dogfight高松の長すぎるひとり言
1999年9月

狭山池2美味しい話まもなく1年HPと影響力レンタルショップ病気のことアメリカからサンドイッチ脅威のない国不思議な発想資格と実力何となく板張り論争逢わないほうが…心臓恐怖症秋の田舎道サーチエンジン食い物の恨みマニュアル化の弊害疲労困憊はしご診療アンケートの意見欄ガンバレ滋賀県葦毛湿原床材と騒音親子
990901(水)狭山池2
(990831から続き)
昭和40年代、泉北(堺市)・狭山・富田林に続く丘陵地に大規模な団地開発がなされた。東洋一と言われた泉北ニュータウンに狭山ニュータウン・金剛団地・金剛東団地が続き人口50万人を擁する「メガ・タウン」となった。
私は、この地域への第1期入居者の一人である。「熊は出ないか?猪は大丈夫か!」と本気で心配されるような、丘陵地の変貌を見つめてきた。地表は剥がされ、見渡す限り「赤土」の大地が、今は「街路樹の間引きが必要」なほどに、緑濃い地域に復元した。時間にしてわずか30年に過ぎない。

復元された緑を、管理された自然であり、「本来の自然ではない」と批難する人がいるかもしれない。しかし、地球全他の話をしているわけではない。限られた地域で「人との共生」を考える際、復元されないことを問題にするべきであろう。
赤土しかなかった丘陵地が、瑠璃色の鳥を含め、自然生態系も復元してきている。「全て復元できる」と言うほど、奢ってはいないが、なにもかの「二度と戻らない」と悲観する必要もないと考えるようになった。
こんな話をしていたら、「ピラニアもいるし…」とからかわれた。
(最近、用水路にピラニアがおり、幼児が指をかまれる事件があった)

狭山池は、近畿における「ワカサギ釣りのメッカ」であった。今は、ダム工事で魚のカケラもいまいが、竣工後は是非復元して欲しい「生態系」である。
990902(金)美味しい話
「インターネットがタダでご利用頂けます」こんな電話が入った。美味しい話しは要注意である。ただ、電話の相手は私が契約しているDDIで胡散臭い会社ではない。そこで、会って話しを聞くことにした。結論を言えば「タダで云々」は大嘘であるが、美味しい話しには違いなく、先方の希望通り契約をした。
ソニーを中心に大手企業が集まって「サーバーの会社」を設立したと言う。月額一万円(半年間は無料)で100MBの枠が提供され、更に無料でドメインの登録ができ、50までアドレスが取れるという。

ただ、プロバイダが不要になるわけではない。インターネットに接続するには、
マイコンピュータ→プロバイダ→サーバーコンピュータ→インターネット
と言う手順になる。今までは、プロバイダの所有するサーバーを使っていたため、5MB程度の枠しか持つことが出来なかった。

今回の話しは、インターネットへの玄関としてプロバイダを必要とするが、サーバーをDDI系の企業に乗りかえることになる。アドレスは、DDI系サーバーで持つことになる。
(プロバイダと法人契約すれば最低でも月額2万5千円は必要だが、DDI系サーバーには、法人とか個人とかの概念はない)
月額1万円が「安いか高いか?」は使い方によるだろう。例えば、私は二つのプロバイダと契約し、二つのホームページと三つのアドレスを持っている。従業員もそれぞれプロバイダと契約しているが、玄関を1ヵ所に集約(プロバイダのアドレス)し、DDI系サーバーでアドレスを持てば決して高くない。
100MBのキャパと50のアドレスは魅力である。私を含めても3名の事務所に50のアドレスは不要だけれど、こんな使い方もできる。
例えば「物件ごとにアドレスを作り」データバンクとして利用する。
意匠・構造・設備・EV・住設機器等の設計のデータを登録し、必要な人がアクセスできるようにすれば設計が大変スムーズになるだろう。当然、施工にも延長して利用できる。

DDI系の企業が何故サーバービジネスに進出するのか?そんな疑問があろう。
コンピュータと電話には技術的に何の垣根もないが、我が国では法律で分けられている。しかし、世界の常識に反しており「近い将来規制が撤廃される」と言う読みがある、その時「乗り遅れ」のないように布石を打っているそうだ。
市内電話・市外電話・国際電話と言う概念があるが、垣根がなくなれば、すべて「3分10円」の世界になってしまう。お隣に電話するのもアメリカにするのも料金は同じになる。
この時に、従来のプロバイダでは2つの問題が起こりそうである。5MB前後と言うキャパの小ささとドメインである。
例えば、私のアドレスはDogfight@mbb.nifty.ne.jpだが、
dogfight=個人名
mbb.nifty.ne.jp=ドメイン(組織名)である。
ちなみに電話番号に相当するのがドメインである。
インターネットは世界中で使用されるため、ドメインは世界中で重複することなくコントロールされる。ところが、会社名は日本中で重複しており、社名とドメインを同じにしようと思えば「早いもの勝ち」である。

私の事務所を例にお話ししてみます。
事務所名は「エム・エー・シー」で、これをドメインにするにはどうなるか?
まず、ドメインやアドレスに「日本語」は使用できない。使用できるのは「英数」のみだから、表記は「mac」となる。しかしmacは使用禁止だし「.」も区切り以外使用できない、だから「m.a.c」もだめである。
もっとも短い表記は「m-a-c」となる。これにドメインの書式をあてはめると、世界中で「m-a-c」の使えるドメインは5種類しかない。調べたところ、既にアメリカで2種類、東京で1種類使用されており、残りは2種類しかない。
結局、当社のドメインはm-a-c.netで登録した。近いうちにアドレスを整理したいと思うが、
E-mail dogfight@mbb.nifty.ne.jp→dogfight@m-a-c.net
URL http://membre.nifty.ne.jp/dogfight/→http://www.m-a-c.net/dogfight/
こんなふうに、社名をドメインで使用できれば大変便利です。
ただ、社名とドメインを共通化できるのは「とてつもない幸運」の時代が目の前にやって来ている。
ソニーは来年から衛星を使いサーバーとインターネットを結ぶ計画だそうである。話しを聞いていたら、プレイステーションの情報端末化とリンクした事業だそうである。
990905(日)まもなく1年
エッセイ?を書き出して、まもなく1年になる。
昨年9月9日「ピピ」で始まったエッセイがこんなに続くとは想像もしていなかった。もっとも、想像もしていなかったことだらけである。
低迷する業績から「あせりは禁物」と、気を紛らわす手段として始めたが、未だに業績の低迷から脱出していない。
あれほど「国語が苦手」だった私が、こんなに書き続けたことも驚きである。まして、途中から「ホームページに変身」するなど、まったくの予定外であった。今はもう「習慣」となっている。

