dogfight高松の長すぎるひとり言
2000年12月

行きずりの男無利子国債ビートルズ企業アマ夢の中でテレホンレディー壊す熟年離婚雑談としてDVDの感想不整合な規制機能停止忘年会14ヶ月怯懦手摺栃餅結婚の形ケイタイ依存症自己管理雪の兼六園笑えない話御用納めM邸のリニューアル大晦日
001202(土)行きずりの男
いよいよ師走になりました。
様々なメディアが「21世紀まであと○○日」という標語を掲げだし始めました。
昨日のこと。早朝6:00に家を出て、23:00に帰宅する強行軍で「鳥取・日帰り出張」をしてきました。
メンバーは当社の横田君と設備設計のM君の3人で、設計着手に際しきちんと現地調査をしておくためです。あっちこっちで工事渋滞にあい、散々時間が遅れての到着でしたが、内容の濃い1日でした。

車には、カーナビとレーダーが積まれています。これは力強い見方です。カーナビのお陰で、道に迷うこともなく目的地に向かうことができました。また、レーダーのお陰で「スピード違反」を免れることができます。帰途ともなれば疲れた身体に鞭打って、元気を装う歳になりました。バカな話しに花を咲かせているうち、「レーダーは便利だね…」ということから、様々な「違反逃れ」のテクニックになりました。駐車違反では、「奥さんを犯人に仕立てる」なんて日常行われていることだそうですが、こんな傑作な事例が登場しました。

恋人同志でドライブ中「監視カメラが光った」そうです。車の所有者は「彼女」で、ドライバーは「彼」だったとか。写真が、彼女宛に送られてきて出頭を命ぜられました。
当然「ドライバーは誰だ?」という、詰問を受けました。それに対し、彼女の答えが素晴らしい!
「行きずりの男で誰か知りません。私はそう言う女です」と、警察を煙に巻いたそうです。如何ですか!結構使える「手」だと感心しました。
001203(日)無利子国債
当社の決算書類を作りながら、予想されたこととは言え「我が人生最大の赤字(負債)」に、驚き入ってしまいました。
ケアハウスに関与して14ヶ月、先月末に行政立会いのもと入札を行い無事「落札」し、施工者の決定を見ました。これから法人設立認可申請を行い、許可された法人と設計契約を結ぶため、設計料の入金まで後数ヶ月を要します。

膨大な赤字決算の書類を見て「こんなんでも会社は潰れへんもんやな…」とは、会計事務所の先生の感想です。1年以上入金のないまま事務所を維持することの大変さを味わった年でした。(福祉行政の歪に当社は翻弄されています)
当社の借金以上に大変なのが「国の財政」です。
不況からの脱却で、小渕・森政権のばらまいた国債は膨大なものです。国家財政健全化のため「国債の償還を」と言う良識ある声も聞こえてきますが、余りの多さに「絶望感」が先立ちます。
前出の会計事務所の先生など「徳政令しかない」と言うのが持論です。早い話が、国家による「借金棒引き」案です。国は金融機関に対し徳政令を発し、立直りを見せた金融機関により「ゼネコンへの徳政令」を実行しています。企業を助け、景気を立直したら仕上げは「国の徳政令」というのはどうでしょうか…
随分以前ですが、竹村健一氏が「無利子国債」の発行を提唱なさっていました。
脱税への罪の意識が希薄な我が国では、「案外売れるのでは」と思わせるアイデアです。国債の利子だけで、国家予算の2割が消える今の状況の解消には、無利子国債の売却で、有利子国債の償還をするのがもっとも手っ取り早いと思えるからです。
誰が「無利子の国債を買うのか?」と言う疑問が出るでしょうが、種と仕掛けは「無記名」です。
簡単に言えば「脱税のお手伝い」です。
「無記名」の有価証券は安全確実で合法的な脱税方法だし、最高の遺産税対策(資産隠し)にもなります。
どうせ「脱税をする輩がいる」のだから、取りはぐれている税で「有利子国債を減らせる」だけ有効ではないかという論法です。これなど形を変えた徳政令だと思いますがいかがしょうか?
あ〜あ、当社にも「徳政令」がでないかな…
001204(月)我が青春の思い出ビートルズ
久しぶりに日曜朝の「題名のない音楽会」を見ました。この日は「ビートルズ特集」です。

イギリスから出たビートルズが世界を席捲したのは、私が高校生のときです。当時は「現代音楽」に相当し、どちらかと言えばスローテンポな曲が好きな私は「冷ややかに」にブームを眺めていたことを思い出します。
そんなある日、通学電車で中学時代の同級生に合いました。
彼に「ビートルズが日本に来るな…」と話しかけたら、「それ何や?」って聞き返され二の句が継げなかったことを思い出します。彼は、後に某旧帝国大学に進み某有名商社に就職したと聞きます。クラス会にも出席はなく、その後どんな人生を歩んでいるのか知る由もありませんが、あの時「ビートルズより大切なもの」を追い求めていたことは間違いないと思います。ビートルズの存在を全く知らない「青春」もあったのでしょう。

