dogfight高松の長すぎるひとり言
1999年8月

PLの花火大会不自由な話亡国の兆し飲み屋談義衰退する大阪商法なんもなくて脱線転覆+天下の険「歳を取る」と言うこと応援団Matuさん都市景観と緑地緑地について始めてのオフ会終戦記念日「オジン」らしく個人の利益・公共の正義妖怪「内規」男の更年期瑠璃色の鳥個人と大銀行スカートの風家庭菜園鎮守の森こだわり瑠璃色の鳥2ペイオフと朝銀狭山池
990801(日)PLの花火大会
昨日(7/31)は日本でもっともメジャーな「隅田川の花火大会」があった。打ち上げられたのは2万発とか…
出張の帰り、見物に出かける浴衣姿の「女の子達」に随分出会いました。
日本一の花火大会と言われながらマイナーな存在に甘んじている。想像するに「PL教団の祭典」と言う形式をとっているため、マスコミの扱いも隅田川ほどメジャーになれないのであろう。ちなみに、打ち上げられるのは『12万発』である。

これ(写真左)は、我が家から見た「花火の打ち上げ 会場」である。中央に見えるタワーがPL教団のシン ボルタワーで、高さ188mある。タワーの周辺が12万発の打ち上げ花火の会場となる。 特に、オーラスの仕掛花火は長さ数kmに渡り荘厳の 一語に尽きる。
詳しくは「ちょっとメルヘン」のPLの花火大会でご覧下さい。
990802(月)不自由な話
住宅資料館は無事「お役目終了」となった。この降って湧いた仕事を通じて「不自由」したことを綴ってみたい。
世の中「泣く子も黙るWindows」だと思うのだが、頑強に「MAC」に拘る人達がいる。割合にして2〜3割程度なのに、何故か住宅資料館に関してはWindowsを使っているのは「私だけ」であった。その不自由なこと…
まず、データの共通性を確保するDXFが一方通行である。フォーマットが違うため、WindowsはMACのディスクを受付けない。つまりDXF以前の問題で相互乗り入れが出来ない。ただ、逆はOKなので、私から他にデータを渡すことは出来た。

NIFTYに入っているのも私だけで「データ通信」を利用してやり取りすることも出来ない。Eメールを利用しての「添付書類」も試してみたのだが、MACで作られたデータを、Windowsがまるで受付けない。結局、図面系はFDでDXFを渡すことになった。
文章系は、双方共Wordを使っているのに「まったく互換性がない」、そのためEメールで送り「取込んでもらう」と言う複雑な経路を取った。
現在の、双方が有するハードでは「データの集合」が出来ない。もし、「データでの提出を求められたら」と考えるとぞっとする。今後の課題を見つけた仕事でもありました。

企画事務所の「日本語」にもマイッタ。私の漢字の知識では、明らかに「間違いの字」でも「わざと使用する」ことがあり、一々確認する必要があった。仕事で広辞苑が活躍するなんてビックリでした。
990804(水)亡国の兆し
現役のエリートや未来のエリートによる不祥事が相次いでいる。
某アナウンサーの乱交パーティーやTV関係者の痴漢事件、三重大・慶応大医学部と続いた集団レイプ事件。単に男が「ド助平」なのか、挑発じみた女性の行為があったのか私には分からないが、どこか「タガが外れた」事件に違いない。

「援助交際」と呼ばれる売春がある。無批判に報道されるこの言葉により、二つの問題が起きている。
 1.お金で「誰でも体を開く」が如く印象を与えている。
 2.売春行為に対する抵抗をなくし、安易な金儲けを助長している。
  このような事態に対し何故、女性の地位向上を望む団体の「抗議」がないのであろうか?
痴漢行為は、報道された以上にあるのであろう。ただ、逮捕された人が「つい、出来心で」と言うのはウソであろうと思う。
かって、痴漢と間違われ大迷惑を受けたことがある。それから「フレックスタイム」にして、ラッシュの通勤から時間をずらした。それでも、会議の都合で「ラッシュアワー」に乗りこむことが皆無とはいかない。昨日がそうで、久しぶりのラッシュ体験となった。
神様は「イタズラ好き」で、手を降ろしていると「お尻に触れる」し、腕を組むと「オッパイに触れる」位置に来る。そんなわけで本人の意思とは関係なく、女性に触れてしまうこともある。私は、ラッシュアワーに乗り合わせると『ホールドアップ』の態勢を取っている。生まれながらの助平顔で、これをしないとまた間違われる。しかし、これって疲れるのです。
間違って女性に触れたとき、リアクションがあれば理性が働くのだろうが、体が竦んでしまう女性もいるようだ。こうなると「間違いで始まった痴漢行為」がエスカレートする。日頃品行方正を要求される人ほど「耐性」がなく、逮捕されるまでのめり込むのではないだろうか?

時間調整で、マクドナルドに入った。そこに14〜5人の女子高生(制服姿)が入ってきた。席を占領し、スカートで「バタバタ」と扇ぎ出した。私はスカートをはいたことがないので分からないが「それほど蒸れる」ものなのであろうか?とにかく「見られた姿」ではない。それが終わると、大股開きのまま、ふんぞり返って一斉に「くわえタバコ」である。下着はつけているが、見たくもない風景である。

キワドサを売り物にする女性と、理性の切れた狼ども……私には、亡国の兆しに思えて仕方がない。
990805(木)飲み屋談義
行きつけのお店で、カウンター内のお姉さまに「天神さんの本家はどこやねん?(990825言い訳尽くしの天神さん参照)」と、話していた。
そうしたら、隣のお客さんが「北野天満宮(京都)が本家です」と割り込んできた。更にお隣のお客さんが「菅原道真公の足跡には多いね」と、再割込み。そこから急に歴史談義となった。
天満宮から「お祭りの形式」の話になり、戦国の三傑「信長・秀吉・家康」の比較論に移行した。私が、「家康さんが…」と言ったことから、「ここは大阪やねん。太閤はんだっせ!」と、家康に「さん」付けしたことが許せないご人が参入した。

男4人が口角泡を飛ばし「かんかんがくがく」の論議と相成り、とても「酒の肴」とも思えないのだが、それぞれ結構楽しんでいる。私の行くところ「事件あり」である。
990805(木)衰退する大阪商法
990727「和解の困難さ」で、うやむやな終結をお望みのクライアントについて触れた。
その後関係者で話合いがあり、「経過報告を請求するメール」を出した。このメールは直接K氏が読まれたそうであるが、当社に経過説明にいらっしゃったのはT部長であった。それによると
 1.プロジェクトは中止する
 2.当社からは「企画」を依頼していない
 3.従って金銭的補償は考えていない
と言うものであった。T部長はK専務(事実上の代表者)をカバーした発言をなさっていたが「K氏が逃げた」ことに変わりはない。金銭的補償はさておいて、
 1.昨年の段階では紹介者のH氏が間にいたが、
  今年になってからはK専務と直接「企画内容を協議」している。
 2.K専務から直接資料請求を受けている。
 3.更に、具体的に踏み込んだ「追加資料」を要求されている。
以上の点を踏まえて「我々は依頼を受けたと理解している」と反論した。
T部長の話によれば、アメリカにおける「不動産投資の資料」に対して200万円を支払っているそうである。ちなみに中身の濃さでは、当社の作った資料と双璧であると言う。アメリカと日本、このダブルスタンダードは何であろうか?
更に紹介者のH氏を誹謗する話が出て、いっぺんでイヤになった。この話は『藪の中』で私に判断できることではない。仮に、H氏が信用できない人物なら「依頼はしていない」と代理に伝えさせるK専務も充分「胡散臭い人物」といえる。
 
