dogfight高松の長すぎるひとり言
2001年9月

中弛み秋のけはい雑居ビル惨事とその背景反日韓国ペットとロボットゲート平成維新どっちもどっち眼鏡レクイエム受難の時代アオザイの娘父との約束高知にて「粘り」の設計大差の時代結婚式余話スルッとKANSAI」活用法いざり便一極集中時代が変わる「粘り」の設計2文字の大きさ狂牛病トラブル続き政治音痴/軍事音痴
010805(水)中弛み
暫く更新をしていません。
日々の更新を続けるには「勢いが必要」なことを知りました。
暫く休んでみて、結構「億劫な…」気分になっている自分に気付きます。周りを見渡しても、私とほぼ同期にHPを始めた人たちのサイトに、「中弛み」に似た雰囲気を感じます。
8月は惨憺たる月でした。
あれだけ目白押しの計画も、相次ぐ「訃報」に気分が滅入っていました。
9月になり月が変わったところで、私の「ツキ」も変わったと信じたいものです。小さな物件で、それも「値切られた」のですが、ゲン担ぎに受注しました。これがスタートで「勢い」がついてくれれば良いのですが…

私事ですが、大変お世話になった老師が96歳の大往生を遂げようとしています。ドクターは「覚悟はしておくように」と言う言葉と共に、老衰だけに「眠るがごとく逝くだろう」とおっしゃいます。いつ連絡があっても駆けつけられるようにしています。
公私共のこんな状況で、いまいち「仕事に気がいっていない」状況が続いています。
肝心の「老人福祉」に関する論文も、手付かずで日々流されています。とは言え、着実に「エンジンに火が入って」きており、まもなくフル稼働になるだろうと思います。
世間は事件だらけで、テーマには事欠きません。
 ・新宿歌舞伎町の火災事故(事件かな?)
 ・ペットとロボットゲート(団地住人のマナーの低下)
論文の纏めはもう少し後にして、また「日々の更新」を始めよう思います。ご愛読の程をお願い申し上げます。
010906(木)秋のけはい

バス停のある銀杏並木
8月の下旬に日本中の水不足を解消してくれた台風11号が通り過ぎて、すっかり涼しくなりました。さしもの猛暑もなりを潜め、クーラーの要らない「快適な夜」を過ごせるようになりました。
月が変わり「9月」
バス停のある銀杏(イチョウ)並木。
濃い緑も何時の間にか淡く変化してきました。少しずつ黄葉(こうよう)の準備を始めたかのようです。抜けるような青空、淡くなった葉の色、雌の木にはもうこんなに銀杏(ぎんなん)を矯めていました。秋はそこまで来ているようです。
桜の葉にも変化が出てきました。まだ僅かですが、気の早い葉は「色着き」を始めたようです。松の木にも新しい松ボックリが出来てきました。
1年は後半を迎えようとしています。そこには、速い「時の流れ」を例年より寂しく感じている私がいます。人生の黄昏にはまだ早いと思いますが、準備だけは怠るまいと思う気持ちもあります。ここにも「秋のけはい」があるようです。

色付き始めた桜

たわわに実ったギンナン

新しい松ボックイ
010907(金)雑居ビル惨事とその背景
新宿歌舞伎町の雑居ビルで火災があり、44名が死亡する大惨事がありました。
ビルの規模に比して死亡者が多く、第一報を知ったときは「事件」を予感しました。出火原因に不可解なことが多く、「世界のマフィアが集まる歌舞伎町」だけに、事件性を否定できないようです。
事件(事故)そのものはマスコミで詳細に報道されており、ここで改めて触れる必要もありませんが、その裏にある問題を考えてみたいと思います。
この雑居ビルは「無許可建築物」で、違反建築の建物では営業できない風俗業が「無許可営業」されていました。更に、ビル所有者がマスコミに登場しないことで分かるように「所有者不明」と言う『無法地帯』ならでは状況となっています。このような状況下で、所轄消防がいかなる「改善指導」をしたところで、それを受ける責任者がいないため「何でもありの無責任」状態であったと思います。
Dogfightの呟き:歌舞伎町でクラブを経営する友人(台湾籍)がおり、何度かこの界隈で飲んだことがあります。ヤクザすら島を捨てたと言われる「無国籍地帯」で、事件に巻き込まれたら「助からないだろうな」と思わせるアブナイところです。
法治国家「日本」で、所有者すら分からないビルがあるのか?と言う疑問が湧きます。
しかし、冷めた考え方をすれば理解できることです。当該事例がどうであったか?知る由もありませんが、こんな理由が想像できます。
ビルが不法占拠され、家賃収入も途絶えてきました。法に訴え裁判に勝ったものの、未収の実態は変わりません。そのくせビルを所有しているため、固定資産税や未収利益に対して所得税が課税されたりします。これではビルを所有するメリットがありません。そうこうする内、所有者が死に「相続が発生」しましたが、この「負の遺産」を誰も継ごうとしません。そんな状況が2世代も続いたら相続権者が鼠算的に増えてしまい、所有権(者)が特定できなくなってしまいます。こんなとき、所有権を主張できる最大の根拠は「誰が納税しているか」なのですが、不法占拠されていて「誰も納税しない」ため、所有者不在の扱いとなってしまいます。
如何ですか!
不動産を所有する理由は、メリットがあるからです。
封建制の時代、領主の圧政に耐えかねて、農民が田畑を捨て逃げ出した事例があります。歴史で「荒れ田」として登場するものです。農地を持つメリットがなくなって、農民は逃散したのです。理由は異なるものの、これと同じことが起こったと考えられます。
実はこのような事例は、今後我が国で広く起こる可能性があります。そのことに触れてみようと思います…
過疎問題と言えば、都市と農山村の問題と考えます。ところが、都市の中での「過疎問題」が今後深刻になる可能性があるとしたら如何でしょうか!
我が国の住宅事情は世帯数を住宅数が上回っており、過剰供給状態となっています。
にも拘らず住宅は供給し続けられ、それなりに需要を得ています。その背景にあるものこそ「都会の中の過疎化」を起す要因を秘めています。
ヨーロッパと異なり「木と紙の文化」を持つ我が国では、住宅を「恒久的なもの」と捉えるのが苦手かもしれません。俗に耐用年数と称される「有形償却資産」を見ても、木造住宅は「20年」とされており、石の文化を持つヨーロッパのように「何百年」というタイムスパンで住宅を見ることはありません。
こんな背景からか、常に新しい住居に転居していく傾向があります。
これが「世帯数を住宅数が上回っていながら、新規住宅が供給し続けられる」理由になっています。当然、余剰となった中古住宅は見捨てられ、中古住宅市場の値崩れとなって現れてきています。
新規住宅が、都市の中で満遍なく供給されるなら問題はないのですが、実は「一定の条件を満たす地域」に集中して供給されています。それは…
 ・ 駅に近い(徒歩5分圏内)
 ・ 住環境が良い
 ・ 値段が安い
このような有利な条件で安価な新規住宅が供給し続けられています。
反面、高度成長時代に無秩序に広がった文化住宅群に「空家が目立つ」のは自然の成り行きです。駅前に100戸を持つマンションが出来れば、100軒の文化住宅が空家になる図式がここにはあります。
では、この「古くて不便で決して良くない環境」の文化住宅群に活性化の目はあるのか!
残念ながら絶望的にならざるを得ません。住宅街の空洞化は地域商店の空洞化を招き、悪循環は際限なく広がっていきます。
最近私が「活性化の相談」を受けた事例も、端的にこの状況が出ています。
25軒の貸家をお持ちなのですが、築後36年経過しており、修繕費がかさむ割に老朽化を防げそうもありません。家賃は25000〜30000円と、都市とは思えない低額なのに入居率は50%程度で、有効な回復策が見当たりません。
現時点で、既に経費がかさみ「現金収入」というメリットは消えつつあります。
建替えと言う積極的な活路も検討しましたが、なんと「道路もない」という不法地帯(違反建築群)です。「道路とは!」という基本的な整備から必要になり、なおかつ、先に述べた三条件を満足していません。お気の毒ですが、そんなに遠くないうちに「不動産を持つことが苦痛になる」時が来そうです。
地方に行けば、最大の企業は『県庁』で最大の産業は『公共投資』というところがたくさんあります。こういうところで過疎化が進んでも、じいちゃんばあちゃんが住んでおり、秩序ある過疎化といえます。
しかし「都市の中の過疎問題」は、スラム化を招き治安の悪化を伴います。若者人口の減少はこの傾向に拍車をかけるでしょう。真珠歌舞伎町の火災による惨事は、これからの日本を暗示する序曲かもしれません。
追記
随分昔になりますが、アメリカ映画で「タワーリングインフェルノ」と言う作品がありました。
超高層ビルの火災を扱ったもので、ある消防士の活躍を扱ったものです。
我が国とアメリカでは、防災基準が異なります。我が国は「法で定めている」のに対し、アメリカは「保険」で決められます。つまり、良い設備をすれば保険料が安くなるといった、「自己責任の国」ならでは制度です。