ビートルズの曲が「素敵」に思えるときを迎えたのは「20代の終わり」でした。私も世間より少しズレているようです。
あれから35年が経過し、ビートルズの曲は「クラシック」の仲間入りをしました。前出の「題名のない音楽会」で、「曲を大切にした最後の時代」として紹介されていました。
そうなんだ…
やたら「リズム重視」の風潮について行けないだけに、妙に納得しながら「1曲もビートルズが唄えない」自分を、寂しく感じています。
 追記
ビートルズの来日を機に日本でも「GS(グループサウンド)ブーム」となり、多くのグループができました。昔を懐かしみ中年で「GSソングの大合唱」になることがあるのですが、私は完全に唄える歌がなく困ってしまいます。昔からソロで謳いあげる曲が好きで、それが祟っているようです。
001205(火)企業アマ
不況をうけ、企業の持つスポーツチームの閉部が相次いでいます。
最近も、バレーの名門「日立」が閉部を報道されていました。企業チームといっても内容は様々だろうと思うのですが、業務終了後に「クラブ活動」などといった本来のアマチュアリズムは少数派ではないかと想像しています。多くは、業務はそこそこで「練習に精を出す」ことが多かったのではないでしょうか。給与を貰って「スポーツに専念する」など、「純粋なアマチュアとは言いがたい」と考えるのは青臭いと言われそうですね。
我が国のアマチュアは企業によって支えられてきたことは否定しようがないと思います。
そのため、純粋なクラブチームが育たず、地域で「チームを支える」という発想に至っていません。例えば、野球の都市対抗戦では「大阪代表・関西電力」といった冠チームばかりです。
野球部の閉部を決めた新日鉄が、地域チームに切り替える資金を提供する旨発表しています。動機はやや不純ですが、都市対抗に名実共に「地域チームが出る」ならそれはそれで素晴らしいことと思います。
「地域の活性化・安定した秩序・治安の確立」等に地域住民としての意識を持つことは良いことだと思います。そのためにも「我が街のチームがあったら…」と思う次第です。同時に、景気に左右される企業アマより、余ほど堅実なアマチュアリズムの構築に役立つのではと思います。
001206(水)夢の中で
絶望的な資金繰りの中でも「夢を見ている」自分がいます。
来年の春が来れば当社のコンピュータシステムは丸4年を迎えます。勿論、逐次部品は取り替えてきており、「取り外した部品だけでコンピュータが1台できた」程、改善はしていますが、ウインドーズミレニアムの登場により対応できないソフトがでる等、問題も出てきています。
事務所内で「次ぎはどんなシステムにしようか」と、話しが弾んでいます。
(何処かノー天気な仲間達です)
新規調達予定は4台。サーバーと3人分の機械です。
カスタムメイドでタワー型は共通の認識。
CPUはペンティアム4が出たお陰で安くなった「ペンティアム3-450」でも良いか…それとも様々な石を使ってみたらどうだろう。
CADが主なのでグラフィックボードは最高級を/HDとメモリーは最高速で揃えよう/ドライブはFD・CD・CDR・DVDな各種入れてみたい/MO以外もなにか対応できないか?
今までバラバラであった出力機能も、プリンタードライバーを整備して管理したい。
A2レーザーカラープリンターが欲しい。等々夢は尽きません。
ホラとハッタリは、私の十八番です。時間が掛かっても「何時か実現する」のが信条です!
追記
まもなく486(ウインドーズ以前の最高速機種)の図面データも「ウインドーズへの換置」が完了します。日影処理ソフトのウインドーズ化をすれば486が不要になります。
今悩んでいることは、インターネットをオンラインかオフラインにするかです。決定的なウイルス対策のない今、不便でも安全なオフラインが良いのかな…と思っています。ならば現在のコンピュータを1台残し、インタネット専用に稼動させようと思います。
001207(木)テレホンレディー
世の中不思議な職業もあるものです。
こんな話を聞きました(裏付けを取ったわけではありませんので、そのつもりで…)。
彼女は53歳。勤務先は「ツーショット・ダイアル」
離婚をし、生活手段として「テレホンレディー」を選んで1年、固定客も出来たそうです。
在宅でも仕事が出来るそうで、勤務先に「これから仕事に入ります」と連絡を入れれば、ツーショット・ダイアルの相手からの電話が転送されてくるそうです。
「ツーショット・ダイアル」とは?
よく分からなかったのですが、テレクラやダイアル99と違って「確実に女性と話せる」システムで、その変わり「べらぼうに料金が高い」そうです。ツーショット・ダイアルをするには、プリペイドガードを購入する必要があります。カードを差し込むだけで、ツーショット・ダイアルに繋がるそうで、ちなみに料金は「20円/秒」とか。
彼女の仕事は、その電話のお相手をするわけです。
15秒以内で「相手が切れば」彼女の収入にはならず、この「15秒」で相手を引きつけるテクニックが必要だそうです。15秒を超えると、「10円/秒」の単価で彼女の収入となります。1分600円のパート収入はそうあるものではないでしょうね!
で、「どんな話をするのですか?」と、野暮な質問をしてしまいました。
電話でマスターベーションのお相手をするとのこと。もうとっくに「男を卒業」し、ポルノビデオも好きではない私には、想像の外としか言えません。

生身の女性と付合えない若者の救済か…と思ったらそうでもないそうです。
お客と会うことはご法度だそうですが、情の移った「お客」4人(20〜40代)と、セックスフレンドになっていると聴かされ、私など「あんぐり」です。
でも「歳が…」と思ったら、見透かされたように「今はおばさんがトレンドなの!」と言われてしまいました。オジサンにはついて行けない世界があるのですね…
001208(金)壊す
東京のビデオショップに爆弾が投げ込まれ、その犯人が自首しました。
彼は高校生。動機は「人間を壊してみたかった」そうです。
この言葉にギョッとしました。
「殺す」ではなく「壊す」という表現です。想像ですが、「オモチャを壊す」と同じ感覚ではないでしょうか。
どうやら彼には「他人を壊す」ことに好奇心があっても、「自分が壊される」ことに思いを馳せないようです。報道では、成績も大変優秀で「こんな異常なこをするはずがない」と思われていたそうです。
なにがこんな異常な世界を作り出しているのでしょうか…
ひょっとしたら、異常と思う「私が異常だ」と思われるかもしれません。
001209(土)熟年離婚
離婚の多さが「先進国の証し」と言わんばかりに離婚が増えているそうです。それも若い人の離婚ばかりではなく、「熟年離婚」の急増が特徴です。
こんな話を耳にしました。
ご主人は「朝7時に家を出て夕方6時に帰る」生活を続け「浮いた噂一つなく」子育ての過程では「こんな誠実な夫はいない」と思ったそうです。子育てが終わり、夫婦だけの老後を考えたとき、ご主人がとてつもなく「退屈な人」に見え、「離婚したいと思うようになった」と言います。
私は結婚して32年。
いつまでたっても生活が安定せず、「今月の給料は待ってくれ」と家内に告げつことなど日常茶飯事です。そんな私が、離婚を申し入れられたことなどないのに、日々の安寧を約束しつづけた誠実な夫が「退屈」というレッテルを貼られるとは…
「糟糠の妻」という言葉があります。
夫の出世についていけず、生活の変化に対応できない誠実な妻を表す言葉です。この話は「糟糠の夫」かな?と思ったのですが、我が家の評価は違っていました。息子は、離婚を考える前に「自分自身が飛べば良い」という意見でした。家内もそれに近く、「奥さん自身が趣味を持てば良い」と言うものでした。つまり、退屈を「夫のせい」にする前に、自分自身が退屈から脱却する術を持てば良いという意見です。
スリルとサスペンスに富んだ我が家には「退屈」などという平和な感覚が欠如しているようです。そのため、奥様に辛口な意見ばかりです。
私は、安寧な生活の中で「変身を忘れた夫の責任」もあるように感じます。
状況に応じて「ベスト」は変わります。子育てが終わり「老後の二人」が見えたとき、奥様は今までのままの生活を恐ろしく感じたのだろうと思います。
安寧な生活からは「スリル」は魅力的に映るのでしょう…人は常に「ないものねだり」をしているのかもしれません。
001210(日)雑談として
 鉄道ミステリー
昨日早朝、鳥取に出張しました。
待合せの時間が来ても切符を持った当人が来ません。携帯電話も繋がらず、やむを得ず最小金額の切符を買い特急に乗りました。

特急が発車したとき、やっと電話が繋がりました。
寝過ごしてしまい「今、大阪駅に着いたところ」とか…「特急スーパーはくと」は2時間に1本しかありません。とっさの判断で時刻表を見たところ、新大阪から「10分後に出る新幹線が、偶然にも姫路に止まる(早朝以外止まらない)」ことが分かりました。携帯電話でそれを知らせ、ダッシュをしてもらいました。
無事、姫路で合流できたのですが、聞いたところ「新幹線の切符も買わず」飛び乗ったそうです。「鉄道ミステリー」そのままに、西村京太郎(鉄道ミステリーの第1人者)氏もびっくりだろうと大笑いしました。
 日本一
日本一もいろいろあると思いますが、「鳥取の生コンは日本一高い」そうです。
昨年「組合」ができ、生コンは組合受注になったそうです。組合からしか生コンを買う術が無く、値段交渉などあり得ません。早い話が「カルテル」で、ユーザーにとっては迷惑な話です。値段を聞いて「本当に高い」のでビックリしました。
競争を排除して栄えた試しがありません。