近代を迎えるまで大阪は商業の中心であった。
しかし、その後の、特に戦後における経済の「地盤沈下」はどうであろうか。私は「大阪大好き」であるが、契約概念の希薄な大阪だけは馴染めない。
今回も契約書が存在せず、仮に係争ともなれば「契約の存在」から争うことになろう。
大阪では事前に契約の話を持ち出すと「そんなに俺が信用できないか!」と開き直られることが多く、契約概念の希薄さに泣かされる。
そのくせ、不調に終わったときの「態度の悪さ」ときたらお話にならない。
また、契約書が在っても不履行になることがざらで「下駄をはくまで分からない」と言われている。

契約をしないため着手金もない、だから何処か真剣になっていない。つまり「痛みがない」のである。結局「知識に対し金を払わない」と言う「大阪の風潮」に繋がっていく。
「知識はタダ」の考え方が、経済の地盤沈下に密接に結びついていると私は感じている。ようは「近代的なビジネススタイル」について行けていない。
これだけ為替が多用される時代に「五十払い(5.10.15.20.25.月末を支払日とする)」と称して、振込をせず「集金に来ることを」強要するため、この日は大阪の道路が大変混雑する。ナンセンスな話ではないか!
アメリカのビジネスを自我自賛するK氏も、大阪に帰れば「最も泥臭い前近代的な大阪商人」に戻るこの図式が私にはトンと理解できない。
結局、世間を狭くしていることに気付かない…足元をイイカゲンにして『国際的ビジネスマン』もないものだ。この問題はこれで「終わり」ます。これ以上続けると私まで低次元になりそうです。
990806(金)なんもなくて
昨夜はめずらしく早く帰った。
中日ドラゴンズ星野監督のホームページを見て、巨人の負けを確認し、午後9時に寝てしまった。
明け方4時半にトイレに起きました。夏至から1ヶ月半、4時半は「暗闇」でした。もうこんなに日が短くなってきているのですね。
朝日と共に「鳥のさえずり」で起こされます。
セミの活躍は少し遅れます。もっとも「蝉時雨」等と言った情緒在るものではなく、まるで爆撃機のようなスザマシサです。あれで寝ていられるようなら「余ほど無神経」な人でしょう。

金曜日恒例のアンチウイルスソフトのライブアップデイトをし、スキャンを掛けました。ついででメールチェックをして、出勤します。なにやかやと理由をつけてサボってきましたが、ついに「ケツに火がつき」ました。これから1ヶ月で、竣工に伴う一連の検査と、設計UP2物件があります。
生活を賭けて真面目に働きます。
990807(土)脱線転覆+天下の険
今日から甲子園で高校野球が始まります。相撲と並んで『人気凋落』のスポーツですね。
イイカゲン綺麗ごとをやめれば良いのに

 
脱線転覆
「ケツに火がつき」と、言ったとたんに訃報が相次いだ。
RJ西日本の関連会社で、駅舎や鉄道高架下の活用を専門に扱う会社があります。仮にJRNとしておきます。
高架下を、ビデオショップにする話が進行していましたが、9月3にようやくJRNとテナントで契約がなりました。それを受け、9月4日にJRNと当社の打ち合わせが行われ、早急に設計に入るようにとのことでした。
駅と言うのは「特殊」を絵に書いたような存在でした。
駅は「運輸省管轄」にあり、あれだけ立派な建物でありながら建築基準法の適用対象外なのです。当然、建設省としては面白いはずがありません。

高架下に店舗を作ろうとすれば、その用途は駅ではありませんから、基準法の対象となるわけです。この時の「エゲツナイ」こと。高架を構成する構造体は、建築基準法のチェック対象外だから「安全性が確認できない」として、店舗の構造体と兼用することを厳しく禁止してきた歴史があります。つまり、高架と店舗の構造体が同じ場所に別々に存在するわけです。役所の縄張り意識丸出しの産物です。
ところが、省庁再編で来年から「建設・運輸」が同じ省になります。そのため、高架下を活用する場合「高架の構造をそのまま利用OK」になったのです。

冒頭で触れた、ビデオショップは「高架の構造体を利用」した計画で進行していました。当然その分ローコストになるわけです。賃料設定もこれに合せて決められました。。
そこへX氏の登場です。X氏はJRのOBで、JRNとテナントの仲を取り持った人物だそうです。
「無事契約がなった」との知らせと共に構造体兼用を知ったようです。X氏の頭はまだ『国鉄』で「高架と建物の構造を兼用するとは何事ぞ」とJRNトップにねじ込んだそうである。JRNトップはこの剣幕に押され、担当者に「構造体を別に検討するように」と指示を出した。
慌てた担当者は、私に「設計中断」を要請してきた。
事情を聞いて私は「そんなアホな…」と、絶句しました。もう「テナント契約」も済んでいるのに、事業計画の根底が変わるのです。
OBもトップ(現役)も、なかなか「国鉄感覚」が覚めやらぬようです。もうこれは「脱線転覆」以外なにものでもありません。

話は変わります。
大型物件のマンションも『お役人様』の硬い頭のお陰で、デッドロックに乗り上げています。指定容積800%と言う高密度利用地域で、「あと10uの緑地を増やさなければ融資をしない」とおっしゃっている。「10uくらいと」と思われるでしょうね。でも、高密度利用地区なのです。お役人様の言う位置及び形状で10uの緑地を確保すると「専有面積が100坪(家賃換算で毎年800万円)も減る」のです。これまた、事業計画の根底が狂ってしまうのです。
ちなみに、お役人様の言う「位置・形状・面積」とも内規で法律でもなんでもありません。気分一つで「15億円の民間プロジェクト」が岩に乗り上げる…お役人様冥利に尽きるとはこのことでしょうね。

 天下の険
夏真っ盛りです。そんな折り「箱根の話」が出て、思い出しました。 
以前、SS石油四日市精油所の独身寮更新工事の設計監理をしたことがあります。
最初は「営繕担当者」と打ち合わせ、概略の規模の設定をします。次は関係部署が集まりニーズの刷り合わせが行われます。この段階では、厚生担当が主役になってきます。当事者レベルでの調整が終わると、役員に計ります。役員による了解が出て最後の関門に向かいます。ここまで来るのに優に1年は経過しています。
SS石油では、寮は「労働組合」の管理施設に編入されます。そのため、労組の承認がなければスタートできません。

SS石油の四日市精油所トップは、本社トップへの登竜門と言われ、なかなかの迫力ある役員が就任します。そのトップと労組委員長が会談を持つのですが、散々に打ち負かされて、お鉢がこちらに回ってきました。
労組から出てきた要求は「変なもの」ばかりです。
 1.シャワー室は要らないから風呂大きくしろ
 2.ベッドではなく、全室畳にしろ
 3.洋風便器は止めて和便器にしろ
 4.館内は上履き使用
と言った前近代的なものばかりです。気の毒ではあったのですが、一方的に押し捲りました。
 1.中級以上のホテルのグレードと感覚で設計している
 2.若者の生活様式をもっと研究しなさい
 3.スポーツクラブを体験して欲しい
こんなカウンターを繰り出し、労組の要求を入れることなく了解を取ってしまいました。周りから見ていた人によれば「とてつもないバトル」だったそうです。

着工して、
外装の色決めです。私の提案に「ビックリ」したようです。
とっぴな提案と受け取られ、とても素直に了解が取れそうもありません。それでも中央突破を狙って、「部分的に外装材の試験貼」を強行しました。
結構「博打」だったのですが、功を奏し了解が取れただけではなく、「以後、稟議の必要なし(事後報告だけで良い)」とのお墨付きが出ました。私の色彩感覚についていけないが、「結果は信用できる」と言う評価が出たようです。
以降は独壇場でした。

