dogfight高松の長すぎるひとり言
2000年7月

フリーターこの1週間無呼吸症候群入院編事件簿設計条件の背景変化忙しさの中で無駄な時伝統と女性差別山陰にて熱暑IT憲章プロ野球後半戦プロ野球と分社化ナイター歩いて暮らせる街づくり「歩いて暮らせる街づくり構想」を考える
000701(土)フリーター
フリーターを日本語に訳せば「失業者」と思ってきましたが、少し事情が変わってきたようです。
昨日の「産経抄」によれば、フリーター人口は150万人を超え「職業として認知」する方向にあるそうです。私の職業観では、職を持つことは『自立を目的』とすると思うのですが、フリーターは『小遣い稼ぎ』を目的としており、衣食住は『親に寄生』(産経抄による)する特徴があるそうです。また、大卒の20%以上がフリーターを選ぶ(定職につかない)そうです。このことから、二つのことが問題となります。

『今しか見ていない』
親に寄生して生きる道は、取りあえず「楽」であろうけれど、永遠に続くはずもありません。親自身にも「老後」があり何時までも子供を抱えてはいられません。更に、いつか『死別』が訪れます。
その時には『自立するさ』と言うかもしれないけれど、社会常識で言えば『自立しなくちゃ!』と、思ったときは手遅れです。
職(技術)は「蓄積が必要」で、定職を持つ人とフリーターには『雲泥の差』が生じます。
選ぶ権利は雇う側にもあるわけで、歳はいっているが『何の蓄積も無い人』を雇うだろうか?何の能力もない人に「自立に必要な給与」を支給すると思っているのでしょうか?

『自分しか見ていない』
彼らは、社会から「何の世話にもなっていない」と言うだろうがとんでもありません。
道路でティッシュを配って「その日の小遣いを稼ぐ」、あの道路を作ったり維持したりする費用は税で賄われています。大学と言う最高学府を卒業するまでに、国が負担する費用はゆうに一千万円を超えているだろう!
彼らは「かってに育った」分けではなく、育つ過程で「とてつもない社会のお世話」を受けているのです。そのくせ、小遣いは稼いでも社会負担(税や保健の負担)などしている訳ではありません。

『社会への還元』をしているとは思えないのです。こんな風景を見ていると、日本の将来は明るくないようです。
000702(日)この1週間
進行中の物件「ケアハウス」は、9月末に厚生省に書類を上げる予定でしたが、急遽6月末に提出することになりました。わずか1週間で『協議書』を作るといった離れ業を演じることとなり、多忙な1週間でした。普段はお役人とは『バッティングする』私ですが、協議書作りでは『一体感』を感じました。「許される立場なら酒でも飲みたいですね」と言って、作業を終えました。
群馬に住む姉から興味あるメールが届きました。某企業の最新公害防止システムの見聞録です。その外いろいろあり、盛沢山の1週間でしたが、どれも『公開すれば差し障りがある』事柄ばかりでご紹介できません。残念です…

協議書作りで、遅れていた「入れ歯」ですが、金曜日に装着しました。
(部分入れ歯:取合えず下だけ作りました。7本分の歯に相当します)
これで「快適に物が食べられる」と言いたいのですが、そうはいきません。まだ噛合せがしっくり行かず今後も調整が必要です。今は口の中を異物で占領された感じで、先輩の体験談に寄れば「慣れるまで半年掛かる」と言うことでした。
月曜から入院し、睡眠障害解消のため「マウスピース」の着繰訓練に入ります。
「昼は入れ歯・夜はマウスピース」と口中を占領され、なにやら変な人生になってきました。

我が家の失業者は、何とか新しい職場を確保したようです。今までと関連ある職種のようですが、ボスと事務員さんだけの会社とか…「何ヤ、俺の事務所と一緒ヤン!」というわけです。保険の無いところも一緒で、前途多難が見えるようです。それでも『安定より自由を選んだ』ようで、私と同じ道を歩むのか…と感じています。まあ、「フリーターにならず」に済んだわけで、これはこれで喜ぶべきでしょうね!今『棲家』を探しています…
バブルが弾けてから始めた『月参り』
仕事柄、宗教や政治はタブーで(HPで書いていますが)会話の中で話すことはありません。だから数少ない読者諸兄以外このことをご存知ないと思います。「突然宗教心が出来た」などと言うものではなく『苦しい時の神頼み』が続いています。今も私は無宗教と思っていますが、この習慣だけは続きそうです。
行き先は『出雲大社大阪分祀』です。
聞くところに寄れば、本来「出雲大社」とは縁(えん)も縁(ゆかり)も無かったそうで「霊験あらたかな修験道」が発祥だそうです。それがどうして「大阪分祀」になったのか? ファジーな私には、どうでもよいことです。私は、大阪分祀を通じて「全知全能の神様」にお願いをしています。

「関西電力プレゼンツ」と題した文化事業の招待券を頂きました。
7月1日(童謡の日)にザ・シンフォニーホールで開催された大阪フィルコンサートに行ってきました。初めてのクラシックコンサートで「さてどうなるやら」と懸念していたのですが…
 
指揮:西本智実
 ・J.シュトラウスU世/嬉歌劇「こうまもり」序曲
 ・ドビュッシー(ビュッセル編)/小組曲
 ・ムソルグスキー/交響曲「はげ山の一夜」
 ・ムソルグスキー(ラベル編)/組曲「展覧会の絵」

ご覧のように、比較的ポピュラーなクラシックだったせいか、感動を持って聞くことが出来ました。今後は機会を作って「時にはこんな雰囲気を味わいたいものだ」と感じた次第です。でも、この音楽聴きながら『眠れたら良いな〜』と思ったことも白状しておきます。

この日の仕上げは『飲み会』です。
昨年の今頃「7人の建築士」でご紹介した、住宅資料館建設の『構想作り』に関わったスタッフの打上パーティーです。
プロディユースした「商業デザイナー」をはじめ、工業デザイナー・コピーライター・印刷・イラストレータ・建築屋(施工会社は含まず)達合計10名です。
(写真:この怪しげな雰囲気をご覧下さい/右写真右側がdogfight)
私の受け持ちは、好き勝手な夢をぶち上げる連中に対し「違反建築にならない方法」を伝授することでした。検査済証を発行した浦和市の建設担当官を「うならせた」キワモノでもあり、結構楽しい経験となりました。痛飲し、息子に迎えに来てもらいました…

振りかえってみて『多忙な1週間』であったことが分かります。
さて、明日から4ヶ日間、睡眠障害治療の器具着装のため『夜だけ入院』します。そのため、 暫くHPの更新が出来ません…
000706(木)無呼吸症候群入院編
000525「無呼吸症候群検査編」でご紹介したように、私は『睡眠障害』を起こしています。
原因は「肥満と老化(退化)現象」と言われています。睡眠時に気管の筋肉が弛緩し、自重で気道を塞ぎ「無呼吸状態」を引き起こします。そのままでは「死んでしまう」わけで、脳から「起きろ」と指令が出ます。その結果「睡眠障害」が生じます。
単に「眠い」だけではなく、安静時に下がる筈の血圧が「下がらない」あるいは「上がる」と言った「睡眠時高血圧症」を招くそうで、これは『狭心症の原因』ともなることから、私の異型狭心症のスタートも案外この辺が原因かもしれません。
前回の検査では「1時間当たり30回の無呼吸」が記録され、これは「要治療」レベルと言うことで、今回の入院となりました。
ただ、大部屋に入院して驚いたことは、私が最高齢ではないか?と言うことです。後で技師さんにお尋ねしたところでは「20代も珍しくない」そうです。とすれば、老化現象より「肥満」が絶対的な原因と言えそうです。この点でも私は『軽量級』でした。