昨年いっぱいは「形式」に拘った。
1日1ページ(40文字×36行)に納まるようにし、テーマも限っていた。これは結構疲れて年末にいったん止めてしまった。
正月からは、テーマも文字数も制限せず「自由気まま」悪口でもなんでもありの「日記風」に改めて続いている。
「いつまで続くのか?」は考えないことにしている。義務の意識が出てきたら止めるときであろう、あくまで『気まま』が良いと思っている。
990907(火)HPと影響力
さしもの「東芝問題」も下火になってきたようです。週間新潮がHP氏を「クレーマーであって決して弱者ではない」と告発したことにより、世間の同情が薄れたことが原因とされています。
※ クレーマー:企業にクレームをつけることを職業とし和解金を受け取ることも多い
東芝問題に代わり急浮上してきたのが、和歌山の「いじめ問題」です。「子供がいじめらている」と学校に掛合ったが「問題にしてもらえず、ホームページに訴えた」と言うもので、短期間に6万ヒットと言う反響です。しかし、私はこのHPを見ておらず、詳しいことも知りませんのでこの問題そのものに触れることはしません。

これらの、ホームページを使った問題提起が別の議論を呼んでいます。今日はこれに触れてみたいと思います。
上記2例と関係なく「強引な自己主張の手段としてホームページを利用するのは慎むべきではないか」と言う、識者の意見が結構耳に入るようになりました。これは、私にとって耳の痛い話です。
私は、不平不満をしょっちゅうHPに書いています。私にとって「書くことはストレス解消」の意味があります。ただ、実名による記載は「怒り心頭に発した」一例(990818妖怪「内規」)を除き避けています。
しかし、一例とは言え実は結構反省をしています。
とは言いながら「言い訳」をしたいと思います。まず、ニフティーをパンクさせた「爆発的なヒット」など、どのようにすればなるのでしょうか?私には想像の外です。
マイナーな私のホームページはきっと「誰も見ない日」が大半で、たまにご覧頂くことがあっても「ほんの数人」だろうと思っています。だから、私にとってHPは『自己満足』の世界なのです。いかに自惚れ屋で大法螺吹きでも「私のホームページには社会的な影響力がある」とは考えられません。

次に、実名を挙げた事例は「私の個人的な怒り」で済まない要素を持っているからです。行政の指導が「明文化されない内規」で行われ、まったく不透明な状態を批難しました。
ついでで申し上げますが、この問題は解決のメドさえたっていません。お盆明けに会談が持たれ「内規により12項目の指導」を受けました。大手術でやっとクリアをし、再度提出したら、また「新たな内規」で指導を受けています。つまり、終わりが見えないのです。
税金から融資を受けるのですから、様々な注文が付くことに異論は有りません。それが内規であることも受け入れます。お願いだから「明文化」してください、そして「それ以上でもそれ以下でもない」状態にしてください。
このように、口頭で指導される内規は『まるでアリ地獄』です。こればっかりは、私のホームページにもう少し影響力が欲しいと思っています。
(追記:内規云々に付いては「エッセイ&コラム1999年8月」をご覧下さい。)
990908(水)レンタルショップ
大規模店舗規制法と言う法律があります。外圧で今は、ほとんど無害な法律になっていますが以前は「有害な法律の最たるもの」でした。ご紹介します。

同法で、店舗面積500u以上が「中規模店舗」3000u以上が「大規模店舗」と定義され規制の対象になります。特に、3000u以上の大規模店舗は『原則禁止』で、建設することが出来ません。しかし、商業施設調整協議会(通称:商調協=有識者・地元商店街組織・お役人等で構成される)から、「禁止条項をはずして良いと」答申があった場合は『建設できる』と言う法律です。
つまり商調協の同意なくして建設不可能だったわけです。そこから「利権」が生まれ、同意を得るには「3〜5年の歳月と数億円の裏金」が常識とされました。しかし、アメリカから強烈な外圧がかかり、商調協に対して「1年以内に許可するよう」法の解釈が改められました。その結果、商調協に拒否権がなくなって利権が消滅しました。昨年、解釈変更後始めて「大店法申請」をしましたが、6ヶ月ほどで終了しました。以前のあの事態はなんだったのでしょうか?

ここで、「店舗」の定義に触れてみます。
大店法の定める店舗は「不特定多数が利用する物品販売店」となります。共産党の支持基盤となっている生協は「会員制」の体裁を取っているため「不特定」にならず、大店法の規制から外れています。また、レストランビルなどいかに大規模でも「物品販売」ではないので規制外です。
建築基準法もほぼ同様の定義(不特定条項はない)をしています。しかも、「非物販」と「物販」で法律が変わり強化されています。
このように「物販・非物販」で、大きく扱いが変わります。
レンタルショップは「売るわけではない」から非物販に分類されます。だから「大店法」の対象にもなりません。でも、店の雰囲気を見ただけでは絶対に区別できません。
990807「脱線転覆」で、レンタルビデオショップの設計が延期になったことを書きました。その後、X氏は関係各社に平謝りをして事業再開にこぎつけたそうです。そんなわけで設計再開です。
設計中のビデオショップは「売り場面積200坪」で、最近の傾向では小型店に入るそうです。万引きを恐れてか出入口は1ヵ所しかありません。「200坪の店に出口1ヵ所」の図面を書いてみると、とてつもなく不自然に見えます。
ビデオは可燃物で入り口付近で火災が起きたら「いかなる惨状を呈するか」私はぞっとしています。しかし、非物販には「出入口幅の規制」がなく、違反ではありません。
(物販では、店舗面積100u当り60cmの出口を義務付けています)
消防にも事前相談にいきました。防災設備で必要なものは『消火器』だけでした。何たる差別でしょうか!これが、物販ならこうは行きません。ただ、年末に消防法が変わり、レンタルショップは「物販」に区分されるようになるそうです。
レンタルショップは『グレーゾーン』のため緩和運用されていますが、強化運用しないと災害が起きてからでは遅いように思います。「おかしな法律と変な運用」と言えるでしょうね。
990909(木)病気のこと
体中に湿疹ができて、皮膚科の診療所へ行きました。
犯人は「太陽」だそうです。
ハゲ頭ですが、帽子はかぶらず「全身に太陽を浴びて、滝のように汗流す」ことが大好きだったのに、いつのまにか皮膚に炎症を起す歳になってしまったようです。

皮膚科の診療所から、心臓外科のある病院へ。治療の「ハシゴ」は始めてです。
狭心症も、発作を自覚して1年になります。
少しずつ頻度が上がり「予防薬を服用」するようになりました。
この予防薬が大変です。
最初に試した薬は、効果抜群なのですが副作用が強くて変えて頂きました。次は「副作用はないのですが、効果があるとは思えない」そんなんで、今は3種類目に入っています。

狭心症には、血管内側にコレステロールが溜まり血流が悪くなる「欧米型」と、日本人に多い「血管が痙攣」することにより発作を起す「異形狭心症(日本人型)」があるそうです。
私は「明方に発作が起こり、季節の変わり目によく発作が起きる」リズム?を持っています。これは「日本人型」の特徴だそうです。

型を特定し、治療法を確定するために「入院検査」を奨められています。私も望むところですが、今抱えている仕事が手一杯なので「11月までまって」と先生にお願いしています。きっと、年内には検査という名の手術(カテーテル)を受けると思います。

昨夜痛飲しました。「病気の癖に」と言われそうです。
そんな中で「無病息災はウソで一病息災が本当」等とうそぶいていた。「仕事と病気」「長生きと楽しみ」そんなものを天秤に掛けて生きていくのだろうと思っています。
990910(金)アメリカから
990911追記
息子の友人から丁寧なご教授(青蘭の部分)を頂きました。合わせてご紹介します。

