dogfight高松の長すぎるひとり言
2002年5月
エッセイ&コラム

題名不詳方角気ままな仕事女は怖いDSLの一人勝ち弱者の怠慢GW総決算クーデンホーフ光子プロ意識襖絵我が国は独立国か?本のことスーチー女史介護型ケアハウスの裏側22cm旅情怒れ!建築雑誌の責任隔世の感日本語の本木造で造りたい色気価値観宗像グルメ旅借金は怖いおまえもか!日常から30年ぶりの邂逅リサイクル法高すぎるメンテ料2:8
020501(水)題名不詳
 ■信用低下
引越しの際、狭さから「486」を廃棄したため、日影ソフトが使えなくなっていました。
それでも1ヶ月間我慢したのですが、仕事は待ってくれません。結局、キャンペーン期間を利用して、格安でウインドーズバージョンのソフトを購入しました。ところが…
ソフトメーカーから「現金と引換え」と言う条件がつきました。
事務所を始めて25年、こんな経験は初めてです。事務所を縮小するって「こう言うことなんや」と、思い知らされる出来事でした。
 月末
GWの谷間。
振込みやら図面を届ける用事が重なり、おまけに来客予定も多い1日。堪りかねて、かおりに応援を求めました。昨日は月末のことゆえ「銀行もラッシュ」で、なんと1時間以上も待たされたそうです。誰がやっても「時間は同じ」です。昨日は助かりましたが、一人事務所は辛いね…
 ウイルス
また新手のウイルスが発生しているそうです。
先週も、1日で5通もウイルスが送られてきました。見た目はバッドトランスにそっくりで、添付書類の形でウイルスがついてきます。
今回発生しているウイルスは、主にKlezと呼ばれるもので、最大の特徴は送信元アドレスを詐称することです。今までは、アドレス帳を元に適当にメールを送るだけだったものが、送信先だけでなくウイルスの転送元の名前までアドレス帳から引っ張ってきます。うかつに抗議しようものなら、人間関係を破壊させること請け合いです。どうやらこれが目的のようです。なんと陰険なウイルスでしょう!
 MO
MOが転倒して床に落ちました。MOドライブは無事だったのですが、中に入っていたディスクが壊れました。当HPもMOディスクで運用しており、修復に時間が掛かりました。それでも「ADSLでよかった…」と思います。
020502(木)方角
若い人達に勧められて「老人福祉施設」の勉強を始めたのが3年前。
ケアハウスを設計する機会にも恵まれ、いつしか「病こうもう」となりました。昨年は、老人福祉施設の勉強に明け暮れ、その成果を「激動の老人福祉施設」に纏めました。しかし、道楽(福祉の勉強)が過ぎ、事務所を縮小する羽目に至りました。
A市は、別名「株式会社A市」と言われるほど起業精神の旺盛な自治体です。
A市では今年度、住宅局と福祉局の合同プロジェクトで、老人福祉施設のモデルケースを作ることになったそうで、その「プロジェクト顧問」への就任打診が昨日ありました。

先日は、私の「激動の老人福祉施設」をご覧頂いた宗像市の某病院から、ケアハウスの設計依頼がありました。信念を持って行動すれば、必ず「結果がついてくる」出来事に感謝しています。
口の悪い友人から、この吉事を「引越した方角が良かったんや!」と言われました。
縁起を担ぐ言葉ですが、最近神頼みの私は「案外そうかもしれない」と思っています。
020503(金)気ままな仕事
今日からGW後半が始まります。
前半同様、私は「仕事三昧」となりそうです。とは言え、只のワーカーホリックではありません。自他共に認める「息抜き名人」で、それなりにプライベートタイムを大切にしており、マイペースを崩すような仕事をしません。
若い頃から「期限は守るが途中経過の干渉を嫌う」ため、依頼主には「遣りづらい相手」であったかもしれません。
かなり忙しいときでも、本を読みHPも日々更新しています。また、時には旅行をまじえるなど、私の「趣味の時間」は決して少なくありません。
残業はしません(業務時間が終われば「友達付合い」を大切にしています)。土日祭日の出勤もしません。ただ、休日は自宅で仕事をすることが多く、業務が停滞するわけではありません。
自宅業務は、全くの「自主作業」で、誰の指図を受けるわけではなく、気ままな仕事は苦になりません。だから、気持ちは…
 一に「息抜き」
 二に「仕事」
です。そんな訳で、取あえず「月参り」に行ってきます。(なんのこっちゃ!)
このところ続いている「吉事」に、感謝の気持ちを『固有名詞のない神様』に伝えたいと思っています。
020504(土)女は怖い
野村佐知代の脱税事件に対する判決が出ました。
執行猶予付きの有罪で、さて?本人は反省しているであろうか。どうせ半年もすれば「禊(みそぎ)は済ました」とばかり、芸能界復帰となるだろう。
「出る杭は打たれる」の諺通りで、チクられて議員辞職した社民党の辻元前議員。なんと!チクッたのは身内の女性でした。
同様の容疑の「田中真紀子議員」は、どうしようもない「○○」らしい。
『人に厳しく自分にやさしい』のは、両者に共通していますが、我侭度の違いと感性の有無が「議員辞職か否か」の差となって現れている。
黒い天使(看護士)による「完全犯罪」が発覚しました。
別居中の夫を「ウイスキーを凶器」にして、急性アルコール中毒と言う病名で殺し、保険金を詐欺したのです。もし、主犯が欲をかかなければ「絶対にばれない」犯罪でした。「そんな方法があったのか…」と思われた方が多いのではないでしょうか。この事件があってから「うかつに家で酒も飲めない」という声が聞こえてきます。あなたは大丈夫ですか?(俺も怖いよ!)

皆さん、女性を大切にしましょう!(女は怖いよ)
020505(日)DSLの一人勝ち
メディア 2006年3月の予想値 2002年3月の実態
DSL 695万世帯 238万世帯
光ファイバー 773万世帯 2.6万世帯
CATV 146万世帯
総務省からこんな発表がありました。
インターネットの普及に伴い、総務省は「ブロードバンドが主流になる」と言う予想をして、整備を進めてきましたが、構想を見直すそうです。
・DSLが急速に普及している
・光ファイバーの普及ペースは予想の4割以下
・CATVも、予想を60万世帯も下回っている
と言うわけで、DSLの「一人勝ち」がはっきりしてきたそうです。
「020426権益保護」で述べたように、光ファイバー敷設地域でのADSLを禁止しているにも拘らず、実態はご覧の通りです。ただ、将来的には光ファイバー時代が来ると思うのですが、現時点では「値段の割に魅力を感じない」と言うのが実感です。
光ファイバーが権益保護されているのに対し、DSLは「民間企業がしのぎを削っている」と言う『いつものパターン』があります。むしろ、権益保護を止め「競争に晒す」ことこそ、普及の早道かもしれません。
020506(月)弱者の怠慢
大阪府は、数年後に「再建団体(民間で言う倒産状態)」に指定されることが確実視されています。
財政再建には「苦しみを伴う」ことを嫌う政治家や役人、苦しみを先送りすることが正義と思っているマスコミ、負担を嫌い弱者を装う「甘えた府民」が、寄って集って問題解決を妨げています。

強制猥褻で辞任した横山前知事ですが「不肖の息子(下半身)?」以外は極めて健全でした。しかし、横山前知事が提案した「財政再建案」は全員(議員・役人・マスコミ・府民)一致で否決されました。
酷い例では…
公立高校の授業料を「年間5万円」に引き上げる案に対し、マスコミは「授業料値上げで、進学できなくなる子供がでる」と反対キャンペーンを張りました。5万円など、学生本人が「夏休みのアルバイト」で充分稼ぐことができます。マスコミは、5万円が支払えなくて「進学を諦める」若者が本当にいると思っているのであろうか!いま、子供達が「携帯電話の使用料」をいったいいくら払っているのか?きっと「何も知らない」のだろう。
先日(020428)、狭山池博物館のことをご紹介しました。
たまたま「狭山池祭り」の日で、結構な見学者でしたが、職員氏によれば「普段は貸切状態です」と言う。ざっと見ただけでも、職員数は10名は下らぬ様子にも拘らず、この施設は「入館料はただ」なのです。いったい、年間の維持費をどれだけ税で負担しているのであろうか?

