国際問題となるのではないかと懸念したのですが、CALS自身が国際基準で、AUT0-CADはアメリカ本国でも苦境に立っているとか…
弱小CADメーカーでは、SXFに対応できない可能性が高いそうです。この不況でソフトメーカーの淘汰が進んできましたが、更に加速しそうです。
AUT0-CADと並んで、シェアの多かったJW-CADも存亡の危機に立ちそうです。
フリーウエイ(無料)故に利用者が多かったのですが、基本的にMS-DOS時代のソフトで、かろうじてWindowsに対応したものの力不足は否めません。更にSXFに対応するのは「絶望的ではないか」と観測されています。
まもなく、今年も終わろうとしているに「今だに来年が見えない」MACですが、SXFフォーマット対応のソフトに切替えることにしました。何となく滑稽で、私は今「苦笑い」しています。
021214(土)携帯電話異聞
出遅れていたDOCOMOもカメラ付き携帯電話に参入し、この分野も新しい世界に入りました。
ところが、逸早く不道徳な分野で「新世界」を作ってしまいました。それは擦違いざまに、携帯電話内蔵カメラで「スカートの中を盗撮」する輩が出てきたのです。電話メーカーもこの利用法を予想していたらしく、わざと大きな「シャッター音」が出るように工夫し、写される側に「警告を与える」ようにしました。しかし、好き者はこの程度の防止策などあっけなくクリアしてしまいます。なんと、携帯電話のスピーカーを壊してしまうそうです。音の出ない電話機…これはもう通話には使えません、携帯電話の形をした「盗撮専用カメラ」です。

私の電話にはカメラは付いていませんが、デジカメを常に持ち歩いています。値段は一眼レフのデジカメと変りませんが、持運びが楽な「軽薄短小」なだけに性能はやや劣ります。でも「盗撮」など考えたこともありません(明らかに「カメラの形」をしており盗撮向きではない)。文明の利器は「悪事から利用される」セオリーがここでも生きていたようです。
021215(日)メールから
-dogfight高松の長すぎるひとり言-へ「いの様」からこんなメールを頂きました。いの様のご了解を得て、紹介させていただきます。
いの様は25年前に脱サラして「設備やさんというか住設業というか一般の方を対象に販売施工を始めた」そうです。工務店対称の仕事から始め、色々な事を体験して(心の気持ちの通じない事がわかり)「100%一般の仕事に切替えた」そうです。
「仕事をさせていただき、お金をきちっと頂き、喜んでいただける仕事」としてとてもうれしく思います。仕事に生きがいを感じます。仕事に幸せを感じています。サラリーマンの時には無かった気持ちです。
しかし、長引く不況でメーカーは「直販と系列化」に力を入れるようになり、従来メーカーを支えてきた地方の小売店や住設店(独立資本)と対立すようになってきたようです。
私達は会社といえど個人で切り盛りをしています。
知識も技術もありません。時間もありません。当然お客様からの修理依頼の80%以上はメーカーにお願いしなくてはなりません。初めてのお客はお客さんで育てていかねばなりません。OB客はOB客でな大きく育てていかねばなりません。
そのために当社ではメーカーに対し修理依頼書に5項目のお願いをしています。
 1.ステッカー(メーカーや代行店の)を張るな渡すな!
 2.集金をするな!  
等をお願いしてきました。それは自社を守り、顧客管理を徹底したいためであります。次回もその次も当社に修理依頼を。買い替えをしていただきたいという当社の願いがこめられているのです。
昨今どのメーカー共しきたりや慣例を破り「自社だけの…」と言う狙いもあってか、商品には必ず「フリーダイヤルのステッカー」が貼られています。
5項目の依頼があるので…と思っていましたが、知らないところで『お客様控え』という書類を渡しているのが発覚しました。そこには『代行店の氏名が印字されているではありませんか?』
私はメーカーにも言いました。
いい事ですやってください。然し「代行店の店名、社名」はやめて欲しい。そこには「修理の依頼店、依頼者」を記入して欲しい。そして以後、修理・買い替え依頼があった場合「修理依頼店、依頼者」に返すのが筋ではないか、そうするのが良いのではないか?お互いがベターではないか?
話がしたいので「上司に合いたい話したい」と電話でお願いしました。回答は電話回答のみで「だめです」という事でした。なぜですか?『忙しいから』

会話の中から又新しい方法も見つかるものと信じています。
このような状態が続けばますますわれわれ小売店は生活がしにくくなります。又われわれがした仕事の代金そのものももらえないのが現状なんです。下見に行く、棒立ちをして何もしないのではなく、やはり商品を開け状態を確認します。この発生した費用がもらえない時があるのです。「二度取りか?」というお客様の声があります。(以下略)


           ハンドルネーム:いの/aaj62670@pop06.odn.ne.jp
いの様は、地域と密着した仕事を続け、お客様を大切にしてきたのだと思います。それだけに、苦悩や怒りが文面に表れています。世が好況であった頃は当然のように守られていた秩序が、不況を背景に崩れだした様がよく見て取れます。
分野は違えど「同じ悩み」を持つ方は多いんではないでしょうか?私も「下請け仕事」を通じて悲哀を感じています。せめて「普通の世」に早く戻って欲しいものです。
kankeinonai追記
昨日は「赤穂浪士討入り300年際」で、各地でイベントが行われたそうだ。私のふるさとは吉良氏のお膝元、ここでは名君を偲ぶ催しも。我家では、播州赤穂から贈られてきた「塩味饅頭」をいただきました。なんとも不思議な味でした!
021216(月)鳥目
鳥といえば「鳥目」と言う言葉があるように、暗くなれば「目が見えない」と思っている方が多いと思います(私もずっとそう思っていました)。ところが、新池の周りを夜飛び交う鳥が最近増えたことから疑問が湧いてきました。
鳥だけではなく、人間も鳥目になることがあります。病名としては「夜盲症)」と言うそうですが、その原因の一つに「ビタミンAの不足」があるそうです。ただ、Webで見る限りでは、ビタミン不足が原因と言う事例は少数派のようです。更に、鳥の事例を調べたら…
 生態:鳥は本当に鳥目
Q:鳥目というぐらいだから、夜はあまり見えないのですか?
A:暗闇で目が見えない様子を「鳥目」」と言いますが、実際には夜でも見ることができます。鳥目と言うのはごく一部の鳥がそういうものであって、鳥が全部そうだとは言えません。小鳥類には夜に渡る種が多くあります。秋の夜、気をつけていればツグミ類の渡っていく声を耳にすることもあるでしょう。
このように書かれています。どうやら鳥の世界でも「鳥目は少数派」の様子です。しかし最近になって、団地の周りで「夜飛ぶ鳥が増えた」ことの説明になっていません。そこで、こんな想像をしてみました。如何でしょうか?
 ・人間の食べ残しを啄ばむ鳥が増え、富栄養化が進み夜も目が見えるようになった
 ・団地から漏れる光が「飛行を助けている」
「そんなアホな!」と言われそうですが、案外当たっているかもしれません。どやろか?
021217(火)韓国大統領選
まもなく韓国で大統領選が行われます。
アメリカと共同歩調を取り、北朝鮮に対して強攻策を表明していた野党候補は、この夏まで「楽勝」と思われていました。
その後「駐留米軍による事故(韓国側の言い分は-ひき逃げ-ですが、詳細報道がなく私にはよく分らない)」があり、軍事法廷で米兵が「無罪」になったことから、一気に反米気運が盛上っています。その結果、反米を鮮明にし、当選の暁には在韓米軍の存在を見直すといわれる「与党候補」が急浮上、このまま勝利するのではないかと…というのがマスコミの観測です。