アメリカから長文のEメールが届きました。
今でも「英語の授業の夢を見てうなされる」ほど私は英語が苦手です。何かの売り込みかな?とも思うのですがよく分かりません。中には金額表示がたくさんあり、もし何かの請求だったら大変です。そこで、息子にメールを転送し翻訳してもらいました。
やはり売り込みの内容だそうです。以下、私の想像です。
Eメールで「ホームページを大々的に売込み、ビジネスに役立つようにする」と言う。アメリカでは、このようなビジネスがあるようですね。文中の金額表示はその報酬のようです。
たくさんの人が見る(HIT数の多い)ページほど、そのページの広告料は跳ね上がるようですからね。
yahooとかinfoseekとかの大型検索サイトのバナー広告とかは、すごい宣伝効果があると思われます。
infoseekとかは、たとえばキーワードに「東芝」を使うと、バナー広告が東芝のものになります。これは東芝がinfoseekから1キーワードいくらでバナー広告掲載権を買い取るシステム(という噂)だそうです。例の東芝事件のときは、このバナーによる宣伝効果がかなりあったようです。うれしいやら悲しいやら。
■ どうも私のHPの内容も知らずに送ってきたようですが、アメリカでは「趣味のホームページを作る」と言うことは余り無いのでしょうか?
HPの内容を知らずに送ってきたとすると、ひょっとすると、「無差別に送るメール」の類かもしれません。
宣伝メールを、見つかる限りのメールアドレスに無差別に送る不届き者がいるわけです。ダイレクトメールなんかよりよほど低コストですので。一般にSPAMメールと呼ばれています。
いやなものを見たくないときは目をつぶればいいけど、メールは絶対に届いて目を通すものだし・・情報の押し売りって気もします。
ただ今回の場合は少し違って、すべてのメールアドレスではなく、HPを持っている人のメールアドレスですね。
(ホームページにある「メールアドレスへのリンク」を、機械的に自動巡回させてしらべてリストアップすることは可能です、このような情報は売れる・・・)いやらしい話になってしまいました。すみません。
■ インターネットの誕生は「ビジネスに」と言うことなんでしょうネ。だから趣味に使っているなんて邪道なんだろう。
インターネットは、業務用や学術用のケーブルネットワークがすこしづつ繋がって、それに対して商用の電話線がつながって出来上がったみたいなので、はじまりは商用かなあと思います。
インターネットって考えが出たてのころは、こんな一昔前ならSFでしか考えられなかったような「世界中が電子でつながる」なんて世界が実現するなんて夢だったかもしれませんが。そう思うと、インターネット黎明期を築いた人たちは、ネットワークによって人と人とがつながるすばらしい世界の実現を夢見ていたんじゃないかって。

ついでなので、「HPのヒット数をアップする」ことについて少し触れておきます。
 1.つてのある人にリンクを張ってもらう
これは当然、Hit数の多いHPから張ってもらうほど効果的です。日本人ですので、「知人のつて、紹介を信頼する」文化は健在な気がします。リンクページにあるリンクは、厳選されているもののようにみえますもの。
 2.検索サイトへの登録
私、yahooとgooとLYCOSとInfoseekで「dogfight 高松」を検索したのですが、このホームページが見つかりませんでした・・・
唯一、gooで出現した[Stray Sheep]ページからのリンクでこのページを見つけました。「一発太郎」などが有名だそうですが、検索サイトへ登録すると、結構認知されるようです。時間があれば、やってみてはいかがでしょう?  http://ippatsu.net/TARO/
このように、HPで「私の疑問を並べておくと、答えが跳ね返って来る」理想のパターンですね。もっともっとこうなってくれれば、人生が楽しくなります。
990911(土)サンドイッチ
3種類目の「予防薬」で心臓は快調ですが、どうも「便秘」になるようです。

博打好きのイギリス貴族が「食事の時間も惜しんだ」ことからサンドイッチが生まれました。テーブルマナーの煩い彼の国で「手掴みで食べる」ことはいかなる批判を浴びたであろうか?しかし、フォーマルなパーティーでも出てくるところ見ると「認知された」ようです。
広辞苑から
/サンドイッチ【sandwich】
〓(イギリスの政治家サンドイッチ伯(四世) 17181792 の創案という) パンを薄く切って、その両片にバターをぬり、間にハム・卵・野菜などを挟んだもの。

我が国でサンドイッチに相当するものと言えば、鮨(すし)になるでしょう。
本来、鮨は「保存食」であったように思います。琵琶湖の名物「鮎鮨」は、『なれ鮨(発酵した食品)』で長期保存を可能にした食品です。「松前鮨」も作って2〜3後(チョット発酵を始めた頃)がもっとも美味しいと言われます。
また、加賀や大阪の「押し鮨」はシャリだけではなくネタも「酢でしめて」います。やはり保存を目的とした処置であろうと思います。だから、昔の押し鮨はもっと「酢の勝った味」だったのではと想像しています。

それに対し、「江戸前」と呼ばれる『にぎり鮨』はまったくルーツが異なります。
江戸時代初期、大火によって灰燼に帰した江戸の町を復興するため、たくさんの職人が動員されました。その人達への炊き出しで「握り飯におかずを乗っけた」のが、にぎり鮨の始まりだそうです。
「時間を惜しみ、手掴みで食べる」ことなど、サンドイッチと同じ発想です。ただ、サンドイッチが貴族の食品だったのに対し、にぎり鮨は職人の食べ物でした。きっと、武士階級に出したら「無礼者」と、叱られたかもしれません。
その後、大火のたびに鮨職人が避難をして、「江戸前・にぎり鮨」を地方に広めることになりました。また、ネタのレパートリーも同時に増えていったようです。にぎり鮨は火事とはきっても切れない関係にあるようです。
庶民の食べ物であった「にぎり鮨」が一度は高級料理になり、庶民の手に戻ったのは『回転鮨』の功績だろうと思います。

話は変わります。
最近「丼もの」が目に付くようになりました。私の子供頃は「ぶっかけご飯」は行儀が悪いと怒られたものです。でも「吉野屋世代」とも言える若い人に、そんな抵抗感はありません。回転鮨に隠れて余り気付かないかもしれませんが、静かに「丼ものの店」が増えています。ネタも豊富に揃い「結構美味い」のです。

私の昼ご飯は、中華系の「日替わり定食」です。それが最近「週に半分は丼もの」に変わってしまいました。特別なネタを用意をしているわけではありません、今まで「ご飯とおかず」に分けていたものを、「ぶっかけ丼」に直しただけです。お手軽だし、食器も減り、なによりも「盛り付けの手間」が無くなりました。お店に取ってメリットが多く、トレンドにもピッタリと言うところです。
あと10年もすれば「回転鮨と丼もの」が日本の食文化を変えてしまうように思っています。さて、皆様はいかような感想をお持ちでしょうか?
990912(日)不思議な発想
奈良県橿原市に建設中でした「あすかロード・ユースホステル」が完成しました。まだ建物に緑が無くて残念で すが、クライアント自ら「ガーディニング」をなさるそうです。
延べ60坪、工費3250万円(備品以外の設備を含む)随分格安にできたと思います。客室は、4人部屋4室・最大収容人員16名です。
徒歩5分で、大和三山の一つ『耳成山』があります。 2kmほど離れて、「大和の金は今井に7分」と言われ た富裕の町『今井町』があります。(私のHP「近畿探訪」 奈良をご覧下さい)1泊3800円で宿泊できます。是非ご利用下さい。