竣工間際、思わぬクレームが出ました。
当時、SS石油では全国で11ヶ所の独身寮を同時に更新していました。他の施設と比べ「豪華すぎる」との批判です。横並びに神経を使う企業ならではの批判でしょう。
これには四日市の担当者も慌てました。
そこで、全国の施設について比較検討が行われました。総工費や坪単価等を組合わせ、順序が付けられました。その結果、11物件中2番目にローコストであることが解りました。結局この騒動で「コストパフォーマンスの良さ」が証明されました。

竣工式当日、
労組委員長直々の出迎えで、式典会場最上段に案内されました。かって、激しいバトルを繰り広げたことなど嘘のようです。上キゲンで「私に出来ることなら何でも言って下さい」と…

時は過ぎ、夏真っ盛り。
4人の男が「箱根へ行こう」と言うことになった。例によって突然の気まぐれである。
箱根の強羅にはSS石油の保養所がある。電話を入れて「1週間後に利用できないでしょうか…」
強羅は最も人気のある所だそうで、1ヶ月前に利用申し込みを締め切り「抽選」で決めるそうである。私の不明をお詫びして電話を切った。

1時間もしない内に「SS石油」から電話が入り、「保養所が取れた」と言う。要領を得ぬままに箱根へ出かけて謎が解けた。私たちはVIP専用の施設に案内されたのです。
保養所は労組の管理下にある。私の希望が委員長に伝わり、「鶴の一声で」VIP施設が開放されたのであろう、それしか考え様がない。
大企業の労組委員長が持つ「権力大きさ」を見せ付けられた思いであった。よくこんな人と「恐れ気もなく」バトルをしたものだ。箱根の山は「天下の険」でした。
990808(日)「歳を取る」と言うこと
元気が取得の家内が、今年になって救急車のお世話になるようになった。昨夜も、台所の片づけをしている最中に「しんどい」と言って倒れてしまった。顔面は真っ青、体は冷え切っているのにまるで水をかぶったように冷や汗をかいている。
急いで119番に通報、住所氏名年齢電話番号に症状を伝える。
安易に救急車を利用する人が多いせいか、簡単には出動してくれない。転倒して頭に怪我をしたときもそうであったが、こちらが「もう結構です」と言うのを待っているかのように質問攻めにしてくる。「内臓疾患からくる症状の可能性は無いか?」と言った専門的な質問に、流石に我慢が出来なくて「私は医者ではありません。そのように質問されても答えようがありません」と……

やっと出動してくれることになり、救急車が到着する頃には、症状が落ち着いてくるから皮肉なものだ。
行き付けの病院は「手一杯」と言うことで診察拒否されてしまった。違う病院でも良いかと聞かれたが選択余地があるわけではない。
ストレッチャーに寝かされて暫く待つ。やっとドクターのお出ましである。一目見て「緊急ではない」と判断されたのであろう。現にその頃は結構症状が落ち着いている。2.3の問診だけで、触診することも無く「栄養剤の点滴」を指示して消えた。
「大げさな」と言われているかのような周りの雰囲気に、あのときは「死ぬかもしれないと恐怖が走った」と、家内は言う。患者(老後の入口)の心理とはそう言うものであろうと思う。
夫婦共々これから「世間のお世話になって」生きていく年齢を迎えようとしている。若者の感覚で「年寄りの恐怖」を理解することは困難かもしれない。そのことを「ケシカラン」と叫べば誰も相手にしてくれないだろう。「すがる」と言う言葉の意味を身を持って体験する時期を迎えようとしている。

道しるべ、家内は私より4歳早く老後の入口を迎える…
点滴を終え、駅まで歩く。
のどが乾いたと言う家内に缶ジュースを買い求め、手をつないでタクシー乗り場に
「10代のデートみたい」家内の言葉に、私の高笑いが夜中の空に響いた。
990809(月)応援団
夏の高校野球が行われている。東高西低で西日本勢の敗退が相次いでいる。現金なもので、大阪代表が敗退すると急速に関心が薄らいでいく。今年も1回戦で終わった。
遠い夏の思い出を一つ……
私の通った工業高校はバンカラな気風の割には「応援団も無い」と言う変わった高校であった。甲子園の予選が始まると急いで応援団が結成される。各体育会系のクラブから人員が出され、予選に勝ちつづける限り継続する。ちなみに、私の3年間で地区予選準優勝が最高であった。
文科系のクラブに属していたのもかかわらず私は3年間応援団に駆出された。
私の役目はただ一つ「ヤジ」である。応援団は球場の対角線上に陣取る。マイクもなしにあの距離を「明瞭な声でヤジれる声量の持ち主」は貴重な存在であった。ただそれだけの理由での参加である。試合が終わると私は相手チームの『怨嗟の的』で、帰りはいつも厳重なボディーガード付であった。
990810(火)Matuさん
忙しいはずの盆休みが一転して暇になりそうだ。何もかもストップが掛かった状態となった。かと言って締切りが変わるわけではない。ひたすら最後がシンドクなるに過ぎない。
Matuさんは20代後半の青年。母校は甲府工校で先般、大阪大表(北陽高校)を破ったニックキ相手である。
今年の一級建築士の一次試験、自己採点で「合格間違いなし」だそうである。後は二次試験をパスして目標の「一級建築士」に是非なって欲しいものだ。
「仮」の付いたホームページで、明瞭に抱負を語る青年である。小さく纏まった青年の多い中で、こんなにきちんと希望を語る青年が私は大好きである。
オフ会の写真を見たが、大変盛況な集まりで楽しさが画面に表れている。「先輩」の表現が多用されているところから、年代的にも多様な層で出来ているように感じた。
先般、ある方と話していたら、「若い人は同年代しか付合わない」と言う意見が出た。私もそれを感じます。それって、経験の巾を狭めてしまい「良いこと」とは思えないのです。だから、幅広い付き合い「大賛成」です。

Matuさんから「自己紹介」のメッセージを頂きました。ホーム
ページのリンク欄の紹介文をさっそく差し替えます。後は一日も早く「仮」が取れるように
990812(木)都市景観と緑地
私の仕事がデッドロックに乗り上げています。それは緑地の考え方をめぐり「大阪市と異なる見解」を持っているためです。我田引水することなく紹介してみたいと思います。

都市景観における『緑地』の意義は大変大きいと思います。
大阪市は20年以上も前から「建物に緑を」と言う標語を掲げる自治体で、早くから景観や緑地に関心を持った自治体であろうと思います。
大阪市では500u以上の敷地を有する場合は敷地面積に対し「3%の緑地の整備」を義務付けています。更に、制度融資(自治体が助成ないし斡旋する融資)を利用する場合は、緑地率6%に強化されます。
優良な環境を有する建物に誘導するため『制度融資』を行うわけで、「金も出すけど口も出す」と言うことです。だから、6%に強化されることに異論はありません。
当然、 6%の緑地は「何処で取っても良い」わけではなく、「内規」でその確保方法が数値として定められています。
以下、暫く私の想像を述べます。
優良な環境を有する建物に誘導するため、都市景観形成に良好な緑地/誰でもが楽しめる緑地…と言った基本理念があったと思うのです。その裏付けとして「内規の数値」が在ったはずです。
予期せぬ出来事に触れたとき「基本理念」と照らし合わせれば良いものを、数値と照合したため、いつしか基本理念が忘れ去られ「数値が一人歩き」し始めました。
数値と照合するほうが簡単であるし、責任を追求されることもありません。 しかし、一人歩きを始めた数値が「基本理念を攻撃し」始めたのです。