在韓米軍による事件などきっかけに過ぎず、この背景には「若年層の意識」が大きく拘っているそうです。朝鮮戦争やベトナム戦争を知らない20〜30代にとって、北朝鮮は「危険な存在ではなく同胞意識にある」という。金大統領が5年に渡り続けて来た「太陽政策」は、若年層に支持されており、与党候補はその継承を宣言している。いや、むしろ「米軍の扱い」で分るように、北朝鮮に対し「よりシンパシーを持っている」ように感じます。
アメリカから「悪の枢軸」と指名される北朝鮮。北朝鮮は「日本人拉致」を認め、核開発を認め、更には電気不足を理由に「核施設再稼動(明らかにプルトニューム抽出をさす)」を表明した。やむえず認めたと言うよりは「公表して恫喝に利用」することはみえみえで、我国へ5名を帰したあと「思うように交渉が進まぬ」ため恫喝を始めている。韓国の大統領選でも「野党候補が勝てば核戦争になる」と、堂々と恫喝している。
国際世論は、北朝鮮を「危険な存在」とみなし、韓国の「太陽政策は間違い」と評価していると思いますが、どうも韓国国内は違うと言うことです。ただ、我国の一部マスコミにも共通する意識があるように感じます。どうも、北朝鮮を「我国と同じ価値観の国」と勘違いしているのではなかろうか?帰国した5人に対しても「北朝鮮に帰してまず我国が約束を守るべきだ」という主張を繰り返す大マスコミが存在する。かの国が「約束を守る」なら、拉致事件など起こるはずがなく、核開発やミサイル輸出と言った「約束違反」もなかったであろう。

与党候補が勝てば、北朝鮮包囲網に大きな穴があく。北朝鮮に取り「ウエルカム」なことは言うまでもない。
若年層に「北朝鮮が同朋(韓国)を攻撃するはずがない」という意識があるそうです。彼等は、朝鮮戦争を忘れ、それ以降に拉致された486名(韓国政府公式発表数)の同朋の存在も知らないらしい。
追記1
愛媛丸事件で見せた日本国民の行動と、このたびの韓国民の反米運動の違いはどうであろう。最も近い国というけれど「理解することは容易ではない」と感ずるのは私だけであろうか?
追記2
北朝鮮は昨日、韓国に対し「同朋を攻撃するわけがない」とし「核施設の運転再開に理解を!」と呼びかけました。北朝鮮にシンパシーを持つ与党候補を援護する目的であることがミエミエです。でも可笑しくはないですか!韓国は攻撃しないけれど「日本ならいいだろう」と同意を求めているように私は感じてしまう。
021218(水)今時建設界事情
今年もあと僅かになりました。一部上場のゼネコンがいくつも倒産(更正法や再生法を申請)しましたが、建設業界の内側から見れば「噂ほど潰れなかったな…」と言うの実感です。それでも、021217現在東証一部の建設部門で、株価が100円割れを起こしているゼネコンが25社(内、12社が額面割れ)もあります。これらが、ある日突然「Xデー」を迎えても驚かない。そんな中から不気味な話を…
万年倒産予備軍と言われるA社は、株の最安値が「8円」まで下がりました。現在はかろうじて10円代を維持していますが、これでも「株価」と言えるのでしょうか?
A社へ「手形で納品」する建材メーカーなど皆無だろう。先日も「A社の手形は町金でも割らない」という話を聞いて、笑えない寂しさを感じました。よくこれで「Xデー」がないものだ!

会社更生法や民事再生法で再建中のゼネコンからも「もうダメらしい」という噂が聞こえてくる。2度目の「お助け」があるわけもなく、今度ダメならXデーの宣言もなく霧散することになる。

MMKとか3Mと言った「危ないゼネコン」が噂に上がっている。ついに先々週は、最初のMが倒産した。
この夏、ギブアップを表明したB社は「お助けマン」として、MMKの「K社」を指名した。
また、額面割れで彷徨う旧財閥系ゼネコン3社が「経営統合」を発表した。そこへ「危ない」と評判の高いC社が経営統合に参加したいと表明した。危ない連中が集まれば「余計に危ない」と思うのだが、私と感覚が違うのだろうか?
今時、スーパーゼネコンを除けば「危なくないゼネコン」を探すのは容易ではない。
「辞めるも地獄、残るも地獄」とは、倒産が噂される某社の現場所長の言葉。来年は、今年以上の不況が予想されており、まさに『地獄絵図』が展開されることになろう…
021219(木)バカな判決
昨日、国立市の大学通りに建つマンションに対し「高さ20m以上の部分を撤去」するよう判決が出ました。報道からでしか内容を知りませんが、このマンションは
 ・分譲マンションで既に入居している。当然「融資」が付いていると思われる
  (融資のないマンションなど売れないし、違反建物に融資は付かない)
 ・高さが44mあり、建築センターによる「構造評価」が必要
 ・この高さでは「防災協議」が必要
以上の理由から、このマンションが「違反建築」とは思えない。新聞報道でも「許可を得た建物」としている。ちなみに、この建物の許認可が下りた後で制定された「景観条例」を根拠に付近住民が撤去を求めて訴訟し、冒頭の判決となった。
こんなバカな判決はない!
 ・事後法による訴訟を受け付けている
 ・合法建築に対し「撤去命令」を出しながら法的根拠は何か?
 ・建設者ではなく、入居者(善意の第3者)に何故「撤去命令」が出せるのか?
 ・憲法に定める「私有権」との整合性に触れていない
※入居者が「建物を作った」わけではない!
※入居者(第3者)に対し、私有権の放棄と撤去費用の負担を負わす根拠は何であろうか?
私は37年に渡り建築屋をやっているが、何ら違反のない建物に対し、法的根拠を示さないまま「撤去命令が出せる」なら、人によっては全財産とも言える「建設投資」など出来なくなってしまう。

近隣住民が、当マンションの撤去こそ「優良な環境(景観)の維持」と信ずるなら、ナショナルトラスト運動として「買取った上で自費で撤去」するのが当然であろう。立場を変えて考えてみよ!ある日突然「彼方の家があると景観に悪い」と言う理由で『自費で撤去せよ』と命令を受けたら如何であろうか?
ここには、なかなか民主主義になれない日本がある。今だに、聖徳太子の定めた17条の憲法「和を持って貴しとなす」が生きている。これは「皆で決めた」と言うリンチに過ぎない!我国は法治国家であれ。
関係のない追記
私はまだ修行が足りないらしい。昨日、折角の「下請け仕事」を断ってしまった。
信じられないかもしれませんが、長く建築の仕事をしながら「スケール(ものの寸法)感や立体感の欠如している人」がいます。こう言う人の下請け仕事には苦痛を伴います。
 ・天井高さが1.7mしか確保できない浴室
 ・システムキッチンの上部に大梁があって換気装置付けられない
 ・大梁の上に水周りを配置したため排水ルートが設けられない
 ・向い合わせの流し台と冷蔵庫の間が40cmしかなく冷蔵庫のドアが開けられない
 ・防水パン(洗濯機置場)+洗面ユニットのスペースが1.2mしかなく物理的に設置不可能
 ・パイプスペース(設備の縦ルート)が大梁上に計画されており物理的に設置不可能
下請けと言えども、納まるはずのない設計図を書くには、私のプロ意識がどうして邪魔をしてしまいます。「大嘘」図面を書かなければ生きていけない時代であろうか!
(こんなバカな建築屋がいるから「バカな判決」が出るのだ!)
021220(金)3億円の使い道
年末ジャンボの売出しも今日が最後です。
宝くじを買っても一等賞が当る確率など、私の「ホラ話の実現」より可能性は低い。それでも年末ジャンボを買ってしまう私の悲しい性があります。宝くじの一番の楽しみは「抽選まで」のことです。その間は自由な空想が許されます。で、家内から「当ったらどうするの?」と質問がありました。私はすかさず「長年の夢」を語ったのですが、家内から思い切り罵倒されました。
気に入った土地に「好みのペンション」を建設し、私の趣味で経営する夢を語ったのですが…
ペンションは収益性が低く、人を雇っては採算が合わないため、家族だけで運営するのが普通です。普段は横のものも縦にしない「私のものぐさ」を良く知っている家内は、ペンション経営など『できる分けがない』と言うのです。
でも、これは熱心に経営に励む人の台詞です!
私には「ハナからガンバル気などない」のです。宝くじの3億円のうち、精々5000万円ほどで小さなペンションを作り、残りは生活資金に当てます。だから「毎日客がくる」繁盛振りなど迷惑なのです。週に「ほんの数人のお客」が私の理想で、たまにやって来た客を話し相手に「酒を交わす」ことこそ夢なのです。後は「気に入った土地で暮らしたい」のが本音です。
神様!お願い「私に3億円をお与え下さい」
kankeinonai追記
韓国大統領選は与党候補の勝利となりました。人権派弁護士出身の新大統領は「太陽政策」をより積極的に推進することを公約しており、金王朝にとって最大の庇護者となるだろ。これで、我国の拉致事件解決が遠のきそうだ。
021221(土)判決を考える
国立市の「撤去命令」判決は予想通り大きな反響を読んでいるそうです。新聞社にも賛否両論が押し寄せ、産経抄氏も判断を避けていました。「箪笥のひきだし」氏によれば、氏のリンクしている「2名」がこの問題を扱ったそうで、どうやら「ぴんくままのニュース日記」氏と私のようです。なお、両者はまったく異なる視点から論評しており、正邪を争う問題ではありません。
私は、この判決を耳にして「激昂したまま」当HPに書き連ねてしまったのですが、読み返してみて、格別間違っていないと思っています。ただ説明不足が多く、改めて「検証」してみたいと思います。
 □景観保護
景観保護の概念は決して新しくはありません。徳川幕府の記録に「京都・嵐山の景観保護を定め、その維持費に年間3千両の支出をした」とあるそうです。同様に「奈良」も保護の対象になっていました。奈良・京都という古都の景観が守られてきた背景に、このような歴史があります。