昨年、建築基準法の一部改正が国会を通過しました。自治体で細則を定める必要から、2年間の猶予が設けられ、施行のリミットは来年6月です。部分的に新法に移行する自治体があり、今は過渡期と言えます。そのため業務を始める前に「旧法ですか?新法ですか」と確認する必要があります。
神戸市で部分的ですが「確認申請及び検査制度」の新法がスタートしました。
旧法:建築確認申請(
有料)→完了検査(無料
新法:建築確認申請(
有料)→中間検査(有料)→完了検査(有料
このように変わったのですが、料金(手数料)をご覧下さい。3度に分割して払うように改められています。3度の手数料を合計すれば「値上り」なのですが、建築確認申請の手数料だけを取ってみれば「値下り」します。

この料金制度を誰が決めたのか知りませんが、
決めた人が『世間知らず』だと言うことだけは分かります。問題点を整理してみます。
問題1:建築確認申請の申請数に対し、都市部で3割しか完了検査を受けない(地方ではもっと低いと思います)。残り7割の人達(違反物件)に取って、事実上「申請料の値下げ」です。ただでさえ税収不足に悩む自治体は更に収入が減ることになります。
問題2:完了検査を受ける「3割」に付いて考えて見ます。
完了検査を受け、問題が無ければ「検査済証(合法建築物のお墨付き)」が発行されます。融資の都合や用途上この「検査済証」が絶対に必要な人は値上げになろうとも従来通りです。
しかし、このような事情が無いにもかかわらず、私のような「違反を嫌う」者の勧めで検査を受ける施主の反応が心配です。旧法では『検査費用なし』だから「検査は受けましょう」と言う言葉に頷いてもクライアントになにも負担は増えませんでした。
ところが、新法では『検査を受けるのに費用が要る』のです。「お金を払ってまで検査を受ける必要は無い」とクライアントに拒否されたらどうすれば良いのでしょうか?

このように手数料の分割払いは「百害あって一利なし」です。 不法者を利し、正直者を窮地に陥れ、結果として違反建築の増大を招く制度です。
何故、最初に『全ての費用を徴収』しないのでしょうか?「必要な費用は払うけど、不要と思えば払わない」庶民の心理をまるで理解していない行為です。
長年、この商売をやっていますが「申請料が高い」と苦情を言ったクライアントは一人もいません。しかし、「お金を払ってまで検査を受ける必要は無い」はありそうです。
検査受けは法律で義務付けらています。だから、費用を払って検査を受けないのは「本人の勝手」どころか違反行為なのです。従って、料金の『前納制』に何の問題もありません。 
私には、この制度を作った『お役人』の発想が不思議でなりません。皆様はいかがでしょうか?できればご感想をお聞かせ下さい。
990913(月)脅威のない国
キルギスで日本人技術者4名が拉致され、テロリストの政治的取引の材料にされています。マスコミは、犯人を「武装勢力」と報道しますが、目的のために手段を選ばぬ行動は、テロリスト以外何者でもありません。もし、我が国がアメリカ並みの国であれば、とっくに「特殊部隊による軍事行動」が起こされていたでしょう。

余り「重大事」として報道されませんが、海外青年協力隊などで、現地の政治的軋轢の犠牲になるケースがあります。
水不足に悩む地域に『井戸掘り』に行って、「現地人の生活が便利になれば、ゲリラの活躍する場所が減る」と言う理由で殺害された事例があります。これなど、日本人には理解しがたいことですが結構多い理由です。別の見方をすれば「アメリカのように強硬手段を絶対に取らず、利用価値の高い人質」と言うことになるのでしょう。 
私が生きている内に改正されるとは思えませんが、憲法改正問題がようやく政治家の口に上るようになりました。戦争を好むものではありませんが、「日本人を捲込むと高くつく」と思わせるだけの裏付けは持っておきたいものです。
990914(火)資格と実力
ラジオでこんな報道をしていました。
スーパー美容師と呼ばれ、雑誌にも常連のごとく顔を出す超人気の美容師がいるそうです。しかし、彼が「美容師の資格を持っていない」ことが分かり問題になっているそうです。更に、監督官庁も「激怒している」とコメントが添えられていました。この報道を聞いて不思議に思いました。その理由をお話します。
プロと呼ばれるには4つの要素があると思います。
 @ 知識:業界史から将来展望まで含めた幅広い知識
 A 技量:業界毎に必要な技術力
 B 感性:業界によっては「芸術性」とも言えます。
 C 経験:実績
これらの全てを併せ持っている人は希で「互いに補完しながらプロ集団が形成できれば充分」と私は考えています。4つの要素の中で「有名になる条件」はB感性(芸術的センス)のある人であって、他の3要素は後で付いてくるか、スタッフで補うことが多いと思います。更に言えば、感性を資格審査するなど不可能です。

そこで、お考え頂きたいのです。皆様は実力を4つの要素のどこで判断なさるでしょうか?おそらく「感性とそれを裏付ける技量」では無いでしょか。
例えば「一級作曲士・一級陶芸士・一級絵画士」等と言う資格があったとして(本当にあったらゴメンナサイ)皆様はその資格を信用して作品を購入されるでしょうか?
私は一級建築士ですが、「私の芸術性は資格で保証されている」等と一度も考えたことはありません。冒頭でご紹介した事例は、美容師の資格で芸術性を保証できるなら成立ちますが、そうでなければおよそナンセンスな批判です。
(建築界でもっとも高名なA先生は建築士の資格をお持ちではないと思います。だからと言って誰も批判しないどころか、東大の教授に抜擢されました)
建築士の試験は、主に@知識とA技量の一部しか出来ません。それも「いかに落とすか」を主題にしているため「クイズまがい」に「引っかけ問題」ばかりだそうです(私は20年以上も前に資格を取っており、最近の事情に詳しくないので)。

現実として我が国は「資格社会」です。外から見れば無資格者を信用できないでしょう、でも中から見れば資格を評価しません。つまり、資格が実力を判断する根拠にならない現実があり、私はそれを悲しんでいます。
長くなりますが、建築士の資格試験制度を説明します。
 1.独学でも8年の実務経験で「2級建築士」の受験資格がえられます。
 2.高校の建築科卒業の場合、3年の実務経験で「2級建築士」の受験資格がえられます。
  なお、1.2番とも2級建築士取得登録後5年の実務経験で「1級建築士」が受験できます。
 3.大学の建築科卒業の場合、2年の実務経験を積めば「1級建築士」の受験資格がえられます。
このように、無資格で実務経験を積むしか資格受験を得る方法がありません。また、設計事務所を開く場合、責任者が建築士である必要はありません。管理建築士として、有資格者がいれば良いことになっています。(だから、無資格で活躍なさっている方が沢山いらっしゃいます)