地域の歴史を紹介するこのようなミュージアムを「公費で造る」ことに反対しません。
しかし、維持運営の費用まで全て「税で負担」するのは如何であろうか!
私は、維持運営費のみならず展示物の更新費用まで「独立採算」で確保するべきであろうと思っています。問題点を指摘したい。
 ・税で維持費を負担すれば、展示物の更新まで予算が回らない
 ・その結果「展示物が陳腐化」し、リピーターが期待できない
  (地方のミュージアムの衰退は、殆どこの理由による)
 ・独立採算をしないため職員に危機感がなく、見学者誘致に向けたアクションを起こさない
尋ねもしないのに「普段は貸切状態です」などと言うのは論外であろう。まさに『親方日の丸』の感覚で、努力が欠けている。
治療は先送りするほど「完治困難」となる。
大きなガンがあることを知りながら、誰もが治療を拒否しています。そのくせ、再建団体になれば「犯人探し」に奔走するだろう。我々自身が犯人なのに…
020507(火)GW総決算
020427〜020506期間中の総決算です。
 仕事三昧
マンション(ファミリータイプ71戸)基本計画修正案作成
老人福祉施設基本計画案作成
 ・指定介護老人福祉施設(特養)…1件
 ・指定介護老人保健施設(老健)…1件
 ・介護型ケアハウス…1件
老人福祉に関するリポート(A市より依頼)
よく働きました。
 ビデオ鑑賞
洋画4本、邦画(陰陽師)…よく見たね!
 お出かけ
狭山池祭りと狭山池博物館見学
月参り(苦しいときの神頼みだけど、今月は感謝をこめて)
近所に住む若夫婦の「子供の日の祝い」へ
 腹の立ったこと
産経新聞020505朝刊より抜粋
中国駐米総領事が、サンフランシスコ大学で開かれた「日本の戦争記憶問題と対決する」と題したシンポジュームで、こんな講演をしたそうである。なんと!
1931年〜1945年までに、中国人民に対して「ホロコースト」を働き、合計3500万人を殺したが、謝罪も賠償もしない
「白髪3千丈」の国で、大げさに言うのが特徴ですが、しかるべき地位の人が「何の根拠もなく」他国を非難するとは許せない!
旧軍のシナ派遣軍は累計100万人ほど。内、戦闘部隊は半数程度だから、戦闘員一人当り「民間人を70人殺した」勘定になります。当時の日本の人口は8000万人、日本人2人で「中国人1人を殺した」ことになる。そんなアホな!
何よりも腹が立つのは、このことに対し「我が国政府が抗議していない」ことだ。
こんな数字が「一人歩き」し、真に受けるバカは何ぼでもいる。民族の名誉をかけて厳重な抗議をするべきであろう!
 その他
息子夫婦帰省(020428〜020501)
髭は伸び放題…0205076床屋へ
HPの更新…毎日
ウイルス送付…うんざり
020508(水)クーデンホーフ光子
野球で野茂選手が、サッカーでは中田選手が「世界への道」を開きました。
世界を活動の場にして「物怖じしない若者」を見るにつけ、いまや世界で活躍することが「一流の証」になった感があります。
我が国では「巨人でなければ野球ではない」といった風潮が長く続いてきました。
しかし、イチロー選手が開けた風穴は、読売の力を持ってしても塞げないまでに大きくなり、日本選手の大リーグでの活躍が連日伝えられるようになりました。サッカー界も、W杯日韓共催を目前にして、盛大に盛り上がってきました。その結果、相対的に日本のプロ野球は低調と言えます。
 ・お山の大将
 ・井の中の蛙
日本でしか通用しない価値観で縛られることを嫌った若者の、海外への飛翔は「まだまだ日本人も捨てたもんじゃない」と思わせてくれます。

明治維新から120年。何もかもが「制度疲労」の兆候を示し、平成維新の必要を感じるのは私だけではないと思います。世界に活躍する若者が、いつか「平成の文明開化」の牽引車になってくれること望んでいます。
全くの後進国であった「明治期」にも海外に飛翔した人達がいます。
颯爽と欧州に登場し「歴史に名を留めた」先達をご紹介したと思います。
男性では、フランス社交界で活躍した「バロン薩摩」が、あまりに有名です。小説にもなっており、ご存知の方も多かろう思いますので、名前のみのご紹介にします。

女性では、なんと言っても「青山光子」さんです。私が紹介するより、まことに分かりやすいサイトがありますので、今日は思い切り「パクリ」で迫ってみます。
ミツコとカサブランカ http://www.harusiro.org/casablanca/mituko.html
ゲランの香水「ミツコ」と映画「カサブランカ」の意外なエピソード
映画「カサブランカ」のなかで、ナチスからのがれアメリカへ逃亡しようとする、イルザの夫ラズロ。彼には実在のモデルがいたのです。

後にECの成立の基礎を作った、リヒャルト・クーデンホーフ・カレルギ。 
彼は、第一次世界大戦後のヨーロッパの荒廃を見て、ヨーロッパを立て直すために、各国が合体して一つの国になるべきだという「パン・ヨーロッパ」思想をうち立てます。彼の思想は多くの政治家の共感を呼び、具体的な条約作成という動きにまで発展したのですが第二次世界大戦が勃発し、リヒャルトもナチスから追われる事になります。そして、実際「カサブランカ」なみの危険を乗り越えアメリカに逃れました。
映画「カサブランカ」の背景には、こんな事実もあったのですが、リヒャルトの母の名は…光子・クーデンホーフ・カレルギ。日本人女性だったのです。

光子の数奇な一生は、女性史の書籍をご覧になっていただきたいのですが、100年以上も昔、まだ、外国人がそれは物珍しく見られていた時代にオーストリア代理公使のハインリッヒ・クーデンホーフ・カレルギ伯爵と光子は両家の反対を乗り切り、結婚します。
やがて、ハインリッヒに帰国命令が出され、光子はボヘミア地方のカレルギ家の領地にある、ロンスベルク城で生活を始めます。しかし、幸せは長く続かず、結婚生活10余年あまりで、ハインリッヒは急逝してしまいます。光子の苦労は大変なものだったようですが、彼女は夫の遺産を引き継ぎ、伯爵夫人として子供達をウィーンの名門学校に入学させ、社会的に活動を始めます。この頃からウィーンの社交界にも登場し、日露戦争で大国ロシアの負かした国の女性として注目を浴び、社交界の花形となりました。

やがて、パリでは「ミツコ」という香水が発売されます。
この香水のネーミングは一般的な日本人女性をイメージして付けられたものだそうですが、当時のオーストリアで一際存在感のあるクーデンホーフ伯爵夫人ミツコとこの香水を、誰もが結びつけたそうです。
フランスの有名な香水が何故「ミツコ」と名付けられたのか、私も不思議に感じていましたが、こんなエピソードがあったのですね。

「カサブランカ」の時代背景に、こんな歴史と一人の日本人女性が関わっていたこと…意外な事実をほんの少しだけ、ご紹介しました。 


NHKのHP「イベント情報」より http://www.nhk-sc.or.jp/event/mitsuko.html
明治7年(1874年)7月16日、父・青山喜八と母・ツネの三女としてミツ(青山光子)は東京に生まれました。
美しい娘に成長した光子は、オーストリア・ハンガリー帝国代理公使ハインリッヒ・クーデンホーフ=カレルギー伯爵に見初められて結婚し、正式に西洋の貴族と結婚した初めての日本女性として欧州に渡る光子でしたが、そこから波乱に満ちた人生が始まりました。
夫・ハインリッヒとの間には7人もの子供に恵まれましたが、夫の急死によって伯爵家の財産管理や子供たちの教育など、すべてが光子の肩にのしかかってきたのです。
黄昏のハプスブルク帝国の貴族社会に生き、ウィーンの社交界の華として活躍した時期もありましたが、第一次世界大戦、そしてオーストリア敗戦、国の分裂、財産の没収、故郷喪失…時代の荒波に翻弄される光子と子供たち。
光子の7人の子供たち、その中の次男・リヒャルトこそ、EEC〜ECを経て、今まさに統一されようとするヨーロッパ、その礎となる「汎ヨーロッパ」思想の提唱者です。リヒャルトが「汎ヨーロッパの父」として、改めて顕彰される今日、彼を生んだ光子もにわかに注目されるようになりました。
日本では昭和48年(1973年)にNHKテレビ放送20周年記念番組「国境のない伝記〜クーデンホーフ家の人びと」(主演:吉永小百合)によって全国に紹介されましたが、以来30年近くの時間を経て、また光子没(1941年)後60年を経た今日、光子と一家の歴史を日本で紹介する本邦初の展覧会が実現することとなりました。
如何ですか!
アメリカとごするまでに成長した「EC」 
その基礎を作った人物の母が、日本人だなんて凄いですね。
蛇足ですが、東京の若者の町「青山」は、青山家のお屋敷がったことからつけられたものです。
現在、なんば高島屋で「クーデンホーフ光子展」を開催中です。5月19日まで…
追記
ついでで申し訳ありませんが、日本人を母に持った「海外の偉人」をご紹介しておきます。
  鄭成功(国姓爺) Zheng Cheng-gong 1624-1662
中国・明王朝の遺臣で台湾の支配者(1662)。
明の皇帝よりその姓(国姓)「朱」氏を賜ったので、「国姓爺」と呼ばれる。父は中国人海賊の首領で明王朝の遺臣、鄭芝龍(Zheng Zhi-long)。母は長崎平戸商人、田川氏の娘。幼名を「福松」、のちに「鄭森」と改め、皇帝より国姓を賜った際に「鄭成功」(朱成功)と改名した。明王朝滅亡後はオランダ支配下の台湾を制圧・支配、大陸反攻の拠点とし、病没するまで明王朝復興を悲願に、大陸の清朝と戦った。日本では近松門左衛門の「国姓爺合戦」で有名。
「鄭成功」と言えば、中国の英雄です。
中国でこの話題が出た際、ガイド氏に「母親が日本人である」ことを話したのですが、全く信用されずバカにされました。どうやら、英雄の血の半分が日本人では具合が悪いらしく、教育されていないようです。
020509(木)プロ意識
老人福祉施設施設を手がけるようになって、同業者の「後始末」を頼まれるようになりました。
「老人福祉とは如何に」あるいは、老人福祉施設は「こうあるべき」だという『ポリシー』が、法人と設計者で合わず、こっそり「計画変更」の相談を受けるケースがあります。こう言う事例は「考え方の違い」で、私が正誤の判断を下せる問題ではありません。
しかし、申請段階で「却下」され、悲鳴にも似たSOSを受けた事例を見ると、暗澹たる思いに駆られます。ここには、ポリシー以前の「プロ意識」の問題があります。
老人福祉施設は、老人福祉法と建築基準が「主な法規」で、他に関連法規(食品衛生法・公衆浴場法など)の規制を受けます。SOS物件では、この「主な法規」をクリアしていない故の「却下」が多いのです。
老人福祉法では設置基準の明示のほか、建築基準法の「避難規定」を強化しています。お年寄りの「緊急時の避難スピード」が、若者と同列であるはずがありません。それ故に規定強化なのですが、問題のあるプランでは「建築基準法を知ってるのやろか?」と思うものがあります。
先日も、某スーパーゼネコンの作った案とバッティングしたことがあるのですが、某社の案は「基準法の階段規定」を満足しておらず、ましてや強化された老人福祉法など「存在すら知らない」のではないか?…と思わせるものでした。