 一晩目
夜8時に入院。
治療と言っても、CPACと呼ばれる送風機で、気道に空気を送り込み「閉塞を防止」する装置を装着します。原理は簡単なものです。気圧をかけて『風船』宜しく喉を膨らますわけです。喉の切開手術という根本治療もあるそうですが、「危険な割に効果が確実ではない」と言う理由で余り行われないそうです。

私は勘違いしていたのですが、口ではなく「鼻をパック」で包み送風します。口から空気が漏れては台無しですから「口はテープで封印」します。もうこれは立派に『拷問』ですが、命をかけて『慣れる』しかありません。空気を圧送されると、吸気は良いのですが「排気がシンドイ」状態で、海で溺れたような感覚になります。22時から翌朝6時まで器具をつけて寝たのですが、熟睡とは程遠いものでした。
 費用対時間
器具を外した後は自由です。当然『病院から出勤』と言うことになります。
ケアハウスの打合わせが長引き、次ぎの打合わせまで余り時間がありません。昼時を外していることでもあり「そんなに時間は掛からないだろう」と、洋食屋に入り『チキンライス』を注文しました。これが一番早そうに思ったからです…

一緒に食事したHさんは、アメリカ勤務時代「クライスラーの生産ライン」を手がけたことがあり、そこでは「コストパフォーマンス」が徹底的に追求されるそうです。コストパフォーマンスは『費用対効果』と訳されますが、生産工程では『費用対時間』と同意語になります。
同ラインでは「コンマ秒以下の単位」の時間圧縮の方法が研究されたそうです。なのに、チキンライスは「出てくるまで30分」掛かったのです。30分待って5分で食べて店を出ました。何と費用対時間の悪い700円であったことか…

 イタ飯
最後の打合わせが終わったのが6時過ぎです。
8時までに病院に戻る必要があるのですが、一人で取る食事は味気なく、打合わせ相手を誘い近くの『イタリアレストラン』に入りました。前から気付いていたお店ですが、利用するのは始めてです。これが大正解でした。「安くてうまい」は、大阪では絶対条件です。今度ゆっくり取材に言って、当HPに掲載する了解を頂いてきました。今はご紹介にとどめます。
  Della Rocca TRATTORIA/tel 06-6535-6608
  000708追記 写真入で編集できました。ご覧下さい
 二晩目
ちょっとビールが入ってご帰還となりました。
今日装着する器具は昨日と違うようです。昨日の器具には、オートマチック機能があり『必要な圧力』を設定する目安を見つける目的があったようです。通常は3kの圧力で運転し、無呼吸が始まると「気道を開くのに必要な圧力まで自動で上げる」機能を持っていました。
その結果…3kで80%の無呼吸が解消/5kなら95%程度解消/最高で7kあればOK
と、言ったところです。そこで今夜は「5kに設定したマシン」で寝ることになりました。昨日とは圧力がまるで違います。

このマシンは「20k」まで圧力が設定できます。技師さんにお尋ねしたら、MAXまで必要な方がいらっしゃるそうです。ちなみに「貴方はまだライト級ね!」と言うことでした。
 三晩目
普段通りの生活が必要と言う自己診断に基づき「そこそこ飲んで病院」に入りました。
今夜は入院最後の日です。
写真でご覧のように15箇所にセンサーを付け「脳波・心電図・血圧・心拍数・呼吸・いびき・血中酸素濃度等」の測定を行います。トイレどころか寝返りも打てません。
朝起きて、ドクターの所見が言い渡されます。
どうやら無断で「6k」にパワーアップされていたようです。それでも『いびき』が記録されています。やはり「酒は大敵」のようです。そのため、持ちかえるマシンの設定は「6.5k」と言うことになりました。慣れとは恐ろしいもので、昨夜は「口バンソコウ」なしでも空気を漏らすことはありませんでした。

 架空戦記
入院期間中に4冊の本を読みました。と言っても「お手軽」な架空戦記ものです。数年前と比べ勢いは無くなったものの、根強い固定客がついた傾向があります。それに伴い荒唐無稽なストーリーが減り、シリアスなものになってきました。
最近のストーリーにははっきりした傾向があります。それは『未来からの干渉』です。実際には惨敗であった太平洋戦争を「イーブンな講和」に持っていくために、(何らかのタイムトンネルを使い)現代の自衛隊が太平洋戦争に参加する共通性です。
その背景に、薬物SEX少年犯罪と言った乱れた社会の根本を探って行けば「敗戦に繋がる」と言う思想があり、そのため、原因に遡り『歴史を作りかえ』社会を正そうと言うものです。
ブームの真っ最中、アメリカ議会で「日本は民族主義が台頭してきたのでは」と議論を呼んだそうですが、あの時より今のほうがきっと問題だろうと思います。

 総和
昨年から病院巡りをしています。
ドクターの言に寄れば『50過ぎれば何でもあり』だそうで、それを肌で感じています。

以下は私の感想です。
人間の一生における『働く時間や、幸福な時期』と言ったものの絶対量は「皆同じ」ではないかと言う、生活感を持っています。
私は建築の世界に『徒弟制度』があった最後の世代だと思いますが、あの頃『徹夜残業当たり前』の時代で、才能はあっても体力が無くて脱落する人が随分いました。普段、とてつもなくタフな人が『突然倒れる』様を目撃しており、体力にも総和があるのでと感じていました。
スポーツ選手など「体を鍛えた人」の寿命が意外と短いことは知られています。科学的根拠はありませんが、案外私の生活感は外れていないと思います。
私も40代までは、人も呆れる「タフネス」でしたが、50の声と共にご覧の有様です。こうして、人生の帳尻を合せているように思えてなりません。
000709(日)事件簿
 引責辞任
参天製薬(本社大阪)は、目薬に『異物を混入した』と言う脅迫状に屈せず、数十億円からの損失を覚悟で製品回収を行いました。企業にはお気の毒でしたが、毅然たる態度は「敬服に値する」ものでした。昨日、武田薬品(本社大阪)の目薬に同様の事件が起こり、製品回収が進行中との報道もありました。


乳製品のトップブランド「雪印(本社東京)」の大阪工場で、大規模な食中毒事件が起きました。
患者は一万人を越えたのに、企業姿勢は『呆れるばかり』です。不衛生な生産工程から黄色葡萄球菌を検出していたのにそれを隠し、製品回収の指示も出さなかったと言う杜撰さです。記者会見に見る企業トップの対応も「保身」にきゅうきゅうするばかりで、社会責任を全うしようとする参天製薬の際立った対応と違いが目立ちます。
結局、責任を取って「社長が辞任する」と言う。
なんと能天気な話だろう!一企業に留まらず、社会に混乱を起こした大事件が『辞めれば水に流せる』と思っているのだろうか?
小売店から一斉に『雪印ブランド』が姿を消し、トップ企業が「存亡の危機」に立っている。信用の失墜は簡単だけれど『信用の回復』は容易でありません。社会的に補償をし、企業業績引いては信用回復をしてこそ、『責任を取る』ことだと思うのに…