残念ながら、美容の世界の知識がなく「美容師資格」の制度を存じません。しかし、美容師の世界も建築と似ているのではないかと思い、知合いの美容師さんお二人にお尋ねしてみました。そうしたら、お二人とも口を揃えてこの出来事を批難されました、どうも建築の世界と違うようです。
もっとも、建築の世界でもこのように考える「私がおかしい」のかもしれません。それでも私は、世間に対し「資格が芸術性を保証する」が如く錯覚を与えている試験制度を改めるべきだと思っています。

990915追記
昨日、事務所で打ち合わせがありました。クライアントからゼネコン・設備業者まで含めて7名です。ティーブレイクで、「美容師」の話になりました。私の考え方は少数派かと思っていましたが、昨日は圧倒的多数派でした。クライアント(JR)も「資格で能力は判断できない」との考えで、「建築屋は心が広い」ことを確認しました。絶対見てないと思うけど『美容師の方』ご意見を下さい。
990915(水)何となく
仕事に飽きて、チョット『よそ見』です
昨夜、突然「台風16号」が出来た(四国沖にあった熱帯低気圧が急に発達し台風に昇格)そうです。気象観測史上初めてのことで、出来たとたんに「日本上陸」です。
今お昼前です、台風は「神戸当り」にいるとか。外で風が鳴いています。

老人の日
近くの老人施設では、数日前から準備を重ね「ゲートボール大会」です。でもお気の毒ですがチョット無理のようです。

昨日、事務所で打ち合わせがありました。クライアントからゼネコン・設備業者まで含めて7名です。
ティーブレイクで「美容師(990914資格と実力)」の話になりました。
私の考え方は少数派かと思っていましたが、昨日は圧倒的多数派でした。クライアント(JR)も「資格で能力は判断できない」との考えで、「建築屋は心が広い」ことを確認しました。
絶対見てないと思うけど『美容師の方』ご意見を下さい。
990916(木)板張り論争
長村さんのホームページからお題を拝借します。
長村さんのサイトで「外壁の板張り」について「縦か横か」の議論がなされています。図解もついて、大変密度の濃い論議がなされているので、是非ご覧下さい。
(リンク:設計事務所の仕事「材料の使い方」参照)
私は、議論には参加は出来ませんが、違う角度から見てみようと思います。
我が国の民家で200年程度が「文化財指定」の目安になっているように思います。それでも、論争の的になっている『板張り』の建物が指定されることはまず無いのではないでしょうか。それは、板張りでは「文化的価値が低い」と言う意味ではなく『残り難い』と言う理由です。近代に入り、西洋塗料が手に入り板張りが保存できるようになりましたが、それ以前は民家が「風雪に耐え、火災の類焼を免れる」のは容易でなかったと思います。

板張りには、羽目板張りと下見板張りがあります。『昔の庶民の家』に焦点を絞り、コスト面から考えて見ます。それでは、「120年前(幕末)」にワープします。
裕福な家は羽目板ですが、庶民の家を眺めれば、圧倒的に『下見板張り』が多いようです。そこで、比較表を作ってみました。
このように、何を取っても「羽目板は、下見板より高くつく」のが分かります。だから、羽目板は『裕福の証』だったのではと思います。


長村さんに、縦張り横張りは「地方毎に正解があるのでは」と、メールを送ったたことがありますが、私の田舎のように、下見板が記憶に残っている地方は「余り豊かではなかった」のかもしれません。
そこで急いで、『近畿探訪』に使った写真データを開いて見ました。
圧倒的に『縦張り(羽目板)』が多いのです。近畿探訪で「今に残る町並み」は裕福な地域であったことをご紹介しています。今更ながらに、自分の迂闊さに気付きました。

最後に大事なお話をしておきます。
長野県での仕事依を頼されたことがあります。しかし、丁重にお断りしました。それは、私に雪国や寒冷地での生活体験がないからです。
愛知県に生まれ大阪で暮す生活は、伊勢湾台風と阪神淡路大震災を除けば「災害と縁のない生活」です。だから、温暖な気候風土の地方では、『自然から家を守る』と言う概念が少ないように思います。
長村さんの展開しておられる「板張り論争」は、北陸と言う「厳しい自然環境」を知らない人間が、口出しできない深さがあります。
今日ご紹介した私の話は『温暖な地域で成立つ』ことだと、ご理解ください。
990917(金)逢わないほうが…
グリークラブに入ると「ヘッドボイス」の習得が必要です。
おでこ付近の空洞に自分の声を共鳴させる発声法で「よく通る声」とか「美しい声」と言われます。ただし、ヘッドボイスと歌の巧さは何の関係もありません。
練習などしなくても、生まれながらにヘッドボイスが出来る人がいます。「よく通る声とか美しい声」と言われる人で、日常会話まで(無意識に)ヘッドボイスを使っていることが多い。

小学校2年のこと。
田舎の学校で、ピアノは講堂に1台あるだけです。だから、音楽の授業は講堂で立ったまま行われました。先生は、ビヤ樽もビックリの体形で頭はテッカテカ(ピッカピカ)でした。だから「テッカン」と呼ばれていました。
テッカン先生は突然ピアノを止め、50人以上の児童の中から私を連れ出しました。何事かと恐かったのですが「独唱するように」とのこと。そして、全員に向かい「このように歌うように」とおっしゃって授業は終わりました。
家業に失敗(我が家は倒産したのです)し、私はいじけていました。さらに、いじめられっ子でした。しかし、この出来事は自分に自信を持つキッカケを与えてくれました。

中学の3年間。通信簿の音楽欄に「すこぶる美声」のコメントが延べ9回書き込まれています。私は生まれながらにヘッドボイスでした。
高校時代。工業高校に音楽はありません。しかし、高校の3年間、私はヤジ将軍として活躍しました。(990809「応援団」参照)

社会に出て。30年以上も前のことです。
今のように便利な電話はありません。会社には「電話交換手」のお嬢さんがいて、必要な部署に電話を回してくれました。彼女達は「もしもし」だけで、何処の誰かを聞き分ける「耳」の持ち主でした。
私は、何人もの「お嬢さん」からデートの申し込みを受けました。私の声がすごく魅力的であったようです。でも、全て丁重にお断りしました。声と顔に大きなギャップがあるからです。
30を過ぎて「酒とタバコ」で咽を焼き切り、今は『だみ声』と言われています。
この1年、エッセイ(まがい)を書いています。3ヶ月ごとにプリントアウトして、ごく少数の方にお配りしています。社内で回し読みされるある会社で、女子社員が「逢ってみたい」といわれたそうです。それを聞いた上司が『会わんほうがエエ』と…
990918(土)心臓恐怖症
990328「一般論」に登場した不動産鑑定士が、心臓発作で突然死しました。前日まで何の予兆もなく「無病息災」の恐さを見たように思います。
 