如何に素晴らしい「老人福祉に対するポリシー」を持っていても『危険な建物』ではどうしようもありません。
残念ながら、法人に判断能力を求めるのは無理があります。世間的な評価で言うなら「スーパーゼネコンの案」は、無条件で信用されます。それだけに「プロ意識」に磨きをかけて欲しいと願っています。
020510(金)襖絵
時代小説を読んでいたら「襖絵師」が登場してきました。
思えば、襖絵など「印刷が当たり前」と思っていますが、そんなに古くない時代まで「肉筆画」であった筈です。では「いつ頃まで…」と想いだしたら「分からないことだらけ」です。身近なことで知らないことって案外多いのかもしれません。
昨年秋、お亡くなりになられた老師は、商業美術(今なら商業デザイン)の草分け的存在でした。
大正から戦前にかけて活躍なさり、丹頂(今のマンダム)・仁丹・不二家などのパッケージデザインを一手に引き受けてこられた売れっ子作家でした。全盛期に作られた組織が、大阪にある美術関係団体のスタートであったとお伺いしています。戦争が激しくなり「紙が統制物資」になった時点で「筆を折り」以降は「絵を趣味」として過ごし、出展依頼にも一切応じない晩年となりました。
勿論、老師のデザインは全て「肉筆画」で作られており、絵が描けない「デザイナー」など有得ない時代でした。

戦後も暫くして、私の少年時代に「総天然色」と銘打った映画が流行りだしました。
思えば「カラー写真の始まり」です。それ以前には「色付きデザイン」は肉筆しかなかったのです。カラー写真の登場は、デザインの世界に「革命をもたらした」ことは想像に難くありません。ある意味で、老師が戦争を境に「隠遁」されたのは幸せであったかもしれません。
話題を戻します。
襖絵に印刷が登場した時期を調べる術を持たないのですが、おそらくカラー写真が登場し、カラー製版技術が確立されてからではないかと想像します。
絵師を呼び「襖絵を描かす」など、旦那衆(名家旧家)でしかできないことであったでしょう。
庶民の家の襖は、無地の襖紙だったろうと思います。襖絵どころか表具師も呼べぬ家は、下貼りに「手紙(当時は和紙の巻紙)」などを貼ったようで、古い家の襖から「古文章」が発見されることも多いそうです。何が幸いするか…面白い話です。

戦前のこと、まだ各地に旦那衆と呼ばれる分限者(お金持ち)がおり「旅の芸術家」を歓待しました。
彼らは「一宿一飯(結構長期滞在したらしい)の恩義」」として、襖絵などを残していったと父から聞きました。マスコミの未発達な時代で、本人が「横山大観」と名乗れば信じるしかなかったそうです。偽者が横行しても、旦那衆は鷹揚であったようです。父は「俺は何人も『横山大観』に出会った」と、笑いながら話していました。ちなみに、変わった「俳人」を世話したことがあるそうです。風貌を聞きながら、どう考えても『山頭火』としか思えませんでした。タイムマシンがあれば「いってみたい」と思う時代ですね!
020510(金)我が国は独立国か?
中国・瀋陽にある日本領事館に亡命を図った北朝鮮人を、武装警官が侵入して連れ去る事件がありました。
国際法で領事館内は「治外法権」が認められており、この行為は明らかに条約無視です。いかなるデメリットを覚悟してでも「国の尊厳」を主張するべきなのに、小泉総理は早くも弱腰です。中国は、我が国に対し「逆に抗議」する有様で、舐められたものです。
中国や韓国の顔色を窺わねば「靖国参拝」もできない総理では、こんなときに属国扱いを受ける。国交断絶をすれば「どちらが困るのか!」まさに尊厳をかけた毅然たる態度を取って欲しいものだ。
020511(土)本のこと
 ブックカバー
最近本屋さんも不精になりましたね。
引越しをして、行きつけの本屋から遠くなったことで、決まった本屋が無くなりました。その代わり、ブラリ入った本屋で「纏め買い」をするようになりました。様々な本屋に行くようになって、ブックカバーに対する対応が違うことが気になります。
 ・表表紙だけ差込んで、裏表紙は折るだけ…大半の店
 ・表も裏も「折るだけ」で、自分で差込むことになる…超「腹が立つ」
 ・両面丁寧に差込んでくれる…感激(ホンマは当り前なんやけど)
それほど、差込むのが面倒なら「着け易いブックカバー」を工夫すればよいのに!
 現代の焚書
広辞苑より/ふん‐しょ【焚書】
書籍を焼きすてること。学問・思想圧迫の手段として行われた。

以前から公立図書館が、自治労系の職員に牛耳られていると言う噂を耳にしていました。この度、噂を裏付けるような出来事があったのをご存知でしょうか?
020412産経新聞、および正論6月号より
図書館の収容能力に限りがあるのは当然のことで、新しい本の受入に際し「破損した本」などを廃棄していくことは肯けます。ところが、船橋市立西図書館で廃棄した187冊の書籍の内容が、まことに不自然です。発表された、廃棄基準は「破損と不人気」です。さて…
 ・西部邁氏の蔵書44冊中43冊が廃棄
 ・渡部昇一氏の蔵書58冊中25冊が廃棄
 ・西尾幹二氏と福田和也氏の著作で21冊廃棄(以上4氏で89冊…47%)
 ・そん他目立つ作家…小林よしのり氏、井沢元彦氏、岡崎久彦氏、谷沢永一氏、小室直樹氏など
 ・購入後5ヶ月の本も廃棄されている
 ・廃棄ではありませんが、昨年75万部のベストセラーとなった
  西尾幹二氏の「国民の歴史」は「閉架(倉庫に収納)」されている。
お気づきでしょうか?
昨年物議をかもした「新しい歴史教科書」の関係者が狙い撃ちされています。また、図書館でなかなかお目にかかれない雑誌「正論」や「諸君」に登場する論客ばかりです。
進歩的な人?の行為は如何なることも許されるのであろうか?
追記
船橋西図書館では、廃棄した本を再び買い整えることを、昨日発表しました。
この度の焚書事件は一体何であったのか?偏った思想による偏った行動がもたらした「壮大な無駄使い」は、問われるのであろうか?
 読んでみたい
正論6月号から
『韓国で出版された日韓併合を祝福する本の衝撃』
現代コリア研究所の荒木和博氏が、韓国人作家キム・ワンソプ著「日韓併合は祝福であった」を紹介なさっています。キム氏は、阪神大震災にあった日本に対し「天罰が下った」と言う意味の発言をした人で、必ずしも「親日派」ではありません。にも拘らず、映画「パールバーバー」を見て「日本を応援している自分」に気付いたのが、この書を書くきっかけになったそうです。近々、荒木氏の翻訳で出版されるそうで、楽しみにしています。

『いま米国で話題の書が警告する中国市場の危機』
著名なマスコミ人古森義久氏が、米国でベストセラーとなっている「やがて中国の崩壊が始まる」と「中国への夢想」を紹介しながら、中国の持つ政治経済の危険性を指摘しています。
私は、中国本土への旅行は一度しか経験したことがありませんが、あまりの印象の悪さ(モラルのさな)に不信感を持っています。中国へ「草木もなびく」我が国の経済界に危うさを感じていますが、このリポートは、私の感想を裏付けるものでした。
中国は法治国家とは言いがたく、権力者によって左右される「人治国家」であることが、安定を欠く理由です。先日も、瀋陽にある日本領事館に亡命を図った北朝鮮人を、武装警官が侵入して連れ去る事件がありました。この一部始終がNPOによって撮影され、世界に放映されました。これにより世界は、中国が「国際的約束など守る気はない」ことを知ったであろう。

文庫本とノベルス(つまり、1000円未満の本)しか買わない私ですが、この3冊だけは買おうかと思います。
 笑い話
お堅い雑誌「正論」にも、笑い話が掲載されています。ちょっとご紹介します…
実在する「カプセルホテルの名前」が紹介されています。東京にあるカプセルホテル「オネムハウス」…今流行りの「ムネオハウス」をもじったに相違ありません。
大阪では「ネルトンホテル」があるそうです。これは「ヒルトンホテル」と「寝るトンネル(カプセルのこと)のパロディーでしょう。電車の中で読みながら、思わず笑ってしまいました。
020512(日)スーチー女史
ミャンマーの民主化運動指導者「スーチー女史」の軟禁が解かれたそうです。
どうやら「軍事政権下の軟禁」と言っても、本当に緩やかなものだったらしく、散歩など自由にできたそうです。
マスコミは手放しで喜んでいますが、私は異なる感想(天邪鬼な私のことゆえ、穿った見方をお許し頂きたい)を持っています。
政治の世界ではスーチー女史はあまり評価されていないように思います。ミャンマーの現政権にすれば「迷惑な存在」に過ぎず、かといって国際的に「正義の味方」視されているスーチー女史を拘束もできず…そんなわけで「緩やか軟禁」になったのではないでしょうか。
後進国への技術援助で何よりも悩まされるのが「意識のギャップ」だそうです。
援助を受ける側から「最新技術を!」と言う要望が起きるのですが、何のバックグランドのもないところに、最新技術など定着のしようもない。完備されたインフラ(社会資本)、高度な教育水準、安定した民度治安と言った延長上に最新技術があるのです。
私の好きな「架空戦記もの」に、未来から最新技術が供給され、旧日本軍が「ボロ勝ち」するストーリーがあります。いわば安直な小説のことゆえ「面白く」読んでいますが、現実にはありえません。
生産技術が確立されていなかった戦前(職人の名人芸で飛行機は作られていた)に、IC技術を持ち込んでもどうしようもなかったであろう。
スーチー女史の提唱した「民主化運動」が、近隣諸国の政治家からもあまり評価されない理由は「後進国への最新技術援助」にも似た状況があったのではないだろうか。永く英国で過ごし、スマートな民主主義を身につけた女史には、自国が「遅れた国」に見えたのでしょう。しかし、冷静に現実を見れば「早すぎる民主化運動」であったかもしれません。民主主義が根付くには、それなりに環境整備が必要です。封建社会を経験しなかった東南アジア諸国の民主化には、軍事政権も「過渡期に必要なプロセス」ではないかと、私は思っています。
dogfight注:民主主義先進国は、皆「封建時代」を経験している。単なる偶然であろうか?
020513(月)介護型ケアハウスの裏側
老人福祉政策は、数年前から「官主導の急激な改革」が進んでいます。その経過は、当HP「激動の老人福祉施設」に詳しく掲載しています。決して読み易いとは言いがたいのですが、お読み頂ければご理解頂けることも多いと思います。
傾向を簡潔に言えば、
 ・施設分類は変化していませんが、内容は激変しており「分類の意味合い」がなくなっている
 ・施設分類を問わず「個室化・ユニットケア」を目指している
その結果、老人福祉は「介護の有無」の2極化を目指しているように思われます。
 ・介護付き施設は「官設民営化」
 ・介護なし施設は民間活力で
官主導の改革の方向性を、素直に見ればこのように読めるはずです。特に、ケアハウスは「ケアなしケアハウス」と皮肉られながらも、介護のない老人福祉の『核』ともくされていました。
「老人福祉=介護」とお考えの方も多いと思います。しかし、医療・福祉を一体と考える世界の常識では、福祉を「予防医療」と捉えており、ケアを必要としない状態を維持すことこそ『理想』としています。
老人福祉の目指すものは「QOLの向上」です。
QOL(クオリティ・オブ・ライフ)
人の生き甲斐や、幸福感などを規定している様々な要因の質をさし、これらのバランスのよい向上が「QOLの向上」に繋がると考えられています。
詳しくは「激動の老人福祉施設・関連記述020424大部屋と個室」をご覧いただきたいのですが、QOL向上の「最小限の装置(ハード)」が「個室=プライバシーの確保」であるといえます。
介護も大切ですが、介護を必要としない「快適な老後生活」こそ、最高のQOLといえます。我国の老人福祉施設で唯一「介護認定なしに利用できるカテゴリー」がケアハウスです。