 無責任
関東では、保健所の検査で「O−157」が検出されたとして、2社のハム製品が回収されました。社会の通例で、該当商品だけではなく「同社の製品全て」が回収され、お中元商戦真っ最中に50億円を超える損失を出したそうです。
ところが、その後の調べで『保健所の間違い』と分かりました。企業に取って、こんな迷惑な話はありません。当然補償を要求するでしょうが、マスコミによる「その後」の報道がありません。保健所の間違いがハッキリしているだけに税金から補償されるのでしょうが、責任者の処罰を含めた処理をきちんとして欲しいものです。


少し古い話になりますが、大阪府堺市で給食から「O−157」が猛威を振るったことがありました。当然「犯人探し」が起こり、当時の厚生大臣「管直人氏」が、『カイワレ大根が犯人』と発表しました。
その後どうなったか!
あれほど盛んであった、カイワレ大根の栽培産業が絶滅しました。いま、大阪でカイワレ大根の入手は容易でありません。そのくせ、犯人と指定された生産工場から、いまだに『菌の検出』がありません。どうしても犯人が必要な厚生省が、「最も非力な人を犯人に仕立てた」としか思えないのです。
厚生省から、犯人説の「訂正発表」も無く『補償した』と言う話も聞きません。正義の味方「管直人氏」も案外無責任かもしれません。

 逃避行
岡山で起きた少年犯罪。
野球部の下級生から「いじめを受けた」学生が、金属バットで4人に重軽傷をおわせ、更に母親を撲殺して行方不明になっていたのですが、1300km離れた秋田で逮捕されたそうです。
指名も写真も公開されない『指名手配』なのに、市民の通報で捕まったと言う不可解さ?一体どんな方法なのでしょうか
北海道を目指していたと言う報道ですが、逃げていた少年の『逃避行の目的』が分かりません。北海道に新天地があったのでしょうか?
私に理解できるようなことなら『犯罪にはならない』でしょうね…
000710(月)設計条件の背景変化
Y2Kは遠い昔の出来ごとのように過ぎ去りましたが、設計条件の背景変化がもたらした事件と言えます。
当HPでも触れたように、「メモリーがとてつもなく高く、ソフト上の制約が多かった時代」は、カレンダー機能を2桁節約することがとても大切でした。10年後に訪れる混乱は予測できても『今を乗切る方法』に苦慮していたのです。
突然Y2Kを言い出したのは、流れ行く車の列を見ていて、「設計条件の背景変化」を感じたからです。ただ、免許も持たぬ化石人間の『感想』ゆえ、トンチンカンかもしれませんが、そんな時は、笑いながらご指摘を頂けますように。

RV車が人気を集め出して、10年近くがたつように思います。
「空気力学」一点張りで、ペシャンコの個性のない車から、背の高いRV車の出現は驚きを持って私の脳裏に入ってきました。
「空力を追求したらこの形になりました!」式のコマシャーシャルに素直に頷いていた私は、「空気抵抗はどうするのやろ?」の思いがありました。特に、ベンツの新型車やトヨタのビッツ等のデザインを見ていると「空力追求などカケラも無い」と言わんばかりです。
それで「性能が落ちた」と言う若者の意見を耳にしないところから、性能UPも果しているようです。

私の無知な想像ですが、エンジンの省エネ化とパワーアップが同時に可能になったため、「空気抵抗の減少」は無視できる要素に変化したのでは…と感じました。
コンピュータの世界で言うなら、クロックもメモリーも1000倍単位で向上したため「制約なんか全部吹っ飛んでしまう」と言う現象(設計条件の背景変化)が、自動車の世界でも起きているのでは感じるのですがいかがでしょうか?

設計条件の背景変化は、更に違う次元に移行しようとしているように感じます。
我が国では、排気量と車体サイズの両面から「3ナンバー」を定めていますが、最近は車体サイズオーバーの3ナンバー車が増えているそうです。これは、空力デザインより「室内空間」が重視され、デザイン全体に関する感性も大きく変化したからではないでしょうか。もう「3ナンバー車は贅沢」と言った感覚が去ろうとしています。
外国車の占める割合も増える一方ですが、アメ車は余り増えているようには見えません。どうやら「ヨーロッパ系のデザイン」が好まれているようです。

機械駐車メーカーのデータによれば、RV車の占める割合が4割に達する勢いだそうです。
これは建築の世界にも大きな変化をもたらしました。既存駐車場で「RV車が受け入れられない」ところは営業成績がガタ落ちになります。なんと、軽自動車でも高さが1.5mを越え、従来の機械駐車設備に収まらない車種が結構あるのです。

昨年、超高層マンションの設計で行政と喧嘩をしたことを思い出します。大阪市では「駐車場とは巾2.4m×奥行5m×高さ1.5m/台」と定めています。ベンツもRV車も入らず、2割を占める軽自動車の存在も認めていません。それ以下(軽自動車対応)は認めず、それ以上(ベンツもRV車)は不要と断言します。利用者から、行政指導の責任を追及されたらどうするのでしょうか?一律指導が限界に来ています。
3年前の超高層マンション設計では、デベロッパーの担当者と喧嘩しました。彼は「3ナンバー車は贅沢品だから対応する必要は無い」と言ったのです。

上記2例は都心の超高層マンションで、駐車は機械式です。最初の設定を間違えれば生涯悔やむことになります。どうやら、こんなところから「dogfight」を冠しているようです。
000711(火)また夏が来て
昨年の今頃からお盆にかけて、行政とdogfightを繰り広げていました。
結果は「あなたと議論する気はない」と言うトップの打ち切り宣言で惨敗に終わりましたが、この1年の流れを見ていると、私の考えが正しかったと意を強くしています。


昨日お話した「駐車場論争」に続いて(昨年の今頃は)議論の中心が「緑地」に移っていました。
郊外の「緑なす大地」での出来事ではありません。容積率800%(敷地面積の8倍まで延べ面積の建物が作れる)と言う、高密度利用地域での話です。
 大阪市の「緑地条件」は、
 1.敷地面積の3%相当の緑地を道路面で確保すること。なお、レベルは地面であること
 2.上部に構築物があってはならない
 3.短辺の長さが1m以上あること
 4.他の部分で3%以上緑地確保(合計6%)2.3の条件は同じ
と言うものです。「わずか3%くらい」と思われそうですが、これで延べ面積が100坪減少し、事業収支計画に大きな打撃を受けるのです。まさに「高密度利用の恐さ」です。
この話は「内規」と言うオバケの続出で、条件2の「上部」が「10m以上上部ならば良い」ということで決着しました。それでも15階中「下3階(10m確保するため)」を削ることになりました。

都市にも「緑」は必要で、緑地不要といっているわけではありません。
私は「評価方法を見直して欲しい」と呼びかけたのです。
緑地には、「環境緑地」と「景観緑地」があり、異なる性質要因を持っています。これを整理分類してみます、これと大阪市が定める「緑地条件」を比べていただければ、いかに統一性(整合性)の無い条件か、ご理解頂けると思います。
 環境緑地の条件
 ・ヒートアイランド防止や酸素供給に寄与することが目的で、場所は問わない。
 ・面積確保が絶対条件で屋上であっても一向に構わない。
 (地上である必要は無い。割合はもっと大きくても場所の限定が無ければ確保しやすい)

 景観緑地の条件
 ・景観に寄与するには「通行者から見えること」が条件。
 ・この場合「平面積に拘らず」壁面緑地(写真参照)や、
  軒下利用のベンチや噴水も面積にカウントして良いのでは!?
上2枚の写真の緑地は大阪市基準では緑地と認定されません