あの映画以降「日本でも起こりうるのか?」と言う質問に随分悩まされました。
実は「日米の基準の差」以前に、あの映画は「建築的な検証がされた」とは思えないほど杜撰なシチュエーションで作られています。その意味では「我が国では起こりえない」と言う答えになります。ただ、新宿歌舞伎町にみるように「不法地帯の無届建築物」となると、さて?どうなりますやら。「君子危うきに近寄らず」が原則のようです、どうぞ「自己責任」でお遊びください。
010908(土)反日韓国
手元に2冊の本があります。
正論10月号と、呉 善花著−「反日韓国」に未来はない−(小学館文庫)で、この夏、近隣2国の圧力により物議を醸した「歴史教科書と靖国参拝」問題を扱ったものです。
呉 善花氏は韓国人作家で、日本文化に大変造詣の深い方です。
正論には、台湾の評論家・黄文雄(こう・ぶんゆう)氏の投稿「日本が靖国で中国に惨敗した背景」が掲載されています。
呉氏は「韓国 :日本」を、黄氏は「中国 :日本」に触れながら、恐ろしいほどに符合した内容でした。
両氏曰く、日本と近隣2国の考え方は「DNAが違う」と思うほど異なっており、日本人が「千年誤り続けても…」彼の国の怨念が晴れることはないだろうと指摘なさっています。更に「教科書・靖国」は、日本を恫喝する最も有効なカードであり、かつ国内の政敵や国民の批判を抑える最高のカードであるとしています。このように、内容は決して「我が国におもねる」ものではなく、両国の差を知るが故の真摯な直言と言えます。
両書を読んで私は絶望的な気持ちにさせられました。
日本が、近隣2国との相克を無くす方法は二つしかありません。
中国は中華思想の国であり、韓国は今も小中華を標榜しています。日本は彼の国を「親や兄」と崇め、日本人と言うアイデンティティーを捨てて「ミニ中華」に徹することが一つです。そこでは日本は消滅し「中華思想に従う」ことが絶対必要です。
もう一つの方法は、「日本と両国の基本は違う」と言うことを、毅然たる態度で知らしめることです。この場合、小泉総理が近隣2国に全面降伏して「公約を違えた」ような行動は、最悪の事態を招きます。

惜しむらくは、両氏の著作が「彼の国の言葉で出版」される可能性がほとんどないことです。
あまりに違う「両国の考え方の差」を知ろうともせず、反日教育をエスカレートさせていく彼の国。その一方で、表立った反論もないままに「嫌いな国」と言う認識が広まっていく日本。寂しいことですね…
追記
考古学の発展は、大陸と「海に囲まれた日本」の違いを、科学的に証明し始めました。
前方後円墳は「日本のオリジナル」という説に韓国は真っ向から反対してきました。しかし、最近の発掘から我が国の古墳時代は従来の説より「100年は古く」卑弥呼の時代であることが分ってきました。ならば、我が国が朝鮮半島に「任那」を構えるより以前のこととなり、日本オリジナル説が妄言とは言えなくなってきました。また最近、紀元前の縄文式遺跡から「漆塗りの縄文土器」が発見されるなど、大陸との交流以前より高度な文化があったことを窺わせます。

古代史の分野でも新しいことが分ってきました。
漢の国(中国)から金印を授けられた「倭国」は(西暦100年頃)漢と連携して朝鮮半島に攻め込んだことが解って来ました。これは、漢と倭国が同盟関係にあったことを示しています。
3世紀・卑弥呼の時代、中国は「三国志の時代」でした。呉・蜀連合軍に対し、魏の国は卑弥呼と同盟を結び、呉陣営に組した朝鮮半島を牽制しています。
このように古代日本は、国際政治の中で行動しており、全て「朝鮮半島から指導を受けた後進国」と言う韓国の主張とは合致しづらい状況となっています。
呉 善花氏は著作の中で、韓国の反日の背景に「朝鮮のお陰で日本がある」という「朝鮮優越論(日本蔑視思想)」を指摘なさっています。
日本の文化形成に置いて、朝鮮半島の果した役割の多さを否定するものではありません。しかし、考古学や古代史の研究から解るように「朝鮮からの文化伝播が全てだ」と主張するには無理があるようです。
少し肩の力を抜いたお付き合いは如何でしょう…
010909(日)ペットとロボットゲート
私の住む団地の入居規約によれば「ペット禁止」となっています。
ただ、厳密な運用は摩擦を招くだけだとして「近所迷惑にならなければ黙認」の姿勢をとっています。
私も、窓に激突して気を失った背黄青インコを5年ほどペットとしていました。(ちょっとメルヘン「980909ピピ」参照)
最も多いペットは「犬」ですが、どうも「近所迷惑にならなければ黙認」に抵触する方が多いように思います。獰猛な犬は少ないのですが…
柴犬を飼っていらっしゃる方がいます。ご主人様以外に牙をむく忠犬ですが、エレベータに乗合わそうものなら迷惑な限りです。
団地で飼育なのですから「座敷犬」が原則なのに、ベランダで飼育される方がいます。夜など人恋しくて一晩中なくことがあります。本人は躾のつもりなのでしょうが、周りは迷惑な限りです。

ピピ
散歩が付き物で、ペットの排泄物の始末は飼主がするのが当然と思うのですが、怠る人がいます。酷い例では、エレベータの中で用をさせ「そのまま」という無責任もいます。臭気が数日残りたまったものではありません。

ピピ(死んで3年になります)が居た頃、私は部屋で放し飼いをしていました。
自分を「インコと思っていない」困り者でしたが、少なくとも近所迷惑だけはしていません。そこへ、お隣の猫が侵入したことがあります。猫の本能でピピを狙ってきたのです。これには流石に私も激怒しました。狩猟本能のあるペットを外に放つなど、「団地のペット」では論外です。
私は団地住まいが永いのですが、ルールが段々疎かになってきているように感じます。
ある日、団地内の不法駐車のため「緊急車両が入れない」という事故がありました。
不法駐車を防ぎ、二度とこのような事態が起きないように(5年ほど前)団地入口にロボットゲートが作られました。誰もがルールを守るなら不要な設備ですが、2千万円ほど掛けて整備しました。お陰で、雨の日にタクシーで帰っても「マンションの玄関まで乗りつけ」が出来ません。不自由なものです。


ロボットゲート
最近この設備を更新しました(写真参照)。
元は、プラスチックチェーンで仕切っていたのですが、車に傷がつかないことを良いことに「ぶちきって進入する輩」が後を絶たず、補修費ばかり掛かるようになっていました。
そこで、全面的に改装して「瞬時に遮断する鉄製パイプ」に切換えました。2週間ほどは、ガードマンを付けて、従来と違うことを指導していたのですが、居なくなったとたんに「パイプが曲がっている」のを見ました。プラスチックチェーン同様、簡単に切断できると思って進入したのでしょうが、今度は車も傷着いたことだろう。
戦後、手のひらを返すように「公私の公」を教えなくなりました。その結果「天に唾する」がごとく、我が身に帰ってきていることを知っているのであろうか?
「公」を教えれば軍国主義に繋がるなどと、極論は言わず「生活のマナー」を守るくらいの教育はするべきではないだろうか…
010910(月)平成維新
「月は無慈悲な女王」という、古い外国の傑作SF小説があります。
月の住民が、地球からの圧制を逃れるため革命を起すものですが、その中で「革命のプロセス」が描かれており、大変興味深いものがあります。
 第1期 革命理論の構築(非業の死を遂げる)
 第2期 既存秩序を破壊し革命を始動させる(非業の死を遂げる)
 第3期 革命を遂行する(革命後切り捨てられる)
 第4期 革命後を構築する(利益を得る一握りの人)
如何でしょうか!古今東西どこでも通用する理論と思うのですが…
明治維新を取ってみても「吉田松陰が理論を構築し、高杉晋作が始動、無名の兵士が遂行して、伊藤博文が名を成した」といえます。
小泉総理が提唱する「聖域なき構造改革」を平成維新と例えるなら…
構造改革は言い古された言葉で、どうやら第1期は通過しているように思います。さて、小泉総理は第2期の立役者になれるであろうか?
つい最近も、約100ある「特殊法人」の解体スケジュールを各省庁に求めたところ、実質上の「0回答」でした。いわば「笛吹けど踊らず」の状態です。
特殊法人が、本来の役目を逸脱し「高級官僚の退官後の受皿」でしか機能していない実態が報道されるようになりました。郵貯からの財政投融資は「返す当てもない」まま、まるでパイのように分配にされ消えています。
冒頭の革命手順で言うなら、第2期を断行する必要があります。
 ・どの特殊法人が必要か?
 ・どれを民営化し、どうのように統廃合するのか?
こんな論議は、前向きかつ協力的である場合に限り有効だろうが、今のように「0回答」を出す官僚相手に通用する論議ではありません。まず「全てを潰し」しかる後「必要なものを再構築する」しかありません。
Dogfightの呟き:お役人とは「学習効果のない人達」であろうか?
消費税導入に際し、様々な例外を設けたため「いびつな制度」になっている。法は例外なく適用し、別の方法で「弱者救済」を講ずるべきです。
目的達成のために「特殊法人」を作った筈なのに、(報道で知る限り)はなから「高級官僚の受皿」として設立されたのか?と思えるものが多すぎます。
底辺に生きる私から見れば、トップを「渡り」と称する高級官僚が占め、生え抜き社員に「出世のチャンス」がない組織に、発展があるとは思えません。
これは、何も特殊法人に限った話ではありません。
民間企業でも、経営立直しのため銀行からトップが派遣される事例があります。事実上の銀行管理で「経営が安定」したはずなのに、どんどん沈滞ムードに染まる企業をみてきました。生え抜きの社員から「出世のチャンス」を奪い、やる気を殺いでしまうからでしょう。
構造改革の成功例に「中曽根行革」があげられます。
ここでも「革命のプロセス」が生きていました。
 ・JRの民営化では、旧態依然を望む組織を叩き潰し、生え抜きの社員で「組織を再構築」しています。
 ・NTTは組織再構築後に、立役者であり豪腕を振るった進藤総裁は「行き過ぎが合った」として引責辞任しています。これは、明治維新で革命をなした武士が自ら「身分制度を廃止した」姿に似ています。
小泉内閣の構造改革を危ぶむ声は「豪腕を振るったあと引責辞任するトップ」や「再構築する生え抜き社員」の不在を上げています。平成維新の前途や多難と言えそうです。
追記
大阪再生の牽引車として期待されている「USJ」ですが、この組織は悪評高い「第3セクター」なのです。「役所より柔軟な組織」として期待された第3セクターですが、我が国ではお役人の「姥捨て山」(役所に取って「不要な人」が派遣される事例が多い)になっています。
友人の娘さんがUSJに勤務しているのですが、派遣されているお役人のやる気のなさに「あんな腹の立つ連中はいない」と言い切っていました。USJの健全なる発展のために「1日も早い3セク解消」を望むものです。
010911(火)どっちもどっち
「難航するのでは…」と思っていた、中国道「女子中学生」放置致死事件の犯人が(010908)捕まりました。「捕まえて見れば…」何と半ば34歳の中学校教諭。先生に期待することもなくなったけれど、ここまで堕落されるとナア〜
女生徒の親は「校長や教頭は何をしていた!」怒りをぶちまけていたけれど、34歳の教諭のプライバシーまで責任は持てないだろうよ。被害者には申し訳ないけれど「夜の夜中に見知らぬ男と援助交際を求めて出歩く」なんて、これも「たいがいなもんだ」と思うよ!
無防備な戦後教育の担い手(教師)と無防備に育った生徒の遣りきれない事件でした。
010911(火)眼鏡
息子の結婚式に備えて、家内が10年以上使った眼鏡を買い替えることにしました。
何度目かのシンガポール旅行で二つ買ったうちの安いほうです。シンプルで軽く、大きなレンズの見やすい眼鏡です。
「同じ物はないですか?」と訊ねたのですが、いまの流行は「横長で小さい」物が主流とか。サザエさんがしているようなトンボの眼鏡はありません。できるだけ大きなフレームを選んで、次はレンズです。
店の入り口には「レンズ無料・フレーム半額セール」とキャンペーンを張っていますが、そんなものは「誰も選ばない代物」だけです。
妙に流行を追った高いフレームを勧めるくせに、レンズは安物を提示してきます。合計金額でバランスを取っているのか?分りませんが、大切なことを忘れています。必要で眼鏡をするのであって、ファッションで掛けるわけではありません。だから…
 ・ シンプルで軽く見安いフレームが欲しい。
 ・ 日常使うだけに、レンズは「明るく・軽く・強くて歪のない」ものが欲しい。
結局「それなりの値段」になりました。
半額の値札を掲げる商売など、基本的に胡散臭く感じます。ファッションに敏感だけれど、オーソドックスな商品を置かない姿勢も疑問です。どの眼鏡チェーンも同じ体質です。客が「いいかげん」になったのか?それとも、舐められているのでしょうか?
追記
大型台風は、今回も近畿直撃を避けてしまいました。
息子の結婚式前に「ブラブラの歯」抜いておこうと思ったのですが、台風接近を見越して早々と「休診」となってしまいました。結局、結婚式後まで抜歯は持越しです。
010912(水)レクイエム
お取引いただいていますH様のご母堂様がご逝去され、そのお知らせを頂きました。
蛇足ですが、一言、母について語らせて頂きます」と、断りをされて付けられた言葉を、私は涙して読ませて頂きました。ここに、そのレクイエムを紹介させていただきます。
母は、大正14年に、丸亀の郡家の貧しい農家に生まれ、尋常小学校を卒業するとともに、8人兄弟の2番目の子として兄弟を育てました。
その後、岡山の玉野にてミシンの縫子として働き、兄弟の生活費を仕送りしました。二十歳をすぎて結婚、一人の子を流産した後に、私たち3人の兄弟を出産。私は末っ子でした。
ある意味で、典型的な大正生まれの方だったと思います。
6月に胃ガンが発見され、7月17日に丸亀の労災病院で手術。手術は成功したといわれていますが、その後に術後肺炎を併発し、病室とICUの往復を繰り返しまして、2ヶ月あまりの闘病を経て他界致しました。
術後、数週間は絶対に治るものと疑っておりませんでした。
  母を追い 涙は枯れぬ 秋の夜
  失いて 初めて気づく 母の念
一口では説明できませんが、苦しみの多い人生であったことが、母方の兄弟7人による通夜の席の語り合いで再認識され、子として、あらためて母の思いや念じていた事に接しました。
「涙の枯れるまで・・」という言葉がありますが、たやすく枯れることは無いようです。「枯れる」のは間違いではないかと思う日々です。
平均寿命とまでは求めませんが、あと、5年生きていて欲しかった、というのが率直な思いです。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
010913(木)受難の時代
010911 アメリカで同時多発テロがあり数千人の犠牲者が出ました。
010912 株価が大暴落。17年ぶりに、ダウ平均が1万円を割りました。
台風が逸れた先日のこと、「元気がない」友人を励まそうと、飲み会がありました。