この数年の改革を見ても、
 ・ケアハウスだけを逸早く「株式会社・PFI」の対象にしている
  (大変意味深いことです。詳しくは--激動の老人福祉施設--をご覧ください)
 ・民間が抱える「遊休施設の転用」を促している
 ・補助金もケアハウスに厚く配分されている
このように、ケアハウスを一定の方向に誘導しようとしていました。
ところが14年1月30日、厚生労働省老健局長名で--「軽費老人ホーム設置運用要綱」の一部改正について(老発第0130002号)--が発表され、ケアハウスの設置基準が変更されました。
 ・定員の50%以上を介護型(ケア付き)にすること
 ・介護型ケアハウスは「10名程度でユニット化」すること
 ・ユニット化した居室面積は15.63uに低減する。
  ただし、トイレ収納を除く有効面積は13.2u以上とする→特養の居室面積と同じ
ケアハウスは従来から「個室(夫婦部屋は除く)」で、更に「ユニットケア」となれば、特養と何処が違うのか?もっと云えば、老健や療養型病床群との違いは何なのか?
既に、窓口となる行政官自身が「何が違うのか?」苦慮する時代がやってきました。
実は、この通達には「重大な問題」が隠されています。今まで、自立を目指していたケアハウスに「介護」を義務付けたのです。これは明確な「方針転換」です。その裏側に何があるのか…
ケアハウスに良く似た形態に「有料老人ホーム」があります。
有料老人ホームは、全くの民間ベースで運営されており、建設時の補助金もなければ、入居者の収入レベルに応じた助成金もありません。当然の帰結として「お金持ちの施設」と言う側面を持ってしまいます。
この施設が、政府の「ケアハウス誘導政策」とまともにバッティングしてしまいました。ケアハウスの水準が上がれば上がるほど入居者は「ケアハウスに流れる」わけで、社団法人全国有料老人ホーム協会から厚労省に対し「民間を圧迫するとは何事か!」と抗議が寄せられたときいています。

穿った見方かもしれませんが、協会からの抗議に対処する形で「介護型ケアハウス」の義務付けが行われた可能性があります。もし、これが当っているなら悲しむべきことだと私は思います。行政側は、50%ではなく「100%介護型」でもウエルカムの姿勢で、有料老人ホームとバッティングする「自立型ケアハウス」は激減することになります。
「攻撃は最大の防御」は、老人福祉でもいえることです。繰り返しますが、不自由になってから介護するより、介護がいらない状態を持続することこそ大切です。不自由にならなければ利用できない施設ではなく、エンジョイする老後こそ「必要」ではないだろうか。
(有料老人ホームへの救済が必要なら、別方法で行って欲しいものです)
020514(火)22cm
私の主治医は話し好きです。
先日も、花粉症の予防薬が切れて、午前中の診察終了間際に診療所に行きました。どうやら私が最後の患者らしく、診察そっちのけで「ホームページ」の話になりました。

話は転々と変わります。
睡眠障害(肥満が原因)の私は、器具(ニュージーランド製)をつけて眠ります。
センサーが無呼吸を関知すれば、たちまち加圧装置の気圧が上がり「気道を確保」してくれます。睡眠状態を常にモニターする「優れもの」なのですが、重く大きいのが欠点です。2ヶ月に1度、中のデータをチェックするため、7kgもあるこの装置を病院まで運ばねばなりません。
軽薄短小の国「日本」なら、もっと小型軽量化するだろうし、データも「メディアカードに記録」して、本体の移動など不要にするだろう。
こんな感想を述べたところ、ドクターは「日本では作らない」とおっしゃいます。
医療器具に対する訴訟に慣れていない日本のメーカーは、トラブルを避けるため、ペースメーカーの製造からも撤退したそうです。こんなところにも「トラブルに弱い」日本民族の特徴が出ているようです。

ペースメーカーの話が出たところで…更に話は変ります。
これだけ携帯電話が普及したら、電磁波問題は「ペースメーカー側で対応しないと解決できないのでは」と、申し上げたところ「あれはウソです」と、ドクターはおっしゃいます。
医療の世界では「22cm以内に近づかなければ安全」と、患者さんにも説明しているそうで、特に最近の機械は「電磁波の影響を受けない」そうです。だから、ペースメーカーを使っている人が携帯電話を持つ時代になったそうです。
では、あの「電車でのアナウンス」は何であろうか?
どうやら、常識(良識?)に欠ける世相に対する牽制球といったところのようです。
020515(水)旅情
ご縁があり、宗像(福岡県)に通うようになりました。
新幹線「のぞみ」で、新大阪-小倉2時間5分。鹿児島本線に乗換えて「東郷」まで快速で40分。我が家を出てから片道4時間半の旅です。車中「さぞ本が読めるだろう」と思うのですが、1冊読むのがせいぜいです。私は、窓から「外を眺める」のが大好きなのです。だから、寝ることも読むこともあまりなく、つい外を眺めてしまいます。

九州に入ると、普段は旅行雑誌でしか見ることがない地名が、そこここに見られます。
駅のアナウンスは旅情を誘い、行交う特急列車の行先が「漂泊願望」を刺激します。私の中で、もう一人の私が「仕事なんかほったらかして、特急に乗っちまえ」と唆します。いつか、私はこの誘惑に負けてしまいそうです…
020516(木)怒れ!
喜怒哀楽は人間の感情の基本です。
怒らない人は「よくできた人」と思われがちですが、絶対に怒らなければいけないときも怒らないのは、ただの「腑抜け」です。

中国・瀋陽にある日本総領事館に亡命を図った北朝鮮人を、武装警官が侵入して連れ去る事件がありました。この一部始終が撮影放映され「横暴な中国・不甲斐ない日本」を世界中に晒しました。
第1報が流されたときの、小泉首相の発言は「冷静に」でした。中国韓国に対し「腰の引けた」総理ですが、このときだけは絶対に「怒る」べきでした。
上が上なら、官僚も不甲斐ないものです。総領事館に侵入した中国官憲に「帽子を拾って差出す」親切さで、ここでも「怒り」がありません。
昨日、更に信じられないことが報道されました。駐中国大使が「亡命者は不審者として追い返せ」と、訓示していたのです。この訓示の5時間後に「瀋陽事件」がおきており、領事館員のあの態度と見事に符合します。
駐中国大使には「チャイナスクール(中国べったり)の優等生」しかなれないと言われてきましたが、この発言はそれを裏付けるものです。大使の発言は、国家の威信より「中国の迷惑になることはやめよう」と言う姿勢がありありと出ています。そして領事館員もまたチャイナスクールの優等生であったようです。

水面下では「落しどころ」が検討されているようです。
どうやら「第3国への出国」で決着がつくと思われ、韓国が既に「受入を表明」しています。結局、我国への「主権侵害」はうやむやのうちに処理されそうです。
軍隊は何故訓練するのか?いかなる状況下でも「体が反応するよう」に…が目的です。付け焼刃など、咄嗟の時に役に立たない証といえます。
領事館員の態度は、普段は日本の国益など「かけらも考えたことがない」故に「亡命者は保護する」という、国際的常識が働かなかったことを裏付けています。自国を辱めることに拍手喝采するマスコミに踊らされ、国旗を「悪の象徴」として育った優等生が官僚になっている。日本を「大切な国」と思っていない高級官僚が、普段通りの行動に出たのが今回の出来事というべきか。国民よ「怒れ!」
追記
あるHPに、女子供を見捨てて領事館に駆込んだ男達の態度を問うものがありました。
平和の国「日本」で起きた事件なら、私も同じ批判をしたと思います。北朝鮮から亡命した人たちのドキュメントをたくさん読んできましたが、共通して言えることは「命をかけた逃避行」だということです。

以下、私の想像です。
彼ら5人は、事前に「申し合わせ」をしていたと思います『誰かが捕まってもかまわず逃げ込め』と。それほど彼らの行為は「命がけ」であった筈です。1人でも亡命者を出せば、北朝鮮に残る親族(乳飲み子まで)が連帯責任で処刑されます。仮に5人全員が成功しても、本国で多大な犠牲者が生まれるのです。それ故に、たとえ1人だけでも亡命に成功することを重視していたと思います。何よりも避けたいことは「全員捕まること」であったと思うのですが如何でしょうか?
私には、そんな彼らの夢を打ち砕いた領事館員が許せません!
020517(金)建築雑誌の責任
日経アーキテクチャ2002年5-13号に「建築トレンド-施設っぽくない-高齢者施設」が特集されています。
既に運用されているもので、個室化ユニットケアの先駆け達です。今でも「ユニットの定義」は曖昧ですが、当時はもっと曖昧であっただろうと想像されます。現在は「居室から廊下を経ないで食堂に至る」という、最低限の定義がありますが、紹介されている事例では「これすら怪しい」ものがあります。某設計事務所が厚生労働省から却下された「ユニットの直列(ユニットを通過して他のユニットに行く)」ものや、食堂(パブリックスペース)を2ユニットで連結している事例などです。いまなら「?」ですが、それだけに「形にとらわれない自由さ」が感じられます。