左写真の水面やベンチも景観として評価されません

行政トップとの交渉の席で写真を示し、緑地基準に照らすと「大阪を代表し、美しい都市景観を持つ御堂筋」は「緑を持たない」ことになると説明しました。「あなたと議論する気はない」と言われたのはその直後でした。

あれから1年、また夏が来て…
多くの防水メーカーやフリーアクセスメーカーが「屋上緑化」の商品を発表しました。
非常に簡易な方法で「屋上緑化」が可能になり、勿論傾斜屋根でもOKで、既存の屋上でも可能なように軽量化されています。

昨年、地下室が記録的豪雨で水没し、死者を出す事故が起きています。
最近の研究発表で「ヒートアイランド」が大きな原因とされています。ヒートアイランドは、都市部の冷房排熱で局地的に気温が上昇することです。これが気象変化を呼び「記録的豪雨」に繋がるようです。
屋上緑化はヒートアイランド対策の切り札と位置付けられてきました。
植物は空気を冷却する作用を持っており、阪神大震災でも生垣で火災帯が遮られる事例が多くあり「植物の持つ空気冷却作用」が注目されました。
合せて、植物は光合成で酸素を共有します。つまり、空気の浄化作用を持つわけで、都市における屋上緑化は、自然環境に対し様々な恩恵を与えてくれます。

この1年で「環境緑地」が大きくクローズアップされてきました。
お分かりのように、場所を問わない替わり「広い面積」が確保できます。なにも「自然に対し…」等と大義明文を振りかざさなくても、屋上緑化は「建物自身の省エネ化」に繋がるのです。

某メーカーの営業マンがこんな話をしてくれました。
昨年、屋上緑化を東京都に売り込んだところ「補助金制度」が出来たそうです。今年、大阪府に売り込みに行ったら「どこにそんな金があるのか!」と、追い返されたそうです。
(東京都では、壁面緑地も面積カウントする方向で検討に入ったそうです)
屋上緑化の誘導に必要なものは「お金」ではなく「知恵」だと思います。
硬直化した基準(御堂筋の街路樹が緑地ではなくなってしまう=大阪市基準)をやめ、「景観緑地を拒否し、環境緑地を無視する姿勢」を改めれば良いのです。柔軟な発想で、役目の違う2種類の緑地をきちんと整理導入すれば、緑地は増え「緑地確保のために建物の延べ面積を圧縮すると」言った建物の有効利用を妨げるような指導は不要になるのです。


屋上緑化には、もう一つ有用性があります。
先ほど、ヒートアイランドが気象を変えているとお話しました。記録的豪雨に見るように都市での洪水が増えてきた原因に、都会の「保水性の低下」があります。
『流出係数』と言う言葉があります。これは「降った雨が、即敷地外に流出する割合」を示す言葉です。山間地では、樹木の葉や腐葉土に保水され、流出係数は20%程度だろうと思います。それに対し、「アスファルトジャングル」と称される都会では、雨水が浸透すること無く流れ出るため、流出係数が限りなく100%に近く、治水能力を超えてしまうケースが増えてきたのです。
近畿の自治体では『流出係数を60%程度』になるよう指導しています。もし、屋上緑化を行政が評価するなら、流出係数を大きく下げる(保水性の向上)ことが出来ます。

もう一度申し上げます。
屋上緑化の推進に必要なものは「税金」ではなく「柔軟な頭脳から生まれる知恵」なのです。
000714(金)忙しさの中で
ケアハウスの設計はいよいよ佳境に入ってきました。
9月までに、特殊な許認可の「総合設計・防災評定・厚生省合意(建築に携る人でも一生縁が無いかもしれない)」と、これも稀な申請の「砂防申請・宅造申請」、更に近畿特有の「近隣協議(ひたすら煩わしい手続き)」を終わらせ、同時に設計を完了する必要があります。そんな忙しさの中で…

 入れ歯と送風機
一連の抜歯(9本)後、入れ歯を使用するようになりました。
案外「慣れやすい」体質なのか、装着には抵抗が無くなりました。しかし、食事感に慣れるのは容易でありません。余り味がしないだけではなく、食物が入れ歯にへばりついて気持ちが悪いのです。酷い時は、食事中に中座して洗浄します。私は今「本物の歯は良く出来ている」と感心しています。
夜になれば、睡眠障害解消のため「送風機のマスク」をつけて(無呼吸症候群入院編参照)寝ます。家内によれば「イビキを全く掻かない」そうですが、その割りに『熟睡』したという感覚がありません。よくわからないのですが、イビキ防止と睡眠障害解消の送風機圧が違うのかもしれません。次回ドクターに相談しようと思っています。

 日本語とローマ字
先日、親友O氏と痛飲しました。
かって40名からの社員を抱えていた彼ですが、今は本人を含めて「4名」。私同様、生き残りをかけて健闘中です。彼自身、社長の服装を捨て『作業服で現場に出る』日々を送っており、昔ほど合う機会も無くなっていました。

久しぶりに「カラオケでも唄うか」と言うことで、まず「スコール」を唄いました。今年1月にヒットした曲で、スローテンポで音域の広い曲です。まるで階段を一歩づつ上がって行くような音程で「気がついたらとてつもなく高いところにいた」と言った曲です。聞き心地よい曲でありながら、唄い辛い曲でもあります。
次に、サザンのtunamiに挑戦しました。サザンの歌を初めて歌ったのですが、とてもtunamiとは思えません。自分で言うのもおくがましいのですが、私は若い頃グリークラブに所属しており、結構『正確な音程とクリアな発声』です。この調子で、tunamiを唄うと「似て非なる」曲になってしまうことを知りました。
O氏によれば、サザンの桑田さんは「詩を全てローマ字に置換え、日本語ではなく記号として歌う」そうです。どうやら「不明瞭な発音」はここから来ているようです。ひょっとしたら、桑田さんは「日本語が嫌い」なのでしょうか?

 底割れ
バブル後の不況は「底を打った」と言われては、更に落ち込む「底割れ」の連続でした。建築物価も「底割れ」状態で、バブル以前より値段が下がってしまいました。

「今なら安くできる」と歓迎の向きもあるでしょうが、底割れしたのは『値段だけではない』ことをご存知でしょうか?
なにより恐いのは「モラルの底割れ」です。
値段を下げるためなら「必要なものでも省く」ことが当たり前になってきました。「良いものを作る」以前に、最低限の品質を守るための攻防戦を繰り広げる必要があります。
設計の使命は『限りなくifを設定』し、自問自答を重ねて様々な状況に耐えられるものに高めることにあると思っていますが、底割れ状況下で『前向きな姿勢は罪悪』扱いされかねません。いやな時代になったものです。

これから胸突き八町です。
長丁場を耐えぬくために「心身のリフレッシュ」をしてきます。
前からの約束で、友人と大山高原で週末を過ごします。
念願の『足立美術館』にも行こうと思っています。
この夏最後の休暇になりそうです…
000718(火)無駄な時間
技術者の本性を一言で言うなら「合理主義」だろうと思います。
以前、当HPで触れたことがありますが、世界最古の「ジャスト・イン・タイム」システムを創ったのは建築屋と思います。限られたスペース(建築現場)に無秩序に資材が到着したならば、混乱するばかりで作業性は絶望的になります。そのため、建築の世界では「段取り(準備)8分」と言う格言があります。