かって大阪にもそう言う時代がありましたが、関係者の「自衛手段」で沙汰止みになっています。それは、徹底的に「コンクリートを使わない」建物に切換えたからです。案外人間は「歴史に学ばない」愚かな生き物かもしれません。
 近隣説明会
鳥取から日帰ってその足で近隣説明会です。
いつだって建築屋は悪者です。
地域の秩序を乱し環境を悪化させる犯人として糾弾されます。いつもは「矢面に立たされる」のですが、今日の悪役は施工者で「私はオブザーバー」です。ちょっと気楽な近隣説明会です。

それぞれ「我が身可愛さ」の要求が多く、「地域の秩序や環境を守る」といった、本来の目的に添った質問はほとんどありません。
近隣同志で利害が対立し「喧嘩になる」こともあります。昨夜も意見が対立し、当方が仲裁に入り「近隣の方達の意思統一」をお願いする一幕もありました。
やり取りを聞きながら「身勝手さ」がよく分かりました。時には「第三者の立場」で冷静に近隣説明会を眺めることもよいことだと思った次第です。
001211(月)DVDの感想
随分前に、高知に住む息子から「DVD」をプレゼンとされていたのに、使わずにいたため叱られてしまいました。
忙しかったことは単なるいい訳で、本当は「臆病」なせいです。
「データベースを利用したことがない」と言ってNさんに笑われたことがあるのですが、好奇心が強いくせに「恐がり」なところもあるのです。どう活用したら良いのか?迷っているうちに「使いこなせなかったら…」と恐くなっていました。
で、日曜日。
出張疲れで仕事が嫌になった(急ぎなんだけど)こともあり、思いきってDVDに挑戦してみました。と言っても、DVDで「パーフェクト・ストーム」と言う映画を見たのです。お皿を入れ、ショートカットをクリックします。いよいよ始まりです…
音声も日本語・英語の選択ができ「日本語スーパー」も選択できます。映像は「全部」の外、ダイジェストなど揃っており、ビデオテープではありえない機能が付いています。
実は、こう書くほどスムーズだった訳ではありません。
右クリックでコマンドが登場するのですが、下手に触ると画面が終わってしまい、一から遣り直しです。結構悪戦苦闘して、操作方法をマスター。
今度こそ始まりです。
画像は細分化されており、何処からでも再生可能です。これもビデオにはない機能(我が家のビデオは古いので自信がありませんが…)だろうと思います。
想像より画質は綺麗なのですが、映画の超ワイド画面のため、コンピュータ用CRTでは上下が大幅に空いて「随分小さな画面」になってしまいます。
あまりテレビを見ないので、我が家のテレビは「四角いまま」です。やはりDVDで映画を見るときは「ワイド画面」のテレビが必要だと感じました。
ただ、コンピュータ用CRTもワイド画面のほうがDVDやデジタルビデオカメラの映像取込に便利だろうなと思います。その内そんな製品がきっと出るのでしょうね。
コンピュータに組込んで「映画を見る」だけでは、いかにも勿体無い感じがします。
聞くところによれば、DVDで7ギガ程度の記録ができるそうで、お皿1枚にこの大容量はメディアとして非常に魅力的です。
やっとMOが普及し、最近ではデータの持ち運びはほとんどMOです。でも、4年前「データが欲しい」と言ってFDを持ってこられる方が多く、難儀したことを思い出します。記録メディアの変革でデータに対する縛りが消え、CADソフトも「データ量を考慮」することなく作られるようになりました。最近ではむしろFD1枚に入る図面の方が少なくなってきました。

当社でも図面に画像データを多用するようになってきました。
例えば「カタログをスキャナーで読取り、画面上でダイジェストする」なんてことは日常的に行います。現況写真や使用例をjpgで図面に挿入したり、ビッドマップで図面に着色することも増えました。A0サイズの地図をスキャナーで読取り、ラスター(tifデータ)にすると70メガバイトにもなります。
DVDは、今後安価な記録メディアとして活用されるだろうと感じました。
ついでで、映画の感想述べておきます。
史上最強の嵐と戦い「奇跡の生還」を果すのかと思っていたら、全員死んでしまいました。
冒険ではなく、単に「無謀」に過ぎないストーリーでした。
001212(火)不整合な規制
建築の世界から「世の景気」を眺めれば、好況の兆しが見て取れることをお話してきました。そんな流れを受けて、土地の引き合いも活発化しているのですが、バブル時と基本的に異なり「土地を商品として捉える」傾向が定着してきました。
誰かが「土地を売りたい」と照会を出すと、購入希望者は「その土地の用途と利用可能な規模」をチェック(我々はボリュームチェックとよんでいます)し、土地値を提示します。つまり「オークション方式」です。地主は最高値を選んで売却すればよいことになります。
建築の世界における「憲法」は建築基準法です。
全国一律の法律ですが、それだけに地域性にマッチしない部分があります。。歴史的なしがらみを持つ京都市では、建築基準法をそのまま適用すれば不都合なことが噴出するため、かなり「弾力的運用」を行っています。当HPでは、京都の行政を褒め称える紹介をしてきたのすが、前出のボリュームチェックの過程で、京都の矛盾に突き当たってしまいました。

立続けに4物件、京都市内におけるボリュームチェックの依頼がありました。
様々な規制を調べ、それらをクリアしながら「利用できり限界を探る」作業です。
京都の代表的な通り「お池通り」に面した土地のボリュームチェックをしてみました。
用途地域:商業地域/建蔽率80%/容積率700%です。
土地面積の7倍まで延べ面積が利用できる「高密度利用が可能」な地域です。前面道路も30mあり、「何の問題もなく土地の持つポテンシャルを活かせる」と思ったのですが、大きな間違いでした。

京都のローカルルールで、景観保護指定で高さ制限を設けています。何とこの地域一体は「高さ15m制限」を受けているのです。一般の「高さ制限」では、塔屋(階段やエレベータ機械室)は対象外とされるのですが、京都の高さ制限は例外がありません。まさに「絶対高さ制限」なのです。
 ※ 容積率700%の高密度利用を促している
 ※ 15mの高さ制限
これほど不整合な規制はありません。
容積率700%を活かすには地上13〜15階程度の建物になります。しかし、15mで建つ建物は4〜5階程度です。
高密度利用を促す官僚と、景観保護を打出す有識者の「妥協の産物」の匂いがぷんぷんします。両者を満足するには、巨大な地下帝国(地上に建てられないので)を作るしかありません。京都は「日本一の地下都市」を目指しているのかもしれませんね。
4物件のボリュームチェックは、どれもポテンシャルを活かすことができませんでした。チェックをしながら京都市民が気の毒になりました。
土地に係る税は見せかけのポテンシャルで決まるからです。利用できるはずもない「容積率700%」に対して課税されます。
「景観を守る」なら、せいぜい容積率を300%程度に落とし、整合性を取ることが良識ある態度だと思いました。
001213(水)機能停止
風邪が直りきらないうちに無理をしては「ぶり返す」ことを繰り返しています。
昨日も「シンドク」なり早退をしました。玄関の前で家内の声がします。私が帰る少し前に帰った家内は、バスを降りたところで突然右足が動かなくなり、道すがらの方に助けていただいて帰ってきたそうです。マンションの下から電話をして、息子を呼び「おんぶしてもらって」ここまで来たようです。