近代法における景観保護の動きをご紹介します。
・昭和27年。鉱業法に基づき「鉱区禁止地域の指定」が行われ、事実上の景観保護が、京都や伊東などでスタート
・昭和41年。景観保護法および古都保存法制定
これを受けて、都道府県で「環境保護条例」を制定。なお、国立で問題となった「高さ制限」は、自治体が定めた条例で「景観保護を強化した」ものにうたわれます。
その後、世界文化遺産の登録や「日本100名滝」等と言った風景の指定があり、更に景観保護に拍車が掛かっている。

近畿では、古都を抱えることもあってか、早くから「景観保護が強化」されています。
京都など、都市計画法(用途地域の指定)と景観条例がバッティングしており、商業地域で「土地の持つポテンシャル」を生かそうとすれば『地上3階地下5階建て』といった非現実的なものになってしまい、これはこれで問題視されている。しかし「景観を守る」と言う強烈な意思が確実に伝わってきます。

 □「概念」の創設
世間の趨勢に法が追いつかない場合『概念を創設』して対応することがあります。分りやすい例が「嫌煙権」です。我国にはいまだに、成人の喫煙を禁止する法律はありません。しかし、公共の場などでの喫煙を嫌がる人が増えたため「嫌煙権」の概念を創設しました。この概念は、瞬く間に世間から認知され「条例として制定」されるようになりました。

ところが、国立市では「条例の制定が遅れた(係争建物の着工1ヵ月後に制定)」ため、法に照らして「建築物の撤去命令」が出せず、裁判官は『景観権』を創設して、撤去命令の根拠としています。
もうお分かりだと思いますが、順序が逆なのです。
景観保護の強化ができるよう、根拠となる法律が昭和41年にできているにも拘らず、国立市の怠慢で遅れていたに過ぎません。世間には既に溢れんばかりに「景観保護に関する法律や条令」があるにも拘らず、今更のように「景観権の創設」をするなど全く「不自然な行動」としか言えません。私には、裁判官が「目立ちたいため」のスタンドプレーかパフォーマンスとしか映りません。

 □事後法
法の世界では、事後法で裁くことを「厳に戒めている」と聞きます。
前項で述べたように、国立市における判決は、今更ながらに「景観権」を創設して、撤去命令の根拠としています。私には、後追いで出来た「国立市の景観保護条例」を追認し、事後法で裁くことを糊塗するための方便としか思えません。是非一度、法律の専門家のご意見を聞きたいものです。
誤解のないように私のスタンスを述べておきます。
景観条例は絶対必要で、かつ「もっと強化すべき」と考えています。ただ、このような事後法で裁くのではなく、法治国家らしく「法に基づいて」運用するべきと思います。

 □人治主義
人治主義の怖さは「みんなで決めれば」リンチが成り立つことです。今回の出来事を見ていると、当にその罠に嵌り裁判官まで荷担してしまったように思います。
条例の制定遅れが原因で、景観にそぐわない高層マンションが出来てしまったのなら、訴訟の矛先は「行政」に向けるべきものです。行政はその責任を取り「買取の上、撤去すべき」と訴訟したなら、法治主義をまっとうできた筈です。
その「買取費用や撤去費用は誰が負担するのか」だって?当然、税で負担すべきで、その税は貴方達が拠出するのです。これほどに景観が大切であったならば、
 ・原告住民は、何故「早く条例を制定するよう」働きかけなかったのか?
 ・原告住民は、大学通りの景観を保つため今まで「如何なる負担」をしてきたのか?
ここでも、世間の住民運動に見る「自分の権利を他人に守ってもらう」甘ったれた姿勢が有りはしないだろうか。

写真で見る限り、撤去判決が出た建物は「100戸はありそう」だ。入居してまだ2年余りに過ぎず、誰も彼もが「ローンを抱えて」いるだろう。
原告住民に、マンションを購入して入居したに過ぎない「善意の第3者」の財産を奪い、撤去費と言う後ろ向きの費用を負担させ、更に「ローンだけが残る」不幸を押し付ける権利が何故あるのであろうか?
国立市には「景観を守るための税負担」でもあるのであろうか?
再度言おう『原告住民は大学通りの景観を保つため「如何なる負担」をしたのか?』
  判決では、高さが20mを越える部分の撤去を命じている。これは可能か?
可能か?と言う問いならば「可能」と言える。しかし、まったく現実的ではない。係争建物は44mの高さが有り、高度な防災設備を有していよう。建物の生活設備や防災設備は「全館でシステム化」しており、約半分を除去して成り立つとは思えない。また、上部撤去中に下部で生活を続けることは、あらゆる意味で危険である。少なくとも、いったんは「全員の退去が必要」である。このように考えれば、上部だけ除去を命ずる判決はナンセンスである。

 □実効性
原告はデベロッパーである「明和地所」を訴え、地裁は判決を下した。詳しい報道がないので分らないが、常識的に考えれば「明和地所に対し撤去命令を出した」のであろう。しかし、係争中の4年間で建物は完成し、分譲も完了して入居者に所有権が移っている。
 ・所有権もない明和地所に「撤去命令」を出して実効性があるのであろうか?
 ・撤去の実行については「明和と所有者が話し合うだろう」と思っているのであろうか?
これではまるで無知な裁判官の「お遊戯」のような話ではないか!私が裁判官の「スタンドプレーかパフォーマンス」と疑う理由の一つでもある。
原告側も本気であったかどうか疑わしい。明和地所に実効性のある責任を取らせたいのなら、原告は「工事差止請求」をするべきであった。そうすれば「入居者を巻込む惨事」は避けられ、なおかつ「景観は保たれた」筈である。但し、工事差止請求には相当の「供託金が必要」で、想像するに原告は負担を嫌がり「自分の権利を他人に守ってもらう」姿勢を通したのであろう。