以下、街角に取材した風景から検証してみます。 それに先立ち、内規の数値を紹介しておきます。
 1.道路に面して3%以上の緑地を確保すること
 2.緑地とは「1m角が内接できる」以上の大きさを有すること
  (1m以下は緑地として認めない)
 3.バルコニーや庇下は、緑地として認めない
  (落下物防止ネット等の透過性あるものも含む)
 4.縁石は緑地面積から除外する
これらは明文化されておらず、「全て口頭で指導」されます。なお「緑地とは」の解釈は非常に狭義に行われています。


 検証1(写真左上)
今も昔も庭作りは「樹木と水と岩」です。
左写真の「憩いの緑地」は大阪市の内規で、どのように評価されるのでしょうか?
内規で、植物以外の存在を認めているとは思えません。
おそらく、水辺(石を含む)は全て除外されると思います。 
 検証2(写真左中)
塀を覆う「緑地」この「壁面緑地」は、大阪市の内規には在りません。しかし、足元の面積が「奥行き1m未満」で、緑地認定されることはありません。
この塀は、北側にあり一年中「日が当たる」ことはありません。しかし、品種改良が進み、軒下でも緑地化は可能です。
 
検証3(写真左下)
検証2同様に、緑地認定されることはありませんが、
私には「立派な緑地」に見えます。
いまや、壁面緑地は「都市景観の主役」になっていると思うのですが…

縁石は御影石を使い「座ることもできる」よう工夫されています。緑地と一体化し、都市景観に寄与していると思うのですが、内規で除外される存在です。
 
検証4(写真右)
バルコニー下が仮に100mあっても、緑地認定されません。
落下物防止用ネットのように「透過性のもの」でも、下部の緑地を認めていません。
かたくなに拒否することで、大変なマイナスを生じるように思います。
例えば、関わりを拒否するため、瓦礫置き場にされても「文句は言えない」立場に自らを追い込んでいます。
植物の品種改良が進み、これらの条件下でも「緑地化」が可能です。まことに植物環境にそぐわなければ、上記写真に見るように「水の壁や噴水」で都市景観に寄与することが出来ます。

以上紹介してきた事例は、大阪市が「緑地ではない」としているものです。「数値が都市景観を攻撃している」とは思われませんか?
これらは、幅広く「緑地」を捉えれば「都市景観への寄与」が多いものです。
これらのアイデアは、評価されないどころか、緑地から削除さえされ「自らの首を絞める」行為に繋がります。
私は、大変悲しいことだと思っています。
 
検証5
大阪市がまったく想定していない緑地です。
私は「空中緑地」と名付けています。
古くは「藤棚」最近では、蔦のトンネルやバラのトンネルとして活用されています。
この提案に対して大阪市からどのような回答が得られるでしょうか?立派な緑地に見えるのですが…

このホームページを読まれた方にお願いします。是非感想ご意見を聞かせてください。
蛇足ですが、
進行中の物件は、今日ご紹介した「幅広い見解」で道路面に6%の緑地を確保しています。しかし、大阪市の内規(何故、明文化し公表しないのでしょうか?)によれば2%に過ぎません 。
お盆明けに大阪市と最終の会議を持ちます、改めて報告します。
990814(土)緑地について
大阪市で『評価されない緑地』を紹介しました。
HPに掲載(990812都市景観と緑地)し、その批判を(ほとんど強制的に)求めました。
その結果、目一杯「我田引水」をしても、私の意見は少数派であることがわかりました。
大変参考になるご意見が多く、了解が得られた方のご意見をご紹介しながら纏めてみたいと思います。

 HN氏(建築士:石川県在住)
法律や条令・内規は基本理念が忘れ去られるというのはよくある話です。
しかし、その基本理念を後から想像する限り本質は造った人でないと解らないと思います。

大阪だけでなく、都市部には緑化規定があります。
関東では芝生のポイントは低く高木などのポイントは高く算定されます。
これは、高松氏が仰る憩いの空間を造る事だけが目的ではなく都市部への酸素補給や空気浄化のポイントを盛り込んでいる意味もあるそうです。(これは私が直接聞いたのではないので、真偽はわからん)
また、地覆類などは冬季間、緑化という観点からすると面積ゼロと同じですから・・・。

では、常緑でないとダメかというと、それは可笑しいとも思いますが・・・。

緑化はある程度の面積がないとゴミためになるので1m角以上というのは当然でまだ小さすぎるくらいでしょう。これは木を一本植える最低限をいう意味でしょうね。
芝生などの地覆類では意味を持たない数字ですので、多分もう少し条件が付くはずです。
壁面緑化については、規制が現実に付いていっていないらしいので修正して貰うしかないですね。
バルコニーなどの下は緑地として認めないについては、植物は直接水がかからなくても生きられますが、都市部では特に埃などや植物自身の出す蝋分を洗い流すことができず衰弱します。自宅の観葉植物などでは、葉を拭いてやることができますが、外構でそんなことはできない。
透過性のある材料については、開口率がどれくらいまでならいいかというのは算定しにくいし、それをよしとしても基準法を見ている限りすぐ床にしてしまう人たちの多いことに信用できない。
(これは建築士たちや施主が自分で法律を守っていれば避けられたかも知れない)
それで、それも認めない。
縁石を除外するに付いては、幅広いものを縁石だと言って逃げる人が出てくるに決まっている。これも上記と同じで、法律を守らない人を嫌ほど観てきた行政の考え方とすれば当然だと思われます。

これらの規定は気持ちのいい空間を造ることに加えて他の意味も含まれていると私は理解しています。ですから全て可笑しいとは思っていません。
ですから、水の壁などの空間は方向が違うので同じ土俵にのせるのはどうかと思いますが、空気浄化という点で少しのポイントをあげてもいいかとは思います。
しかし、水を使っているところでは、水の流れを止めることはよくある話ですので、ポイントは少ないはずです。
空中緑地にしても、冬季間の葉は殆ど落ちますから、芝生と同じでポイントは低いでしょうね。

 TS氏(某学園中等部校長:愛知県在住)
7月下旬に、夫婦で北京に行ってきました。
雄大で、悠久な歴史の国に、暑さも忘れ楽しんできました。

さて、都市景観と緑地読ませてもらいました。
私たちの考えでいけば、都市に占める緑が少しでも多くなって欲しいと思います。勿論、土地の経済効果を考えれば、限りなく多くとはいかないでしょう。
以前バンクーバーの園芸業を営む人と、現地で食事を一緒にする機会がありました。バンクーバーでは、新築の折必ず新しく木を植えることが義務付けられており、税制の上でも緑地保護が図られているという話でした。
緑地率何%とかいう法律があるかどうかは、分かりませんが。多くの都市で、緑を積極的に取り込む施策が行われているようです。緑、緑地といっても、その質がどうかというのは考えなければならないでしょう。
条例で数%決めても、その緑がどのような物か私どもには大いに関心があります。
景観に緑が必要というのは、都市のアメニティー、環境にどのような意味を持つかというこっとでしょうから。アメニティーは人によりその感じ方が異なるのですから、緑の意味も見解がいろいろあっても仕方ないことと思います。
壁面がつたなどに覆われた緑、プランターの緑、庭園の水辺、それらが都市景観に果たす好ましい影響は否定できないでしょう。

私たちが、緑を考えるとき、森や林、そういったものが頭に浮かびます。
そんなのは公の公園とか、神社とか、お寺ぐらいで、都市の中で個人や企業が負担しきれるものではない、というう声、理解できますが。
バンクーバーではやはり樹木でした。できれば、樹木を伴った、立体的な、ボリュームのある緑、であって欲しいと思います。立体的なボリュームのある緑には、小さな生態系を作る可能性があり、そういう拠点が、街の中にいくつもあれば、サバナのよに疎ではあるが、林や森の役割を果たすのではと、考えています。