「我が家の危機」でご紹介してきたように、義父の介護で恐れていたことが起こりました。家内は、もともと左膝に水がたまり治療を続けていたのですが、ここへきて庇っていた右膝にも障害が出てしまいました。朝がきて、さらに悪化しているようです。足は「棒のようになり」曲げることもままなりません。おんぶと抱きかかえでタクシーに乗せ、病院に運んだのですが右膝にも水が堪っており、治療を受けました。家内が動けなければ、我が家はたちまち「機能停止」です。
炊事洗濯掃除は家庭の基本ですが、我が家は全て家内に頼っています。今朝、取合えず私が洗濯機をまわしましたが、それより干したりすることのほうが大変です。鼻水が止らない身体で寒風の中で物を干すのは辛いものがあります。暫く食事も「出来合い」で済ますことになると思います。掃除機は誰がするのか?
「身体が資本」は、私だけではありません。
家庭の主婦こそ「身体が資本」で、「中心的存在」であることをつくづく知らされました。
001214(木)忘年会
昨夜、仲間内の忘年会がありました。
行き付けの居酒屋に無理を言って「てっちり(ぐふ)料理」です。
どのくらい無理を言ったかと言えば、5000円/人で頼んだことです。流石にてっちり5000円は気が引けました。でも、美味しかったね!!!仲間をご紹介しましょう。
(同年)とあるのはdogfightと同じ歳です。
もう1年の終わりです。
いつまでもこんな仲間で
忘年会ができれば幸せです。
← MOさん:フリーランサー(独身)
最近「髭」をはやし、日本昔話でてくるオジサンそっくりです。
→Tさん:工務店経営(同年)
最近オーストラリアから家具の
輸入業務を始めました



←MIさん:某建材会社大阪支店長(同年)いつまでも脂ぎっています
→Oさん:会計事務所の先生(同年)まるで世捨て人。仙人みたいです




→Fさん(フリーター経理事務・同年)と度々当HPに登場する娘の一人で、Kさん(M電工勤務)

←dogfightスタッフ






←独身ではありません!
→この美人は誰でしょう?
001217(日)14ヶ月
昨日、月参りに行ってきました。
今風に言うなら「20世紀最後の月参り」です。本来なら、この1年の無事を感謝する月参りであるべきなのに、私は新たな支援を神に願っていました。
「今年は強運」と言う、占いを信じて走り続けたこの1年が、良い歳であったか否かはずっと後の判断だろうと思います。只、今言えることは「思い出に残る1年」であることです。
14ヶ月前。当時既に事務所はピンチを迎えていました。
そんな折に、ケアハウスの引合いがありました。
決して詳しい訳ではない分野の仕事で、1年以上に渡り収入が途絶えること。更に現地を見たところ「こんなところに建つのだろうか?」と恐れを抱くに充分な環境でした。それでも迷うことなく「ケアハウスに賭けよう」と決断しました。可能性を求めて…
紆余曲折があり、基本プランが決まったのが今年の春でした。
敷地面積は2800u。
決して広くはなく、敷地内高低差が40mもあり「平地はほとんどない」有様です。
最大の奥行きは25mで、ここにも12mの高低差があります。
山間の谷間で、川があります。護岸もなく普段は「沢」と言った感じですが、一旦雨が降れば山肌の雨を集め濁流と変わります。40年前、土石流災害を起こし死者を出したこともある曰く付きの地形です。
用地の北側に奥行き6mの官有地があり、その北側は「六甲グリーンベルト」構想の指定を受けています。「六甲グリーンベルト」と言えば綺麗に聞こえますが、危険な地域のため国が用地を買い上げ「永久に建物が建たないようにする」地域です。活路を見出すにはこの6mの官有地の払い下げを受ける(これで敷地面積が2800uになる)しかないと思いました。
あらゆる規制を無視して「建物を計画して欲しい」と言う事業主のリクエストに答えプランをしました。
コンターライン(等高線)を下敷きにして、要求されている規模の整合性を計りながらプランをしていきます。その結果、高さ制限7mと言う高度指定地域に7階建てを計画する無謀さです。日影規制などクリアできるはずがありません。

地形と断面図
でき上がったプランを実現するためめに、理事長と2人3脚で「障害となる事項をクリアする」作業に掛かりました。
まず、官有地払下の了解を取り付けました。
利用方法のない土地だっただけに、あっけなく話が付きました。これでなにかと問題な「北側からの規制」(日影規制・高度指定)撤廃にむけて話合う態勢ができました。

永久に建物が建たないようにする「六甲グリーンベルト」構想地帯に、日影規制を設け「住環境の保護を要求するのはオカシイではないか!」と行政に詰めより、「六甲グリーンベルト」は保安林並と言う見解を導き、規制不要の了解を取り付けました。
しかし、高度指定を外させる根拠はついに見つかりませんでした。
可能性のあるのは、総合設計制度(特殊な考え方)で「高さに関する制限の撤廃」を計るしかありません。建設により出きる僅かな平地を「防災拠点」として提供することを条件に、荒山を「公開空地」として認めてもらったのです。荒山は、その日から「自然林」と呼び名が変わりました。
やっと「基本計画」の裏付けが出来ました。
ずっと後になって知ったのですが、この時点では「コンペ」だったそうです。
神戸で最大手の「K設計」や全国規模の「N設計・Y設計・I設計」も計画案を出しており、事業主の判断で私が選ばれたそうです。メジャーな相手に、私が優れていたものがあるとすれば「dogfight精神」だけであったと思います。
14ヶ月を振返るとき、私の50余年にわたる「能力の集大成」であることが分かります。常識だけで取組んでいれば「入り口で拒否」された物件だろうと思います。設計の進行と共に、申請を進めなければなりません。

精密な地質調査を開始しました。
複数種のボーリングに、音波探査機を持ち込んで岩盤の分布調査です。2ヶ月間の調査の結果、2種類の岩盤(花崗岩層とフエルサイト層)の交互からなっており、安定した地盤であること。危険な活断層から離れていること。水位が低く滑動(地すべり)が起き難いことなどが判明しました。
頭を悩ます地形ですが、地質は恵まれているようです。コンターランイを下敷きにしたため、無理に岩盤を削る計画をしていません。我ながら「優秀なプラン」だと自賛したものです。地形の制約を優先したため、老人福祉施設らしからぬ7階建てになってしまいました。しかも、同じプランの階が存在しません。