 □私有権
我国は世界で唯一「無制限な私有権」を認めています。
この裁判は当然上告されるだろうし、実効性と私有権の補償が争点に上がるだろう。景観を守るため「建物撤去」が起こりえるならば、最大の被害者は「原因責任のない入居者」になる。そうなれば、建設許可を与えた行政に「私有財産の補償」を求める訴訟が起きるであろうし、今後10年以上にわたり不毛の係争が続くことになる。
行政や政治家の怠慢、パフォーマンスに走った裁判官、身勝手な原告住民。更には「非協力的なマンションデベ」によってこの事件は引き起こされたと言える。
dogfight注1:合法建築物に対し、後追いの理由をつけて「撤去命令」など出すべきではない。これを許せば「悪しき事例」となって将来に禍根を残すことになる。
工事差止請求の供託金も積まず、工事の進行を放置したまま、この結果を迎えるとは「最悪」ではないか!この事件が決着を見ることがあるとすれば「税の投与」以外に考えられない。
この係争には「知恵者」が多くかかわったはずなのに
 ・マンションデベ(明和地所)は高さ20m以上の部分の工事を中止する
 ・その損失補填は(行政が怠慢を認め)税で負担する。なお、住民も相応の拠出をする
こんな決着案が何故でなかったのであろうか?この案ならば、おそらく「3億円未満」で景観が保てたであろう。しかし、今となっては気が遠くなるような費用が必要と思われる。
dogfight注2:損失補填の対象は「建設中止による土地ポテンシャル未利用部分の補償および、販売戸数の減少による宣伝広告費の割高分を対象に考える。なお、マンションデベの「免失利益」は対象としない。また、建設費は「増減対象」として減額精算する。
kankeinonai追記/願い虚しく、宗像は採択から漏れました。
一人飲む酒はほろ苦く、久しぶりに訪れたお店のママは、肩を落とした私に涙ぐんでくれた…
021222(日)今時建設界事情2
本屋の店頭に「100年デフレ」と銘打った本が積まれていた。
バブルが弾けてから10年不況。これだけでもうんざりしているのに「100年デフレとは!」と思ったが、そんなに生きているわけでもなし「まあいいか」と諦めた。
某スーパーゼネコンが、傘下の協力事務所(下請けの設計事務所)に「日当の引下げ」を通告した。
成果品(図面)を、30代半ばの働き盛りの能力に換算して「この図面は1.5人工に相当する」と査定すれば『1.5人工×日当』で支払われる。この日当を「24800円/日」に改訂(6%ダウン)すると言う。
「1ヵ月=30日×日当」の売上になるなどとは思わないで下さい。土曜日を無視しても日祭日は休むわけだし、設計と言う作業そのものが推考とチェックを重ねるため「1歩前進半歩後退」を繰り返す。この「半歩後退」は査定されないので、1ヶ月の有効作業日数は精々15日程度になる。だから、1ヶ月フルに働いても売上は37万円程度でしかない。この売上から「事務所経費・交通費・各種保険代」等を差引けば、30代半ばの働き盛りで「税込み25万円程度」の給与が精一杯となる。勿論、ボーナスなど論外である。

技術者で「この程度」なわけで、工事現場の作業員ともなればもっと悲惨になる(以下は、建設業を営む友人から聞いた話です)。
この不況下では日雇いに明日はない。常用(雇用されている)の作業員は恵まれた方であるが、日々の仕事が保証されているわけではない。雨が降れば「仕事は休み」で日給精算だから収入にならない。勿論、仕事の確保が出来なければ、これまた「アブれる」ことになる。こんなに不安定で日当は「1万円/日」が相場。独身者には「寮が完備」されており、食住に不安はないが「寮費はきっちり引かれる」そうで、1ヶ月しっかり働いても「手取りで10万円あれば良いほう」という。
dogfight注:当HPがスタートした頃(4年前)の記述に「職人の日当3万円は高すぎる」とある。まさに「いまは昔」と言える。
このように建設業は「でもしか産業」として底辺の受け皿になっているが、人件費のデフレ進行は他の産業を圧倒して深刻なものがある。平均年収が1000万円を越える「金融業」や700万円を越える「お役人様」など、建築屋から見れば「雲の上の超エリート」に見える。そんなエリートを支えるため、下々の税金が投与されることに釈然としないのは当然であろう。
ちなみに、私が失業(事務所閉鎖)して、お情けで雇ってもらったら「給料はいくらくらいだろう?」と尋ねたら、答えは『10万円』であった。どうやら私の価値は「そんなもん」らしい。
021223(月)高速化の果てに
天皇誕生日。おめでとうございます。

普段から交流のある事務家具トップメーカーのI氏が、今度「映像部門」に配置換えになると言う。事務家具の売行きが低迷し、テレビ会議システムが順調なことからの移動のようだ。
早くからテレビ会議システムはあったのですが、ISDN回線で行っていたため「動画」が使えず、回線使用料も「分単位」で必要だったため、長い会議では「出張旅費のほうが安い」事態もあったそうです。そんな訳で「掛け声」ほど普及していなかったのですが、12MのADSLや光ファイバーといったブロードバンドの登場で、一気に大ブレークの様相とか。これらは「速くて使い放題」という決定的な魅力を備えています。
dogfight注:マイクロ企業の集まりである設計事務所。複数社でチームを組んで設計を行う時代になりました。データの互換性は-SXF(021213(金)電子納品-参照で可能になりました。打合せもテレビ会議でできるようになれば「分業化」が一段と活発になりそうです。
BBの普及でIP電話も急浮上。
個人でシステムが組めるなら、BB同士は通話料不要ですが、知識のない私などお手上げです。そこでIP電話サービスが登場し「格段に安い通話料」で利用できるようになりました。光ファイバー網を構築し、自らBB事業に乗り出した関西電力は「社内電話網をIP電話化」することを発表しました。今後IP電話は企業で一気に普及しそうです。
携帯電話も「動画通信」の時代に入り、益々若者をひき付けている。
中高生まで人気の携帯電話ですが、通話料の負担は緩くなく、見方を変えれば「若者文化の破壊者」という側面を持っています。しかし、この携帯電話もIP化が可能だそうで、そうなれば今は「我が世の春」の携帯電話業界に黄昏が訪れるかもしれない。
ブロードバンドと携帯電話の普及は「ガリバー企業・NTT」の凋落を招きました。ここには、新しい技術が「産業地図を塗り変える」という、非情な摂理が働いています。

現時点では、光ファイバーの100Mが最高速だが、通信速度は何処まで高速化するのか?
テレビ会議やIP電話は通信の高速化があってこそ変貌普及を遂げてきた。更なる高速化はやがてコンピュータを変えるだろう。今はOSがありソフトが必要だが、高速化の果てには「マザーコンピュータに接続」して使い『端末機があればよい』時代になるだろう。その時、世界を制覇したマイクロソフトが終わるときかもしれない。
追記
我家のADSLは障害が起きており本来の能力を出せませんが、それでも「使い放題」の魅力は大きく、休日など終日繋ぎっぱなしです。
障害解消には光ファイバーの導入しかないのですが、団地生活だけに個人で導入ができません。マンモス団地故にコンセンサスの醸成は容易ではなく、光ファイバー導入の目処が立っていません。我家に「IP電話」が入るのは何時の日であろうか…

kankeinonai追記
「021014(月)
ラーメン劇場」に続いて、2度目のラーメンに行ってきました。前回は、1時間以上並ばされたのですが、今回はご覧の通り「並ぶ人もまばら(写真)」です。人の移り気の早さに呆れる思いがしました。
021224(火)クリスマスイブ豊郷小学校人権教育
いきなりテーマと関係のないことから…
今日はクリスマスイブ。何故「イブを祝うのか?」でこんな記事がありました。当時のユダヤは-日没を持って日付が変る-暦で「24日夜」に生まれたイエスさんは「25日が誕生日なった」そうです。でも、宗教的ノンポリの私には関係ない、まして子供が大きくなった昨今まるで縁がなくなった。
豊郷小学校
滋賀県にある「豊郷小学校建替え問題」が泥沼の様相を呈してきました。
今年は、建築に絡む「社会問題」が多いようです。豊郷以外でも、ガス爆発で巻き添えを食った「法善寺横町の再建問題」や、先日の「国立景観問題」があります。これらの報道を見ていて、不思議に思うのは「建築の専門家」が登場しないことです、何故でしょうか?
私には、豊郷小学校問題について「正否を判断」するだけの情報も能力も持ち合わせません。そこで「疑問」だけ提示したいと思います。

 □耐震診断
建替えの根拠は「耐震診断で不可と出た」としている。この診断に不正があったとして、町長を「刑事告訴する」動きがあるそうです。
現行の「耐震設計」は昭和56年制定の新耐震基準をベースに、阪神淡路大震災のデータをもとに強化したものを使用しています。ちなみに耐震診断とは、阪神淡路大震災で多くの建築物が倒壊したことから、現行耐震基準に照し合せて既存建物が「大丈夫かどうか?」判定する制度です。診断方法は「マニュアル化」されており、不正が入り込み余地はないと思うのですが、如何にして行われたのでしょうか?報道によれば「柱を小さく入力した」というが、誰が測定したのであろうか?仕上げ厚さを除いた「有効断面」など、容易に測定できないと思うのだが…