私が某クラブを退会して4年がたちます。
退会理由は複数あるのですが、景気後退に対する自衛策と言う側面もありました。クラブは、私の退会後も会員が減り続けているそうで、私が在籍した頃の70%以下になっていると聞きました。内、死亡退会は2名。倒産(会員は全員経営者)による消息不明だけでも10名を超え、他の方も「企業防衛のため」に退会したと思われます。
バブルが弾けて、史上最長の不況に入ったのですが、年々その深刻さは増すばかりです。最近の報道では「世界同時不況」が語られるようになり、何処まで行けば「底があるのか?」誰も見えなくなりました。
最近元気のない友人(建材卸業)は、私が退会する直前に「1億円近い不渡り」をくらい、建て直しに躍起になっていました。メーカーに支援を求めたところ「役員が派遣され…」お定まりのコースで、実権を奪われた格好になっているようです。誰もが「明日は我が身」と思いながら酒を飲んでいました。
私が退会した頃は「失業者が100万人に達するのでは…」と言われたものですが、今は300万人を越えています。大手電機業界の発表しているリストラ予定だけでも10万人近くあり、いずれ「痛みは民間だけか!」という怨嗟の声が上がるでしょう。
民間とのバランスから、小泉総理は構造改革を断行する必要に迫られるだろう。そうなれば、構造改革に反対するお役人からも「大量の失業者」が出ることになります。
いま私達は「受難の時代」を生きて行こうとしています。
追記
お役人様には、「雇用保険」がないことを始めて知りました。なぜって?失業がないからです。ホント、民間と不平等だよな!
もっとも、私も雇用保険がありません。訳は「誰も補償できない」からです。辛いよな〜
追記2
和歌山へ行ってきました。用事そのものは「空振り」だったのですが、和歌山ラーメンは美味かった。
それより、この辺で「突破口」を見つけないと、大変になるよ!
010914(金)アオザイの娘
昨日の続きです。
同病相憐れむがごとくの飲み会で、2次会で利用したスナックに「アオザイがとってもよく似合うベトナムの娘」がいました。
彼女は「チャンさん」25歳。ホーチミン市で生まれたそうです。
いまは、某大手企業の企業研修(3年の予定)で日本に来ています。企業研修は正規の手続きを踏んでの来日ですが、スナックでのバイトは勿論「ないしょ」です。
あの、悲惨だったベトナム戦争など「まったく知らない」といった感じの娘で、日本でどこにもいる現代っ子と変わりありません。
大東亜戦争(太平洋戦争)は、アジアの解放を大義名分にした戦いでした。
アジアの人たちに多大な迷惑を掛けながら、結果として「アジア地域の植民地からの脱却」を果たした戦争となりました。インドネシアでは、旧日本軍が残り「独立戦争」に義勇軍として参加しています。
そんな中で、ベトナムは例外的存在でした。
ヨーロッパでいち早くドイツに降伏したフランスは、傀儡(ヴィシー)政権を作りました。その結果、インドシナを植民地にしていたフランスは、ドイツを通じて我が国と「友好国」になってしまいました。そのため、南方進出した日本軍は、フランスと協力して「独立運動を繰り広げるベトミンを弾圧」することになったのです。ベトナムはアジアで唯一、日本軍が「独立運動を弾圧」した地域でした。ちなみに、アメリカをあれだけ悩ました共産ゲリラも、ジャングル戦で日本軍に勝てなかったそうです。
大戦が終わり、旧宗主国フランスは再び「インドシナの植民地」を計りました。
当然、ベトミンの活動は活発となり、ディエン・ビエン・フーの戦いでフランス軍を全滅させたのです。
これで「名実ともに独立か!」と思った矢先、超大国アメリカが「ドミノ理論」を掲げて横槍を入れ、南ベトナムを「共産主義への防波堤」としたため、ベトコン(ベトミンの後身)と戦争状態に入りました。後に言う「ベトナム戦争」です。
1665年。ボー・グエン・ザップ将軍の指揮のもと、南ベトナムの首都「サイゴン」を陥落させ、ベトナムは統一独立となりました。(私が高校時代のことで、記憶に生々しい)後に、サイゴンは独立の指導者ホーチミンの名を冠する都市に変わりました。
ホーチミンもボー・グエン・ザップもしたたかな政治家でした。
共産主義を掲げて「統一・独立運動」を繰り広げたのに、目的を果たすなり、そんなものはどこかに置き忘れたかのように「ドイモイ政策」を掲げ、西側に門戸を開放したのです。アオザイ姿の娘が日本にいる理由がこんなところにあります。
(まるで、尊皇攘夷を掲げて討幕し、維新がなると「開国」した勤皇の志士そっくりです)
ベトナムの話を聞いてみました。
文法は日本と一緒です。単語も日本と共通のもが多く、言語民族的に我が国と近いことが知られています。
昔は漢字を使っていたそうですが、宗主国フランスに取上げられ、今はローマ字だけだそうです。発音の表記をローマ字で書き「民族固有の文字を持たない」とか。ちょっと悲しそうでした。
日韓併合35年の悲劇は多々あろうけれど、両班(りゃんぱん:特権階級)に独占されていた「文字」を庶民に広めるため、義務教育制度を作って「ハングル文字」を教えた日本人たちと大変な違いです。我が国は、植民地で「愚民政策だけはとらなかった…」ことを、思い浮かべながら娘と話しをしていました…
010915(土)父との約束
本日午後、長男の結婚式があります。このページを更新後、家族で高知に向かいます。

まもなく私は「父との約束」を果すことができます。
私は、親兄弟の反対を押し切って結婚しました。誰もが予測した苦難の道で、いくら苦しくても、親兄弟に弱音を漏らすことは許されませんでした。
そんな中、父だけは私の結婚に反対しませんでした。
私の幼い頃に実家は倒産し、およそ粘りのなかった父は、家の中で存在感をなくしていきました。その父が、反対の大合唱の中で「反対しない」態度をとり続けるには、大変な勇気が必要であったと思います。この時の反対騒動は、家内の心に影を落としたようで、両親を送った後もふるさとに馴染んでいません。
私はふるさとが好きで、今も誇りに感じています。
でも「反対しない」と言う父の精一杯の意思表示がなかったら、私は「ふるさとが好き」であったかどうか自信がありません。
父と格別約束を交わしたわけではないのに、私がその立場になったとき「反対しない」と心に決めてきました。いつしかそれが、父との無言の約束だと思うようになりました。
長男が31歳になり、「結婚したい」と言ってきました。
彼女にお会いして心配は杞憂に終わったのですが、当初「話の段階」では、我が家に反対意見がありました。家族は私が「反対しない」ことを訝しげみたかもしれませんが、「父との約束」を守れたことを素直に喜んでいます。
今日は家族揃って「息子夫婦の幸福」を祈り、心から祝おうと思っています。おめでとう!
010916(日)高知にて

結婚指輪を交わす二人

花園をバックに
9月15日、長男の結婚式があり、高知へ参りました。

イングリッシュガーデン
この日は、この10年間一度も晴れたことがないと言う「特異日」です。私の念力も虚しく『雨』となりました。
二人が希望した「イングリッシュガーデンの花園」での人前式は無理となり、室内の結婚式となりました。それでも、写真を撮る頃は雨もやみ、ご覧のように美しい花園で撮影となりました。
なんともはや…分らんものです。
コンピュータ狂いで「結婚できないのではないか」と、ちょっと心配していた息子が、こんなステキな花嫁を見つけるなんて!