土石流災害を起こしたこともある場所の整備です。
護岸を整備し、国基準に従い「砂防申請」の手続きを行います。
岩盤削除を最小限に押さえた計画をしたとは言え造成を伴います。そのため「宅造申請」が必要です。
急な崖を建物で支えるため「片土圧10m」と言うとんでもく特殊な建物構造設計となりました。
老人施設で7階建てのため、防災協議が(5階以上、1500u以上で)必要になりました。
これらはどれも「特殊な設計」で、「特殊な申請」が必要になります。しかも、平地であれば不要なものばかりです。まさにフルコースの手続きとなりました。
クリアしただけではなく、同時進行で短期に許可を得ました。
砂防や宅造許可に続いて、造成工事と建物工事を同時に行う許可(37条申請)を1週間で下ろしたため「いかなる手をつかったのか?」と他の行政窓口から質問されました。ウルトラCなどありません、細かい説明レポートと、誠意を尽くしたお願いしかありませんでした。
防災協議は、事前に配布しておいた防災図書に対し、神戸市関係5課責任者全員が「問題ありません」と言う裁定で、僅か15分で終了。防災担当課をして「神戸市始まっていたいの快挙」と言わしめました。
申請と技術両面の諸問題をクリアしてきました。それも「鮮やか」と表して差し支えない程に…
しかし、このようなテクニカルな問題を処理しただけではありません。
ケアハウス本来の問題とも真正面から取組みました。
特別養護老人ホームほど歴史がなく、「こうあるべき」と言うしがらみがないことが幸せでした。姥捨て山にすることなく、いつまでも「元気で暮らせる」施設を目指して上下の関係を外して議論しました。
どうすれば「自助努力を生かせるか」
これは、あるゆる面で必要なことです。基本的に「年金で生活」を前提にし、その範囲(金額)内で「どれだけのサービスを提供」できるのかも大きなテーマでした。

関西電力の省エネ担当官との大論議から、省エネ提案を受け入れる変わりに「各居室(個人のスペース)」をマンション並に扱い、「単独引込」の了解を得ました。これは水道局にも及び、大変有効なランニングコストの引き下げに繋がりました。結果として40%ダウンの省エネ効果を生み出しました。
設計も申請も終わりました。入札で施工者も決まり、地鎮祭も済みました。
様々な難関を突破し、いよいよ着工のこのとき、私の力が尽きました。
ケアハウスをやろうと決めたとき、段取りをつけた1年余分の資金が底を着いたのです。あらゆる伝で資金を集め、年明けの「1月には返すから」と約束したものです。

着工できる態勢ができてから「社会福祉法人」の設立が許されます。
その法人と私は設計監理契約ができるのです。詰り、全ての作業が終わってからしか契約でない訳です。ただ、事業の承認を受けるため、度々設計監理料の見積もりは自治体や厚生省に提出されています。
時が来て、生残りを賭けて契約をお願いをしました。
答えは悲しいものでした。設計監理料の見積もりは知っているが「一度も了解はしたことがない」と言うもので、最終提示は8割でした。これでは利益どころか、この14ヶ月で費やした費用を補うこともできません。更に支払い時期は来年の5月と言うものでした。もう資金が底をついたというのに…
鮮やかな処理が疑惑を招いたそうです。
小さな事務所であれだけ膨大な処理ができるわけがない、きっと「バックに大きな組織がついているのだろう」と言う疑問を口にされました。更に、今後施工が始まればバックの組織の援助は得られないので、当社では「無理ではないか」との懸念も表明されました。私は器用に踊る「操り人形」に見えたのでしょうか…
私は理想に燃え、持てる全てを注込みました。
事業主を信頼し、私も「信頼を受けている」と確信して行動をしてきました。もとよりバックに誰もいる筈がありません。

疑惑云々が本当かどうか?私には真意が分かりません。
法人から提示された設計監理料は、その可否を問わず「事務所の存続を許さぬ」内容です。
「なんと理不尽な」と怒り狂うdogfightはそこにはなく、心静かに「終わりを受け入れようする私」に驚いています。
私は今悲しいのです。
理事長との間に理想を共有したと思いたいし、友情があったと思いたいのです。
思いの丈を賭けた14ヶ月ですが、法人に(倒産騒ぎ等で)迷惑をかけるのは本意ではありません。自ら「監理業務を下り」るべきだと考えています。寂しいことですが、私が建物の完成を見ることはないだろうと思います。
私を信じ、私に付いてきてくれた社員を大切にしたいと思います。
債務不履行に伴いゴタゴタが起きることは避けられませんが、倒産と言う事態を避け、生残りの「新たな道」を求めて行きたいと思います。そのためにこそ、昨日神に「新たなる支援」を祈ったのです。
苦しい時の神頼みを続けた1年でした。神にとっても負担のキツイことだったでしょうが、来年もお願い致します。
001220(水)怯懦
悩んだ数日でした。
ケアハウスの問題に早く決着を付ける必要があります。監理事務所なしに工事契約が結べないので、当社が引くなら後任の事務所を決める必要があります。多くの方に迷惑をかけることは私の本意ではありません。
提示された金額は「受けるも地獄、引くも地獄」と言うものでした。既に家内には「我が家が無くなるかもしれない」と告げてありました、意地を張るなら「当然の帰結」です。
引けば直ちに破局が来ます。受ければ、今後の展開次第で失地回復の可能性が残ります。工事関係者も、私の続行を望んでくれました。
昨日「監理業務をやらせて下さい」と願い出ました。全面降伏です。「0」への復帰を目指し、ケアハウスに賭けて奮闘した14ヶ月でしたが、まだまだ遠い道程となりました。

降伏後、家内に電話をしました、「我が家を失わずに済みそうだ」と。電話の向こうで家内が泣いた。
友は私を「怯懦」と蔑むであろうか?息子達は私を嘲笑うだろうか…
001221(木)手摺
季節柄お酒を飲む機会が多くなりました。
先日も4人の中年で酒を酌み交わしました。50代は私だけで、あとは41・45・49歳です。話は自然に「老化現象」に至りました。50を過ぎて「階段を利用するときは手摺を持つようになりました」と言ったところ、彼らからも「私もそうです」と言う返事が帰ってきて驚きました。

この数年、設計に際し「バリヤフリー」を絶対条件に取入れるようになりました。
若い頃は空間の変化を醸し出すため、わざと床に段差を設ける設計をしたものですが、自分自信が「手摺」を必要とするようになって、その無謀さが分かるようになりました。
感性の反対語は「知性」だそうです。しかし、学問では分からぬ世界があると思います。体験に勝る知識は無いと感じるこの頃です。
001222(金)栃餅
鳥取からのお客様にお土産で「栃餅」を頂きました。
薄茶色の餅で餡子を包んだ美味しいお菓子です。
とち‐の‐き【橡・栃】(写真とも広辞苑より)
トチノキ科の落葉高木。各地の山地に自生。
高さは約25m、周囲は2mに達する。
葉は長柄対生、大形の掌状複葉で小葉は五〜七枚。
五月頃、枝頂に白色に紅のかかった花を多数つける。
雌花・雄花の別があり、また両性花もある。
果(サクカ)は円錐形で三裂し、光沢ある褐色の種子をもつ。
種子からあく抜きして澱粉を採り、また、栃餅・栃粥などに製する。
材は板に挽き、また、刳物(クリモノ)に用いる。庭木・街路樹ともする。
別称ウマグリ(馬栗)は英語名の直訳。