昭和56年以前の建物で、耐震診断をしてクリアできる建物など滅多にありません。ましてや、昭和12年に建設された豊郷小学校が「診断をクリア」できる可能性など『0』と言っても過言ではありません。これはもう、柱サイズ云々以前の問題だと思います。ただ、耐震診断をクリアできなくても「違反建築」ではないし「今にも倒壊する危険な建築物」というわけでもありません。だから耐震診断の「不可」を理由とした建替えは、強引と言えそうです。まことに「危険」と言う診断が出たのなら、内容を広く公表し「構造の大家」から支持を取り付ければよいだろう。

 □不正発注
耐震診断をした設計事務所と、新校舎の設計を担当した事務所が同じであることから、保存派住民から「不正があった」と言う疑惑がもたれているそうです。
最近の公共事業は、業務を細分化して発注する傾向があります。本来「一貫して行うべき」ことも細分化されており、弊害も出ています。そこで「1円入札」で知られるように、現実には「同じ事務所」が継続して受注することが多いのです。不正かどうか?厳密には判断に苦しみますが、これを不正と断罪するなら「公共事業の大半は不正」になろう。もう少し冷静になったほうがよいのではないだろうか。

 □歴史的建造物
住民運動の反対理由は『歴史的建造物』にあります。では、誰が『歴史的建造物』と判定したのでしょうか?(マスコミはこのことに付いてまるで報道しない)我国には、多くの建築団体があります。有名な先生方が所属する団体もあるのに、この問題ではまるで登場しません。優秀な建築物を毎年顕彰しているのだから、こんなときこそ「判定」で一役買えばよいのに!
豊郷小学校はヴォーリズの設計で昭和12年に出来ました。うむ〜昭和12年が「歴史」かどうか?判断に苦しみます。また、ヴォーリズの作品集は紹介作品リストでご覧になれます。豊郷小学校もご覧いただけますので、他の作品と比べてみてください。皆様は如何お感じでしょうか?
  021225追記
ますます「泥沼の様相」を呈してきました。
裁判所の保全命令を無視して解体を強行。刑事訴追。一転して保存決定。警察の現場検証等々…更には「保存方法は同床異夢」で新たな火種になりそうです。ここでも、建築の専門家が登場しない!
大阪中ノ島にある中央公会堂は、4年の歳月と40億円の巨費を掛け「保存補強処置」が行われました。おそらく、新築ならば半分の費用で出来たであろう。
豊郷小学校の保存も同様に「費用倍増」が予想される。更に、当然であるが「現行の学校整備基準」を満たしていない。住民は保存強化して「小学校として再利用」を要求しているそうだが、これには「大幅な予算超過」と「超法規(現行法規に適合しない)処置」が必要となる。本当に「全住民のコンセンサス」があるのだろうか?
仮校舎で授業をしているそうだが、これから保存方法を検討するようでは「10年仕事」になるだろう。
 ・部分的な保存
 ・非学校用途として再生(校舎は別に建設)
こんな「現実的な話し合い」は出来ないのであろうか?

人権学習(021223産経新聞から)
大阪の府立高校(何処かは不明)の人権学習で「北朝鮮の拉致問題」を取上げようと提案したところ、人権担当の教職員会議で「6:2で否決」されたそうです。否決理由は…
 ・北朝鮮のトップが謝罪して決着したことをことさら問題視して生徒に伝える必要はない
 ・生徒が「北朝鮮は悪い」と言う印象だけを持つ
 ・日本と北朝鮮は価値観が違う
 ・日本の植民地支配も取上げないと不公平
 ・在日朝鮮人への嫌がらせをメーンにすべし
ちなみに、同校の校長によれば「拉致はまだ確定しておらず、客観的な資料も揃っていない」そうだ。如何ですか?
「日本の植民地支配」教育など、呆れるほど溢れていると思うけど。更に、阪神淡路大震災やワールドカップなどに見る「冷静な対応」があっても、まだ「在日朝鮮人への嫌がらせをメーンにすべし」だろうか?むしろ、日本人への「嫌がらせ」をいいかげん止めて欲しいと思っているのは私だけであろうか!
そんなに「北朝鮮が理想」なら移住すればよい。さぞ「奥様も子供も喜ぶだろう」に…
021225(水)サリドマイド
「サリドマイドが個人輸入されている」という記事を目にして「ぎょっ!」としました。
サリドマイドは「副作用のない睡眠薬」とされ、妊婦の「つわりの苦痛を除く」薬として、ストレスの多い妊婦に多用されたようです。ところが、サリドマイドの副作用で「四肢奇形児」という悲劇を招きました。サリドマイド児が就学時期を迎え、世間で再度問題提起された頃に、長男が生まれただけにとても「他人事」とは思えない記憶として残っています。このように「おぞましい薬」と言う印象があるだけに、個人輸入云々と言う記事に驚いたのです。
そこで、インターネットで調べてみました。
サリドマイド事件は他では聞けないくすりのはなしに、分りやすく簡潔に述べられており大変参考になりました。ダイジェストしてご紹介します(文責=dogfight)。
サリドマイドは西ドイツで「てんかん患者の抗痙攣剤」として開発
深い眠りと副作用が少ない(大量に飲んでも死亡しない)ことから、一般的な睡眠薬となり、病院や精神科施設などで広く使われる。特に、妊娠中のつわりの苦痛を除くのに用いられた
昭和30年代半ば、サリドマイドを服用した妊婦より手足の奇形(アザラシ症)がある子供が産まれるという悲劇が起こる=サリドマイド事件
昭和36年(1961)11月、西ドイツのライン・ウェストファーレン小児科医師会会議でハンブルグ大学のW・レンツ博士がサリドマイドと四肢奇形の関係の研究報告をして以来、サリドマイド含有の医薬品は全面的に回収
その後、サリドマイドはアメリカで「ハンセン病に伴う炎症の治療薬として認可」され、ハンセン病の特効薬として知られている(ただし、非常に厳しい使用制限がかかっている。また、女性患者だけでなく男性までも避妊が必要)
さらに、サリドマイドの新しい薬効として、骨髄のがんである「骨髄腫に有効」であることがわかり「日本骨髄腫患者の会」が窓口となって2000年7月6日ブラジルから輸入(症状で見ると約1/3の患者が改善したという報告があり、アメリカでは既に1998年10月に骨髄腫の承認がとれている。なお現在、製造輸出している国はブラジルだけ)
サリドマイドの数奇な運命を始めて知りました。
ある本(題名を忘れました)で、人類が発明した最高の薬は「ピリン」だと言う記述を呼んだ記憶があります。私は、ピリンが使えない体質ですが、副作用のない方にとって「万能薬」に近いものがあるようです。
サリドマイドも、四肢奇形児という悲劇的な副作用を除けば
 ・てんかん患者の抗痙攣剤
 ・大量に飲んでも死亡しない睡眠薬
 ・妊婦のつわりの苦痛を除く
 ・ハンセン病の特効薬
 ・骨髄腫に有効
なんと優秀な薬なのでしょう。

追記
五体不満足:乙武広匡(おとたけひろただ)講談社
呆れるほど陽気な「乙武さん」時期的にサリドマイド過とは思えないのですが、なにが原因だったのだろう?(すいません余分なことですね)
021226(木)新たな犠牲者
年の瀬も押迫りました。今更「急な仕事」もありそうになく、私なりに「けじめ」をつけたくて日影ソフトメーカーにおこし頂きました。
日影訴訟の資料作りをしたことは、当HPでお話しました。今年入替えた「日影ソフト」を本格的に使ったのはこれが始めで、使ってみて気付くことも多いのです。そこで日影ソフトメーカーに「バグ情報と改善要求」を提示しました。
----バグ情報----
電話で伝えても「操作を間違えたのでしょう」と取り合ってもらえなかったのですが、目の前でオペレーションをして「バグが表れる」様に、やっと認めてくれました。早急にソフトを直すそうです。
----改善要求----
 その1
コンピュータで日影図を作るには、対象となる建物を入力する必要があります。
通常は、CADデータを読み取り「自動入力」するのですが、複雑な形やデータ修正はマニュアルで行います。このとき、建物は「高さ別にブロック分け」をして、2次元座標(平面形)を入力したあとに「高さを入力」します。2次元の入力方法は、四角形なら「4ポイント」を座標指定して「マウスの右クリックで収束」します。
この方法は、CADを使い慣れた者にはイレギュラーです。CADならば始点=終点の「同じポイント」を2回指定するので四角形を入力するのに5ポイントが必要です。だから、日影の入力でも「つい5ポイント」を入れてしまいます。この時、
 ・画面上では「建物」が表示されるが、コンピュータ内部では「エラー扱い」で、建物と認識しない
 ・2次元で「エラー扱い」をしながら、高さの入力を受付ける(2次元が存在しないので実体はない)
このため、オペレータは入力ミスに気付きません。出来上がった日影図を見て「あるべき日影がない」ことから始めてミスに気付きます。ここには、コンピュータが演算したことを「知識のある人間がチェックする」漫画みたいな世界があります。
そこで私が出した改善要求は、入力ミスがあれば「ミスを表示、あるいは受付拒否」して欲しいと言うものです。これは、私の感覚で言えば「バグに近い」と思っています。