一夜が明けて…
家内が『高知城へ』と拘っています。

苦しい生活ながら、生まれたばかりの子供を背負い、年に一度家族旅行をしていました。
高知は、長男が小学校にあがったばかりで訪れた町で、高知城で『次男が迷子に』なりました。三男はやっとよちよち歩きを始めた頃でした。

この町で長男が結婚し、末っ子が「マイクを持ってパフォーマンス」をしています。
家内は、思い出を噛みしめたかったようです。
建築家・内藤廣氏設計の牧野植物園に参りました。
牧野富太郎博士は、高知県が生んだ偉大な植物学者です。「植生の宝庫・五台山」をそのまま「植物園」に見立てたステキな空間です。残念ながら余り時間がなく、ゆっくり回ることが出来ませんでした。
写真上:「牧野富太郎記念館」全景/写真下:同中庭
展示館内部(左)と全景
写真下:展示館中庭
時間がなく、ステキな散策コースをご紹介できないことが残念です。次に高知に行くのは孫が出来たときでしょうか…
その折にでも「続き」をご紹介しましょう。
010917(月)「粘り」の設計
アメリカは、イスラム原理主義者の犯行と思われる「航空機自爆テロ」により大規模な被害を受けました。まだ、正確な被害者数は明らかになっていませんが、阪神淡路大震災に匹敵する被害が予想されます。
映像を見ていて感じたのですが、ワールド・トレード・センターが航空機の攻撃を受けて1〜2時間後に倒壊したため、被害を飛躍的に増大させたように思います。現に、救出に向かった消防隊が300人ほど巻き添え遭難しており、彼らにとっても「早すぎる倒壊」だったのではないでしょうか。
一応「建築で飯を食っている」者として、建築群の「もろさ」が気になって仕方ありません。私は構造の専門ではありませんので、想像でしかものを言えないのですが、少し考察してみたいと思います。
もう30年ほども前になるでしょうか…
函館で地震があり、校舎が押しつぶされるように倒壊したことがありました。これは、地震の圧力で柱が「爆裂」したことが原因でした。
Dogfight注:爆裂=爆発したかのように「瞬時に破壊する現象」をさす建築の専門用語
この地震後に、大幅な「構造設計基準の変更」があり、建物に「粘り」と言う概念が導入されました。
ワールド・トレード・センターの施設群の倒壊で5000人前後の死者が出たと予想されることと比較すれば、阪神淡路大震災で(住宅を含めて10万戸という倒壊数)死者6000名という人的被害は、実は「とっても少ない」といえるのです。
この差はなにか?と問えば「建物の粘り」であろうと思います。
あまり評価されていませんが、函館地震後に導入された「粘り」の概念のお陰で、「1000年に1度」という規模の地震にも関わらず「爆裂した建物」がほとんどありません。
例え話を…
台風の翌日「雨漏りしました」という苦情に対し、「台風なんだから雨漏りするのは当たり前です」と答えた設計士がいます。これを「けしからん」と言う意見が多いと思いますが、私は必ずしもそうは思いません。
日常の雨で「雨漏り」など論外ですが、何年に1度あるかなしのかの暴風雨でも「水滴も漏れない」建物は、日常性から見れば「オーバースペック」と言えるのです。
実は「地震に対する設計」もこれと同じことが言えます。
家の寿命は構造によりますが、20〜60年とされています。これに対して、100年から1000年に1度の地震に対しても「びくともしない建物」は必要ないと考えています。もし、阪神淡路大震災の激震地で「ヒビ一つ入らなかった建物」があるなら、明らかにオーバースペック(過剰設計)で、地震がなかったのなら「クライアントに損失を与えた」と言えます。
阪神淡路大震災では「もう使い物にならない建物」はたくさんできましたが、人命を守り「避難時間を稼ぐ」と言う使命は立派に果たしました。それが「粘り」の設計が求めたものでした。
もし、ワールド・トレード・センターの倒壊までの時間が「24時間あったら…」人的被害は格段に少なかったと思います。
マンハッタン島は「岩盤」で出来ており地震がありません。また、カリブ海のようにハリケーンもありません。まして「飛行機が突っ込む」なんて前提で設計する筈もなく、あまりに「無防備な設計条件」にあったと思います。ワールド・トレード・センターがかくも呆気なく圧壊した背景にこんな事情があると私は想像します。せめて、ハリケーンの通り道であったなら、もっと粘りのある建物であった筈だと、悔やまれてなりません。
追記
我が国は地震国で「世界一の耐震基準」を持っています。
だから「地震を前提に設計している」と思われるでしょうが、高さが50階を越えてくると、地震より台風の影響が大きくなり、「台風を前提にした建物」になるのです。
だから、ハリケーンが到来する地域なら、ワールド・トレード・センターはもっと粘り強い建物だったでしょう。
追記2
ワールド・トレード・センターはダブル・チューブ構造と言われ、日本では馴染みのない構造です。この構造ゆえに「弱かったのでは」と指摘する向きもあるようです。
(最近、チューブ構造は我が国でも採用されるようになった)
我が国でも、耐震壁を多用する建築物があります。厳密に言えばチューブ構造と異なると思いますが「応力を集中させる」という構造概念では共通しています。
耐震壁と言うのは、文字通り「地震に耐える」壁です。ところが、阪神淡路大震災で倒壊したビルの多くは「耐震壁に応力を集中させた」建物でした。建築的に面白みのない「応力を満遍なく分散させた建物」の方が地震に強かったと言う、皮肉な結果が出ています。
010918(火)大差の時代
たまには「ハウツーもの」を読んでみるのも良いものだ。
落合信彦著「大差の時代」(小学館文庫)を読みました。
護送船団方式で保護されて「皆で渡れば怖くない」生活をしてきましたが、世界同時不況の向こうに「弱肉強食」の世界が見えています。税収の落込みは「小さな政府」や「規制緩和」を否応なしに運んでくるだろう。そこは、自らを守れるものだけが「生きていける」大差の時代と言えそうです。
「大差の時代」は生き残る条件を書いています。その「語録」の数々を紹介しましょう。
□日本でベンチャーが成立たない
サラリーマンに比べ、5倍努力し、10倍頭を使い、100倍リスクに晒されたのに、手元に残る金は2倍にもならない。(努力したものが報われない制度に問題がある)
□差別はすべて悪か?
日本の社会は、個人でなにかをやってみたいと言う若者が大量に現れるよう、「格差の拡大」を容認する方向に向かうと思われる。(そうなれば良いね)
□雇用の均等
失業問題は今後、更に上昇することは確実なので、リストラされた人から「公務員だけ無傷でいいのか」と反発の声があがり、それが政治の最大の争点になれば、公務員の側も、ある程度の出血は避けられないと思うはずだ。
□アマかプロかの選別
プロは、人にはない武器やウリ(売り)を持っているので、自分の足で歩くことが出来る。しかも、状況に応じた判断力もあるのでリーダーシップをとることもできる。逆に、これといった取柄のない会社依存型人間が「アマ」
起業を志すとき、両者にはいくつか顕著な違いが見られる。まず、アマは売上にこだわるが、プロは利益にこだわる。また、アマは、品物が売れればよいと思うが、プロは販売力によって大きな差がつくことを知っている。三つ目の違いは、プロが「考えたくないことを考える」のも仕事の一部、と思っているのに対し、アマは「うまくいくことしか考えていない」ことが多い。
□ノンプロ社員
仕事そっちのけで社内政治に現を抜かしてきたので、実績はゼロ。人脈もないに等しい。どの会社も、もはやこのような社内不良債権を置いておく余裕はない。
□ビジネス・インフラを持っているか
仕事に興味をもちながら働いているうちに培われるものだ。考えながら働いている人は応用力があるので、仕事をするうちに独自のノウハウやカンを身につけてゆく。しかも、仕事のレベルがどんどん高くなるので、取引先からも信頼され、それが、いつの間にか「人脈」という見えない財産になっている。
□対人力
「買いたい」という気持ちにさせるには、何よりも相手の心を感じ取る直観力が必要になる。
□人に鈍感な若者が増えている
小売店を回らせても注文を取れないばかりか、トラブルを引き起こす。
□頭の空洞化
「知識はあるんです。でも、まったく応用できない。つまり知恵がないんです」
受験勉強をして東大に行って、大蔵省に入っても、立派な人間にならないことが、もう充分わかったではないか。受験勉強で「頭が空洞化」した人間は、何でもかんでも先送りすることしか考えない。この「責任の先送り」こそが日本を衰退させた元凶に他ならない。
□過剰依存症
今、日本がダメになっているのは、国民の多くが「過剰依存症」になっているからだ。妻は夫に、夫は会社に、会社は銀行に、銀行は官僚に、といった具合に、日本には「過剰異存の環」ができあがっている。問題なのは、依存している相手が本当は一番頼りにならないと言うことだ。
□適材適所
適材適所は人事部がやるものではない。適材適所は自分が決めるものだ。自分自身の取柄、向き不向きは所詮、本人しか分からないものだ。
□共稼ぎ
たぶん、10年後には、亭主の収入だけでは今の生活レベルを維持できる家庭は、1割もないだろう。そもそも、日本人は今すでに生活レベルを落としていなければならない状況に置かれている。それを受け入れることができず5年先、6年先に使うべきカネを使って、海外旅行だ、マイカーだと浮かれているのが、今の日本の姿なのだ。