歴史人口学なる学問があるそうです。
「人口から読む日本の歴史」鬼頭 宏著(講談社学術文庫)参照
古代より、「人口がどの様に推移したか」を学問として研究するものです。もとより、食料供給量以上に人口を養えるはずもなく、気象や植生と言った幅広い分野の裏付を必要とする学問のようです。
それによれば、後期縄文時代(紀元前3世紀:人口25万人程度と推定)は今より2度ほど平均気温が低く、人口は東日本95%に対し西日本5%という「東高西低」だったそうです。ちなみに分岐点は今の名古屋あたりと思えば良いそうです。
何故このようにアンバランスが生じたのか?
農耕技術を持たず「狩猟採集で食料調達」をしていた時代では、木の実しかない西日本より、鮭が遡上する川を持つ東日本(低温のため、名古屋あたりまで鮭の遡上したそうです)の方が圧倒的に人口を養う力が強かったと言うことです。
江戸時代は、農業を経済の基本と時代ですが、「米」は富の象徴で、麦どころか「稗・粟」と言った雑穀まで主食の一翼を担っていました。そんな時代でも「とちの実を食するのは貧乏の代名詞だった」と本で読んだことがあります。硬い殻を開け、僅かな実を取出す作業は辛いものがあったのでしょう。
庶民の「飢えを凌ぐ術」であった食物が、今は「名物」と呼ばれるようになりました。
栃餅も貧しさの証が名物に変わった例だろうと思います。
鳥取でホテルを作るため、設計に着手しました。
鳥取は、古来より朝鮮半島と交流の深い土地です。商社マンとして20年にわたり韓国で勤務なさった方にこんなお話を伺いました。韓国語で「ととり」と言えば『木の実』を示すそうです。渡来人が木の実の豊富なこの地を「ととり」と呼んだことから『鳥取』が生まれたのではないかと言うことでした。
鳥取は古代文化の交流点だったのでしょうね…
001223(土)天皇誕生日結婚の形
娘の一人が「子作りに励んでいる」と言う。
「なんのこっちゃ?」と尋ねたら、「できちゃった結婚がしたい」と言う。双方の親も本人達も結婚を承知しているのに「なんで」と思うのですが「ふんぎりがつかない」らしい。そこで「子供ができりゃ…」と言うことです。

近年の我が国は「一夫一婦制」ですが、これは「キリスト教のモラル」を受け入れたに過ぎず、長い歴史から言えば「僅かな期間」に過ぎません。それも「実効性」と言う点から言えば疑わしい限りです。
かって、民社党(今の民社党と関係無い)党首春日一幸氏が選挙の街頭演説中「妾はどうした!」とヤジられ、「お蔭様で、母子ともに健やかです」と、切り返した話は有名です。「浮気は男の甲斐性」と言われ、およそ罪悪感がありませんでした。
時代は変わり、浮気の世界も「不倫」と名を変えて男女平等になりました。女房の貞淑を信じるのは勝手ですが、「信じるものは救われない」時代かもしれません。
結婚の形は時代と共に変わっています。
貴族は「通い婚」、庶民は「夜這」で、男女が同居しない形態が長く続きました。これは、一夫多妻制ではなく、「多夫多妻制」と呼んだほうが姿が見えてきます。男女が愛を交わせば子供もできるわけで、その時は長老が「誰々の子供にせい」と裁定を下し、格別揉めることなく社会の秩序が成立ったそうです。
特に庶民の「夜這」は半世紀程前まで続き、地方では「歌垣」と呼ばれる乱交パーティーが存在しました。
うた‐がき【歌垣】(広辞苑より)
〓上代、男女が山や市(イチ)などに集まって互いに歌を詠みかわし舞踏して遊んだ行事。
一種の求婚方式で性的解放が行われた。以下略
このように、我が国で古来より「性の自由」が多かったのは「母系社会」と多いに関係があるように思います。
 イスラム社会(父系社会)=一夫多妻
 キリスト社会(父系社会)=一夫一婦
 我が国(母系社会)=多夫多妻
一夫一婦制も一夫多妻制も「男の論理」で女性を縛っているに過ぎません。
女権の強い我が国で、人妻の不倫が珍しくも無い現状は「多夫多妻」への回帰ではないかと思えてしまいます。
歌垣は「村祭りの夜」が多かったそうですが、今は日々「歌垣」のようで、若い人達に「処女信仰」はないようです。「できちゃった婚」は、長老の裁定こそありませんが「夜這」の変形のようにも思えます。
100年単位で時間が過ぎ、今を歴史として見ることがあれば、「当時はできちゃった婚でした」と、言われるかもしれませんね。
明日は「クリスマスイブ」
若い人にとって「最大のイベント」となっているそうです。(オジサンには関係無い)
さて、どれだけ「できちゃった」となるのでしょうか…
001224(日)クリスマスイブケイタイ依存症
高校生の何と6割が携帯電話を持つ時代になったそうです。
何か不可価値をつけないと気が済まない我が国らしく「iモード」は日本のアイデアだそうです。今やケイタイは「電話もできる」商品に変わっており、私のように「電話しか使わない」のは、大変時代遅です。

先日も某大手アパレル商社の取締役氏と名刺交換したら、住所社名に電話FAXナンバーは当然のこと、メールアドレスにiモード用のアドレスまで記入してありました。今やケイタイでカラー写真がやり取りできる時代で、当然デジカメ付きケイタイなんて商品(良く分かりませんが)もあるのでしょうね?
もうまさに「電話もできる」時代です。
ウオークマン付き携帯電話も発売されるとかで、最新曲をダウンロードしてケイタイで聞くことができ「これ1台でOK」と言う訳です。凄い時代になってきたものです。
でも「待てよ」と、最近気弱なdogfightが囁いています。
私は、なによりも「スキンシップ」を大切にしています。ケイタイでしか心が交わせず、そこには言葉すらなく、電車の中でモクモクとiモードに入力する姿は、私には無気味に感じます。いまやケイタイは「一時のブーム」などではなく、若者文化に根を生やした感があります。スキンシップを忘れ、iモードの小さなキーにすがりつく姿を見るに付け、「ケイタイ依存症」(そんな病名あらへんって…)ではないかと思えて仕方ないのです。いかがでしょう?
001225(月)自己管理
ケアハウスの設計に当たり、多くの方のお世話になりました。
そんなお一人にHさんがいらっしゃいます。彼女は31歳、フリーで福祉業務のコンサルタントをしています。不慣れな私にレクチャーをしてくださり、無事ケアハウスの設計を終えることができました。言わば、私の先生なのですが、先日生意気なことを言ってしまいました。それは…
先生は、月に数回「高熱を出して」寝込んでしまいます。
若さから来るのでしょうか、つい無理をするようです。「不慣れな方たちを指導し業務を代行する」気疲れの多い仕事で、ストレスが大変たまるのに、気分転換の術を知らないのです。フリーで仕事をするからには「誰も補償してくれない」ことを知るべきだと思います。先生が過労で倒れても、その仕事を依頼した法人が補償してくれる訳ではありません。
これはフリーで働く全ての人に言えることです。
時間こそ比較的自由になりますが、生活の安定は誰も補償してくれません。言わば「身体が資本」で、理由の如何を問わず「倒れたら負け」の世界です。優秀さ故に、私は先生に「健康の自己管理」にもっと注意するようにと苦言を呈しました。