多くの人の好ましいと思う景観について、私たちの研究会で調査したことがあります。
私たちは水辺、ためいけに関心を持っているグループですので、「好ましいい水辺の景観」調査ですが、直線より曲線、平面より立体的な、景観を好む傾向があることが分かりました。
そして緑と水辺に対する飢餓感が、都市住民に非常に強いことが分かりました。特に水に対する飢餓感は強く、水辺と緑をうまく配置した都市作りが、重要だと思いました。

私の書いている内容が、的外れな意見になっているかもしれませんが、でも、行政というのは法律には従順ですが、自然の仕組みなどには無関心というか、無知な人が多いです。
そういう意味で言えば、建築の専門的なことが、真に分かることは少ないのかもしれません。開発に伴う、アセスの時に、何度も経験しました。
長くなりそうですので、この辺で、ペンを置きます。貴兄のご活躍たいへんうれしくおもっています。

 MN氏(某放送局ディレクター:京都在住)
論考、拝見しました。問題のケースがどういうものかはわかりませんが、高松さんのおっしゃるように、本末転倒の議論がなされているようですね。
明文化されていない内規というのは、バブル処理の失策で信用をなくした大蔵省が、法律などに明文化されていないものは基本的になんでもできると、姿勢を180度転換したいま、まったく時代錯誤の殿様行政ではないかと思います。今度の折衝で良い結果がでるよう、願っております。

お三方の意見を紹介しました。
それぞれまったく異なる切り口(ご紹介しなかった方々の意見も含めて)であることが分かります。それは職業や社会への取組み、更に住んでいらっしゃる環境で変わるかもしれません。

私の「緑地の是非を問う」試みに、賛同を期
待していたのですが、このように想像もしていなかった視点から切り込まれたり、盲点をつかれて「うろ」がきています。ただ、私自身が「軽く考えていた」きらいがあり、緑地に関する関心の高さに脱帽しています。
この問題がどのような決着を見るか定かではありませんが、ささやかな企てで最大の収穫がありました。それは、「緑地は分類して考えるべき」と言うことでした。

ご意見を読みながら、「都市景観形成に寄与する緑地」と「環境を守る緑地」があり、実はまるで性格が違うのではないかと気付いたのです。これを区分して考えないと間違ってしまうと言うことでした。
意義の異なる緑地があることを最初から気付いていれば「景観に寄与する緑地について…」と題してご意見を求めることが出来たかもしれません。しかし、混沌が『良い機会』を与えてくれました。以下、検証してみます。
 
検証1「景観寄与型緑地」
「道路から見える緑地」こんな条件が真っ先につきそうです。
「景観形成に有効か?」を判断基準とします。
「緑地とは…」の定義を広く捉える必要があるでしょう。
・ 都市にはアメニティーが必要です。だから樹木だけではなく、ベンチや噴水と言った演出もポイントとして捉える必要があるでしょう。軒下を除外する必要はないように思います、むしろ「空間の続き」として活用を促したいところです。
・ 壁面緑地や空中緑地に評価も必要でしょう。ただ、品種改良も進み「日影で育ち常緑の地覆類や蔦類」もできたので、「目に見える緑」の義務付けも必要でしょう。
 
検証2「環境寄与型緑地」
「環境に有効か?」を判断基準とします。
・ 保水力や酸素供給も考慮に入れ、屋上緑地も有効とカウントする。軒下緑地の排除
・ 場所の限定はしないが、「量の確保」を義務付ける。
「緑地とは…」の定義を狭義に捉える必要があるでしょう。
 
検証3「緑地集積の評価」
・ 樹木の大きさで「評価を変えている」自治体が多くあります。これを更に発展させて
・ 緑地面積の集積度を高めると「ポイント加算」と言う風に評価を高めればどうでしょうか!大きな緑地が有効なことに異論の在る方はいないでしょう。
「管理形態の見なおし」
・ 近畿ではかって、「緑地を行政に寄贈」させる自治体が多かったのですが、震災後一転して「100%自主管理」を要求するようになりました。(行政の振れが大きすぎる)大規模な緑地に「維持費の一部を助成」してはどうでしょうか
 
検証4「ポイント制の導入」
・ 本来、景観は市民が作り上げる(ヨーロッパではコンセンサスがある)ものですが、我が国では行政主導となるでしょう。
・ そのため「緑地を整備すればポイントに応じて特典がもらえる」と言ったボーナス制度として運用されるでしょう。
・ 公正な運用のために、広く知識を集め、細かく「ポイント制度」を定める必要があるでしょう。出来れば写真等を多く取り入れ、ポイントとの関係を明瞭にします。
・ ポイントに不服があれば申し立てが出来る審査会制度の整備も必要でしょう。
 
検証5「法整備」
・ 内規や指導と言った不透明なものを避け、少なくとも条例のレベルには持っていきたいですね。本気で都市景観を考えるなら、強固な指導力が必要です、行政訴訟法に耐えられない現行の制度は改めるべきでしょう。
・ 何故こんなことを言うかと言えば、罰則が絶対必要だと思うのです。残念ながら、性善説には散々裏切られてきました。罰則の無い理念は少なくとも大阪では「絵に描いた餅」です。(警備保障のセコムが立派な研究所を持っています。その研究リポートによれば「犯罪は引き合わない」と認識させることが、最大の犯罪防止に繋がるそうです)
・ 緑地を作るだけではなく、管理運営の遂行も義務付けるでしょう。だから罰則は不可欠です。ボーナス制度で融資をしているならば、「融資引揚げ」を罰則に盛るのも有効でしょうね。

以上で終わります。
私の独断ではなく、頂いた意見を網羅したものです。皆さん「スゴイ」ですね。
こんなマイナーなホームページで、これだけ意見が揃うのです。行政はもっと我々の意見を活用して欲しいものです。更なるご意見をお待ちしています。
990815(日)始めてのオフ会
昨夜、デジカメ写真館の岡本さんとオフ会をしました。
バーチャル・リアリティーとはこのことでしょうか。始めてお会いしたはずなのに、随分以前から知り合いだったような錯覚に陥りました。
秘密のベールを脱いだ岡本さん(写真左)はご覧のように男性でした。年齢は1歳違い(学年は2年違い)で、私のほうが先輩でした。でも、髪の量は『雲泥の差』です。

某重電気メーカーの豊橋工場で経理業務をなさっており、いま「サーバーの責任者」だそうです。
大変お酒が強く、20〜30代で日本アルプスを総なめした「山男」です。高校大学と「グリー」だっただけに素晴らしい咽を披露していただきました。楽しいひとときでした。
990815(日)終戦記念日
終戦記念日。でも、本当は「敗戦記念日」です。私はまだ生まれていなかったけれど、あの時代に生まれてみたい気持ちも少しあります。戦争と言う不幸はあったけれど「国や民族に誇り」を持っていた…
 
携帯電話
携帯電話(PHSを含む)が固定電話の台数に迫る勢いで、追い越すのも時間の問題だそうです。一世を風靡した「テレカ」はどうなるのでしょうか?ヒーローは続かない…
 

雷雲が発達した日、盛んに空が光っている。雷を撮ろうとベランダに出たけれど、写るわけがない…
 
増水した川で
集中豪雨で増水した川の中州で、退避勧告を無視してキャンプをしていた家族が濁流に呑込まれ、13人が行方不明になっている。自然に触れ、自然を楽しんでいたはずの彼らは「危険を察知できない」ほど自然を知らなかった…