反面、わずか数年の先行で「既に時代遅れ」を感じさせる部分もあります。
「建築トレンド-施設っぽくない-高齢者施設」では、5例が紹介されています。全て個室ですが、トイレは「2〜3室の共用」となっています。食堂から「丸見えの位置」にトイレを配置した事例もあり「プライバシーより管理を重視」と思わせます。まして、個室にシャワー機能をつけるようなレイアウトになっていません。高齢者施設のあり方を非常に熱心に研究している「医療生協」では、特別擁護老人ホームだけではなく、病院色の強い「老建」ですら『個室に付随したトイレ』を基本にするようになりました。(私の計画事例でも、初期のものは「2室でトイレ」となっており、時の流れの速さに驚いています)
老人福祉施設も「ホテルコスト化」が導入され、居室(個室)の光熱費は自己負担となっています。当然「検針」の必要があるわけで、プランを考える上で「制約」となっています。
dogfight注:お年寄りの尊厳を守るため、オシメの取替えやおもらしの処理が「誰にも気付かれず」に行えるように配慮して、シャワー付きのトイレを個室に付随する方向に来ています。

日経アーキテクチャでは、最後のページで「問題点」を指摘していますが、鋭さがありません。
多くの人が、今後この特集を参考にするだろうことを考えると、正確に「流れの変化」を指摘するべきではないかと思います。特に、運用上の意識の変化を「平面計画」に反映させる必要性をきちんと紹介して欲しいものです。
dogfight注:違反ではありませんが「避難の安全性を数値化」したら『不可』が出るのでは…と思わせるプランがありました。日経アーキテクチャはメジャーな「建築雑誌」なのだから、この辺りの検証もしてはどうであろうか。
020518(土)隔世の感
私が初めて「レンタルサーバ」の存在を知ったのは、HPを開設した直後(3年半前)です。
当時「100MB-1万円」といわれ、他にドメイン料やらアドレス料等を含め月額2万円ほど掛かりました。しかし、先日こんな案内がメール(枠内参照)で流れてきました。
(前略)
サービスの内容を下記にご案内させていただきます。
※近日ヴァージョンアップ予定のメールの新サービス!
・ウェブメールや携帯電話でのインターネットメールがご利用になれます。
・メールの転送も可能になります。(途中略)
ディスク容量150MB 月々2,980円レンタルサーバー
 【基本サービス内容】
ウェブスペース100MB/メールアカウント10個(5MB×10個)/CGIフリー
初期費用10,000円(以下略)
如何ですか!僅か数年で「隔世の感」があります。
ところが、今度は息子からこんな情報を知らせてきました。
@ニフティがDDNSというサービスを始めました。
DDNSってのはDynamic DNSです。
DNSってのは、nifty.comといったドメイン名をIPアドレスに変換するためものなんですが、IPアドレスが基本的に変わらないということが前提になっています。
一方ADSL接続では、ADSLモデムが接続するたびまたは一定時間ごとに(インターネット上の)IPアドレスが更新されるのでADSL接続を利用して自宅にサーバを構えることはできませんでした。
DDNSは、ADSLのように頻繁にIPアドレスが変わるものに対応するDNSで、これがあれば自宅にサーバをおいて、独自ドメインでHDがあるかぎり好き放題のWebページがおけます。
ただ、当然のことながら、サーバとなるPCは24時間動かす必要があります。
(以下略)
時代は更に進み、レンタルサーバではなく「自宅サーバ」が可能になったそうです。
いつか、業務上で独自サーバを活用したいと思っています。仕事上のデータを独自サーバに置き、パスワードを持つ関係者だけが接続できるシステムを作り、業務の円滑化を計りたいと思っています。そんな時が来れば嬉しいですね…
020519(日)日本語の本
昨年は「新しい歴史教科書」が物議をかもし、歴史をテーマとした本が店頭に並びましたが、今年は雰囲気が変りました。
今、本屋へ行くと、店頭を「日本語の本」が占拠しています。何が火付け役であったのか知らないのですが、様々な著者の「日本語に関する本」が並んでいます。きっと、日本語を礼賛するものから貶すものまであるのでしょう。
時あたかも「瀋陽・日本総領事館事件」があり、野党やマスコミも珍しくナショナリズムが盛り上がっています。おそらく「自分が日本人であること」に最近気付いた方も多いのではないでしょうか?

数ある「日本語の本」から、金田一春彦著「ホンモノの日本語を話していますか?(角川ONEテーマ21)」を購入しました。思想色のまるでない本で、純学問的なのに「なんて面白い本だ」と、感激しています。巧く雰囲気をお伝えできれば良いのですが…ご紹介したいと思います。
 ドイツ語になった落語
すっかり落語に魅入られたドイツ人が、本国に持ち帰るため「ドイツ語に翻訳」したそうです。その原稿を読んだ金田一氏は驚いたそうです。何故か…
「………」とワイフは言った
「………」とハズバンドが答えた
このように、全てに『ト書き』があったのです。ドイツ語には「男言葉」「女言葉」や身分の上下を示す「丁寧語」「敬語」といったものがなく、会話の羅列だけでは『誰が何を言ったのか?』さっぱり分からないからです。落語が成り立つ前提に、この『日本語の使分け』があったのですね!
この特徴は、日本語以外には余りないようです。ちなみに、白人社会から見れば、この「使分け」は『数ヶ国語をしゃべる』に等しい、至難の業だそうです。
 112の単語
日本語を構成する単語(素子)は112で、世界最小だとか。英語を構成する単語は、まだ「誰も数えきっていない」そうで、30000以上あることしか分からないそうです。日本語なら112の発音を覚えれば「読み書きができる」訳で、この少なさが「文節変換ができるワープロ」の理由だそうです。「おしゃべり」でコンピュータと遣り取りする研究が進んでいるそうですが、「日本語が最初にできるだろう」と研究者の間で言われているそうですが、この理由も「素子の少なさ」にあるとか。面白いですね!
 文法
 I love you=私は愛してるあなたを
日本語なら「私はあなたを愛してる」ですね。世界的に見れば、英語の文法(言葉の順序)は少数派だそうです。国籍の違う聾唖者がジェスチャーで会話を始めたそうです。ジェスチャーの手順は「私はあなたを愛してる」が世界共通で、だからこそ国籍が違っても不自由しない訳です。
郵便番号も「狭いエリヤ」から表記する英語圏から始まりました。最後まで読まなければ「大阪なのか東京か?」分からない不便さを解消するため、生まれた制度です。大阪府大阪狭山市○○町××番地…と、大きい地域から表記が始まれば、郵便番号などなくても分類できます。
 九九
数字を「言葉で表記」すると、日本語の優秀さが分かるそうです。
「いち」から「じゅう」までが基本で、20なら「に」+「じゅう」です。300なら「さん」+「ひゃく」と言う表記です。こんな分かりやすい国は日本くらいなもので、他国は大変みたいです。(説明するのも大変)で…是非お読みください。楽しくて「ためになる」本です。
020520(月)木造で造りたい
010825 読売新聞夕刊「よみうり寸評」より
取材で何度か特別養護老人ホームを訪れたことがある。
4人部屋では職員が人目も気にせず、おしめを換え、着替えをさせていた。「終の棲家」にしては、あまりに悲しい光景だった。カーテンで仕切られた雑居部屋ではプライバシーも保てない。「終の棲家は個室が当然」と言う評論家の樋口恵子さんは「人権の中には『いびき権』も『おなら権』もある」と訴えている(厚生8月号)
4人部屋が主流の特養ホームについて、ようやく厚生労働省が個室化の方針を打ち出した。来年度以降に作られる施設は原則として個室になりそうだ。早く入りたい人も多かろう。それにしても最近はホールなどを備えた豪華な施設が目立つ。だが、コンクリートの白亜の建物が終の棲家に相応しいか疑問だ。外観が良くても雑居部屋ではどうしようもない。立てる側より住む側を第一に考えたい。木の香りが漂う和風建築でもいいではないか。
少人数の高齢者を世話するグループホームも、もっと増えていい。子供に個室を与え、人生の大先輩には雑居部屋をあてがう。逆ではないか。
少し勘違いなさっている部分もありますが、趣旨はよく理解できます。共感なさる方も多いのではないでしょうか。

老人福祉法に、建物の構造に関する規定があります。
かつて、老人福祉施設で火災があり「お年寄りが亡くなる」と言う事故があったそうで、それ以来構造規定が強化されました。それによれば…
 ・平屋なら「準耐火構造以上」
 ・2階以上に居室があれば「耐火構造」
と、なっています。
大規模な施設なら肯ける規制ですが、グループホームのように1ユニットが最大でも「定員9名(約300u程度)」のものにも適用するのはどうであろうか?「あつものに懲りて膾を吹く」の例え通りで、規模や状況を無視して「一括り」にするのは良いこととは思えません。
私も再三申し上げているように、お年寄りの施設は防災面の強化をもっと計るべきです。ただ「耐火構造にすればこと足れり」ではありません。もっと多角的に考え『結果として有効な方法』を考えるべきだと思います。例えば『木造平屋のグループホーム』の許可条件として…
 ・ユニットごとに防火区画する(他のユニットへの延焼を防ぐ)
 ・居室(個人の部屋)食堂や談話室等の主要室から、直接外部(中庭は不可)に避難できること