私の通勤は「バス→私鉄→地下鉄→地下鉄」を乗り継いで、片道1時間45分、往復で3時間半を要します。最近の緊迫した状況下で、睡眠時間より通勤時間が長い日が「週に2日」はあります。打合わせのコーヒーブレイクに「通勤時間が勿体無くはないですか?」と言う質問が出ました。これだけ多忙になると「睡眠時間より長い通勤時間」が苦痛ではあるのですが、私には『無駄な時間』とは思えないのです。
人それぞれの価値観をお許し頂きたいのですが「職住分離」の時間(あるいは距離)は私にとって大変重要なものだと思っています。吹けば飛ぶような小さな事務所ながら、精神的分離を厳密に守ってきました。やむを得ず「自宅で仕事」もしますが、外での「嫌な出来事を家に持ちこまない」ことは、結婚生活30余年間ずっと守ってきています。良いことかどうか自信はありませんが、仕事上私が苦境に立っていても家内は気付かないことが多いと思います。

片道1時間45分は、そんな出来事を払拭するのに役立ってくれます。
これだけあれば、1日1冊のペースで本が読めます(自宅では、殆ど読書しません)。
そして、私の「唯一余裕の持てる貴重な時間」でもあるのです。11:05眠気を堪えて…
000720(木)伝統と女性差別
うだるような暑さの昨夜。
家に帰ってシャワーを浴びて、ふとテレビを見れば「外国人参加のトーク番組」をやっていました。何気なく見ていると…

相撲の世界で「土俵に女性を上げない」伝統に触れ、BBC放送の女性記者が「あれは女性差別だ」と、ほとんど叫ばんばかりに主張しだしました。日本人では井沢元彦氏枡添要一氏らが「あれは伝統です」と反論したところ、くだんの女性は「あれは意味の無い伝統で、女性差別に過ぎない。即刻止めるべきだ」と言ったのです。私は思わず『勝手に決めるな!』とテレビに向かって叫んでいました。まるでステレオみたいに誰かがテレビで同じ台詞を言っていました。

BBC放送女性記者の発言には、二つの点で問題があります。
まず、相撲には国譲りの神話に登場する歴史があり、土俵上の仕草一つゞに「神事」の要素があることをご存知なのであろうか?
そこには、白人の価値観で日本文化を「意味の無い伝統」と切り捨てる『傲慢さ』しか見ることが出来ませんでした。彼女の態度に対し、シャーマニズムの伝統文化を大切にするアフリカやアジアの方達から『猛烈な反発』が出ていました。

次に「日本は女性差別の国」と言う決め込みが彼女の発言(様々なテーマに対し、よく発言していました)から伺われることです。 父系家族の白人社会の基準でしか見ておらず、我が国のような女系家族社会の『形』を理解できないようです。
白人社会では、財布(家庭経済)を決して奥様に渡さない癖に「レディーファースト」を唱えます。これは「信用せずに女性を棚上げ」する行為に、私には見えます。
我が国の一般的な家庭では「財布と許認可権」は女性が握っています。心底『男尊女卑』の国ならば、男どもは「封も切らずに給料袋を奥様に渡す」などするであろうか?この事実をBBC放送女性記者はご存知であろうか?

「職場では男女差別があるではないか!」と反論を頂きそうです。否定はしませんが、これも「一面しか見ていない」と言う感想を持っています。
・手塩にかけて育てた総合職の女性が、これからと言う時に「結婚します」と退職する姿に、「俺は何をしてたんだろう…」とぼやく企業管理職を何人も知っています。
・徹夜残業をする男性職員を尻目に『お先』と言って帰っていく女性を随分見てきました。
・我が国には『生理休暇がある』ことをBBC放送女性記者はご存知であろうか?
(男女平等の権化・白人社会に生理休暇は無い)
我が国には、男女平等で辛い義務を負うより「楽なポジションを選ぶ」権利があり、それを行使する女性が沢山いることを知って欲しいのです。

得意満面に画面を独占していたけれど「女性を大切にする」形が、白人社会と我が国では違うことを知らず、異なる価値観の存在を認めようとしない狭小な彼女は『日本を理解する』ことがあるのでしょうか?
「000510政教分離」で、ハンチントン教授の意見をご紹介しました。それは…
「西洋の驕慢・イスラムの不寛容・中華文明固有の独断」と、紛争原因を簡潔に述べたもので、冷戦後の世界で起きている地域紛争の根本理由をこれだけ簡潔に言えるものかと感心しました。BBC放送女性記者に、この「西洋の驕慢」を見た思いがします。
000722(土)防災計画
朝8時、既に気温は30℃を越えたそうです。京都では予想最高気温38℃とか…
梅雨が明けて『夏全開』です。


ケアハウスの「防災計画」を作っています。
「防災計画」は、特に大規模な建物や特殊な用途の建物に適用されます。建築基準法に「建物の安全度チェック」をするシステムがないため「法律の補強」を目的としています。言わば「安全な建物」のお墨付きを得る申請で、慣れない方に「これほど煩わしい手続き」はないと思います。
私も、初めて手がけたときは「残り少ない毛が全部無くなるのでは…」と思うほど神経をすり減らしましたが、今は慣れてきました。「書式が統一」されているため、過去の資料のリピートが可能です。つまり『蓄積』が出来れば出来るほど楽になってきます。

過去のデータを呼び出しながら「毎年1物件づつ」4年続きでこの申請を行っていることに気付きました。我が事務所も4年連続でこの申請をするとは…「結構やるではないか!」とチョット自慢です。
000723(日)山陰にて
昨日、兵庫県豊岡(内陸部)で最高気温39.3℃を記録したそうです。
我が国にも温室効果が出てきたのでしょうか?


クライアント所有の別荘をお借りして『山陰の旅』を楽しんできました。
山陰の最高峰「大山」の麓に広がる「あけまの森」に企業向けに開発されたリゾート地で、別荘も地域の雰囲気も最高の環境が揃っていました。以下、私の「山陰の旅」をご紹介します。

(写真入りで紹介しようと思っていたのですが、ファイル操作を間違え『一瞬でデータが消えて』しまいました)

 出雲大社と大山「大神山神社」
宍道湖北側道路・国道431号線を通り、大山から出雲大社まで約片道100km。出雲大社大阪分祀に月参りする私は、どうしても行ってみたい所です。荘厳な樹林に囲まれた出雲大社ですが、『昔の栄光』を感ずるにはイマジネーションを掻きたてる必要があります。


出雲は『国譲り伝説』の地です。
大社造りに代表される神殿も「伝説の規模」に遠く及びません。ただ今年発掘された神殿跡地から『伝承通り』の柱(直径約2mの柱を3本束ねて1柱とする)が出ており、出雲太郎(日本一大きな建物の意味)と言われた『木造超高層建築物(高さ60m)』が確認されました。ついでで言えば、奈良次郎(大仏殿)・京三郎(大極殿)と言い伝えられています。
(誰も本当に大きさを比較しなかったみたい…)


大和朝廷(天照大神)から見れば『出雲王朝(大国主の命)』は邪魔な存在でした。すざましい『絶滅戦』が行われたと想像できるのですが、「国譲り伝説」と言うオブラートに包まれ後世に伝えられました。
Dogfight注1:国譲り伝説:大国主の命(おおくにぬしのみこと)を『神様にする』から出雲王国を譲って欲しいと話あって解決したという伝説
 ・神様にする→死ななければ神様になれない→殺害
 ・譲ってもらう→滅ぼして奪った
 ・話合い解決→争いはなかったと言う言訳