普段、まず「説教を垂れない」ことをモットーにしているのですが、この日ばかりはつい口をついて出てしまいました。
傍で聞いていた仲間が、矛先を私に転じて来ました。仲間内で、私は気分転換の名人と言われています。ストレスが溜まれば「遊びや旅行」で憂さを晴らし、疲れが溜まれば仕事をほったらかして「休んで」しまい(その割りに仕事に穴をあけたことが無い)、いまだに「胃潰瘍になったことが無い」と言う、古強者です。ストレスと疲れは自己管理の大敵です。
皆さん年末です。1年の疲れは年末年始の休みを利用して綺麗に取除いてください。
えっ!私ですか?
これから金沢まで気分転換に行って来ます、何せ気疲れなことがありましたから…
30数年振りに「兼六園」を散策しようと思っています。それから「来年の凌ぎ」に向け、気分一新頑張ります。
001226(火)雪の兼六園
気散じに旅をしてきました。
京都に住む友人の都合で「25日午後〜26日17時」までしか時間が無く、おのずと行き先に制約がありました。ならば「雪の兼六園がエエナ〜」と言うことになり、手近な旅行社で予約を取って出かけました。でも、まさか本当に「雪の兼六園」が見られるとは思っていませんでした。
(写真は、金沢城址)
道中、雪混じりの天候で期待と「足元の不安」でいっぱいです。
JR金沢駅に着いて、メールでお世話になっている長村さん(金沢在住)に始めてお会いしました。お茶の後、夜の再会を約束して旅館まで送っていただきました。
金沢は加賀百万石前田家の城下町です。
藩祖前田利家公の好みだったのでしょうか?そここで京都に似た地名や風景にお目に掛かります。

この数年、ビジネスホテルか企業の保養社を借りる旅行が多く、長らく「旅館」を利用していません。そこで、金沢駅にほど近い「茶屋旅館」に予約を入れました。仲居さんがついて、布団の上げ下ろしからお世話をしてくれます。食事も食堂ではなく部屋まで運んでくれます。久々の旅の醍醐味です。
珍味各種とカニ
料理は「加賀懐石」です。
つくり盛り合わせは流石です。海に面した土地柄で、盛り付けの妙にワサビをすって、絶妙の味を楽しませてもらいました。
じぶ煮は金沢の代表的な料理だそうです。鴨肉と、生麩や野菜を濃い目に味付けし、ワサビを載せたコクのある料理です。
つくり盛り合わせ
左:「さわらのフォイル焼き」と「じぶ煮」

右:カニのグラタン
食後はスナックで「酒とカラオケ」です。
仲居さんに予約と値段交渉をお願いして「一人3000円」にしてもらいました(大阪人はケチだね!)。旅館で長村さんと落ち合い、「明日は雪だろう」等と話しながら、霙の町に繰り出しました。勿論、素敵な奥様(いずみさん)もご一緒です。
長村さんの印象は私の予想と違っていました。もっと「おっさん」を予想していたのですが、大変若いので驚きました。やはり理想を持って仕事をなさっているので若々しいのでしょうね。
長村さんとdogfight
一夜明けて…
一面の雪景色。今期初の本格的な雪景色だそうで「雪の兼六園がエエナ〜」と言う願いが適えられました。まあ〜日頃の心掛けは大切ですね!
雪吊の木々。ことじ灯篭。兼六園を代表する風景が「雪に覆われ」ひときわ見事です。旅館でお借りした長靴のおかげて「足元も安心」です。
兼六園の一角にある「伝統産業工芸館」を見学しました。
まあ、加賀の国は「何でもあり」ですね。
漆器は「山中塗りに輪島塗り」、蒔絵に螺鈿細工、陶器(九谷焼)、金属加工、金箔細工、加賀友禅に、仏壇、水引、和竿、太鼓、提灯、蛇の目傘…
兼六園の灯篭(左上が有名な「ことじ灯篭」)
兼六園風景(雪に埋もれたツバキが寒そうです)

加賀の国が伝統に包まれていることがよく分かります。
街中に、昔のままの「味噌屋」や「銀行」などタイムマシンに乗ったかのように建物が存在しています。ここは「北陸の小京都」なのです。
取り潰しを計る徳川幕府から、前田家を守った「珠姫(秀忠の娘・家光の姉に当たる)」を祭った天徳院にお参りに行きました。流石に370年の歴史を誇る由緒あるお寺でした。ただ余りに「商売熱心」なのが珠に傷ではありました。
天徳院からタクシーに乗り、運転手さんに「金沢らしい昼食の取れる店に連れてって」とお願いしました。わざわざ携帯電話で連絡を取ってくださり、高台にある和風レストラン「山麓海鮮・松魚亭」に案内していただきました。車を降りて、予約の確認までなさる親切さに我ら一同恐縮しました。金沢の旅を通じて「北国の人々の親切」に触れたことを感謝します。
手軽な料金で、大変美味しい昼食を頂き、近江町(地元では「おみちょう」と読むそうです)市場を覗いて大阪への帰路に着きました。
近江町市場は「近江商人が始めた」ことからこの名が付いたそうです。豊富な海産物が安価で並べられているのですが、大阪まで持って帰るのも大変で「眺めるだけ」に留めました。
金沢は「何度も来たい」素敵な町でした。
001227(水)笑えない話
関西電力のNさんが年末の挨拶にいらっしゃいました。
雑談の中で、オール電化に対する「鳥取と大阪の温度差」が話題になりました。
私は鳥取でホテルを作るため、設計に着手しています。現地調査に訪れた際、中国電力の担当者に「オール電化のメリットはありますか?」とお尋ねしましたところ、少し小首を傾げ「なにもありません」と言うご返事でした。
大阪では、関西電力と大阪ガスが熾烈な戦いをしています。前出のNさんによれば、深夜電力帯は関電がシェアを伸ばし、昼間帯は大ガスがシェアを伸ばして「エエ勝負」だそうです。
でも「しょうもない」とは言わないで下さい、国家レベルで見れば大変役に立っているのです。電力もガスも国民に供給責任を持つという意味で大切な存在です。それ故に「ピークにあわせて」設備をしてきたのですが、双方が「食合い」をしたお陰で、需要の平準化が進みました。
公にされていませんが、平準化と不景気による需要減退で、関電では「発電設備の2割が余剰になっている」そうです。そのため、最も発電コストの高い都市部の火力発電所が順次閉鎖されていっているとのことでした。
11月に美浜の原発を見学しました。
関電管内における原発の発電割合は57%だと説明されました。しかし、この調子では益々ローコストの原発にシフトし、「原発王国フランスの70%」を越える可能性が出てきました。
しかし、流石は関電で発電所閉鎖に伴う余剰人員をむやみに「リストラ」したりしません。Nさんの所属する営業所で、既に「発電所要員を8名受け入れている」そうです。
笑えない話はこれからです。発電所要員は関電でも優秀な人が配置さてきた事情があり、何と受け入れた8人で「40以上の国家資格」を有しているそうです。そこで、営業所では「技術者派遣業」を始めたそうです。
今年の初めに建設業における「余剰人員の話」をしました。
我が国には、建設関連の労働人口は600万人おり、先進国の平均値である400万人から見れば「大幅な余剰人員」を抱えています。そこで、いい加減に「デモ・シカ産業を卒業すべきではないか」と言う意見を述べました。ところが…
今年も後数日になりましたが、何とこの1年で建設関連の労働人口は増えているのです。相変わらず「デモ・シカ」の受け皿になっていることが伺えます。
我が国は豊かなのでしょう。切羽詰れば労働人口の移動が起きるのでしょうが、何処か余裕があるためシフトしません。きっと軟着陸は無理でドラスチックな変革しか変わりようが無いのかもしれません。
来年は「笑えない話」を体験するかもしれませんね…
001228(木)御用納め
午前中にケアハウスの契約を済ませ、いよいよ今日で御用納めです。
最期まで「ひやひや」の連続で、来年のメドもきちんとできた分けではありませんが、なんとなく「1年の終わり」を感じさせます。
「ご苦労さん」を言うため、仲間の慰労会で締めくくります。会場は「MAC」の会議テーブルです。