 その2
日影ソフトで処理したデータは、基本的に「CADに取込んで加工」します。この時DXFを使うのですが、
 ・データエクスチェンジできない部位がある→変換して欲しい
 ・レイヤー(情報の分類)が全部一緒になってしまう→レイヤーを分けて欲しい
このように、酷く利用価値を下げてしまうので改善を要求

 その3
日影図は、一処理当り時間帯別と時刻別に「最大32種のデータ」を作成します。この、32種類のデータを「同一画面に表示」するため、余程日影に詳しい人でも混乱します。そのため、ユーザー指定で「複数画面に分割表示」できるよう改善要求

 その他
平成15年1月1日からスタートする「道路斜線制限の緩和と天空率(別個にページを設けます)やSXFに関すること
まだ、日影ソフトのポテンシャルの5%ほどを使ったに過ぎませんが、各種取り混ぜ10項目ほど要求しました。今後、複雑な処理に取組むごとに「バグ情報や改善要求」を出すと思います。思い起こせばその昔、CADを始めた頃に、余りの「バグ情報や改善要求」の多さから、結局「CAD開発に参画」するようになりました。日影ソフトメーカーは「新たな犠牲者」かもしれない…
021227(金)決算
MACは10月決算で、12月末が申告期限です。
総勢1.5人(かおりは隔日出勤)の小さな事務所で「決算報告」もないもんだと思いながら、順法精神に富む私は商法をきちんと守っている。
今期の決算は「200万円の赤字」で会計事務所から誉められた。返済を凍結していれば赤字になっておらず、今時この程度の赤字なら「立派なもんだ」そうな。この事態は予想されたことだけに、春にドラスチックなリストラを敢行したのですが、尚且つこの赤字とりました。結局、支出は限界まで押えたが、売上の落込みをカバーできなかったわけです。
決算が終わって累積赤字は約450万円。MACの資本金は1000万円なので、まだ債務超過に至っておらず、これまた立派と誉められた。更に「債務残高は200万円まで減少」しており、この状況で経営審査を受けたなら「好スコア」が出るだろうとのこと。今なら、銀行へ借入を申込んでも「OK」ではないかという話しに、思わず笑ってしまう。
今日は「御用納め」です。
来年の初出は1月6日、暦の巡り合せで「9連休」という長い正月休に入ります。結局「目処がたたないまま」新年を迎えることとなりました。ただ、悲壮感はなく「ケセラセラ」の心境で、世間並みに「更なる不況に突入」です。さてどうなりますやら…
追記

昨日、3度の心臓発作で「緊急入院するよう」指示されましたが、正月は我家で向かえたいので「絶対安静」を条件に許してもらいました。まだ「人生の決算」はしたくないしね…
kankeinonai追記
かおりのMACにおける勤務は昨日で終わり、一足早い御用納めです。去年と比べ1/3になった事務所で、掃除も格段に楽になりました。とは言え、寂しさがつきまとう年の瀬です。
021228(土)金融梗塞
みずほグループの5兆円を始め、主要銀行合計で中小企業向け融資が「9兆円以上縮小」と021225に報道され、金融庁は指導に乗り出すそうな。かねてから問題視されている『貸し剥し』が、具体的な数字として出てきた証です。税金で「お助け」を受けながら、税を負担している庶民を痛めつける銀行の姿勢は、一体なんであろうか?もっとも、私など「中小」の範疇にも入らないので「お前には関係ない」と言われそうである。
金融機関は「資産運用」をして利益を上げるものだと思うのですが、まことに不思議な存在です。貸し渋りは当り前で「銀行借入」を前提にしたプロジェクトなど、超優良企業以外考えられません。普通の企業にとって、資金調達先に金融機関を考えるなどとても無理です。それどころか「貸し剥がし」と呼ばれる前倒し(強制)回収が横行しており、これをやられると普通の企業なら倒産に追い込まれます。
金融再生機構だけでは金融機関の健全化がおぼつかぬと、今度は「産業再生機構」を作り、金融機関の持つ不良債権買取りを目指すとか。ところが、不良債権の回収(市場から資金引揚げ)を急げば急ぐほどお金の流通量が減り「資産デフレ」が加速、さらに不良債権が増えると言う悪循環を絶つことが出来ない。
そのくせ私から見れば、金融機関は「乳母日傘」に過ぎない。
 ・金融機関の統合はしたけれど、支店網の統合はまるで進んでいない
 ・リストラはしたけれど傍系に振っただけで、実質的なスリム化は「?」
 ・厚生施設の売却など耳にしたこともない
 ・1000万円を越える平均給与の「世間との整合性」は図るのか?
本来なら金融機関自身の「スリム化」でこの難局を乗切るべきなのに、己の痛みを嫌うばかりに、貸し渋りや貸し剥がしで「帳尻あわせ」をしている。私は別にアナーキストではないが「一度日本を潰すしかない」という意見に思わず肯いてしまう。
021229(日)民主主義と住民運動
昨年から「マンション管理士」と言う制度が出来ました。様々に新設理由が言われていますが、本音は今後顕在化するだろう「マンショントラブル」に備えるためだと思います。初期のマンションはそろそろ「建替え時期」を迎えており、建替えの目安を基準化すると共に、訴訟に持ち込まれることを避けるため、マンション管理士に「ジャッジ」の役目を受持たす目的があります。
マンション運営における議決は、内容によって「理事だけで決定できる」ものから「総会で承認が必要」なものまで細かく決められています。また重要度によって、単純過半数で可決されるものから「7割の賛成が必要」と言ったように多数決の内容が異なります。
今年は、建設絡みの「住民運動」が目についた年でした。
最近では「豊郷小学校保存問題」がありました。マスコミは「住民運動=正義」と言う単純な論理で応援擁護しますが「本当に住民の総意か?」に触れた報道がありません。また、総意とは「単純過半数でよいのか?」と言う疑問もあります。
何故このようなことを言うのか?と思われるでしょうが「何でも反対の天邪鬼」で言っているわけではありません。特に、建設絡みの住民運動には「費用負担が伴う」ことが多く、本当に「住民の総意か?」を確認しておく必要があるからです。
以下『豊郷小学校保存問題』に関し考えてみたいと思います。なお、私は保存技術のプロではありませんので「建築屋の常識の範疇」であることをお断りしておきます。

 □建物強度
マスコミ報道では、充分強度があるにも拘らず『危険』と言う理由をつけて壊そうとしている→「だからけしからん」と断定しています。一体誰が「充分強度がある」と判断したのでしょうか?まるで説明がありません。問題の建物は鉄筋コンクリートで出来ています。ここで、コンクリートのことを少し理解してください。
 ・コンクリートは水と反応(化学水)して凝結し、強度を発揮します
 ・コンクリートはアルカリ性で、大気と反応し徐々に中性化します(中性化すれば強度を失う)。
コンクリートの寿命は「100年」が定説です。その理由は理論的に「100年で中性化し強度を失う」と考えられるからです。コンクリートの歴史はいま100年を迎え、この説の真価が問われています。目視では問題ないと思える建物から、見るからに危険と思われるものまであり、当時のコンクリート品質と大気の汚染状態でバラツキが出ているようです。
税法上、鉄筋コンクリートの建物の耐用年数(有形償却資産)は60〜65年とされています。この年数は、コンクリートの中性化を「考慮すべき時期」と一致しています。
dogfight注1:アントニオガウディーの作品で知られる「サグラダファミリア」は1882年から着工し120年が経過している。途中(100年前?)からコンクリートが使われているが、既に風化(砂上に剥離)が見られる