  ※施設によっては、主要室が狭い中庭にしか面していないものがある。事実上の袋小路で危険
 ・敷地と建物の間には3m以上の避難空間を確保すること
主要な部屋から、直接外部への避難方法を具体的に表示して、生命の安全性を図ることができると思います。如何ですか?
緊急時対策は必要ですが、一生に一度あるかどうか分からぬ「緊急時」のために、日々の暮らしを犠牲にする」必要があるとは思えません。木の香り漂う「木造のグループホーム」を禁止することの方がおかしいのです。
この規定があるため、鉄骨系プレハブのグループホームが急増しています。
また、木造の「無認可」のグループホームの話を耳にします。現実的ではない規定が、不法行為を生む事態は避けたいものです。懸命なる行政官の熟慮を期待するものです。
追記
日経新聞が主催(通産省が後援)するイベントに『ニューオフィスコンテスト』があります。この応募要綱を見ながら不思議なことに気付きました。
 ・「空調の効いた室内、コンピュータにネクタイ姿」こんな空間がオフィスらしい。
  (老人福祉施設で介護に汗するワークプレイスはオフィスではないらしい)
 ・「建物の安全性を問う」設問がない
dogfightは、だんだん腹が立ってきて噛み付いてしまいました。
そう言えば、昨年(2001年)竣工し、最高の福祉施設と賞賛されている某施設は「小さな中庭(昼なお薄暗い)にしか面していない」主要室(食堂や居室)が結構ありました。火災が発生すればたちまち逃げ場を失いそうです。設計者や高評価を下した先生に「安全とは何か?!」を問いたい気持ちです。
020521(火)色気
私の身長は165cm。今時の若い娘の平均身長のほうが高いのではないでしょうか?
私が見上げる「娘」など珍しくもありません。スタイルも大変良くなったのですが、気になることもあります。
スカートをはく女性が少なくなり、パンツ(下着ではありません)ルックが増えました。そのためか、膝を揃えて座る女性がめっきり減りました。男と同様に「股を開いて」座っても「下着が見える」訳ではありませんが、昔人間の私には「見たくない風景」です。たまに、綺麗に膝を揃えて座る女性を見かけると大変魅力的に感じます。
話題がずれますが…
パンツルックになって、体にフィットした服装が増えました。実は、フィットなんて生易しいものではなく、体より小さい服を着ているのでは…と思わせる人も多いのです。格別、想像力を逞しくしなくても、その女性の裸体が見えるようです。

股を開いて座る女性や、まるで裸体のような服装。ここには「想像による色気」がありません。余りにも露骨で、私などげんなりします。襟足の白さに、ほのかな色気を感じたのは、遠い昔のノスタルジアであろうか…
020522(水)価値観
1年ぶりに同業者の集まりに参加しました。
そこで「設計事務所の定義」は何であろうか?と思う出来事がありました。

久しぶりに出会ったA氏の事務所では、インターネットをフルに活用する業務体系に切替えたそうです。インターネットのメール機能を使って「データの遣り取り」をし、社員全員を自宅勤務に切替えたそうです。今では全員を「物件ごとの契約制」にして、顔を逢わすのは「月に1度程度」だそうです。お陰で「みんなノビノビと」仕事をしているとか。
それぞれの職場(多くは自宅で)で、与えられた仕事を与えられた期限内に確実に仕上げれば良いわけで、連絡機能さえ確保できれば事務所も不要です。当然経費も大幅に削減でき、利益率も向上したと言うわけです。

この話を聞きながら「020518・隔世の感」でご紹介した『自宅サーバ』が便利だろうと話したところ、これが逆鱗に触れたようです。
私は自宅サーバがあれば、容量の制限を気にすることなく「データの共有化」ができると思ったのですが、A氏の考えによれば、これが全く「不要なこと」だそうです。複数人で同一物件を設計する場合でも、自分以外の人が「どんな作業をしているか」など知る必要はなく、データの共有などむしろ「障害」になると言う。
ここには「図面を書く」と言うことに特化すれば良く、「依頼主の希望は何か?」とか「価値観を共有する」などといった感情は『重苦しい』と言うコンセンサスがA氏とスタッフの間にあるという。
終いには、ホームページなど全く不要なことと罵倒され、あまりに私と違うことに呆然としていました。
ことの是非を問う気はありません。私と価値観も形態も全く違うのです。

設計事務所の業務を広く解釈すれば…
企画立案から始まり、クライアントとコンセプトの醸成、計画案作成と進みます。問題点を洗い出し、行政と折衝を重ねます。また、近隣対策も欠かせません。これらの懸案に目処が立って初めて作図(設計図を書く作業)です。作図にあわせ、各種申請が進行していきます。コストスタディーも大変重要ですし、要求されたスペックを満たす商品のチョイスもあります。
設計図を始め、様々な作業が完了したところで、施工者の選択があります。それは、入札であったりネゴで決めることもあります。限られた予算でより良いものを造る大切な交渉です。工事が始まれば監理業務があり、竣工後もメンテがついて回ります。

私は、この全てが「設計事務所の仕事」と考えています。
だから、MACでは図面を書くのは「年に2〜3ヶ月程度」です。つまり、長大な流れにおいて「図面を書く」ことは、設計の一部に過ぎません。また、現場に「コンセプト」を掲げ、個々の職種にも理解を求めるようにしています。だから、一つの建物が出来上がるまでには、価値観を共有できる「多くの仲間」が集まります。

A氏の事務所では、図面以外の作業をどのようになさっているのであろうか?
何よりも私が不可解に思ったことは、スタッフが機械(あるいはロボット)に徹することを歓迎していることです。「設計」を目指したのなら「それで満足なのか?」と私など首を傾げてしまいます。
この話を我が家でしたところ、息子から「ロボットであることを望む若者が増えた」と言う答えが返ってきました。
末っ子は「営業」をしています。
顧客からのニーズを伝えて技術スタッフに「商品の製作を依頼」するそうですが「ニーズ+創造性」のあるものができてこないと嘆いていました。つまり、素人である顧客が思い描いた物はできるけれど、それ以上のものは出て来ないわけです。
私など、クライアントの希望にクオリティーを加えてこそ「プロ」と思うのだが如何であろうか。もう、そんなことは「シンドイ」時代なのであろうか…
020523(木)宗像グルメ旅
月曜日の朝にお役所に行く必要があり、前日から宗像に入りました。
提出書類の準備をして、日曜日の予定は終わりです。宗像で、ビジネスホテルを探そうと思っていたのですが、クライアントのご好意で「素晴らしいグルメ旅」になってしまいました。
ここは「神」の町です。古代から続く宗像大社は、沖ノ島の沖津宮(おきつみや)筑前大島の中津宮(なかつみや) 玄海町田島の辺津宮(へつみや)の三宮の総称です。沖ノ島は、余人の入れぬ神域ですが、大島にある中津宮までは行けるので、団体バスが繰出しています。大島に渡る船が出るのは、神湊(こうのみなと)です。名前まで神秘的です。
写真は、神湊から見た「さつき松原」の海岸線。白亜の建物は、今宵の宿となった某リゾートホテル
まもなく、合併する隣町「玄海町」に、某リゾートホテルがあります。「経営は大丈夫かいな」と思うほど大規模なホテルで、ひなびた海の町・玄海町に不釣合いなくらいです。
部屋もご覧の通り。リゾートホテルらしく広い部屋です。ここで「一人でノンビリ」過ごしました。
ここには、素敵な温泉があります。
素敵な部屋、豪華な食事、それに「温泉」です。望外な贅沢が突然始まりました。
ここ、玄海は「魚処」です。
では、食事をご案内しましょう。
←中庭のある和風レストラン
お奨めの地酒を冷やして→

癖のないとっても美味しいお酒でした。頂きます!
←(左)イイダコの旨煮
 (右)イカの麹漬け

白身魚のシンジョあさり入り→
←氷で作った器に盛られたお造り(海老・ハマチなど)

ダルマダイを餡に見立てて、餅で包んだ柏餅(焼き魚)→
←メバルの白扇蒸
ハルサメを扇に見立てたメバルの蒸し物

湯葉とクコと生麩の茶碗蒸→
←野菜と魚の煮物
米粉で作った器に、パプリカや海老に魚の煮物が入っています。

ご飯、赤だし、漬物→
最後は、柚子のシャーベットで締めくくり。満足満足!
この夜は、バーで飲んで、温泉に浸かって「満足満足!」
翌日昼は、ステーキ定食のご馳走に預かりました。カメラを持っていなくて、写真がご紹介できないのですが「昼からこんな贅沢してエエやろか」と思うものでした。
大阪に帰って、1年ぶりの同業者の集まりでパーティー…
2日間「ご馳走」に浸って『ダイエットは明日から』
020524(金)借金は怖い
不良債権の償却といえば、銀行の専売特許のような感がありますが、決してそんなことはありません。
一般企業も大なり小なり「不良資産」を抱えており、単年度の利益を「不良資産の償却」に当てるため、結果として「黒字決算にならない」事情があります。余剰金が「設備投資」に回れば、世の経済は上向くのですが、現実は「後ろ向き」な資金に費やされ、景気回復の足を引っ張っています。
私ごとですが…
バブルのピーク時に、私のささやかな資産が「1億円」に達しました。(このこと自体がバカげている)その頃、数千万円ある借金を「怖い」と思ったことがありません。ところが、バブルが弾け「あれよあれよ」と言う間に資産価値が下がりだしました。終わってみれば、資産は『ダダ下がり』なのに、借金だけは「不動」で、不動産の意味が逆ではないかと思ったものです。資産と借金の価値が逆転する頃から「借金の重み」がズシリと堪えるようになりました。
あれから10年余。借金を返し続けて、もう1/10ほどまでに減りましたが、それでも負担感は軽減しません。まさに「借金は怖い」につきます。
大企業ともなれば、この「きつい負担」はもっと酷いと思います。
先日も、某サッシメーカー氏が訪ねてこられ、こんなお話をされていらっしゃいました。バブル華やかな頃、お付き合いで買わされた「4000万円のゴルフ会員権」を、何と「70万円で処分」したそうです。更に、相次ぐゼネコンの倒産で「16億円の貸し倒れ引当金」が使用され、本来なら黒字の筈が「赤字転落」となったそうです。
メーカーなのに「なんで」倒産と関係があるの?と思ったら、こういうことでした。
某社は、代理店制をとっており「ゼネコンの倒産」と直接関与がありません。ところが、ゼネコンの倒産のあおりを受け、有力な代理店が連鎖倒産しては、メーカーの販路にかかわるため、代理店を助ける資金が必要という訳です。