「心臓恐怖症」これが正式な病名かどうかは存じません。心臓に持病を持つ方が「発作が起きるのでは」と恐怖をもち、心因的な病状を呈する様を言うそうです。
友人の訃報に接し昨夜は眠れませんでした、私には恐怖心があったのです。家内は、「寝付けないの?」と言っていましたが、曖昧に答えておきました。
狭心症の予防薬を服用しています。本来は高血圧の薬で、血管を拡張する作用を利用して、狭心症の予防に使うそうです。今の薬に変えて一度も発作を起こしていません。その分「安心感」があるのですが、酷く薬に依存している自分に愕然としています。
夜。不安が募ると「明日があるだろうか?」と思い煩い、眠るのが恐くなります。そうなると「胸苦しくなり」心臓恐怖症に取りつかれます。
今、朝を迎えて「ほっと」しています。
990919(日)秋の田舎道
昨日、 ユースホステルの試泊会があり、橿原の田舎道をホンの200m程取材してみました。
秋にも沢山の草花が咲きそろうことを知りました。
ただ、秋の花三羽烏の「萩・山茶花(さざんか)・コスモス」のうち、萩しかありませんでした。機会があれば追加取材したいと思います。
それでは、「ちょっとメルヘン」で特集しましたのでご覧下さい。
990920(月)サーチエンジン
ちょっと勇気が要ったけれど、サーチエンジン「一発太郎」に登録して1週間、何か変わったかと言えば「な〜んも」と言ったところです。
この1週間で、メールによる登録完了通知が4件、その他自動登録を合わせれば10ヶ所以上が完了したと思うけれど、未だサーチに成功していない。少し後悔していただけに、この「変化の無さ」にほっとしています。

メジャーな検索エンジンに「エッセイ」で入れてみると、6000以上の登録があり、そのくせ「同一人の登録」が延々と続いています。あれって、ヒットチャートのようになっているのでしょうか?Aさんの○○8月・9月…等延々と。まるで組織票で動いているみたいな印象です。
いずこの世界も同じでしょうか?有名になり方がたくさんいらっしゃるようです。私は、負け惜しみではなく、マイナーなサイトを今後も続けていきます。どうもそれが一番「似合っている」ようです。
990922(水)食い物の恨み
食欲の秋が目の前にきています、そこで「食い物」にまつわるお話を。
京都に「鯰料理」専門の店があります。
鯰は白身の魚で、蒲焼で食べると大変美味だそうです。一度食べてみたいと思っています、でもそんな機会が訪れるでしょうか?
予約は何度も入れました。「当日では無理です」とすげなく断られていたので、前日に電話しました。少し待たされてから、女将らしき人物が出てきて、とうとうとしゃべり出しました。ようは「鯰は希少な魚で簡単に手に入らない、だから予約を受けた数しかない。しかるに…」と続き「一見の客では」と言うことのようです。つまり、慇懃無礼な断りが延々と続きます。

富山に大変美味しい鮨屋があります。
冷凍のネタは使わず、富山湾とその近海で取れた新鮮な魚介類だけで食わす店です。値段も高くはなく「お値打ちな店」なのですが、イヤなことが一つあります。目立つところに張り紙があり、意訳すれば「自慢の鮨を肴に酒を飲むな」と言うことで、お酒を一切出しません。
この店では、「美味しい」かどうか、客ではなく店が決めているようです。だから、「食の楽しみ方」は店が決め、客の自由にさせません。

大阪に「おでん(関東煮)」の美味しいと言われる店があります。
私は「刺激物がまったくダメ]です。だから「おでんに辛子を塗ったり、一味をかけないで下さい」とお願いして注文しました。ところが、見事に辛子や一味が掛けられています。これは友達に食べてもらい、再度念を押して注文しましたが同じでした。
お店によれば「辛子や一味があって当店の味」だそうです。ここでも、「食の楽しみ方」は店が決め、客の自由にさせません。結局、私はなにも食べずに店を出ました。

ご紹介した事例をどのように思われますか?『こだわりの店』と言う見方もあるでしょうが、私には「奢り」としか見えません。
京都には「味の専門店」がたくさんあります。例えば「鯖鮨の店」「いもぼう(里芋と棒ダラの煮物)」や「豆腐の店」と入ったものです。それぞれに歴史を持ち「味自慢」なのは分かるのですが「あの値段はないだろう」と思うのです。
物の値段が付加価値で決まるとして、いもぼう7千円・豆腐5千円と言った値段は、やはり「べらぼう」に思えます。
ハイハイ分かりました。貧乏人が行くような店じゃないんですね。
990923(木)マニュアル化の弊害
サービスの平準化にマニュアルが有効なこと周知の事実です。おそらく8割以上の方が、マニュアル化されたサービスで満足なさっているのではないでしょうか。しかし「ワープロの活用で漢字を忘れる」ようにマニュアル化は「考えるとか工夫する」ことを忘れさせるようです。
私がこの1ヶ月の間に体験した「マニュアルの弊害・役人編」をご紹介します。

ユースホステルの完了検査を受けたときのことです。
竣工した建物に異常はなかったのですが、以前から駐車場脇に置いてあった「淀の物置(一畳相当の大きさ)」に対し、「基礎を作り建築確認申請を出すように」指導を受けました。
おそらく、「建物には建築確認申請を出す」ようマニュアル化されているのでしょう、原則としては間違いではないのですが、これでは「犬小屋」も申請が必要になってしまいます。だから、無条件ではありませんが「10u未満は申請不要」と言う原則もあります。淀の物置はこの要件を充たしており、申請不要のはずです。係官では埒があかず上司に掛合いましたが意見は同じでした。
このときは、時間的余裕がなく「淀の物置を撤去する」ことで解決しましたが、理不尽な要求です。もし、橿原市で「ポチの家」を作るときは申請が必要かもしれませんのでご注意を。

JRの駅舎内を「用途変更してレンタルビデオショップを作る」仕事があります。
駅舎内の出来事ですから面積の増減はありません。だから「新築とか増築」ではありませんが建築確認申請は必要です。神戸市役所に申請を出したところ「開発判定申請」をするように指導を受けました。神戸市では「敷地面積が500uを超える申請」にはこの手続きを取るようマニュアル化しているようです。
この申請は「開発行為」に相当するか否かを判断するためのものです。ちなみに、都市計画法では、開発行為を下記のように定義付けています。
 @ 敷地面積が500u以上で下記のいずれかに該当する場合
 A 地目の変更を行う場合(例えば、農地から宅地に変更)
 B 形質の変更を行う場合(造成を伴う場合)
このように「土地に関する」法律です。今回は駅舎内の改造で、土地はまったく絡んでいません。判定をするまでもなく「相当しない」のにマニュアルは変えられないのでしょう。行政にとっても私にとっても「無駄な労力」を費やす必要があります。