豊郷小学校は鉄筋コンクリート造で築後65年が経過しています(戦争に物資を取られ、一般論では「あまり良い品質」の時代ではない)。
町側は、耐震診断の結果「危険」と言う理由付けがなされたそうです。この判断が強引であることは-021224豊郷小学校-で触れた通りです。
保存派住民は「診断方法に間違いがあった」として「充分強度がある」と主張しています。しかし、私はこの説に組する気持ちになれません。耐震診断は昭和56年以前の建物の「強度を診断するもの」で、旧基準の建物で「耐震基準をクリアできるものなど殆どない」現実があります。まして、如何に「正確に診断しても」昭和12年の建物が耐震診断をクリアできる分けがありません。
更に言えば、真剣に保存問題を考えるには、耐震診断以前に65年の中性化(経年変化)を調べる「劣化診断」を先にすべきです。劣化診断もなしに「安全」だと叫ぶ人を私は信用できない。
dogfight注2-1:3月16日にシンポジウムが開かれて、私から見れば「雲の上の人」の先生方から「大丈夫」が連呼されている。しかし、コアサンプル検査や耐震診断結果という、科学的データの提示がない。こんなときだからこそ科学的データが必要ではないだろうか?
dogfight注2-2:10月に大学教授を招いて「耐震診断」の緊急学集会を開いている。この会の内容紹介がないが如何様であったのだろう?冷静で客観的判断が示されたのであろうか?この後「充分強度がある」と言う声が大きくなったように思うが…


 □劣化診断と補強方法の検討
劣化診断が必要な理由は「現時点での強度の把握」と「劣化進行の防止法を探る」ことにあります。劣化状況を把握し、不足している強度を正確に知るべきです。
補強方法には「スプレーを振掛ければ良い」と言った安直なものはありません。一般的な方法は「従来の架構(構造体)に頑強な鉄骨フレームを沿わせて補強」します。これは無骨でスペースを取り、あまり良い評判を聞きません。高速道路の橋脚などでは「炭素繊維で包帯を巻く」方法があります。いずれも補強跡が目立つ方式で「歴史的建造物(=文化的価値があるの意味であろうか?)=文化財」の保存補強にそぐわないと思います。

-021224豊郷小学校-で触れた「大阪中ノ島の中央公会堂」の、補強・保存工事は4年間でしたが、補強方法の検討期間を入れれば10年を越えると思います。(同記述で「10年仕事」と述べたのは、ホラ話でもハッタリでもないつもりです)
補強個所は何らかで「歴史的建造物」にそぐわない痕跡を残すと思います。歴史的建造物=文化財だけに「犠牲になる部分」を決め、絶対残したいところを守ったと思います(全てが公開されているわけではないので、裏方が良く分らない)。だから『文化的価値を保存する場所』と補強して『必要な強度を確保する場所』の棲み分けを慎重に検討する必要があります。そのためにも、正確な情報(劣化診断)が欠かせません。

 □同床異夢
恐れていた通り、保存方針を巡り町長と住民の対立が表面化してきました。021227正午のニュースに寄れば
 ・町は「保存はするが、小学校は別に新設する」と表明
 ・住民側は「補修すれば充分使える」とし、町の方針は「無駄遣い」として告訴を検討
このニュースを聞いて、保存派住民が持っている「歴史的建造物」「補強補修や保存」に対するイメージが分らなくなってきました。
「歴史的建造物=文化財」であるなら、創建時の形態を忠実に残すのが普通です。
 ・保存のための補強なら、上記に述べた「慎重な検討が必要」な筈です
 ・保存のための修理なら、文化財と同じ手法が必要な筈です
文化財の補修(修理)は「創建当時と同じ材質」にこだわります。昭和12年当時なら「漆喰」が多用されたのではと想像するのですが、漆喰部分の補修には「当時の漆喰の分析」から始めるはずです。
dogfight注3:私の先輩に「古文書の復元修理」をなさっている方がいらっしゃいますが、対象となる古文書と同じ時代の紙や墨を手に入れるのが何よりも大変とおっしゃっています。
保存派住民の言う「補強や補修」の意味は「無骨な鉄骨で補強して、新建材で修理する」ことなのでしょうか?「補修すれば充分使える」と言う言葉から、こんなイメージしか伝わってきません。
dogfight注4:豊郷小学校保存運動には、多くの(高名な)建築家が参加しているが「歴史的建造物における保存のための補強や修理方法」に付いて正確な情報が伝えられているのであろうか?それとも「建築家の常識」と「建築屋の常識」は違うのであろうか?

 □保存プロセス
文科省副大臣から「文化財の指定を受けてはどうか」と打診があったそうです。これは、豊郷小学校を保存するには最適な大儀名分になります。また、申請が受付けられれば保存費用の補助も受けられます(ただし、この手続きだけで4〜5年は掛かりそう)。
豊郷小学校を「歴史的建造物=文化財」として保存するなら、その費用を如何に捻出するつもりであったのだろう?保存運動のサイトを見ても「保存方法やその費用」に関する記述がありません。今までは、解体から守るため「保存」の大合唱でよかったかもしれないが、少なくとも「保存の合意」が出来た今、現実を見据えた「方法論」が出てきても良いのではなかろうか。
仮に、文化財の指定を受け「補助金が出ても」町の負担が消えるわけではありません。人口が7千人を僅かに超えるしかいない豊郷町に取り、容易な負担(新築するよりずっと高額)とも思えません。時間も、新築するよりずっと掛かるはずです。「住民運動」とは言え、どれだけの方が「保存事業の困難さ」を理解されているのだろう?住民運動指導者は出来るだけ早く、全町民の理解が得られるよう努力する必要があろう。

何かと「胡散臭さ」がつきまとう町長ですが「保存はするが、小学校は別に新設する」発言に、私は賛成です。マスコミが「住民の正義」をヨイショすればするほど、引っ込みがつかなくなる分けで、そうなれば冷静に保存問題や小学校の新築問題が検討できなくなります。
町長は「建築士」だそうですが、何故住民に「保存するには費用も時間も掛かる」という正確な情報を開示しなかったのでしょうか?
不可解な町長の行動と思慮不足な住民…大変失礼ですが私にはそんな風に見えてしまいます。

 □公共性
耐震診断は主に「公共建築物」で行われています。理由は、公共建築物が「災害時に拠点となる」ためです。拠点が倒壊してしまえば、救援活動に支障をきたします。学校は、収容能力が多いので「住民の避難拠点」として指定されます。私はこの意味でも「小学校の新築と保存問題を分離」すべきだと思っています。
dogfight注5:我国では、建物の強度を「法で定めて」おり、一般の建物も公共建築物も同じです。独自の強度基準を持つのは我国では自衛隊だけです。しかし、アメリカでは「強度は話し合い」で決めることが出来ます。当然、公共建築物の強度が強化されていることは言うまでもありません。
021230追記
「保存」のあり方を巡って、住民同士が揉めだした、恐れていた展開です。当ページで示した「本格的な保存」を望む住民と「新建材派」が衝突している。建築家の先生方も、保存運動に関与するなら、住民のコンセンサス作りまできちんと指導するべきであろう。
021230(月)小さな話
耳からの情報
狭い道路で、対向車と「ご対面」となりました。幸い、先方がバックしてくれて問題なく解決したのですが「携帯電話を掛けながら」狭い道路をバックする運転に、呆れるやら感心するやら…