□第3セクター
半官半民というと、1991年の地方自治法改正後、雨後のタケノコのごとく設立されたいわゆる「第3セクター」が思い浮かぶが、あれは「官」の悪いところと「民」のずるいところがドッキングした「赤字垂れ流しマシン」に過ぎない。
□一番ダメなものは何もしないことだ
自分から動こうとしない者は何も学ばないし、何も見えてこない。
□職人は見えない部分にこだわる
職人はレベルが高い人ほど見えない部分の仕事をきっちりやる。一流レストランのシェフは料理の腕も確かだが、その前後の作業にも抜かりがない。
私の主観で選んだ「語録」ですが、僅か205ページの文庫本にこれだけの言葉がありました。如何でしょうか!
最期に、私自身への警告を込めて、落合氏の一文を転記します。
日本人の多くが、短い言葉ほどインパクトがあり、話し言葉に近いほど、人は耳を傾けると言う事実に気がついていないことだ。
文章には、5行なら5行の、5枚なら5枚の、50枚なら50枚の、500枚なら500枚の書き方がある。
日本人の社長さんの多くは、5行の文章で足りる話を50枚の手法、つまり、起承転結を表現しようとする。司馬遼太郎や城山三郎ばかり読んでいる人になると500枚の書き方で延々と話す人もいる。これは一種の犯罪である。
010919(水)結婚式余話
9月15日「老人の日(仏滅)」に、息子の結婚式が高知でありました。
お見合いに向かう彼女に「写真でしか知らない人結婚するくらいなら、僕と結婚してくれ」と迫ったそうです。まるで、映画「卒業」みたいな出来事です。あれから僅か5ヵ月後の挙式で、仏滅しか式場が取れなかったようです。
挙式は3時からということで、当日、高知へ末っ子を含め3人で向かいました。我が家からは関空の方が近いのですが、末っ子が翌朝に「綾部(舞鶴の近く)」に行く必要があり、伊丹空港を選びました。
□駐車場
翌朝に「綾部」に行くには、伊丹からなら中国道と舞鶴道を経て1時間半ほどで行けます。そこで、空港の駐車場に車を入れたのですが、なんと駐車料金が「1泊9700円」です。私が手がけているホテルなど「朝食付で4800円」です。青空駐車の高いこと!
(後で知ったのですが、空港周辺なら1泊2000円だそうです。お役人が絡むと高いね)
□厳戒態勢
アメリカで、残忍無比なテロがあっただけに空港のチェックは厳戒態勢です。
普段なら「10分前の飛び乗り」出来るのですが、この日はそうもいきません。チケット購入時に出来る搭乗手続きも「空港で」と断られ、機内持込の荷物も「一人一つ」に制限されています。その手荷物も「中身のチェック」と言った按配です。
ところが、いよいよ搭乗の段で「刎ねられた」のです。3つ預けた荷物のうち一つが空港の手違いで不明となり、それらしいバッグの「確認」を頼まれました。幸い、荷物(式に使うモーニング)は確認できたのです、引換札がとれています。そこで新しい札をつけてもらい、定刻より遅れて出発となりました。
高知空港に着いて、また騒動です。
引換札は4枚あるのに、荷物は3つです。どこかに「爆弾でも仕掛けたか」のかと、不審者扱いで警備員が迫ってきます。私も「切れて」怒鳴っていました。(これって、空港職員の怠慢だと思います)
□床屋
高知について、家内は美容室へ。
その時間を利用して、私も「床屋」へと心積もりしていたのですが、簡単には見つかりません。どこか「大阪の感覚」でいたようです。
□人前式
「宗教色は無くして」と言う、当方の願いで人前式となりました。
花の咲き乱れる庭で行いたかったのですが、残念ながら「雨」で、急遽室内に会場を用意願いました。でも、写真をとるころは雨も上がり、願いは「半分」叶いました。
□披露宴
披露宴は130人。ここ、高知では「小粒な宴」だそうです。
親族は、花嫁側が8名、当方が家内の姉夫婦を含めて5名。あとは来賓と友人です。
「大学」と言う職場で知り合い、産官学共同の先端技術開発プロジェクトの研究員と言うこともあり、来賓も産官学で「それなりの地位の方」です。また、ゼミの学生がお祝いに駆けつけるなど、文化の香がにおい立つ披露宴です。いつまでも子供と言う意識で見ていたわが子が、急に大人になった気持ちです。
□奇遇
乾杯の音頭は、副学長先生でした。
義兄が、副学長先生と既知の関係と知り驚きました。定年前の役人時代に、お世話になった先生だそうです。
□デジカメ
こんな席だけにカメラは付き物です。大半の方がお持ちなのですが、私の見た限り「誰もがデジカメ」で驚きました。その場で「映り具合を確認」していらっしゃいました。
□升々
高知の風習で、来賓の方全てに「お酒をついでご挨拶」をするそうです。
せっせと回ったのですが、3時間余りの宴席で8割ほどの方にしか、ご挨拶できませんでした。
何せ「お酒は?」とお尋ねして「少々」と言うお答えなら『2升は飲む』というお国柄です。返杯も人によっては2杯3杯と続き、私の酒量は天文学的です。それでも余程緊張していたのでしょう…宴が退けても「酔った」気持ちではありませんでした。
□「泪って」なんで出るんだろう…
花束贈呈のセレモニーは「堪忍して」と断っていたのですが、代わりに「感謝状贈呈」ときました。なにが何でも「私を泣かそう」としています。ほろりと涙が出たところで、親族挨拶となりました。私にとって「不意打ち」でしたが、逆に落ち着いて出来たように思います。ただ「皆様の感想」はどうであったか?窺いようもありません。
この後2次会と続き、退けたのは日付が変わってからでした。
翌日、タクシーの運転手さんにお尋ねしたら「朝まで飲むこともある」そうで、早く開放されたほうでした。
今までも、これからも、花嫁さんの実家に入りびたりの生活のようです。姓こそ高松姓ですが、先方のご両親を大切にし、一日も早く「高知の風習に染まる」ことを心から願っています。
010920(木)「スルッとKANSAI」活用法
何度も当HPで触れていますが、アイディア先進地域KANSAIでは、プリペイドカードであらゆる交通機関が利用できます。
大阪地下鉄と私鉄4社が始めた共通カード「スルッとKANSAI」に次々と他社が加入し、今では「徳島県・兵庫県・和歌山県・大阪府・奈良県・京都府・滋賀県・三重県」と言う広域で「鉄道・バス・船」が利用できます。
これに負けじと、JR西日本が「Jスルーカード」を始めたため、「スルッとKANSAI+Jスルーカード」の両者を持てば、一々切符を買うことなく次々と交通機関を利用できるようになりました。
このカードは1000円〜5000円まであり、自動改札機にそのまま挿入してパスできるようになっています。コンピュータによるデジタル(磁気)管理だけではなく、カードの裏に「記録が印字」するアナログ管理もされています。かつてのテレカのようにプレミヤ付きカードも無く「偽造カード」の問題も起きていません。
印字が上手く作動しないだけで改札機は閉鎖されます。つまり、デジタル・アナログ両者のデータが一致しない限り作動しません。私は、このアナログ管理併用が偽造カードを防いでいると思っています。
「スルッとKANSAI+Jスルーカード」は思わぬ副産物をくれました。
複数社の料金清算をするため、「乗車駅と下車駅」を照合管理する必要があります。その結果『キセル乗車』が不可能になりました。発表のあった阪神電鉄では利用者に増減がないにも拘らず「年間3億円収入増があった」そうです。いかに不正乗車が多かったか分る資料です。
このカードは民間にも影響を与えています。
Nさんは銀行管理の再建途上のゼネコンに勤めています。
毎朝、経理から4000円相当の「スルッとKANSAI」を受け取って営業に出かけるそうです。清算は「使用済みカードの提出」で完了し、今までのように「出金伝票をつけて清算する」と言う煩雑さから開放されたけれど、帰りは誰かの車に便乗して交通費を浮かすという、サラリーマンの「ささやかな不正」が出来なくなったとぼやいています。
それより何より、カード記録には通過駅の時間まで記入されているため「まるで、タコメーターを持って出歩いているみたい」だそうです。
便利な「スルッとKANSAI+Jスルーカード」も、サラリーマンに酷な状況を作っていると言えそうです。
010921(金)いざり便
私の友人はどうも「理屈っぽい」ようです。(類は友を呼ぶ)
猥談をするにも理屈をこねます。先日も酒の席で「あれが『正上位』とはケシカラン」とぶち上げたのです。動物には「防衛本能」があり、次のケースが最も防備が弱いと続けました。
 ・ 性交中
 ・ 排便中
 ・ 睡眠中
イビキは、睡眠中も「相手を威嚇する手段」であったという説があります。ビッグなイビキの私など、いまだに「防衛本能の発達した人間」と言うことに相成るのであろうか?
彼のご高説は続く…
あのスタイルを取るのは「人間だけだ」という。動物の体位は、性交中に襲われても即応しやすい「背面位」で、「背面位こそ正常」と言うのです。
Dogfight注1:友人は西村寿行作品の読みすぎではないだろうか!?
寿行氏の小説に登場するSEXシーンは、背面位で統一されている。
Dogfight注2:動物園のサル山で「正上位」が見られるそうです。
外敵からの危険を心配しなくて済むようになると表れる体位かもしれません。
彼によれば、排便中も1ヶ所にじっとするのは危険なので「イザリながら排便する」と言うのです。ちなみに「いざり便」は、ジャングルでは今も行われているそうです。(広辞苑にインターネット…調べてみたけど「いざり便」なんて見つからない!ホンマかいな?)