ここからは「笑い話」です。もし、『開発行為に相当する』と言う判定が出たらどうなるのでしょう。明治時代から続いている「東海道線」の駅が今更「開発行為」になったら、神戸市とJRの総力を挙げたバトルになるでしょうね。
少し気分を変え、お話を続けます。
今年は大地震の当り年みたいです。今、台湾は大変なことになっています。
阪神淡路大震災のことです。罹災された方を少しでも早く雨露から守るため、大量に早急に仮設住宅を供給する必要に迫られました。かといって、「超法規的」に建築基準法を無視できるわけではありません。その時行政がとった手段は素晴らしいものでした。
建設場所は、公園、校庭、河川敷、更には「小川をまたいで」と言った例すらありました。使用したプレハブも認定品だけではまかない切れず「かなり怪しげな」物まで混じっていました。建築確認申請など出しても「許可」が出せるわけがありません。それでも、建築確認申請を出させ「受付けた上で凍結」したのです。
永久に「審査中」として強引に辻褄を合わせてのです。わたしは、役人の悪口をよく書きますが、まったく無能扱いしているわけではありません。もう少し、能率を念頭において無駄を省いて欲しいと思っているだけです。
990924(金)疲労困憊
台風18号北上中、各地に被害が出始めている。
疲労困憊・満身創痍の有様です。先般の「トンボ帰り」のプロ野球観戦(名古屋ドームまで行ってきました)が疲労に輪を掛けたようです。
疲労のバロメータである「歯槽膿漏」はバンバンに腫れあがり、昨夜まで激痛が走っていました。皮膚病は老化現象を反映し、早々の乾燥肌で「カイ〜ノ」状態です。おまけに耳の中まで腫れあがり、私の体はボロボロです。

流石に、昨夜は仕事を止め早々と休んだのですが、それからが大変です。
ものすごい「悪寒」に襲われ、歯の根が合いません。毛布2枚と布団を被り、厚手のトレーナーを着込んでも体中震えが止まりません。発熱感100%で、アイスノンが見る見るうちに溶けていくのに、何度計っても体温は「36.8℃」です。これって何なのでしょう?
こんな状態が断続的に続き、よほど知り合いのドクターに相談しようかと思いましたが、いつのまにか寝付いたようです。
朝。腫れは引いていませんが「痛み」は止まっています。のんびり行こうや。
990925(土)はしご診療
台風18号は予想進路を少しずれ、余り被害を出すことなく去っていきました。
(990924続き)
老人医療が国家財政を圧迫しているとずっと思っていました。特にお年寄りの「はしご診療」がその元凶であると。しかし、自分が「はしご診療」を受けるようになって「そんな単純な問題で無い」と良く分かります。
昨夜から「悪寒」に襲われていることはお話しました。出勤したら、所員に「顔色がおかしい」と言われ、やはり診療所に行くことにしました。これで4ヶ所目です。@歯科A心臓外科B皮膚科、そしてC内科です。

事務所近くにあるOMMメディカルセンターの内科に行きました。大変親切なドクターで、まだ溢れんばかりの待合室の患者さんは大丈夫だろうかと思うほどでした。
悪寒の話をしたら即座に「風邪です」と。微熱がある筈ですとの指摘で熱を計ったら37℃でした。4っ目の症状です。まるで病気の問屋のようです。
既往症の話になり、狭心症の症状をお話したら「典型的な『異型狭心症』です」と断定されました。欧米型と違い日本人独特(安静時に発作が起きる)の狭心症で、長く実証できなかったそうですが、勇気あるドクターが「発作の最中にカテーテル検査をして、血管の痙攣を確認」したことから認知されたそうです。治療法は無いそうですが「予防さえすれば大丈夫」とのこと。だから私の「カテーテル検査は不要です」とおっしゃいました。服用している薬を見て「顔が火照るでしょう」と私の悩みを指摘されました。また、緊急時のニトロが「頭痛を伴うのでは?」と、まるで私を観察していたように当てられます。
皮膚科の薬を見て「かなり眠くなるでしょう」と悩みを当てられました。歯茎の腫れの抗生剤も長期服用は良くないとおっしゃいます。
結局、先生に全て処方を作って頂き、それに切り替えることにしました。歯科の治療は続きますが、薬は1ヶ所で集中管理して頂いた方が、薬相互の副作用を防げるし「はしご診療」も防ぐことができそうです。

簡単に「ドクターを信用しすぎる」と意見されそうですが、このように「幅広く相談に乗って頂けるドクターが少ない」ことから「はしご診療」があるのだと私は思います。主治医・専門医・大病院と連係プレーがしっかりしていれば、余分な医療費と個人の負担を軽減出来るのではと感じた次第です。
忙しいのですが、心身ともに「休息」します。「急がば回れ」それができる歳になりました。そんな訳で25日はゆっくりしました。

990925夜・追記
デイゲームで中日は勝ちナイターで巨人が負けました。「M6」
ダイエーが優勝を決めました。おめでとう。でも、パリーグの覇者がきまると、必ず『相手が巨人でなくて残念』と言わせようとする、マスコミの態度は不愉快です。
990926(日)アンケートの意見欄
大阪狭山市では無作為に2000名を選び「アンケート調査」をしているそうです。どうやら私はその一人です。
基本的に「当り障りのない質問」が続き「こんなんで参考になるやろか?」と思う○×式質問ですが、最後は「感想文形式」の意見欄です。所定の用紙ではとても書ききれませんので、別紙で書きました。以下がそうです。

  大阪狭山市御中
抽選のいたずらで、昨年度私はHタウンB棟の自治会長を勤めました。このような役目が当たるまでまるで無関心であったことが、いっぱい疑問として沸いてきました。

 1.自治会が、市の広報活動の末端として機能しています。そのことを批判しようとは思いません。住民も「市民の義務」を背負うのは当たり前と思うからです。
 2.行政としては「便利な制度」の筈ですが、それで終わりでしょうか?古くからこの地にお住まいの方達と、団地住まいの私ども間に『越えられそうもない溝』があることを行政が知らないはずがありません。
 3.Hタウンとして、お祭りの招待状を出したこともあるそうです(先輩に確認)が、「無視された」ままだそうです。逆に、S神社の祭礼の[氏子]には決してなれません。近所(旧市街地)に住む知り合いが「やっと三代目(孫)で、ダンジリを曳けることになりました」と、言うほど排他的です。
 4.本気で「大阪狭山市の発展」を望むなら、新旧市民の融和を行政として計るべきでしょう。端的に言えば行政が仲介するしか方法はないように思います。

行政は、自治会組織(或いは隣組)を活用すべきと思いますが、「ガイドライン」は整備するべきでしょう。
昨年「大阪狭山市社会福祉協議会」から協力要請がありました。要請された事項は
 1.広報活動の手助け
 2.新規会員の募集運動
 3.既存会員の会費徴収
以上3項目です。「1」番は良いと思いますが、それ以外は極めて疑問と思っています。
新規会員募集と既存会員の維持は「大阪狭山市社会福祉協議会」の重要な任務のはずで、これを外部の善意に頼るとなれば「大阪狭山市社会福祉協議会」そのものの存在意義を問われると思います。

S池ダム工事が長年に渡り続いています。大阪狭山市の事業ではないことは分かりますが、大阪狭山市内で行われていることに間違いはありません。
 1.いつ頃完成するか
 2.どのような形態になるか
 3.大阪狭山市に取ってどんな恩恵があるか
こう言ったものをもっとPRしたらいかがでしょうか。「国の事業とか府の事業だから」とはいわず、大阪狭山市に取って「こんなメリットがあります」と言う観点に立って思考されることを希望します。
990927(月)ガンバレ滋賀県
JR西日本では、姫路−長浜間を新快速で結んでいます。在来線の特急並みのスピードで快適な電車です。
大津から琵琶湖東岸を車窓から眺めて行くと、明らかに「テーマパーク」と思われる施設が目に入ります。ただ、電車では足が不自由なため訪れる機会のないままに過ぎていました。