広辞苑より くに‐ゆずり【国譲り】
〓天照大神の神勅を奉じて大国主神が国土を皇孫にゆずり隠退したこと。古事記では、大国主神の子建御名方神と建御雷神との手のつかみくらべを伴う。

当時の人々に取って「祟り」ほど恐ろしいものはありません。
大和朝廷は出雲の地に最大の神殿を作り、大国主の命を神格化することで祟りを鎮めようとしたのです、それが『出雲大社』の始まりです。
大社造りを見ると大和朝廷がいかに「祟りを恐れた」か分かります。
大社造りの特徴は「二間(柱間が二つの意)四方の大きさ」で、妻側から拝む形式になっています。
でも、神殿内部はいると「おかしいこと」に気付きます。
ご神体である大国主の命様は「横を向いて(図参照)」おり、傍に控える大和の五神に向かい私達は礼拝している形になります。いかなる願いも、大和の五神がチェックを入れてから取次ぐ姿勢が見えています。つまり、私達と大国主さんとの直接接触を絶ったのです。
ちなみに、大和の五神は「天照軍の将軍達」で、出雲王朝を絶滅したあと大国主の命を鎮護する目的で『いけにえ』にされたのだと思います。つまり死後も監視役に任命されたのです。


大山の山裾に「大山寺」があります。元来、大山5合目付近にあったものが明治時代の廃仏毀釈で分離され山裾に下りたそうで、今は5合目付近に「大神山神社」だけが残っています。山門には亀甲の紋が入り、一目で「大国主の命系神社」であることがわかります。
奈良県を代表する三輪山にある神社も「大神山神社」で、読みも「おおみわじんじゃ」と同じです。勿論紋も同じで、調べれば歴史が古く由緒ある神社の多くが「大国主の命系神社」であることが判ります。ただ、これらが全て「大国主の命直系か?」となると事情が変わってきます。


大和系の神社(伊勢神宮や熊野神社など)では「2礼2拍手」で礼拝します。
しかし、出雲系は違うのです。この話は出雲大社大阪分祀最高導師先生から直接伺ったのですが…現在の礼拝は「4礼4拍手」ですが、かっては「16礼16拍手」で、明治時代に礼拝方式が簡略化され今に至っているそうです。
全国に数ある「大国主の命系神社」で、この「4礼4拍手」を守るのは、出雲大社(分祀を含む)と九州にある須佐神社だけのようです。案外「4礼4拍手」は出雲系子孫で運営される神社の証かもしれません。
大山「大神山神社」は、わざわざ「2礼2拍手」で礼拝するよう指導しており、ここは『祟り封じ』に造られた神社かもしれませんね。

Dogfight注2:出雲大社神殿には入れません。今日ご紹介した内容は、井沢元彦著「逆説日本史1」および半村良氏「出雲風土記…?(正確な題名を忘れました)」からの記憶によります。間違いが在れば私の責任です。
 旦那衆と足立美術館
出雲大社からの帰りは、宍道湖南側道路・国道9号線を通り「安来」をめざします。
ドジョウすくいの踊りで全国に知られる安来市ですが、もう一つ自慢できるものがあります。それは「足立美術館」です。

広大な敷地に広大な庭を整備し、横山大観の作品コレクションで日本最大を誇り、今も拡張拡充を続ける全国有数の民間美術館です。私の知る民間美術館では、熱海のMOA(緒方光琳の作品で有名)と双璧です(鳴門にある大塚美術館も素晴らしいと聞きますがまだ行った事が無いので…)。作品も素晴らしかったのでが、職員の対応も素晴らしく「流石は足立美術館」とおもったものでした。
足立美術館は足立翁の個人コレクションを基に作られています。ただ、足立翁とは「どのような方なのか?」歴史に登場するような人ではないようです。そこで、美術館内部の喫茶室で、ウエイトレスの若い女性にお尋ねしたのです。彼女は誇らしげに胸を貼り足立翁の生立ちを説明してくださいました。これで、パートであろう彼女達まで誇りを持たす立派な美術館であることが判ります。


戦争に負け、GHQの占領政策により日本は作り変えられました。アメリカですら受け入れられなかった理想主義者により「金持ちが目の敵」にされたのです。徹底的に金持ち排除の政策が取られ、税も「我が国に二度と金持ちが現れないような制度」に変えられました。
その結果、我が国から『旦那衆』が消えたのです。GHQの理想主義者達は「文化は旦那衆で創られる」ことをご存じなかったようです。貴族なくしてヨーロッパ文化はないであろうし、大富豪なくしてアメリカ文化はないのです。『旦那衆』が消えた今、もう個人コレクションを基にしたビッグな美術館の創設はないでしょう。国民総中産階級の平等社会を作った代りに、失ったものもあるようです。


帰ろうとして「車キーを紛失」していることに気付きました。警備員の方が走り回って探してくださいました。ありがとうございました。
 「自然がいっぱい」と人間の領分
別荘は自然林に囲まれ、道路から直視することが出来ません。
広い敷地(雑木林)に広い別荘です。クライアント個人の趣味を生かした「凝りに凝った」もので、同行した若者達から『感嘆の声』が上がっていました。生まれも育ちも都会の彼らが着いて早々大きな悲鳴を上げました、「何事か?」と思ったら虫がいたのです。
朝、新鮮な空気を吸おうと外に出たら、道路までのアプローチに蜘蛛の巣が出来ていましす、ここは「自然の真っ只中」です。自然は好きだけど「この虫の多さが…」と若者は困惑顔です。自然であればあるほど「人間の領分が少ない」ことを彼らはなかなか理解できないようです。私は田舎生まれの田舎育ち…こんなときは「とっても便利」だと思いました。
000724(月)熱暑
「梅雨が明けて夏本番」ここまでは例年通りですが、今年は暑さが違います。
連日「高温情報」がテロップで流れます。こんな気象用語は、今年初めて耳にするのできっと新しい言葉だと思います。いったい、気温何℃からが「高温情報の対象なのか?」分からないのですが、ニュースを耳にする限り『38℃超』が目安のようです。例年ならば最高気温36℃程度が相場なのに、今年は各地で38℃を越え、豊岡では39℃を越える有様です。


数年前から世界各地の都市で「熱暑」が報じられてきましたが、ついに我が国にも上陸した観があります。 気象の知識は「全くの素人」ですが、熱暑と背中合せに『大洪水』があるように感じてなりません。今現在、スウェーデンでは「年間降雨量の5〜6倍と言う大雨」で大洪水に襲われています。
昨年、関東地方を襲った豪雨で荒川が警戒水位を超えました。あの時、あと60cm程水位が上がれば『東京大洪水』の可能性が高かったそうです。地下大帝国を持つ都市『東京』に大洪水が起きれば、地下で溺死する人の予想は天文学的数値にのぼるでしょう。

明らかに『気象異変』が起きています。
「人間の領分」を限りなく拡大したため、地球のバランスが狂ってきたのでしょう。時計を戻し、少し『不自由に耐える』を時代がきたのかもしれません。
000725(火)IT憲章
沖縄サミットで「IT憲章」が採択されました。
ITを『情報通信技術』と言うけれど、皆さん理解できていますか?私はよく分かっていません。マスコミに言葉が氾濫するくせに、誰も『分かりやすい説明』をしてくれませんので…
まだ進歩が足りない!と、前向きなことなのでしょうが、本当に地球の未来に役立つのでしょうか…