うむ〜
猥談から排便の話なってしまった。なんと言う「酒の肴」であろう!
010922(土)一極集中
思いつくままに「時の流れ」に触れてみたと思います。
「OA化でペーパーレス時代が来る」と言われたことがあります。
これが、まったくの間違いであったことはご承知の通りです。画面に表示されたデータを見るだけで全て理解できるほど、人間は器用ではありませんでした。

バブルと共に、「ボーダレスの時代」「地球は眠らない」を合言葉に、24時間対応のオフィスの必要だと言われ『インテリジェント化』が叫ばれました。
当社のような小さな事務所でも、規模は小さいものの、完全にインテリジェント化したオフィスビルを5棟設計しています。結果としてみれば、インテリジェントビルの設計例としては多いほうだと思います。何故なら、世間は「インテリジェント化」しなかったからです。
バブルは弾けたものの、時代が停滞したわけではありません。むしろ「インターネット」と言う化け物の出現で「時代が加速」したのが理由でした。
※ インターネットの持つ『情報プール機能(プロバイダー)』により、24時間、コンピュータの前に「人間がへばり付く」必要がなくなった。

インターネットの普及で在宅勤務が増え「出勤の必要がなくなる」といわれました。
確かに、部分的にはそうなったのですが、「時代の流れ」と言うほど変化は起こりませんでした。情報が「データ」の形で飛び交っても「ヒューマンな要素」がそれほど減ったわけではないからです。結局、主は「人」であり、データは補助手段に過ぎなかったと言えそうです。

反面、携帯電話の普及は「場所を選ばない」と言う時代を運んできました。
この状況を「不況が後押し」していることは見逃しできない要素です。
かつて、当社は「3本の外線」を持っていましたが、いま事務所の電話はISDN1本だけです。通話線と情報線に使い分けており、私宛の連絡はほとんど「携帯」に入ります。「携帯に連絡が入る」と言うことは、私が必ずしも事務所にいなければならない事情をなくしてしまいました。そのくせ「在宅勤務が普及しない」のは、職住分離が精神的に必要だからだと思っています。
インターネットに携帯電話。情報線の需要拡大は、コストの下落競争を招きました。今や「情報線使用料はアメリカ並」になってきています。場所を確保して、固定費を掛けるより、移動先に「情報を届ける」方式に切換えてきました。
企業は、各地に出先を設ける余裕を無くしてきています。
口を開けば「経費削減」です。そこへ持ってきて「この不況」です。リストラという名の人員整理だけではなく、大阪事務所の縮小閉鎖も行われています。ただ、システムの進歩がそれを気付かせないだけです。

今まで通り「大阪支店に電話をした」のに、対応しているのは「実は東京本社」なんてことが、ごく普通に行われています。人と合う必要があれば、巡回中の社員に「携帯電話で指令が飛ぶ」こんな時代になってしまいました。大阪に事務所を構えるより「東京−大阪」間の回線を繋ぎっぱなしにするほうがずっと安い時代になったのです。お陰で「見た目は大阪事務所」なんて代物がいっぱい出来てきたのです。通信システムの飛躍的な向上と不況が重なり「一極集中」が加速されています。

では、巡回社員の基地をどうすればよいのか。
カプセルホテルと同じ発想で「カプセル事務所」が商品化されているのをご存知ですか?
約2m四方のカプセル型ブースに「必要なオフィス機能」が詰め込まれ、ずらりと並んでいる光景を想像してください。ドアには、それぞれ「○○工業大阪支店」と、プレートが掲げられ、巡回を終えた社員は「1日のデータを整理送信して終わり」と言った生活です。
支店の大きさが「カプセル1個」こんな時代がやって来ました。ウム〜えらい時代やね…
010923(日)時代が変わる
昨日の続きです
この数年で、先輩諸兄の会社が随分潰れました。
マイカルのような大型倒産ではなく、極身近で「明日は我が身」を思わせる出来事です。
「なにが間違っていたんだろう?」と言う話になったのですが、私には「間違い云々」ではなく「時代が変わった」のだと思えてなりません。
当社のコピー機は3台あり全てC社製品です。格別拘ったわけではなく、当社が導入した時点のトップメーカーだったのです。
レーザープリンタもC社だったのですが、この春にCADソフトとの折り合いが悪くなり、新規に購入しました。購入したのはC社ではなくエプソンで、僅か4年の間に両社の立場が逆転したようです。
そんな折、C社の販売代理店が訪ねてきました。
総勢5名の小さな会社(当社はもっと小さい)ですが、今月の売上が「まだコピー機2台」と言うことで、危機感いっぱいの様子です。そんな彼に気の毒ではあったのですが「もうC社の製品を買うことはないだろう」と伝えました。かつてC社が業績を伸ばした理由が、今の「時代に全くあっていない」からです。
当社の所有するコピー機は…
 ・ A3判カラーコピー(110万円)
 ・ A2判コピー機ゼロックスタイプ(100万円)
 ・ A3判複合機FAX+コピー(50万円)
全て4年前に購入( )内は購入金額。なお、当社にはリース機材はありません。
買取なのに、この3台で「ロイヤリティー契約(責任使用量を含む)」が月額4万円になります。うかつに購入したのですが、打ち続く不況で重い負担に変わってきました。今は頻度の低いカラーコピーを休止し、ロイヤリティー契約料を半減させています。
休止処置をとる前に、C社に値下げを打診したのですが、全く「交渉の余地なし」でした。
カラーコピー機は無契約で使用しています。メンテがなくあちこちに支障が出てきていますが、動くうちは使用して、故障した時点で廃棄処分にするつもりです。
他のコピー機も、6年目から契約料が上がるため、その時点で廃棄するつもりです。これとて、下記のように何ら不具合のないOA機器を今すぐ廃棄した方が「経費の大幅削減」に繋がると言う皮肉な現実に直面しています。

廃棄後の対応は…
業務はコンピュータで処理しており、必要部数を「打ち出し」すればよくなりました。
OA機器の維持費の比較
機種 カウンター料金 メンテ契約料 備考
レーザープリンタ 不要 年間2万円 コピーも可
「プリペイド」コピー機 不要 -
C社のコピー機(2台) 年間24万円 -
カラーコピーは、スキャナー付きのカラーレーザープリンタ(エプソン)に置きかえようと思います。カラーコピーが必要であれば「スキャナーで読み取って」出来ます。

白黒コピー機はシャープから「1万枚使用7万円」と言う制度があります。カウンター料金もメンテ契約も不要の「プリペイド」コピー機です。プリンタを有効に活用すれば2年間くらいは利用できそうです。
FAXはもっとも頻度の落ちた機器です。Eメールで、データを送るようになったので、FAXの利用は手書きのメモ程度になりました。これなら、家庭用のFAX機で充分です。当社のように50万円もする複合機など全く必要ありません。
※ 複合機は「コンピュータの出力機としても利用できる」そうですが、その接続に25万円も掛かります。最新のレーザープリンタが10万円で買える時代に、全くのナンセンスです。
このようにロイヤリティーやカウンター料金を負担に感じる時代になりました。
社会は「コピーしかできない」OA機器を欲していません。まして、プリンタが「コピーも出来る」ようになった今、C社の「時代遅れな大名商売」の先が見えるようです。
追記
日影処理のソフトメーカーが訪ねてきました。
MS-DOS時代に購入(定価120万円)したものですが、メーカー自身がWindowsに乗り遅れたこともあり、当社で唯一DOS版ソフトでした。Windowsバージョンへの書き換えを勧めに来たのですが、その費用は何と「5万円(定価の1割)」です。
辛い時代なのですね…
010924(月)「粘り」の設計2
アメリカを象徴するワールド・トレード・センター(WTC)への航空機攻撃に付いて、建築あれこれ雑記帳『010917「粘り」の設計』に続き、建築屋の観点でお話ししたいと思います。
あまりにあっけない崩壊に、航空機突入だけではなく、爆薬も仕掛けてあったのではないかと思ったのですが、そのような報道もなく、ますます私の疑問が膨らんできていました。そこで、打合せが終わったあとの雑談で、構造担当のY君に尋ねてみました。Y君は、日本で有数の構造事務所でチームリーダーを務める優秀な構造設計者です。

Y君は『あれはおかしい』と即座に答えました。
 ・ 航空機の突入で倒壊したのなら、あの瞬間に倒れるべきで「航空機の突入には耐えた」と考えるべきだ
 ・ 上の重みで倒壊したと言う意見があるが、建物は「上の重みに耐えるよう」設計されている
この2点の指摘は私にとっても盲点でした。
Y君はニュースを見ながら、航空機の突入には耐えた時点で「倒れない」と判断したと言う。現実は1〜2時間後に2棟とも倒壊崩落しており「航空機の突入以外の理由があるはず」と指摘していました。その第1に「火災」を上げていました。
ニュース映像などを交えて議論が続いたのですが…
 □火災と耐火性能
航空機は燃料を満載しており、爆発後も延焼を続けていました。
WTCの主構造は「鉄骨」で、映像でみる限り「耐火被覆」がなされていません。また、建設時期から考えて「耐火鋼材」が使用されていたとも思えず、火に対し全く無防備であったと言えそうです。
Dogfight注:鉄骨は、火災により急速に強度を失うため、我が国では一定規模以上の建物に「耐火被覆」を義務付けている。
Dogfight注:「GA」と言う世界の有名な建築物を紹介する写真集があります。USスチール本社を含め、アメリカの有名建築物を並べて写真で見たのですが、一つとして耐火被覆をしたものがありません。自己責任の国アメリカだけに、防災設備同様に法律で定めていないのだと思います。
『010917「粘り」の設計』で触れた趣旨は「避難時間の確保」です。耐火被覆があれば、あと数時間「避難時間」が稼げたように思われます。
 □構造設計基準と安全率
「縦ドミノ」と表現したメディアもあったように、1階あたり1秒という猛スピードで110階建ての建物が「粉々に砕け」ました。
Y君が言ったように、建物は「上の重みに耐えるよう」設計されているという観点から見れば不自然だし、粘りの設計を義務付けている我が国から考えられない出来事です。
Dogfight注:阪神淡路大震災では、倒壊崩落した上部を支えた建物がたくさん見られた。例えば、神戸市役所2号館は「上部2層が崩落したが下部5層が持ちこたえた」ため、補修して今も利用している。
Dogfight注:Y君によれば、最終的に「粘りを発揮するのは柱の断面積」という。我が国の超高層建築物では、保有耐力(粘り)を確保するため柱を鉄骨だけで構成するのではなくコンクリートと併用することが多い。結果として、柱の断面積が大きくなる。
我が国では、建物強度を法律で定めています。
自己責任の国アメリカでは、クライアントの意思で強度を定めることが出来るため、どのくらいの「設定」がなされていたのか分りません。ただ、航空機の突入に耐えたことからも「それほどヤワなものではない」と思います。