競争相手の多いサッシメーカーですらこの有様ですから、寡占化の進んだ業界では「もう大変」らしい。
例えば、衛生陶器(便器など)の世界は、TOTOとINAXの2社で90%以上のシェアを有しています。どんな建物にも便所はある訳で、代理店を助ける資金は「膨大なもの」と聞きました。
ゼネコンの「借金体質」が回りまわって、メーカーを直撃する。ホント!借金は怖いね。
020525(土)
電車の中で、ふと「雑」という文字が浮かびました。
実は、建築は「雑」の非常に多い世界です。そこで、例によって「広辞苑」を引いてみました。
ざつ【雑】(呉音はゾウ)
〓種々のものの入りまじること。統一なく集まっていること。「―種」「複―」「混―」
〓主要でないこと。「―用」「―貨」「―巾(ゾウキン)」
〓有用ではないもの。よけいなもの。分類しにくいもの。「―草」「―念」「―費」
〓精密でないこと。粗野。「―な出来」「粗―」
ざつ‐がく【雑学】雑多な物事・方面にわたる、系統立っていない学問・知識。

うむ…予想通り、あまり良い響きで語られていません。
建築でも「雑」は主役を張れませんが、言葉ほど脇役でもありません。第一、建築学の90%は「雑学」で構成されているといっても過言ではありません。
世間でも、オーソリティーとして尊敬される方は、専門知識だけではなく「幅広い知識(雑学)」をお持ちの方が多いように思いますが、如何でしょうか?
建築費は、工事種別ごとに分類されて出てきます。
 ・仮設工事
 ・地業(杭)工事
 ・土工事
 ・鉄筋コンクリート工事
 ・鉄骨工事
 ・
 ・
 ・
 ・塗装工事
 ・内装工事
 ・雑工事
これで〆括りです。広辞苑で言うように、分類しにくいものが「雑工事」として計上されます。何せ、アイテム数100万と言われ、最大の裾野を持つ建築界の「雑工事」です。料理で言うなら、隠し味ではなく「仕上げの味」が雑工事です。竣工間際1週間で、建物の雰囲気が「ごろっと変わる」のは、最後の最後にこの雑工事が終了するためです。
建物の、構造にも「雑」は登場します。
主要構造部を構成しない、雑多な壁を「雑壁」と称します。これに要する鉄筋は「雑配筋」として扱われ、仕上げほど良い立場にありません。
ところが、この雑壁が「大活躍」をしたことがあります。
阪神淡路大震災で、計算外の壁・計算に邪魔な壁「雑壁」が、ショックアブソーバーの役目を果たし、自らが粉砕することで衝撃を吸収したのです。おかげで倒壊を免れたり、避難時間を稼いだ建物が多かったのです。
最後に…
昭和天皇が記者団と懇談のおり「雑草…」との質問に対し、『雑草という草花はありません』と窘められた有名なエピソードがあります。自然を愛し、造詣の深かった陛下らしいお話です。
世に不要なものはありません、それぞれが役目を持っています。「雑」にも愛情もってください…
020526(日)おまえもか!
我国最大の食品企業で、超の付く優良企業といわれた「雪印」が崩壊に瀕しています。雪印食品は既に解体、本体の雪印乳業も500億円の金融支援を要請する有様で、つい2年前までの「1兆円企業」のイメージはありません。原因は?といえば、中毒事件の隠蔽に続いて牛肉の「違法表示」です。つまり、企業モラルを破ったために、企業が立ちゆかなくなったのです。
そんな折、ミスタードーナツの不正が報道されました。
dogfight注:マスコミは何故か「ダスキンの不正」と報道している。問題にされた肉まんは、ミスタードーナツ内に併設された「飲茶(やむちゃ)店」で販売されており、ミスド(このように略して呼ばれる)と一体です。あたかも、ミスドと別物みたいな報道に「胡散臭さ」を感じます。
中国で生産されていた「豚饅」に日本で認められていない防腐剤が使用されていたことが分かったにも拘らず、報告も廃棄も行わず「販売を続けた」のです。
ここには二重の企業の甘さがあります。
私は、第1報を聞いたとき「中国で作ったんだろう」といったのですが、まさにそうでした。漢方薬を有難がる向きも多いのですが、漢方薬に「劇薬が多い」ことは余り知られていません。毛はえ薬に痩せ薬、水虫薬に中国産バイヤグラなど、怪しげな薬が多いのです。どうもこの国には「近代的なルール」を守る気持ちが希薄です。我国で販売するために中国へ製造委託する場合は、日本の基準でチェックする必要があります。次に、薬剤使用が指摘された時点で公表するのではなく「口止め料」を払ったことです。こんな企業は閉鎖するべきです。
追記
瀋陽にある韓国総領事館でも、亡命を希望する北朝鮮人を追い返す事件があり、問題になっているそうです。ここでも「おまえもか!」がありました。
北朝鮮の、亡命予備軍は「何十万人もいる」そうで、戦々恐々としているのは中国も韓国も同じです。これは、対岸の火事などではなく一衣帯水の日本海を押し渡ってくるボートピープルが現れたら、我国はどうするのであろうか?
現実に「侵略を受ける」まで、我国には「有事立法」も出来ない。『泥棒を見て縄を編む』我国では、大量亡命問題が起こるまで何の対応もしないのだろう。何よりも、大量亡命を出す北朝鮮を非難しない「マスコミの姿勢」も不思議なものだ。マスコミよ「おまえもか!」
020527(月)日常から
今日(020526)は、市内一斉清掃日。
体力のない私が買い物へ行き、家内が清掃に出ました。そんな「日常から」出来事を…
 一斉清掃
一斉清掃は年2回あります。かつて、自治会長として一斉清掃の陣頭指揮を執ったのが「遠い昔の出来事」のように思います。自治会の活動を大いにPRし、夫婦での参加を促したことから、それなりに活性化しました。1年の任期が終わり、より広域の自治会長就任を要請されたのですが、当時も?事務所は存亡の危機にあり、それどころではありませんでした。お断りしたところ「議員の道を狙っていた」などと誹謗中傷を受けたことを思い出します。こんな詰らぬ出来事もありましたが、概ね「楽しい自治会活動」であったように思います。

この団地の歴史も、15年近くなってきました。
バブル崩壊後は人の流動も止まり、どこの団地でも「高齢化」が始まっています。この団地でも、高校生が目立つようになった背景に、熟年化があると思います。家内の話によれば、一斉清掃の参加者も減少傾向にあるようです。高齢化し、高校生等のヤングからの参加がないことが原因のようです。時とともに自治会活動も変化していく必要がるのでしょうね…
 天然のサクランボ
時間の経過は、人の熟年化だけではありません。団地内の樹木も随分大きくなりました。
遊歩道の桜も大きくなりました。そんな中に「サクランボ」を実らす桜の一群があります。私が自治会長をしていた頃は、眺めるだけで、とても取る気になれないほど僅かでしたが、今は「たくさん実っている」と言うので行ってみました。
ホントに見事です。
これだけあれば「遠慮は要らない」とばかりに摘んできました。
色の綺麗なものは、まだ硬くて食べられません。赤黒いものしか食べられないのが、如何にも「天然のサクランボ」らしいところです。そこここに「鳥がついばんだ」痕があり、私が摘んでいる最中も、梢の上から「猛烈な抗議」の鳴声が聞こえてきました。
ほんの1mの脚立があれば、この10倍は摘み取ることができるのですが、手の届く範囲から上は「鳥さんの領分」です。その代わり、2.3日おきに摘み取りに行かせて頂きます。
鳥さん、仲良くしようネ!
(甘さに慣れた子供達には、酸味のある「天然の味」は苦手のようでした。私は、やはり「野生」に近いのでしょう)
 買い物
ミセス・ダウトではありませんが、私が買い物です。
昼は「焼きそば」夜は「天麩羅」と『男の手料理』の予定で、食材の買出しです。我が家では、私の料理は評判が良いのです。「腕が良いから」ではなく、値段も見ずに「美味しそうなもの」を買うからです。
レジでのこと。おばさんが、丁寧にビニール袋に商品を入れてくれます。
日曜日に「男が一人」買い物に来ることに、同情の様子です。おばさんは、私を見て何を考えたのでしょうか?
「奥さんが病気やろか…」それとも「奥さんに逃げられたのやろか…」
うむ〜、私は「生活疲れ」して見えたのであろうか?ならば注意しなくてはいけない。
 追記
濃い口醤油が切れかかっていることに気付き、近くのコンビニまで行きました。
なんと!薄口醤油は置いてあるのですが、濃い口醤油は「行楽用(100cc程度)のミニボトル」しかありません。ここが、関西であることを改めて認識する出来事でした。
 巡回バス
大阪府下では、自治体が市内巡回バスを運行することが、流行っているようです。(ひょっとしたら、全国的に流行っているのであろうか?)
ここ大阪狭山市でも、4系統の循環バスが運行されており、乗り継ぎも出来て「100円」です。主な市内の施設を結んでおり、結構便利だと思うのですが「ガラ空き」です。車社会と、1系統当り「1時間に1本」と言う、密度の荒さから敬遠されているかもしれません。
私の住むところは、老人福祉センター・授産施設・図書館・公民館・保健所・郷土資料館・中央郵便局に小学校・幼稚園が連なっており、狭山最大の官庁街です。そのため、全ての系統が経由するのですが、営業バスの頻度が高く、ついそちらに乗ってしまいます。せめて、倍の密度では運行すれば、もっと活用されるように思います。
買い物の帰りは、循環バスを利用しました。
営業バスとバス停を共用しているため紛らわしく、先日も「待っているのに」無視されてしまいました。今日は、バスに対して「手で合図」して、乗せてもらいました。ロンドンのバスのように「リクエスト」した方が確実のようです。
020528(火)30年ぶりの邂逅
愛知県出身で、大阪で暮らす人間は案外少ない。
愛知県は産業の完結した地域で、県外就職が少ないことと、希に県外就職があっても「東を向いて」いるからです。
昭和40年、豊橋工業高校の卒業生は約350人。大阪の地に就職先を選んだ生徒は僅か2名でした。
建築科から私(後に転勤で大阪勤務は数人いる)と、電気科から松下電器に勤務した「朝倉」の二人です。高校在学中は格別親交もなく、彼は生徒会長として「優等生」、私は異端児として知られた生徒でした。私達は両極にあり、どちらかと言えば「虫の好かぬ」相手であったと思います。
今も学生規則のキツイ愛知県にあって、おそらく豊橋工業は「長髪許可を勝ち取った」最初の高校でした。臨時の全校集会で、長髪許可を求めて校長先生と壇上で渡り合った私を、生徒会長はどのように眺めていたであろうか?(長髪運動は、生徒会活動とは関係がなかった)
多くの生徒が、長髪を望みながら「長髪運動」には批判的でした。私は、級友から批判され、生活指導の先生から応援される不思議な存在でした。
そんな二人に親交が始まったのは、大阪に来てからです。
どちらから連絡したのか記憶も定かではありませんが、双方が結婚するまで交流は続き、いつの間にか途絶えてしまいました。喧嘩した記憶もなく、何故途絶えたのかも不明です。私は勤務先が変わり、彼も任地が変ったことが原因ではないかと思います。
消息を知る術もないまま30年が経過しました。
先日、松下系の某社に勤めつ方達と会食があり、彼の話をしたところ「消息を調べてみる」と約束してくれました。早速、翌日に連絡があり「昨年(2001年)末に○○事業部を退職」と分かりました。
人事担当に連絡を入れ、私の身分を名乗って「連絡をお願い」しました。その夜、彼から「30年ぶりの連絡」があったのです。
昨夜、30年ぶりの邂逅を果たしました。
それぞれオッサンになっており、彼は優等生のままに、私は異端児のまま「今」を迎えたような気がします。
子供は3人、今はどこに住み、どこに勤めて、どんな暮らしを…尽きぬ話の筈が、あっけなく済んで行く。お互いが「予想通りの人生」を歩んだ証であろうか。
彼と音信が途絶えてから私は酒を覚え、彼は煙草を覚えた。親交は続いても、それで生き方に影響を与え合うこともないだろう。昔のままに、不思議な縁の復活である。
020529(水)リサイクル法
平成13年4月1日から『家電リサイクル法』が施行されたことはご存知だと思います。テレビや冷蔵庫を処分するには廃棄費用が必要になりました。
これより早く、平成12年5月から「建設リサイクル法」が施行されており、建設現場から出る「産業廃棄物」の処分が厳しく制限されていることはご存知ない方が多いのではないでしょうか。
大規模なスクラップ&ビルド(壊して建替える)では、現場にリサイクル工場を設け、産廃の量を減らしています。小さな現場でも、木目細かく分別さて、マニフェスト(産廃処分記録)が整備されています。もし、この記録を整備していないような施工業者なら「まともな業者とは言いがたい」と思ってください。
これよりもっと知られていない法律に『食品リサイクル法』があります。
対象が家電や建材と違い、リサイクルが困難な分野です。ですから「事業所から出る食品廃棄物を平成18年まで20%減らす」と言う法律です。まさか、客の食べ残しの20%を「再度テーブルに載せる」分けには行きません。