もう3年ほど前になります。息子がバッファローにある某研究所に勤務しており、息子との連絡を確保するためniftyに加入しました。当時のアメリカでは、電話代もプロバイダー料金も月額10ドルで、月20ドルあれば『24時間使い放題』と聞いて驚いたものです。
その後、携帯電話の普及と接続料の値下げが両輪となって、今や我が国も「3年前のアメリカ」に近づいてきました。今、息子は国家プロジェクトである「大容量高速度通信システム」に開発研究員として参加しています。きっと料金値下げや研究も全て「IT革命」の産物なのでしょう。


国家間の経済格差が地球規模の環境破壊を生んできました。
先進国は「環境を守ってきた」と主張するでしょう。事実、破壊の主役は後進地域にあります。でも、引き離される一方の『地域格差』に焦り、乱暴な方法で「生産拡大」を始めた後進地域に責任の全てを転化できるのでしょうか?時の流れがもっと緩やかだった頃、南北問題が目立つことは無かった筈です。
IT革命は、更に地域格差を拡大するでしょう(きっとそうなると思います)。
時代の早さに「お疲れ気味」の私は、少し減速して「ゆっくりすれば良いのに…」と思っています。

追記
デジタルデータは劣化しないそうですが、それを記録保存するメディアは心もとないようです。
FDで自然劣化による耐用年数5年、長持ちするCDで最長30年とか。ちなみに陶板に刻まれた文字は未来永劫、紙にかかれた文字でも保存が良ければ1000年、フィルムですら100年もつそうです。なんのこっちゃ!IT革命を言うなら、せめて1000年保存できるメディアを作ってよ。
000726(水)命の値段
1週間ほど前のニュースで、世界の都市の『物価』が発表されました。それによれば…「1位:東京/2位:大阪/最下位:テヘラン」でした。事実を淡々と伝える報道で何の違反も無いのですが、言外に「住み易さの順位」という印象を受けました。

私個人の願いを言えば、物価報道には『命の値段』を合わせて報道して欲しいと思っています。そうすれば、物価と「命の値段」の同位性、さらに言えば「安全度」との関連が理解できると思います。
そのニュースはちょうど食事時で「いくらテヘランの物価が安い言うても住みとうないな…」と、家族で会話が始まりました。
銃器すらも『自由の対象』であるアメリカは、殺人事件の最も多い国です。街に溢れる自動車の洪水にしても「保険料が高すぎて加入者が少ない」と聞けば、交通事故補償の可能性が低いと分かります。アメリカも命の値段の安い国かもしれません。
物価が安いことは「住み易さ」の一要素にすぎず、治安の良さ、自然や環境、万一の場合の補償、職業の選択・宗教・生活身上の自由など『多様な価値』があるのでしょう。私は、物価が高くてもこの国を選びます。
000727(木)プロ野球後半戦
オールスターゲームもセリーグの3年越し8連勝で幕を閉じました。これだけ、パリーグから「スター選手」を引きぬけば、ガタも来るよな!
我が愛する中日は、巨人に次いで2位で折り返しですが、とても逆転優勝できるとは思えません。そんな折、阪神ファンと食事をしました。そのときの会話をご紹介します。
「巨人が強すぎまんな」
「そうですね」
「長島さんが監督やから、あんなもん(ゲーム差)で済んでますけど、普通の監督やったらどえらい差がついてまっせ!」
   ----大笑い----

巨人ファンにお尋ねします。
「巨人さえ強かったら面白いですか?」
「巨人さえあったら野球が出来るのですか?」
若い人達の「野球離れ」を知ってんのやろか?(他球団の)可能性を奪うことが「野球離れ」に繋がることを分かってるのやろか?
000728(金)プロ野球と分社化
プロ野球の『ドラフト制度』は「職業選択の自由を奪うものだ」と言う議論がありました。
それに対し、プロ野球と言う「株式会社」があり「セリーグ・パリーグ」の2事業部制をひいている。事業部の下に「巨人課・中日課…阪神課」があるという。つまり、選手は「プロ野球」と言う会社に就職するのであって、巨人や中日と言うのは「配属先」に過ぎないそうです。


ところが「逆指名やFA宣言」と言った制度は、プロ野球株式会社と言う概念を根本から壊すものではないかと思えます。勿論、この制度の提唱者は『巨人』で、ドラフト制度で思うに任せない新人獲得を「なし崩し」にする必殺技です。そのお陰で、セパ両リーグの「有名選手の百貨店」と言った様相を呈してきました。夏バテ、故障者等で遣り繰りに悩む他球団を尻目に「選手層の厚さ」は驚くばかりです。
この、巨人の独走(暴走?)振りを見ていると、プロ野球株式会社に「分社化」の嵐が出来たように思います。それも巨人と言う分社が、今や本社を大きくしのいで、プロ野球そのものを呑込む勢いです。
 
本日のカードは「巨人AチームVS巨人Cチーム」です
てなことになるんやろか?そないなったら、プロ野球に一喜一憂することも無くなりますやろな…
000729(土)ナイター
ナイターは言うまでも無く『和製英語』です。しかし、今や本家(アメリカ)でも活躍する言葉となったそうです。

辞書の厚さを見て、英語は「最も語彙の少ない言語」ではないかと感じます。そのくせ、今や世界の共通語になりつつあります。以下は、アメリカに留学していた若者から聞いた話です。
英語が世界に普及するにつれ、各地で「誤った英語の使用」が行われそうです。それを『目くじらを立て正す』のではなく、片っ端から『追認』して行ったそうです。英語はそうゆう歴史を持つ言語で、辞書で「YES」を引けば、数ページにわたって記述されているがその証拠だそうです。

そんな歴史から見れば「ナイター」なんて便利な用語としてチョイスされたのかもしれません。私は「日本語の乱れ」を悲しんでいますが、日本語の普及には案外邪魔考えかもしれません。
000730(日)歩いて暮らせる街づくり
前橋に住む姉からこんな情報がありました。
>実家を含め、林泉寺から称名寺・弁財天・浜へ行くせこ道、あの一角が日本の20の重要地域の指定になるそうです。からくりの山車も含めてね!

なにやら楽しそうな情報ですが、これだけでは要領を得ません。そこで生まれ故郷「愛知県碧南市」にお尋ねしたら企画課から丁重なご返事を頂きました。情報を基にご紹介したいと思います。なお、碧南市は愛知県の中ほど海沿いの小さな町です。(碧南市ホームページ参照)
…地図は碧南市のHPに掲載されているもので、企画課の同意を得ています…

国が経済新生対策として打出した
「歩いて暮らせる街づくり」構想のモデルプロジェクト地区に、碧南市の大浜地区(私の生まれたところ)が選ばれました。
この構想は、少子高齢社会を控え、安心安全でゆとりある暮らしを実現するため、会社や商店街、医療機関、学校、文化娯楽施設などが混在する住民主役の街づくりを進めるもので、碧南の大浜地区を含め全国20地区で選定されました。
大浜地区には「港の町・寺の町・蔵の町・路地の町」等のように古くからの佇まいに、古路が通り「生活と伝統的な生産が共生混在」して「昔ながらの町並み」を残しています。この大浜地区固有の風土を生かしながら、全国のモデル地区となる街づくりを地域住民と行政で共に考えていくというものです。


碧南市企画課から頂いた情報では…
・選定された地区には、今後の関連事業に国から重点的な支援が受けられます。
・平成12年度においては、大浜地区の調査と整備計画の策定を行います。
◎対象地区 名鉄碧南駅以西52ha/ 本郷町、浜寺町、中町、音羽町、築山町の全域及び羽根町1〜3丁目、錦町1丁目の一部
ただし、今後の調査等により対象地区は一部変更することもあります。


私はこのような構想があることを知りませんでした。
でも、大変嬉しく思っています。このプロジェクトが成功を収め、生まれ育った町内が味わいを残しながら「発展と保存の両立」を目指すことを祈っています。
・自己紹介/ルーツで写真を掲載しています、偶然ですが指定され地区の写真です。改めて詳しく取材に行きたいと思います
・碧南市HP観光欄「歴史」に(これも偶然ですが)指定地区内の古寺が紹介されています。是非ご覧下さい!