構造設計は、「チェック項目」を定め、理論に基づき基準をクリアすれば「OK」となります。従って、構造や工法による優劣は「理論上ない」ことになります。ただ『010917「粘り」の設計』で、阪神淡路大震災の事例に触れたように「弱かった建物」の傾向がはっきりしています。
WTCはダブルチューブ構造で、姿かたちだけではなく「構造コストを飛躍的に落とした」として、全米にセンセーショナルを呼んだ建物と言われます。Y君は「コンピュータの発達が安全率を下げた」と言います。独特の構造理論と「安全係数1.0」に限りなく近い設計が行われたのではないかと推察できます。
Dogfight注:基準値をちょうど満たした状態が「安全係数=1.0」
安全係数が多くなるほど余裕があり、安全率が上がる。安全係数1.0以上なら理論上OKとなる。

ちなみに我が国の基準値は「許容限度の1/3〜7に低減した数値」を採用している。アメリカはどうであろうか?
 □水平加重
我が国には、地震があり台風があります。
ただ、この要素は常時あるわけではなく「臨時に掛かる悪条件」として、建築の世界では「短期荷重」と呼んでいます。さらに、伊勢湾台風と阪神淡路大震災が同時に来るなどと言う最悪のシチュエーションは必要ありません。個別に検討し「悪条件」になるほうで構造断面を設定すればよいことになっています。『010917「粘り」の設計』で触れたように、一般的に50階を越えると地震より台風の方が悪条件になります。
建物重量は鉛直に懸かる重さで、引力がある限り懸かる重さです。こう言う重さを「長期荷重」と呼び、世界共通の「構造設計の基本」です。
それに対し、地震や台風は「横から(水平)の加重」です。我が国の「水平加重=水平力」に対する設計基準は世界最強です。ちなみに、水平力がなければ構造コストは半分以下に下がります。

WTCのあるマンハッタンは地震も台風もありません。
倒壊したWTCの映像から、我が国では考えられないほど構造部材が小さいことが分ります。鉛直加重だけなら「上から」置けば建物が成り立ちます。落下した梁材を見ても、全く床材が付着していません。水平力に重点を置く我が国の設計では「構造材の一体化」が絶対不可欠であるのに対し、崩落現場の映像は「構造材が一瞬でバラけた」ことを物語っています。やはり「地震も台風もないことが惨事に繋がった」といえそうです。
Dogfight注:水平力への対応で構造部材が大きくなる。特に「柱」が飛躍的に大きくなります。上下左右に「力が加わる」状況を設定するため「構造全体の一体性」が重要になり、特に「柱と梁の接合」方法が非常に厳重になります。
 □粘りの設計
『010917「粘り」の設計』で、函館地震以降「避難時間の確保」のため、「粘り」の概念が導入されたことをお話ししました。
建物に予期せぬ力が加わり、構造材が破断しても「直ちに崩壊しない」設計が「粘り」です。つまり、主要構造部の破壊と倒壊崩落の間にタイムラグをもたす設計です。
Dogfight注:阪神淡路大震災で、柱や梁が破断したが「倒壊しなかった」マンションなど、修理補強で使用している例がたくさん存在する。

建築界は永く「関東大震災に耐える」設計をしてきました。
地震の大きさは震度(揺れ)とマグネチュード(エネルギー量)で表されてきました。しかし、被害をもたらす要因は「揺れの激しさ(ガル)」です。
Dogfight注:我が国の観測史上最大のマグネチュードを持つ地震は、余りにゆっくり揺れたため「無感地震」となっている。
では、阪神淡路大震災はどうか!
マグネチュードでは関東大震災に劣り、震度は同じです。しかし、激しさは8ガルを超え関東大震災の2倍と言う、人類史上未曽有の厄災でした。阪神淡路大震災で、10万戸が倒壊し6000人を超える方がお亡くなりになりました。しかし、倒壊による死亡者はおそらく1割程度に過ぎません。決して世間に出ませんが、構造の権威の間に「構造基準が過剰ではなかったのか」という意見が聞かれたほどでした。それほど、函館地震の教訓は構造設計に生かされ、何事もなければ「過剰コスト」になっていたのです。

ではWTCはどうか?
映像に、床材が付着していない「梁」が映っています。
驚くことに、この梁は破損していません。柱との接合部のボルトが破断して、柱と梁が分離落下したことを物語っています。この梁は「ビルド・ボックス」と言う工法で作られていました。我が国では、鉄骨系プレハブ住宅の2次部材(主要構造ではない部分)に使用される方法です。
つい最近まで「世界一のノッポビル」と言われたWTCが、ボルトの破断で「バラバラ」になる工法で作られていたことが驚きです。
外周チューブ構造は「1m間隔の柱で構成」されており、素直に考えれば、大スパンを構成する梁を1m間隔に懸け、その上に「幅1mの床版」を置くプレハブ化工法であったと想像できます。鉛直加重だけで設計する場合は、何ら不思議ではない手法ですが、ボルト1本の破断で構造全体がバラバラになる恐ろしさを秘めていたと言えそうです。
Dogfight注:我が国では、梁と柱の接合部分は「パネルゾーン」と呼ばれ、構造体でも特に強固に作られる部分です。接合部は「全周溶接」され、この部分での構造体破断はあり得ないといえます。
ちなみに、Y君の話では「点溶接(ごく部分的な溶接法)で計算上充分もつ」そうで、現にアメリカのパネルゾーンは点溶接で作られていると言う。「粘り」の概念の有無が、このような違いとなって表れている。
多くの方に「正邪」を問われました。
WTCが「違反建築」などであるはずもなく、ようは「日米の考え方の差」といえます。
Y君と「これからテロと言う設計条件も必要かもしれない」と、真顔で話していました。5万人が働き、1日8万人が観光に訪れる建物が、自己責任の設計基準で造られ「その辺にあるビル」と何ら変わらぬ配慮しかなかったことが、被害を拡大したかもしれません。まさに、自己責任の国アメリカゆえの大惨事と言えそうです。
Dogfight注:WTCには、1時間あたり15000人の観光客を捌くため、120人乗りのエレベータが数多く設置されています。押寄せる観光客の搬送に気を配りながら、一般火災でも起きたかもしれない「防災の不備」に私は釈然としないものを感じています。
おそらく構造に余力がなく「崩落」と言う事態で終わりましたが、もし建物が持ちこたえたとして「避難設備は充分であったのか?」と言う疑問が残ります。
まだ観光タイムでなかったため、観光客が被害にあっていないが、満杯の時間に狙われたら、どうであったか?その時最大の人的被害を出したのは「日本」だったかもしれない…


最後に疑問を
フランスのテレビ局が取材しているさなかの「航空機突入」でした。
テロリストは「衝撃の映像」を狙って、WTCに突入したのではなかろうか?
テロリストも、あれだけ人が集まる建物だから「特別な強度」を持っていると思っていたのではないか?
だから「WTCがあっけなく倒壊し、あんな被害を出す」とは思っていなかったのではないだろうか?
もし「人的被害」を狙ったものなら、出勤時ではなく「観光タイムの突入」の方がはるかに被害が大きかったように思います。さて、真実はどうであろうか…
010925(火)文字の大きさ
先日、小泉内閣から「構造改革プログラム」が公表されました。
その中の「ケアハウス云々」に触れて「チャンチャラおかしい」と、バカにした評論家がいました。確かに、即効性に欠けるとは思うのですが、それほど「バカげた」ことでしょうか?
今一番必要なことは、労働人口の産業別構成を変え「新しい時代」に対応することです。生き残りをかけた産業は大きく流れを変えてきており、今後否応なく失業者が溢れるだろう。はじき出された人たちに「変わろう」と言う意欲がなく、社会に受け皿がないことがなにより問題です。
構造改革プログラムに「ケアハウス」が取り上げられた背景に
 ・ 増大する一方の福祉予算を、民営化することにより「小さな政府」を目指す
 ・ 民間活力で「福祉施設の充実」を図る
 ・ 福祉へ労働人口のシフトを図る
こんなことがあると思います。
「チャンチャラおかしい」と非難をするあなたに、具体的な提案が出来るのだろうか?
−010922一極集中/010923時代が変わる−で述べたことは、小さな出来事ですが、社会の変化として見過ごせないことではないでしょうか。おそらく、私が「給料をもらう」身分で、平々凡々と暮らせるならきっと気付かないことのように思います。

ノベルスサイズの本を買って「アレッ」と思いました。
ノベルス本は、内容や厚み如何に関らず「値段がほぼ一定」です。上下2段組で、1行20文字が普通です。それが何と「24文字」あり、文字を小さくして枚数を減らしているのです。新聞が、文字を大きくして「読みやすくなりました」と言う時代に、逆行する出来事です。しかし、1ページに置く文字を増やせば、紙代、製本費用や運送費にも跳ね返るでしょう。こんなところに出版業界の生き残りをかけた戦いを感じました。