神戸に、環境省の援助を受けて、食品リサイクル法を実現する「実験プラント」があり、その見学会があると言うので参加しました。
食品廃棄物(生ゴミ)を20%減らす方法は様々あるのでしょうが、このプラントは「生ごみバイオガス化燃料電池発電施設」です。長ったらしい名前ですが、工程をそのまま表しています。

生ゴミ投入ホッパー
3cm程度に切断→
粉砕分別機
異物を排除分離→

混合機 希釈して生ゴミをペースト状に→
メタン発酵槽(7〜10日でメタンガス化)→

ガスホルダー
ここでガス圧を一定に
■ざっと、こんな工程で「生ゴミ1TON当り200立方m/日」のメタンガスが採取できる。
■この処理をすることで、異物分離とガス発生後の汚泥を含めて、10%に圧縮できる。
メタンガスを燃やして発電すると、CO2やダイオキシンが発生するため「燃料電池」を選んでいる。
※電気分解の逆で、水素と酸素を化学反応させると電気を生じる。これが「燃料電池」です。化学反応で発熱するため、電気と熱湯(90℃)が得られる。エネルギー効率は、発電で40%、熱湯も含めれば90%に達する。
■実用プラントでは、圧縮メタンガスの販売も考えている。

100KW燃料電池
時間当り40立方必要
この試験プラントは「生ゴミ処理能力・日量6TON」で計画されました。
神戸市内にある、主要6ホテルからアンケートを取ったところ、合計で「12TON/日」と言う回答があり、その半分を計画規模にしたそうです。ところが、運転開始をしたところ「3TON/日」しか集まらず、半減運転をしています。原因は、ホテル側が「厳密に分別を始めた」ことと、不景気で「余り残飯が出ない」ことだそうです。ここにも世相が反映していました。
生ゴミを90%も圧縮するのですから「食品廃棄物を20%減らす」目的は充分達せられているのですが、問題も多いようです。
メタンガス発生の過程で「CO2」も出来てしまうそうで、「その処理は?」と質問したら、空中散布と言う苦しい返事でした。地球温暖化の悪役CO2を防ぐために「燃料電池(非燃焼型発電)」を採用しているのに、どうしても出来てしまうCO2の活用方法がない。何もかも上手くはいかないようだ。
次に、副次的にできる「熱湯」の活用が、メタン発酵槽の保温(55℃に保っている)以外に使い道がないようです。我国には「地域冷暖房の概念」がなく『熱湯を買う』と言う発想がありません。
最後に、最大の問題はコストです。明確な答えが頂けなかったのですが、どうやら「発電コストは天文学的」らしい。まだまだ「これからの科学」と言えそうです。(でも、とっても楽しい見学会でした)
この施設は、神戸のポートアイランドにあります。
見学の後、ポートライナー最寄駅の「市民広場駅」まで歩いてみました。ポートアイランドに「副都心構想」を持って、その中心予定地に、先行して「動く歩道」を作ったのですが、バブルが弾けて「草原を貫く動く歩道」になってしまいました。約1km続く「動く歩道」は、あれば便利ですが、まるで利用者がなく「壮大な無駄使い」と非難を浴びているそうです。先駆者の辛さを見る思いがしますね…
020530(木)高すぎるメンテ料
購入後5年になるA1プロッタの、インクパックをスライドさせるベルトが劣化して剥離するようになりました。そのため誤動作が頻繁となり、修理を依頼しました。
取り替えるベルトは消耗品で2400円ですが、取替えと調整費が何と『約6万円』です。作業時間は30分!呆然とする費用です。ちなみに「ベルトだけお分けできますが、今後一切責任をとりません」と言う、ほぼ脅迫に近いメーカーの言葉でした。
「メンテ契約を結んでいない報いだ!」と言う声が聞こえてきそうですが、とてもそんな気になれません。MACでは、年に3ヶ月ほどしか図面を書かないため、A1プロッタの稼働時間が少なく「まだまだ使える」そうですが、頻繁に使うところでは「5年程度の耐用年数」が相場だと、修理マン氏の話です。では「5年間のメンテ契約料は」と問えば、新品を購入するより高いのです。
5年目にして始めての有償修理であることを考えれば、何事もなければ「新品購入費用以上のメンテ費」は全くの無駄になります。「まさか」のときの保険にしては余りに高すぎます。
以前使っていたFAXが故障したとき、修理費が3万円以上掛かると聞き、新品を購入しました。
当HPで触れたことがありますが、A3レーザープリンタのメンテ契約料が「25000円/年」もするため、契約を打ち切りました。このプリンタは10万円で新品が買えます。また、使用頻度が高くても「5年間は使える」ことを考えれば、バカげた費用です。

資源の有効利用という観点から、こまめなメンテで「永く使う」ことの意義はわかるのですが、ユーザーにとって「何のメリットもない」メンテ費用の設定は異常です。メーカーの賢明なる対応を願いながら「この声は届くはずもない」空しさを感じています。
020531(金)2:8
(行きつけのお店で)
ママも義父殿は90歳。しっかり?「ボケ」てきて、施設(療養型病床群)に入れることにしたそうです。ところが…
施設の定員が「男女比率2:8」のため、男のベッドに空きがなく、連絡待ちだそうです。で、「何で男が少ないんやろ?」と質問されました。
この「2:8」には、我国の老人福祉の現実が見て取れます。
現在、ケアハウスで入所者の平均年齢が75歳(60歳以上入所可)、その他の老人福祉施設で平均年齢が80歳(65歳以上入所可)と言うのが実態です。平均入所期間が「5年に満たない」ことを考えれば、平均余命を過ぎてから、このような施設を利用していることが分かります。だから、圧倒的に女性が多くなっています。そのため、現有の諸施設の男女比率は「2:8」で作られています。更に言えば、自分の意志で入所するのではなく、支えきれなくなった家族によって「送り込まれた」ことを現しています。(平均余命までは家族に介護されている…日本型老人福祉がある)
ただ、今後は急速に変っていくと思われます。
これから、戦後の高度成長を支えた「団塊の世代」が、老人の主力になっていきます。団塊の世代(私自身がそうです)は、子孫に美田を残さず、子供に頼る気もない「核家族を作った張本人」なのです。家族に送り込まれるのではなく、趣味を持ったまま「自分の意志」で家族に別れを告げる(施設に入る)人が増えてくるだろう。
「魅力的な施設を作れば、入所年齢が下がる」と言う信念で作った「神戸のケアハウス」は、平均入所者年齢が60歳台まで下がりました。当然「元気なお年寄り」が多く、男女比率もイーブンです。従来の「施設のイメージ」と随分変ったものになっています。
しかし、この目の前に迫っている「激動」が、行政も施設側も余り見えていないようです。ちょっと心配です…


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