追記:我が街「狭山」
生まれ育った町「碧南市・大浜」を離れて35年。今はここ「大阪狭山市」が我が街となっています。
写真中央遠くに見えるのが「狭山池資料館」
右手が春に廃園となった「狭山遊園跡」

最寄駅と我が家を結んでくれる「コミニュティーバス」が、10年ぶりに更新され昨日から運行されました。黄色く塗られた「シャコタン・バス」で、ご覧のように乗り降り楽な福祉対応バスです。


5年余り続いていた「狭山池ダム化工事」が、新年度を迎えてから中断されたままです。
ご覧のように、手前側の「公園化」がなされないままに、工事事務所等が撤去され池も閉鎖されたままです。大阪府の財政悪化を受けて「やむを得ない処置」なのでしょうか?
ただ、ダム護岸は完成されており「梅雨を利用して」水が蓄えられました。きっとダム機能は発揮できるのだと思います。ここまでやったのですから、フェンスで閉鎖するのではなく、早く「人間も楽しめる狭山池」にして欲しいものです。
000731(月)「歩いて暮らせる街つくり」構想を考える
昨日、我が生まれ故郷が「歩いて暮らせる街つくり」のモデル地区に指定されたことをお伝えしました。大変嬉しいことですが、冷静に考えてみると「内容の充実を計る」ことは容易でありません。少し「検証」をしようと思います。
 □検証1
「歩いて暮らせる街づくり」構想は国が経済新生対策として打出したものです。
この言葉に『挑戦的な香り』を感じませんか?世を挙げてモータリゼーションの最中「歩いて暮らせる…」を構想の中心に据える勇気は凄いですね。ただ、運転免許を持たぬ化石人間dogfightとしては大いに共感を覚えるのです!


ここでは『道』が重要なテーマとして浮かび上がってきます。
今日、幹線道路の両側は「別世界」です。コンビニの商圏調査で、道路の対面にライバルが有っても無視します。これは人の生活空間が車により分断され、共通の商圏を構成し得ないからです。私の住む街(大阪狭山)でも道路の南側は繁盛しているのに、北側は寂れる一方なんて現象が起きています。
では、この現象は良いことでしょうか?私は不健全だと思っています。元来、「道や川」は生活の中心であったはずです、それが分断要素になるのは不自然です。「歩いて暮らせる街づくり」を誰が提唱したのか私は存じませんが「人の生活を取り戻そう」と言う意思が感じられます。生活空間の中心に『人』に考えるとき「広すぎる道路」が邪魔なことを理解して欲しいものです。


そこで大浜地区の現状を見てみます。
 ・指定された地区の主用道路で幅員がせいぜい4mといったところです。
 ・古い露地は「歩くだけ」と言った幅で、道路なのか私有地なのかよくわかりません。
  建築基準法では「ニ項道路」といって「現実に生活に供されている道路」に相当します。
 ・比較的広い露地で、「名人芸で軽自動車が通れる」程度の幅です。
もうお分かりだと思いますが、主用道路以外は「昔も今もほホコテン」なのです。主用道路も「知らない人が入ってくる道」とは言いがたく「地域密着の道」です。こんな事情で、古くから「区画整理事業(道路を広げ区画を見直す事業)」の対象地域に指定されながら、「ちちとして進まず」だったのです。

このように書くと「スラム化した不快な地域か?」と思われそうですが、全くそのようなことはありません。それゆえに「生活の豊かさ、暖かさ、快適さ」が味わえるミステリーゾーンなのです。
プロジェクトの推進に際して、防災の観点から「緊急車の行動半径」を満足する道路整備で止め『地域の味わい』を残したいものです。

 □検証2
この構想は「少子高齢社会を控え、安心安全でゆとりある暮らしを実現するため、会社や商店街、医療機関、学校、文化娯楽施設などが混在する住民主役の街づくりを進める」ものだそうです。
建築の世界に生きるものとして、現在の都市計画法に基づく「用途指定」は宜しくないと考えています。
Dogfight注 用途地域とは
住居系地域・商業系地域・工業系地域等、場所により「用途」を定め、例えば「住む場所と買い物の場所」を区分しようとしている。
このサイトでも触れたことがあるのですが、もし私が国会議員になったら、1階は商業地域だけど2階からは住居地域と言った「階層別用途地域」制を提唱しようと思います。本当に「生活単位」を理解しているなら、混在こそ生活に密着した形態だと思うからです。
ここでも、提唱者「生活する…」と言うことを良く理解していると感じました。

 □検証3
モデルプロジェクト地区に、碧南市の大浜地区(私の生まれたところ)が選ばれたことは、素直に頷けます。生まれ故郷は「港の町・寺の町・蔵の町・路地の町」が今も残り、古くからの佇まいに古路が通り「生活と伝統的な生産が共生混在」しています。


大浜地区は歴史の町です。(HP/rootsで詳しく触れています)
戦国時代、堺に次ぐ国際貿易港として栄え、徳川家康の懐を潤したことは想像に難くありません。本能寺の変を辛くも逃れた家康が逃げ帰った湊も「大浜」でした。秀吉の朝鮮出兵に際してはここで船が作られました。明治になり、富国強兵が国是とされたとき、この地に軍港が造られようとしました。しかし、商業港であることから見送られ、名古屋の地に建設されました。笑われるかもしれませんが、当時、愛知県の県庁所在地となる可能性があったのでは想像しています。

長々と歴史を述べました。
私のHP「近畿探訪」で述べているように、「地域が豊かでなければ庶民文化は残らない」という厳しい現実があります。言いかえれば、大浜地区は「豊かな地域」であったのです。大浜の港に面した氏神様に「鉾」があります。このあたり一帯でここしかない無いほど、「ここだけが豊かだった」と思います。
今は「昔ながら商店や医院」が混在し、多くの寺院が集中しています。倉が並び醸造がおこなわれています。浜では、水産品の加工がおこなわれています。もし、この地域に500年近い文化的歴史がなかったら「絶対に存在しない」風景が残っています。ただ、今そこに住む人達が「理解をしているだろうか?」と不安になります。

私はこの風景を大切して欲しいと願っていますが、若者達がこのプロジェクトを「我が街の進歩」と捉えるかどうかチョット心配しています。「古きを壊し前進あるのみ」を進歩と取らえがちな風潮に危惧を憶えます。
「歩いて暮らせる街づくり」構想の提唱者にお伝えします。
こんな困難なプロジェクトに挑戦したあなたに敬意を表します。もし近くに住んでいるなら私も参加したい気持ちで一杯です。素敵な我が故郷を作ってください。ご健闘をお祈りします…


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