街頭で入りのハンドティッシュを配っています。
あの「ティッシュの厚み」が随分減ったのご存知ですか?配っているのは「フリーターの若者」が相場だったのに、最近オッサンが混じっていることを知っていますか?
追記
事務所にFXAが流れてきました。
「松下電工とTOTOが業務提携する」ことを知らせるものです。松下電器の業務不振は、関連会社に大きな皺寄せを招いていました。電器と電工で商品のバッティングがあり、必ずしもしっくり行っていないように感じていました。
電工は、なりふり構わぬ「分社化」で、身軽になる道を模索していましたが、今度はライバル会社TOTOとの業務提携…うむ〜
TOTOと商品が重なるINAXもトステムと業務提携がささやかれています。
凄い時代が来るよ!日本の企業数は半減するよ。
ケアハウスを笑った評論家よ!あなたはいつまで評論家でいるだろうか?
010926(水)狂牛病
普段なら4〜5千円はする霜降りのステーキ肉が、1枚500円で「投売り」されている。それでも「誰も買わない」と言う悲しさ。
役人の怠慢が招いた「農家の厄災」といえよう。
東洋で初の「狂牛病が発見された」と言うニュースが駆け巡った。
ヨーロッパをあれだけ震撼させた病気だけに、さぞや「早急な対応」がなされただろうと誰もが思ったのに、実は「何もしていなかった」
狂牛病が、疑いの段階から「真性」と分ったときには、骨粉に加工され各地に飼料として配られたあとでした。狂牛病を発症する可能性を秘めた牛が各地に広がったわけです。潜伏期間8年を考えると、気の遠くなる広がりを見せようとしています。
狂牛病は「髄液」に病原があり「肉は大丈夫」といわれますが、解体中に髄液が肉に付着すれば危険な訳で、誰も「牛肉を買おうとしない」庶民のささやかな防衛です。

「薬害エイズ」が広がったのも、役人が「製造者」を保護したためでしたが、今回も「疑いの段階で出荷停止すれば農家に迷惑がかかる」と言う思惑だったとか。
事なかれ主義が、農家に致命的な被害を与えた。冒頭に見るように、食肉流通業界にも被害を与え、庶民は「食べない」と言う防衛を始めた。
農水省には「狂牛病マニュアル」はなかったのであろうか?
「疑わしくは停止」の原則さえあれば防げた「汚染拡大」だけに、学習効果のないバカ役人にdogfightは腹を立てている。
010927(木)トラブル続き
毎週土曜日、ラジオで聞く「今週の運勢」何故かよく当るので、これだけは気にしています。ちなみに今週のご神託は「トラブル続き」でした。
秋分の日を絡めてこの3連休、相変わらずの「すれ違い家族」で、レトルトパックのカレーなどを温めて「寂しい昼食」を取っています。働き者の家内に文句も言えずなんとなく「トラブル気分」です。
休みが明けて、現場に出たとたんに電話でトラブルの話。
トラブルAは、私の知らないところで進行していた陰謀が表面化したもので、このまま陰謀が進行するなら「私は降りる」と言い切った。
トラブルBは、複数の別途工事間で揉めており「仲介を依頼」された。やたらに別途工事を増やし、設計料計算の分母を減らしながら「誰も総合調整」をしない身勝手さに、改めて腹がたつ。
いずれも「知ったことかと!」と叫びたいほど、つまらんトラブルです。
私の業務契約外の出来事ですが、放っておけば「業務に差し支える」ため、解決に乗り出さざるを得ない。いくら不況続きと言え、ここまで「モラルを無くして良いのか」と考え込んでしまいます。
疲れて果てて…事務所に出勤したら、数年前に行ったリフォーム工事で不都合が起きたと連絡。
うむ〜本当にトラブル続きだ。
010929追記
まさかトラブルではあるまいに、最後になって「老師の葬送」がありました。
物心両面に渡り支えていただきました、老師のご冥福を謹んで祈ります。
010930(日)政治音痴/軍事音痴
米国中枢同時テロ(010911)から3週間近くになりました。
珍しく「世界常識に則った行動」も、時間と共に変質してきました。与野党で意見は真っ二つに分かれ、与党といえども必ずしも足並みが揃っているわけではありません。
マスコミは相変わらず「行方不明」に拘っていますが、あの瓦礫(WTC崩落)の下で、20日間も生存していると考えるほうがどうかしている。63カ国6000人以上が犠牲となった「純然たる民間施設へのテロ行為」を、多くの政治家やマスコミが「アメリカの出来事」視していることに私は憤りを感じています。日本も『24名の死者』を出した被害国であることを忘れてはならない。
「証拠がない」「犯人が特定できていない」「裁判で裁くべきだ」「報復は泥沼化する」
テロリストにとって何と素晴らしい言葉でしょう。
では、イスラム原理主義者以外に「テロリスト」が考えられるのでしょうか?
イスラム教国家ですら、嫌悪する「原理主義」
21世紀の時代に、女性の権利を一切認めず「子供を作る度具」としか考えず、他の価値観を一切認めない硬直した原理主義。だからこそあんな行為が出来るのです。
進歩的文化人を自認する方たちは、きっとイスラム原理主義者と「仲良くやっていける」と信じているのでしょう。
「変人」と言われる小泉首相が、最も世界の常識に近い考えの持ち主であることがこの度の行動で分ります。ただ不幸なことは、相変わらず政治音痴振りを発揮する田中外相を更迭できないことだろう。アフガン周辺国へ「日本の立場説明」をする特使役を断り、テロ対策で「居場所を隠蔽」する米国首脳の所在を明らかにするなど、内外から顰蹙を買っています。
私は、軍事に関する事項に関心があり「頭の休憩」と称して多くの著書を読んでいます。この手の本の効用は、軍事と言う冷徹な世界を扱うだけに「客観的に流れや優劣を判断し、先を読む」ことだと思います。
素人ながら軍事に興味を持つの私は、首相の方針に「手枷足枷」をはめようとする人たちが、最小限の「軍事知識」すら持っていないと感じています。
最近の報道から拾ってみます…

   テロは軍事行為
テロは「戦争か犯罪か」との議論で、我が国は「犯罪」と言うスタンスを取っています。しかし、世界の常識は「テロは戦闘行為」です。つまり戦争なのですが「憲法9条の都合上」戦争と定義してしまっては自衛隊の派遣ができないための方便と思います。

   対テロ部隊
テロを犯罪と定義しているため、対応部隊は「警察」と言うのが我が国の認識です。米国中枢同時テロを機会に自衛隊法を改正して、対応を自衛隊に移管しようとする動きがありました。世界の常識からみれば「当たり前」のことです。ピストルしか持たない警察官が「ミサイルまで駆使する」テロリストに勝てるはずがない。
米軍施設や原発の警護も「自衛隊に」と言う動きがあったのですが、どうも尻切れトンボの様相です。
原発は「固定された原爆」と言うのが世界の常識で、警棒しか持たぬカードマンが守っている?原発など世界の非常識も甚だしい。国民への責任を認識するなら速やかな法改正が必要であろう。
Dogfight注:手段と結果が入れ替わり、平和憲法を守るため「国や国民の安全」が無視されている。国民が死に絶えて平和憲法だけが残ることにならなければよいが!

    後方地域支援と武器
世界の常識は「お金だけでは許されず」と言って「憲法で血は流せない」ならば「せめて目いっぱい汗をかこう」(保守党野田党首発言)という訳で…
憲法で戦闘行為が禁止されているため、「輸送と医療」等後方地域支援を行おうとしている。又、国連から「難民保護」を要請されており、パキスタンへの自衛隊派遣が必至の状況になっています。

 ・ゲリラ戦に「後方地域」は存在しない
予想される戦闘地域はアフガンですが、ゲリラ戦に「後方地域」が存在しないのは世界の常識です。純民間施設であるWTCに航空機攻撃をかけた連中が、パキスタンに設置された「難民キャンプや医療テント」を襲うことを躊躇うと思えない。襲われたどうするのか?
自己防衛は当たり前です。
よその軍隊に守ってもらいながらの「自衛隊派遣」など、世界の非常識もいいところです。そこで政府は「携帯武器を強化し使用基準を緩和」しようとしている。
これに対し「危険な地域へ自衛隊を派遣するとは…」と反対が出ている。まして「武器の強化などもっての外」と言うのが野党の意見。民主党など「自衛隊の派遣は反対ではない」と言いながら、パキスタン派遣と武器携帯に反対している。まるで「意地悪ばあさん」のセリフではないか。

 ・補給部隊を襲うのは「戦闘の常道」
今回の制裁行為作戦では、ディエゴガルシア島を補給物資の集積基地とし、海上自衛隊も補給部隊として参加が予定されています。
Dogfight注:ディエゴガルシア島(英領チャゴス諸島の一部)=インド洋上、赤道より南に位置し、米軍基地としてペルシャ湾を押さえる戦略的要衝。
パキスタンより洋上遥か3000km以上離れており「安全な任務」とされています。この任務に日本が誇る「イージス艦」が参加するとして物議を醸し、どうやら政府はこの案を引っ込めるようです。
物議を醸した理由は「イスラム原理主義者は軍艦を持っていない」のだから「過剰反応」ではないかと言うものです。甚だしくは「民間の貨物船でも良いのでは…」と言う意見もありました。これなど「軍事の初歩を知らない」意見と言えます。

補給部隊を襲うのは「戦闘の常道」だし、純民間施設であるWTCに航空機攻撃をかけた連中が「常識的な攻撃」を掛けてくると判断するほうがおかしい。現に、米軍艦船が「自爆テロ」で損傷する事例があるし、再度航空機攻撃だって考えられる。
更に云えば、海の戦闘は「艦隊防御」が常識の時代で、その要が「イージス艦」です。高額で高度な技術が必要なため日米しか所有していない「ハイテク艦」です。折角持っている「最高の防御機能を使うな」と言うセンスが理解できない。おそらく「イージス」の意味も知らないのであろう。
dogfight注:艦隊防御=艦隊全体で防御する方法。イージス艦は、艦隊防御のコントロールタワーの役目を果す。ちなみに個別に防御することを「個艦防御」と言う。
dogfight注:イージス=Aegis はギリシア神話でゼウスが着ていた胸甲。最高の防御を意味している。

いったいいつまで、政治家やマスコミは「政治音痴/軍事音痴」を続けるのであろうか?


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