道具と食材を持ちより「韓国風チゲ鍋」です。
トウバンジャに漬け込んだ「渡りカニ」は大阪鶴橋の専門店から宅急便で送ってもらいました。私と横田君で捌いて準備OKです。
野菜は、かおりとコンサルのHさんに買出しと準備を頼みました。
酒類は思い思いに持込です。
この企みをした場にたまたま同席した「仙台のSさん」は、三陸沖の魚を自慢したため65cmもある「生らた」を送る羽目になりました。写真に移っている赤い魚は「キンキ」です。Tさんが「俺はキンキがエエ」と言ったために、ちゃんと一匹入っています。さらにSさんから地酒も2本送っていただきました。ありがとうございます。

皆さん!良いお年を・・・
写真上:仙台から送られた65cmの生たら。赤いのは「キンキ」です
写真中:仙台からから送られた「地酒」とメインディシュの渡りカニ
写真下:渡りカニ
001229(金)M邸のリニューアル
                御用納めは済みましたが私の仕事は続きます…

今年の初めにお亡くなりになった先生(外科の名医でした)は、私が大変お世話になった恩人です。退職後「回状が触れ出され」サラリーマン時代にお世話になった方達に挨拶に行くこともままならない状況下で、堂々と私を庇護してくださった数少ない方のお一人です。
先生のご自宅は、サラリーマン時代に設計をし、事務所をクビになったあと私が個人で監理を行い、途中ゼネコンが倒産したと言う「思い出深い建物」になりました。
若気の至りで、ほとんどバリヤフリーの概念の無い建物で、今日も中を見せていただきながら赤面する思いでした。
2階は「フリースペース(約30畳の空間)」として竣工したのですが、お子さん(3人)の成長に合わせて順次間仕切がなされ、変貌を繰り返してきました。
お子達は、23年の歳月の中でそれぞれ立派なドクターにおなりになりました。
先生の喪が明ける来年春に末っ子の息子さんが結婚なさるそうです。
M家の後継ぎとして、2階をリニューアルして新居をかまえることになりました。今日M邸にお邪魔したのは「新居の打ち合わせ」のためです。
建物の寿命は長いのですが、性能の面で「賞味期限」は結構短いものです。
設備系はそれなりに更新されてきましたが、整合性に問題が見られます。
また、建材も工法も現代とは大きく違います。
まだシステムキッチンのない時代に家具工事としてオーダーメードで作ったもので老朽化が目立ちます。遮音や断熱性能も今の基準では欠陥の烙印を押されそうです。でも、懐かしさや恥ずかしさに加え、「良く考えてたな…」と感じる部分もありました。

予算の制約があり、綺麗サッパリ「やり替える」と言う訳には参りませんが、可能な時間と資金の範囲内で、出来る限り「賞味期限を延長」したいと思っています。
住宅は「人の住むところ」です。時間と共に環境も条件も変わってきます。1軒の家のそのライフサイクルを、23年の長きに渡り関わりを持ち続けられることは、きっと建築屋として「素晴らしいことだ」と感じています。些細なことでも相談をかけてくださる方がいっらしゃる限り、私は「建築屋であり続けよう」と思っています。
001231(日)大晦日
1年の最後の日です。そして、今世紀最後の日でも…
53歳の私が「今世紀を語る」ことなど出来ませんので、この1年を振り返ってみたいと思います。
 □政治
小渕全総理の死去によりピンチヒッターの森さんの登板が続いています。私の「小渕評」は中曽根さん以来の傑出した総理と思っていただけに、森さんの行動に呆れるばかりです。一人の死が日本の道を変える姿を目の当りにした1年でした。
 □経済
少し立ち直りを見せているように思います。
ただ、大阪は地盤沈下を続け「最悪」が続いています。これは私の持論ですが、「大阪人の体質(商法)」が世界標準と馴染まず、今後も立ち直りが遅れるのではないかと思います。
 □犯罪
「荒ぶる10代と中国人」これに「ストーカー」を加えれば、今年の犯罪の特徴を最も簡潔に言い表せるのではないでしょうか。
戦後、「心を置き忘れた」ツケがきています。外国人犯罪も「自国を貶め」中国や朝鮮に対し「卑屈な態度で接する」教育成果が出ています。これも心の問題でしょう。
 □仕事
忙しさだけで言うなら「素晴らしい1年」でしたが、成果は?と問われれば辛いものがあります。「0」への回帰に願いをこめた1年でしたが、来年へ持ち越しとなりました。
 □健康
アトピーは「酷くなったら来てください」と言われるまでに回復しましたが、異形狭心症は現状維持。睡眠障害は「やや進行」と言ったところです。
それより「息子のアトピー」が酷くなり、家内の「膝」も爆弾を抱えています。我がことより家族が心配な1年でした。
 □心
真心の伝達の難しさを感じた年でした。
 □感性
ご愛読頂きました方の判断にお任せ致します…
ありがとうございました。
カウンターをつけていませんので、どれだけの方の目に触れたか知るよしもありませんが、来年も気侭に続けていきたいと思います。叱責とご声援の程をお願い申し上げます。
それでは皆様「良いお年」をお迎え下さい…


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