これらの施設を見学がてら「水郷に船を浮かべ月見酒を交わそう」と企みました。9月24日(金)は中秋の名月だったのですが、おり悪く台風18号の出現です。しかし、「なんとなく逸れそうな気がして」予定通り金曜日午後に出発しました。それに、私は疲労困憊・体調絶不調で『なによりも休息を欲して』いたのです。
残念ながら、気象警報解除が遅れたため、船は中止になりましたが庭で綺麗な名月を眺めることができました。この日、近江八幡市にある厚生年金施設(ホテル)に宿泊。1泊2食付きで8千円という、貧乏人にピッタリの施設です。

建築屋が2名にイベント屋が1名、気の置けぬ男3人の珍道中。飲兵衛の集まりすが、それなりに真面目なメンバーです。
大津のコンサートホール・草津の琵琶湖博物館・近江八幡の「近江商人の町並み保存地区」・安土の「信長関連施設」・長浜の北国街道・余呉湖等、湖東地区には「観光スポット」が目白押しです。
ところが、自治体毎に工夫を凝らしたこれらの施設に「連携プレー」がまったくないのです。最初は不思議に思い、少し怒り出して、最後は呆れてしまいました。
例えば、私達が泊まった厚生年金施設(ホテル)には、車で10分の距離にある安土町「信長関連施設」の情報は何一つありません。それどころか、歩いて10分で行ける「近江商人の町並み保存地区」の観光マップすら置いていません。
このように情報が切れているため、事前情報を持たない人が安土町「信長関連施設」を訪れるのは「偶然」以外考えられません。まるで相互にイガミあっているが如くです。この施設は内容が濃く見ごたえがあるのですが、情報が有機的に機能していないため、週末と言うのに閑散としています。

地元でさえこうなのですから、大阪ではまるで情報が手に入りません、つまり「誰も知らない」のです。「作ることには熱心でも、広報活動や運営維持に不熱心な体質」が如実に現れており、イベント屋のNさんなど「心底怒って」いました。
それでも、インターネットでの「情報網はあるだろう」と、建築屋二人が慰めました。しかし、帰って調べてみましたが「はかばかしく」ありません。まず、滋賀県で検索し、観光案内のリンクはみつけたのですが、名称と電話番号だけで、およそ味も素っ気もありません。
施設相互間の距離や交通手段、写真や展示内容の紹介、休館日、ホームページのあるなしといった情報は何一つ取上げていません。税金をつぎ込み、村興しの期待を背負って立派なものを作ったのに勿体無い限りです。滋賀県ガンバレ!!心から叫びたい気分です。
990928(火)葦毛湿原
豊橋の岡本様からこんな素敵な写真を送っていただきました。
葦毛(いもう)湿原は豊橋市の北東部にあり広さは尾瀬の何百分の一で、こじんまりした湿原だそうですが、四季折々の動植物にお目にかかれるそうです。
なお、http://www.tcp-ip.or.jp/~yoshida/で詳しく解説されています、一度ご覧ください。
いたって体力のない私ですが、豊橋郊外ならば行ってみたいと思います。

990929追記
葦毛湿原の吉田様にメールを出したところ、ご返事を頂きました。なんと高校の10年後輩に当たるそうです。また、楽しみが増えたようです。
990928(火)床材と騒音
公団住宅が登場して何年になるでしょうか?私の記憶が正しければ東京オリンピックの前後かと思います。今より、ずっと粗雑な作りであったのも関わらず「トラブル」は少なかったように思います。それだけ、お互い節度があったのでしょう。
最近マンションでのトラブルは、上下音の問題とペットでしょうか。
そこで今日は「上下音」を考えてみます。基準整備が進み上下音の遮音が厳密になるに従いトラブルが増え、時には殺人すら起こるご時世となりました。何とも皮肉ではありませんか。

「騒音の定義」をご存知ですか?
「ウルサイ」と感じればそれは「騒音」です。だからモーツアルトの名曲でも「騒音になりうる」のです。つまり、音を出す人が決めるのではなく、「音を受ける人」が騒音かどうか決めるのが定義です。最近トラブルが多いのは、音を出す人が「騒音ではない」と決め込むためではないでしょうか。さらに、配慮不足と自己主張の強さが拍車をかけているように思います。

設計中の賃貸マンションで「床材に何を採用するか」クライアントと相談をしました。クライアントは最近流行のフローリングがお気に入りなのですが、上下階の騒音発生源としてはNO1の建材です。また、キズが付いた場合の補修が困難なことから、別の建材をお勧めしています。
個人住宅なら「趣味」で選べば良いし、分譲住宅なら「自己責任で選ぶ」と言う論理も成立ちます。しかし、2〜3年で住人が変わる「賃貸住宅」では、不特定多数を相手に最大公約数的な選択が必要になります。そこで「賃貸マンションにおける床材の条件」を挙げてみます。
 @ 安価であること:入居者が変わる毎にリフォームが必要です。
  仕上げ材は耐久消費財ではなく「消耗品」の概念が必要です。

 A 保守補修が容易なこと:概念としては上記に同じ
 B 足裏感が良いこと:適度な柔らかさと保温性を有すること
 C ハウスダストを吸着しないこと:アトピー対策
 D 見た目が美しく、豪華さがあること
くだんのフローリングが充たすのはCDの条件くらいでしょうか。安価ではありませんし、補修は困難です。アトピー対策でフローリングを選びながら、足裏感の悪さに閉口して絨毯を敷いているご家庭のなんと多いことか。
「これで上下音の問題は万全ですか?」クライアントからこんな質問が出ました。
しかし、騒音の定義で触れたように「正解のない世界」です。「およそ配慮のない上階の住人に、神経過敏な階下の住人」と言う組み合わせでは、トラブルは避けようがありません。建築屋に出来ることは「可能性の排除」
に努力することくらいです。
990929(水)親子
日中30℃を越していたのに、日が翳れば「ちゃんと秋」です。

乳母日傘で育った父は、家業の失敗がひときわ堪えたようです。
30代後半から寝つき、健康だけではなく精神も患うようになりました。しかし、義務教育を終え就職しようとした私に「高校に行くように」勧めてくれたのは父でした。
高校を卒業し就職で大阪に行くとき、父のもとに挨拶に行きました。あいにく寝付いており精神も正常ではなかったのですが、その一瞬正常に戻り『ガンバレよ』と言ってくれました。私はこの『一言』だけで父が好きになりました。私は息子達に、私が感じたこの感動を与える自信がありません。

酒が好きで、そのくせ酒に弱い父でした。
私は30になり酒を覚えたのですが、その頃父は「酒が飲めない」ほど病状(癌)が進んでいました。父と酒を酌み交わすことが出来なかったことが今でも悔いとなって残っています。
息子は酒を飲みません。私も、一緒に酒を酌み交わす喜びを味わえそうもありません。せめて、ホームページでも親子でリンクができたらと思っています。


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