自然を「無条件で賛美」し、危険と背中合せであることを教えていない。「自然は素晴らしい、だから濁流なんかある筈が無い」そんな信仰はなかったですか?自然は「あらぶる神」なのです。
伊勢湾台風と言う自然で「6千人の命」が消えていった。私もその中に入っておかしくない状況であった。私の中に「自然は恐い」と言う信号がある。退避勧告を無視して消えた人に同情はしない。
990816(月)「オジン」らしく
何ともしまらない盆休みの終わりです。
最年少のメールフレンドは中学3年のANさん。メールから豊かな感性が伝わってくる「かわいい子(会ったことはないけれど、きっとそうだと思います)」です。
近頃、ホームページを作ったとの情報を得て、覗いてみました。
コンピュータを手にして、まだ数ヶ月の筈なのに、水を得た魚のように使いこなしています。HPも、既成のソフトを使わず「フリーウエア」から転用や雑誌で独学してと言った情報で見事に作り上げています。
「エリーゼのために」がながれ、映像在り、即答のページありで「最新の手法が全て」盛り込まれています。是非アクセスしてみてください。
「お伽の館」URL: http://www3.freeweb.ne.jp/misc/kinopio/

オフ会でこの話になりました。内容は?と尋ねられ、チョット困ったのです。本当言うと「よく分からない」のです。ヤングジェネレーションについて行けないのです。若い人に「違う文化」が発展しているようです。
振返って、我らのホームページはどうであろう…
岡本さんの「デジカメ写真館」は写真ばかり、私は「文字ばかり」になります。ANさんのような多彩な技術はかけらもありません。でも、「かえって個性的かもしれない」と、オジン2人で慰めあいました。そうです、「オジン」らしく………
990817(火)個人の利益・公共の正義
大阪人は自由闊達だが「個人の利益:公共の正義」のバランスがひどく悪い。早い話が「自分勝手」と言える。
交通事情を見ればよく分かる。以前、九州から転勤で大阪に出てきた人が、めまぐるしく車線変更や割込みを繰り返す大阪のドライバーに恐れをなして、JAFに助けを求めたと言う信じられない本当の話がある。

駐車場問題もそうである。不法駐車で全国に勇名を馳せているそうであるが、決して駐車場が不足しているわけではない。道路下を駐車場とする事業が継続して行われ、整備されているが結構「ガラガラ」が実情である。理由は簡単で
 1.最寄の駐車場に車を止めて目的地まで歩くのは損
 2.駐車場に入れるのはお金がもったいない。
こんな理由による、駐車違反でつかまれば「罰金に減点」と考えるのは少数派で、多くは「運が悪かった」と考える。
お分かりのように「個人利益」はなにより優先されるが、不法駐車で交通渋滞等と公共のことを考えることは無い。大阪は、幹線道路を一方通行にした自治体であるが、6車線中「流れているのは2車線」などと言ったことも珍しくない。
 
今日、緑地(990812/990814参照)を巡って最後の会議が開かれる。
行政は、法整備することなく「指導や内規」で安易に運用しようとする。指導や内規に罰則が在るはずも無い、もっと言えば「検査権限もない」から、竣工検査もない。ウンザリするほどの書類審査と対称的に、まったく「尻切れとんぼ」である。
罰則のあること(駐車場問題)でもこの程度なのだから、罰則の無いことは「守る必要の無い約束」と捉える人が多い。行政の側から見れば『裏切られた歴史』で民間の約束を信用しない。どちらが卵でどちらが鶏か分からない話である。

こんなことで、約束を守るのは「極少数派」となる。我々が熱意を持って交渉に当たるのは「約束を守るため」であるが、経験則で言えば「信用できない」のだろう。
990818(水)妖怪「内規」
今週の運勢は最悪、運勢そのままに推移しています。昨夜は『自棄酒』でした。
昨日の「緑地」の会議を報告します。
あれは会議の言えるのか?疑問に思っています。せめてもの慰めは、資料説明の機会を与えられたことでしょうか。
990812「都市景観と緑地」の資料説明が終わったとたん、
 1.「貴方と景観論争をする気は無い」と切り捨てられました。
 2.税金を運用して融資が行われおり、優良な建物に誘導する必要がある
  内規はその最低 の基準である。何ら話し合う必要は無い。
 3.水辺、壁面緑地や空中緑地は「やりたければ自主緑地で勝手にやってくれ」
後は、融資を人質に取られレイプされた心境である。シンガポール陥落のパーシバル将軍のように「YESかNOか」を迫られたに過ぎない。

「税金を運用して融資が行われおり、優良な建物に誘導する必要がある」と言う意見に何ら異論は無い。そうあるべきと思っている。
この4月に内規が強化され緑地面積が倍増したことから計画が狂ってしまった。そのため、この会議が催されている。いったんは「考慮しよう」と言う雰囲気となり、この日の全体会議となった。参加者は双方合わせて10名。主事から担当者まで出席する会議であった。それだけに「急転直下の問答無用裁定」は驚きであった。
「税金を運用しての融資」が、内規で運用されていることに疑問は無いようだ。それも「法律より柔軟性が無く」かつ「闇に閉ざされた」内規である。
必ず「資料を持って相談に来るように」と言われる。資料を作っていくと、初めて「この部分は内規で禁止しています」と口頭指導される。せめて、指導要綱のように明文化して、誰もが手にすることができるように公開できないのであろうか。なぜ、内規を秘密にして運用する必要があるのであろう?
この日も新たに二つの内規が披露された。新たな内規が顔を出すたびに締め付けが厳しくなる。明文化された指導要綱ですら「交渉の余地がある」のに、問答無用・反論不可の内規である。従わなければ融資は得られない、まるで「お役人様のポケットマネー」を貸してくださいとお願いしているような錯覚にとらわれる。

戦い済んで、惨敗に打ちのめされながら「まだ内規があるかもしれない」と、恐怖が口をついた。本当にそんな内規があるのか我々は確かめようがなく、水戸黄門の印籠より始末が悪い。これに対抗するには『行政訴訟法』による公開質問しかないのであろうが、建物竣工後も行政と長い付き合いが必要なクライアントは「決定的な争い」を好まない。破防法同様、決して抜くことの無い「伝家の宝刀」である。妖怪『内規』に恐いものなしである。

追記:990818夜(仮名等クソ食らえ)
今日一日、戦後処理で忙殺された。屈辱の昨日で唯一の収穫は、これまで門前払いされていた内規によるチェックがOKされ、図面を受け取ってもらえたことだ。

担当の窓口は「大阪市住宅供給公社」で、ここで了解されたことが大阪市の住宅助成課で決済される。大阪市供給公社の主な業務は、下記の2本柱である。
 1.特優賃(特別優良賃貸住宅)=家賃助成制度
 (ドーナツ化現象で減少した人口を呼び戻すための施策)
 2.優賃(優良賃貸住宅)=建設資金融資制度
二つの業務は、共通の冊子(公開された基準)で運用されており、申請の手順は特優賃をクリアして、優賃の審査に移る。また、大阪市供給公社は「指定法人」の制度を有しており、手続きの一部をこの指定法人に委ねている。

先般から紹介しているモメゴトは、特優賃をクリアし、優賃に移行した段階で起きている。また、竣工後の運用を「長谷工ライブネット(指定法人最大手)」に委ねており、常に長谷工ライブネットと相談して進行してきた。つまり、独断専行の結果この衝突が起きたわけではない。ちなみに、緑地の問題も特優賃レベルでは了解が取れていたことである。
では、何故このようなことになったか?公開されている基準は同じでも「内規」がまったく異なることに起因している。