本を読みながら音楽を聴こうと思い「MDウオークマン」を買ったことがあります。
しかし一度聞いただけで、当時事務所にいた陽子ちゃんにプレゼントしてしまいました。理由は、音楽を聴きながらでは「全く本が読めなかった」からです。耳から入る情報が「如何に比重が大きいか」を知る出来事でした。
移動中に電話が入ることもあり、歩きながら携帯電話で話すことがあります。そんな時、何度「電柱にぶつかりそうになった」ことか!どうも私は器用ではないようです。
白が流行
白のコートを着る人が目立つようになりました。やはり「今年は白が流行」だそうな。
意地汚い私は、汁物など「飛び散らかす」ため、衣類にすぐシミを作ってしまいます。だから、白の衣類など「とんでもない」と言うことになります。『白』は昔から好きな色なのですが、我がこととなるとこのように無理があります。今更「行儀が良くなる」分けもなく、横目に見るしかなさそうです。
kankeinonai追記 息子夫婦の帰省は急遽中止!残念
年末年始で「お酒が美味く」飲める筈なのに、健康面で黄信号が出ており「控えめ」にします。4年前に煙草を止めましたが、どうやら「酒をやめる」時が近づいているようです。
021231(火)法改正のお知らせ
大晦日、今年も今日で終わりです。皆様は如何な1年だったでしょうか?
3年前に「規制緩和」を目指した建築基準法の大改正がありました。この時は「理念の発表」に留まり、具体的内容は後日となったのですが、その後毎年のように「指針や細則」が発表され施行されてきました。従来の法規が見直され、大きく内容を変えただけではなく「新たな緩和」が創設されました。大きな項目だけでも
 ・連担建築物設計制度=連なって担保する手法で「空中権の遣り取りが可能」になった
 ・性能設計と検証法=自己責任と検証で「規制緩和の範囲」が拡大できる
  -避難安全検証法で使用規定の除外を受ける-
  -限界耐力計算で構造評定の簡素化-
  -免震告示で審査の簡略化-
これらが既に運用されており、さらに平成15年は
 ・1月1日より「天空率が確保できれば道路斜線制限が緩和される」
 ・7月1日より「シックハウス規制」がスタート
このように、建築主にとってメリットのある緩和や、シックハウス規制がスタートします。まもなく56歳になる私には、毎年の改正に追随できる自信が持てなくなってきました。とはいえ、ギブアップは「賞味期限切れ」の表明につながります。全てが分っているわけではありませんが、自己研鑽をかねて「整理してご紹介」しようと思います。
 □天空率
我国では「直射日光」で日照時間を担保するよう法制化しています。しかし、人口密度が高く緯度も高い日本では無理な法制だと思っています。太陽光は直射光の他に「天空光」と呼ばれれ大気中の雲に乱反射して差込む光があります。北側の部屋でも朝になれば明るくなるのは、この天空光があるからです。私は、天空光の担保で日影問題を論ずるべきだとすら思っています。

建築基準法では、道路面に対し「一定の空間を確保」するよう『道路斜線制限』を設けています。目的は、日照通風の確保と防災空間(例えば、梯子車の旋回空間)の担保です。これは、建物高さを制限するものとなっています。
平成15年1月1日より「天空率が確保できれば道路斜線制限が撤廃する」制度がスタートします。これは、道路斜線制限をクリアしたときに担保される天空率より「より大きな天空率」が確保されるなら、道路斜線制限を撤廃できる制度で「規制緩和」の一環です。
空地率を上げる(建蔽率を下げる)と天空率が下がる傾向があります。乱暴に言えば「天空率」の導入は『高層化を促し空地率の増大を促す』制度といえそうです。

1月1日施行でありながら、内容(手法)がまだ確定されていません。
道路斜線制限適用で担保される天空率<より大きな天空率の確保で道路斜線制限を撤廃
制度としては分りやすいのですが「天空率の計算方法が未確立」です。
とても「手計算で出来る」代物ではありません。当然、コンピュータの出番ですが、ソフトメーカーを集めて説明会が催されたのが11月半ばのことで、イレギュラー事例に対する質問の回答は「いまだ来ていない」状況だそうです。建築関係者への講習会も、東京が平成15年2月12日、大阪が13日の予定で「これから」といったところです。そんな訳で「皆様にこれだけのメリットがあります」と、お話しできる状況にありません。ただ、広く恩恵を受ける制度とは言いがたく、おそらく恩恵を受けるのは『高密度利用地域(商業地域)で道路巾が狭いところ』くらいだろうと想像しています。
 □シックハウス規制
社会問題となっている「シックハウス症候群」に、建築サイドからも対応しようとこの法制度が出来ました。
   シックハウス症候群とは
建物が原因でのめまい、吐き気、頭痛、平衡感覚の失調や呼吸器疾患などいろいろな症状、体の不調を感じる事が大きな問題となりつつあります。
シックハウス症候群とは(Sick Building Syndrom)の和略。Sickとは「病気の」という意味。直訳すれば「病気の家症候群」とでも言うべきなのでしょうか。
個人あるいは、組織で早くからシックハウスの研究が進められてきましたが、ようやく法が動き出したところです。ただ、これを守れば「完璧」と言えるかどうか?私は専門外ですが「何となく心もとない」気がします。
 ・換気(空気の流れ)の必要性を唱える山田設計 ・室内空気対策研究会
では「シックハウス規制」を簡単にご説明しましょう。 
対象化学物質 規制される建材 備考
・クロルピリホス
・ホルムアルデヒド
◇内装下地材 ◇家具建具 ・住宅は「住戸単位」
 で規制
・住宅外の居室も対象
・木質系下地ボード類
(合板、パーティクルボード等)
・フローリング
・壁紙
・システムキッチン
・洗面化粧台
・収納キャビネット
・建具
 ・規制対象となる化学物質を定め、含有量に応じて建材等級(第1〜3種)を認定する
  (含有しなければ規制対象外)
 ・等級別に使用面積を定め(下表参照)、許容量を越えると換気装置が必要
 ・換気回数は下表による(換気不要の条件もあるがレアケースであろう) 
居室の種類 換気設備の換気回数
(回/時)
使える建材面積(床面積に対する割合)
第2種 第3種
住宅等の居室 0.5以上 0.3倍 2倍
0.7以上 0.8倍 5倍
上記以外の居室 0.3以上 0.3倍 2倍
0.5以上 0.7倍 4倍
0.7以上 1.1倍 6.6倍
 ※第1種は使用禁止(居室以外ならOK)
 ※居室間の機密性が必要
 ※階層間の天井裏も居室と同等の対策が必要
例=子供室を第3種の仕上げ材で内装したら、2倍を越えたので「0.5回の換気」が必要になった

 ◇内装材の開発状況
 ・壁紙の対応商品は準備OK
 ・フローリングの対応商品は「きつそう」
 ・家具材の対応商品は「絶望的」
こんな状況で、7月の施行開始時点で「機械換気免除」が受けられる建材の開発は「ちょっとシンドイ」状況のようです。

 ◇換気装置の問題点
当規制は、仕上げ材と換気装置の組合せで対策を構築していますが、規制とは別次元で「生活空間の改善」には次の努力が理想です。
 ・対象物質「0」の建材をできるだけ使用する(完全に「0」は無理だろうけど)
 ・緩やかな換気機能の維持(機械換気又は、壁の空間を利用する対流式自然換気)
このとき、機械換気方式には幾つかの問題があります。
 その1
従来、換気とは「10〜30回/時」を基準としてきました。今回の法改正で目指している「0.3〜0.7回/時」と言う性能は、従来の技術では大変難しいものがあります。この、少量換気を実現するために「小型の換気装置」を付ければよいと思われるかもしれませんが、小型にすれば「必要な静圧(空気を流動させる圧力)」が確保できません。
dogfight注:空気(気体)は、液体ほど「パスカルの原理=圧力を一定にしようとする動き」が有効ではありません。
おそらく、天井裏をエアチャンバーとして低風量で静圧が確保できるシステムの開発が必要になると思います(すみません!技術用語以外で説明する方法が見つかりません)。とにかく、現状では「0.3〜0.7回/時と言う低風量換気装置がない」と言うことです。現況技術でできることは、現存する設備で「1時間当り5分だけ稼動する」といった方式になると思います。これでは折角装置がありながら、非稼動時は「有害ガスを溜める」ことになります。
 その2
住む人が「必要」と感じてくれれば良いのですが「いらない」とか「面倒」と考えて『スイッチを切ったら』らどうするのか?このシックハウス規制には「off予防策」が盛込まれていません。また、申請だけ「付けることにして」違反する人の防止法もありません。
いずれにしろシックハウス規制を守るには「結構な費用が掛かりそう」です。この規制が守られるかどうか?は、クライアント(と入居者)次第と言えそうです。
これで、今年の「昨日の日記」は終わりです。皆様良いお年をお迎えください。


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