昨日の答えが出た。その結果、内規と照合して12項目を指摘された。そのうち2つを紹介しよう。
特優賃で、柱型を室内に出すより、ベランダに出すほうが「住環境が良くなる」と指導を受けた。我々もまったく同意見であった。そのため、柱をベランダに出す「アウトポール方式」で計画を進めた。
ところが、優賃の内規で「ベランダの面積を定めている(特優賃ではない)」そうである。で、アウトポールは、この面積から除外すると通告された。その結果、住環境に良いことをすると「我が首を絞める」ことになり、専有面積を削減しベランダを広げる必要が出てきた。何とも割り切れない話ではないか!
次に、出入口の最小幅が決められている(特優賃ではない)そうである。
台所や、脱衣室の出入口幅は75cm以上と言う。長谷工ライブネットが管理委託されている住戸数は3万戸以上だそうであるが「標準幅70cm」で作られていると言う。
「何故75cm必要なのか」内規で説明は無い。
更に、この「何故」を質問することを許されていない。「論争する気は無い」の一言で打ち切られ、YESかNOかを迫られるだけである。
台所や脱衣室は使い勝手から引戸が安全である。そのため、幅が5cm増えると引込みスペースを含めて倍の10cmの影響が出る。その分居住の部屋にしわ寄せが行く。
「何故、75cmなのか?」意味が分からない。車椅子で使用するためなら80cmは必要である。クライアントと話したが、「車椅子で利用できるように最小の出入口幅は80cm以上必要」と言われたほうが「よっぽど納得がいく」と言うものであった。
指定法人の長谷工ライブネットもこの繰り出される内規はご存知なかったようだ。また、特優賃と優賃を審査する人物が一部重複していることが、更に我々をやり切れなくしている。役人とは「民間をいたぶることに生きがいを感じる」人種であろうか?
約2ヶ月間の出戻りとなるが、計画を徹底的に見直すことが「影響を吸収する最良の方法」である。今までの計画に拘ると影響が大きすぎることをクライアントに報告し、了承を得た。苦渋の選択であったが、明日から出直しである。

この一連の出来事はこれで終わりたい。立秋も過ぎ、耳を済ませば「秋の虫の音」が聞こえる。私はささくれ立った心を癒したい…
990819(木)雑記帳
昨夜は胸が息苦しくほとんど眠れなかった。
8月に入って、いやな出来事が押し寄せてきており、私の神経を逆撫でしている。これが持病(狭心症)に最も良くない。
朝から病院に行き診察を受けてきました。大変混んでいて、会計を済ましたら昼を過ぎていました。事務所に「欠席」の連絡をいれ、今日は休みます。心穏やかに…

第一勧銀・富士銀・興銀の3行が「金融持ち株会社」を作り、経営の統合をすると言う。いわば金融の「スクラップ&ビルド」である。小口・大口・為替・証券等の専門銀行に生まれ変わると言う。

プロ野球セントラルも、残り30試合。我が「中日ドラゴンズ」は首位を独走し、巨人ファンの「身勝手な予測」を裏切りつづけている。この3連戦、既に中日が2連勝。3戦目は2位巨人が「5−0」とリードしたが、中日が追いついて延長戦となっている。
仕事をしながらラジオを聞いていたら結局延長12回、中日がサヨナラ勝ちとなりました。巨人ファンよゴメンナサイ
昨年、中日は首位横浜との直接対決で常に負け越していた。これが祟りついにトップになれなかった。
最近の「中日-巨人」戦は8−1で中日が圧勝している。直接対決で負けないことが、優勝への道であろう。11年ぶりの優勝をこよなく願っている。
990820(金)男の更年期
以前、何かの本で読んで、男にも更年期があることを紹介したことがある。記憶によれば「不定愁訴・不眠症・腰痛・肩こり」と言ったものだったように思う。
最近の私はこれにぴったりではないか?さては更年期か!
不定愁訴まで行くかどうか?仕事上のことで結構イライラしている。不眠症と言うほどでないが、夜中に目が開いて考え込んでしまうことがある。腰痛肩こりは、今や持病と化しつつある。

今日は朝からひどい腰痛で、通勤電車で立っているのが苦痛であった。
帰りは久しぶりに「歯の治療」に。医薬用歯磨き(これでないと歯茎がすぐ腫れる)硬い歯ブラシ(汚れがよく取れる)化膿止めと言った必需品をしこたま仕入れて来た。歯医者に仕入れに行くのは私くらいであろう。更に自宅までドクターに送ってもらった。
道すがら、こんな話になった。
若い頃は「摂生してまで長生きはしたくない」と嘯いていた。ところが狭心症と分かるとタバコを止めた。更に「深酒は心臓を圧迫する」とドクターに言われ酒量がめっきり減った。タバコを止めて太り出したら「食べものに気を使う」。なんてこった!!
今日もドクターに「歯科大に行って抜歯するように」と言われた。「なんで?」と聞き返したら、「万一に備えて」だそうである。狭心症で「血液をサラサラにする」薬を飲んでいる。抜歯をすれば血が止まらない可能性もあるそうだ。このように「周りから気を遣ってもらい」生活をしだした。とっくに更年期は過ぎ、もう老年期かもしれない
990821(土)瑠璃色の鳥
相変わらず蝉の鳴き声がかしましい。しかし、一頃の勢いは無い。
早朝、地震で起こされた。和歌山北部を震源とし、和歌山や奈良が震度5(−)で、大阪は震度3であった。ただ、私の住んでいるのは大阪南部で、地理的には和歌山北部に近い。阪神淡路大震災以降、地震の感覚的規模は同地震を基準にしている。今朝の地震も結構大きかったが、縦揺れは無く、家具や食器の壊れる音は無かった。

私の住んでいる付近は自然がいっぱいである。少し歩けば様々な野鳥に出会える。日本も平和になり、彼女達を脅かさないので実にのんびり構えている。
近所迷惑になりそうで止めてしまったが、ベランダに餌を撒いておくと雀がやって来る。たまに餌を忘れるとガラスを突っついて請求するようになった。窓をあけておけば家の中まで入ってくる、まるで恐いものなしである。道端でも雀が逃げることも無い。
山鳩は手の届くような梢に巣を作り、ヒヨドリもブッシュに巣を作っている。どうも人間に巣を荒らされるという観念が無いらしい。新池では、各種の鴨が巣を営む。カルガモ親子の行進は楽しいものがある。

出勤のとき何気なく通りすぎ慌てて引き返した。新池の棒杭の上に「鮮やかな瑠璃色をした野鳥」が止まり獲物を狙っている。あれは写真でしか見たことの無い『かわせみ』ではないだろうか?こんな日に限ってカメラを持っていない。大変残念であった。
990822(日)個人と大銀行
報道から、何の関連も無い話題を二つ。
タイム誌が「アジアで20世紀に最も影響を与えた20人」を選んだそうである。
毛沢東(中国)・ガンジー(インド)・スハルト(インドネシア)・盛田(ソニー)らの著名人に混じって、西宮在住の井上さんが選ばれた。
井上さんは従業人2名の社長さんで、現役で選ばれた数少ない一人である。ちなみに「場違いだから」と辞退したそうであるが、タイム誌に押し切られた。
「毛沢東は昼の歴史を作り、井上は夜の歴史を作った」これがタイム誌の紹介の弁である。今や、アメリカの大辞典にもKARAOKEは掲載され世界の共通語となっている。井上さんは、28年前「カラオケ」を発明した人である。しかし、「特許は申請しなかった」そうだ。

第一勧銀・富士銀・興銀の事実上の合併宣言は日本では大きく扱われたが、海外では「それがどうした」と、冷ややかな反応だそうだ。総資産114兆円の世界最大銀行の誕生であるが、「大きいことは良いことだ」は、遠い昔の出来事と言う分けだ。
たしかに「利益率で判断」するのが世界標準で、規模での判断は評価を間違う要素に違いない。ただ「白人社会だけに通用する基準」ではなく、タイム誌が井上氏を選んだように「アジアにどんな影響を与えたか」と言った「地域限定の基準」で見る必要があるように思う。

3行提携の第一報に触れたとき、私は「企業に大変革が起きる」と叫んだ。
アメリカのように銀行での資金調達割合が低ければ「冷ややかな反応」もうなずけるが、我が国では70%を銀行からの資金調達に頼っている。このことは、わが国の特殊事情である「銀行系列」を作り上げる理由になっている。
経済機構が激変期を迎えて、産業界も変革を目指しているとき「銀行系列が違う」ことがネックとなっている部分が多い。銀行がまとまるとこの制約が外れる、私が「企業に大変革が起きる」と叫んだのはこのことによる。
今朝、某番組に出演なさっていた秩父セメントの諸井相談役が、「セメント業界のメインバンクは全てこの3行に入っています」と。系列の縛りが無くなり、業界再編が劇的に進むことを示唆されていた。様々な分野で同様なことが起こりそうに思う。世界の常識だけで見ていると「時には間違う」こともあるかもしれない。
990823(月)スカートの風
日本で活躍する韓国人で、呉 善花さんのデビュー作「スカートの風」を昨日読みました。
既に何作かは読んでいるのですが、迂闊なことにデビュー作が後になってしまいました。順序は逆になりましたが、結果は「良かったのでは」と思っています。平成2年に出版されたデビュー作に、作者の思いの丈が濃厚に出ていると感じました。
来日直後に感じた日本と、勉学なり日本が好きになった「今」を比べ、日韓の文化や思考の差を、文章も飾らず身近な例を持って見事に浮き彫りにしています。ただ、分かりやすく書かれているだけに「この差を埋めるすべがあるのだろうか?」との思いに駆られます。

女性が強い男に『安住の地』を求めるさまを読みながら、「建前・亭主関白/本音・カカア天下」の我が国から見れば、奴隷的ではないかととも思える男尊女卑(あまりに赤裸々でご紹介しづらい)に驚かされます。
ビジネスの世界でも「権力委譲をしない韓国の企業家」と「権限を委託された日本人ビジネスマン」の商談が不調に終わる様など、余りにスタンスの違いがありすぎてついていけそうもありません。
「あまり日本人的ではありませんが」と断って自己主張する私のような人間も、呉 善花さんから見れば、まだ「典型的な日本人」だそうな。韓国における自己主張や自己を正当化するさまは「疲れる」と言う。
日本語を学ぶ外国人で、もっとも早く言葉を覚えるのが韓国人で、最後まで言葉を理解しないのも韓国人だそうだ。
やはりこの本は読んでいただくのが一番と思います。近くて遠い国「韓国」が良く書かれています。
990824(火)家庭菜園
22才の青年からメールを頂きました。今年の2級建築士試験・製図課題は「家庭菜園のある木造住宅」だそうです。ちょっと興味が湧いたので、触れてみます。

家庭菜園から「土」を連想しますが、そうなると敷地に余裕のある地域に限定されてしまいそうです。そこで、二つに別けて考えてみます。
 1.手法から見る家庭菜園
 2.環境から見る家庭菜園
まず、手法から見てみたいと思います。実は結構身近に家庭菜園があります。私の住んでいるマンションでも、ベランダのプランターでナスやキューリを作っている方がいらっしゃいます。また、技術的に言えば、熱帯魚のように室内で「水耕栽培」も可能です。このように、手法から見ると地域とか土に縛られることは無さそうです。ただ、「土に触れる」と言うメンタルな部分に余り対応できているとは思いません。

次の環境から見てみたいと思います。
お盆の間、緑地に関して数人の方から意見を頂きました(建築あれこれ雑記帳990812〜990818参照)。その結果、緑地(あるいは緑)は、土地景観寄与と環境寄与に別けて考えた方が良いと言う結論を得ました。
環境に寄与する緑地では、景観寄与緑地のように場所を限定されません。むしろ、植物にとって重要な「太陽・水・空気」と言った条件が優先されるのでしょう。植物には「保水力維持や空気清浄効果」「光合成による酸素供給や空気冷却効果」と言った実利的な効用があります。場所を限定せず、太陽に近いことを考慮すれば「屋上緑地」は結構有効ではないかと思います。当然、家庭菜園も「環境に寄与する緑地」と捉えることが出来ます。

お盆の一連のやり取りの中で、
「環境緑地なら、屋上でも良いわけだ」
「食糧の自給率向上を兼ねて、屋上菜園はどうだろう」
「屋上の温室やビニールハウスには、容積(法律で定められた上限規模)緩和を与えてはどうか」
「六本木(東京)だったかに、ビルの屋上に家庭菜園があるそうだ」
「クワをかついで出勤なんてイイネ」
「それそれ…」
こんな風に、緑地から「屋上菜園」の話になってしまいました。
ここでも、家庭菜園は「地面」に縛られる必要な無さそうです。さすがに、木造で屋上に土を入れるのはシンドイと思うけれど、それ以外の構造なら、都心の真ん中でも太陽の下で家庭菜園を楽しめそうです。
工夫一つで家庭菜園は「郊外の専売特許」ではなくなります。皆さんもいかがでしょうか!

試験における「家庭菜園」が、いかような重みを持って登場するのか?想像も出来ませんが、家庭菜園は、必ずしも地面にある必要はなさそうです。住宅は「木造」でも、鉄筋コンクリート造の車庫屋上を家庭菜園に…
990826(木)鎮守の森
人々が「神への恐れ」を抱いていたのはそんな昔話ではない。私の父母は、苔むした岩や古木に、ごく自然に頭を垂れ合掌をしていた。
まだマスメディアが未発達な子供の頃、母から昔話を聞くのがなにより楽しみであった。その多くは「神への恐れ」をテーマにしたものであったが、今となっては伝承のすべも無い。
昔、次男や三男が開墾し「新たな村興し」をする際、神社とお寺を分祀していったという。生と死を司ることが出来なければ、精神的な安らぎを得ることが出来なかったのであろう。
河内の地に住まいを得て30余年になるのに、今まで足元も見ず、行くこともなかった神社がある。時間を作り訪れてみた。


道と高速道路が通り、回りが宅地化したなかに、最小限の鎮守の森に囲まれて萩原天神は建っている。縁起絵巻のような記録は無く「村興しの際、分祀された神社」であろうと思われる。伝記によれば西暦960年「萩原神社として建立」となっているが定かではない。ただ、出土した瓦などから平安時代の建立は間違い無いようだ。また当時、お寺と同居していたと言われる。明治になって廃仏毀釈が起きた際、お寺を分離し萩原天神に変身したようである。ときおり参拝に訪れる方は、地元に住む人々でここが『氏神様』であることが分かる。

社殿はごく最近新築され『向き』が変わってしまった。(写真:上)
今は、駅から参道が始まり、東向きに社殿が建っている。
しかし、古くは南北に参道が通り、ごく普通の神社のように南向きに社殿(古い小さな社殿が保存されている)が建っていた。古い参道は、とても味があり、田園から森を通り細い径が続いている。(写真:下)小さな石の鳥居があり「元丈5年」と読める、いつ頃のものであろうか。

いつまでも鎮守の森と共に続いて欲しい氏神様である。
990827(金)こだわり
奈良県橿原市で進めていたユースホステル建設工事が今月で終わる。
月末に一連の検査を受け、引渡しとなる。ところが土壇場にきて思わぬ齟齬をきたしてしまった。私としては「営業許可」まで取付けて引渡しをしたかったのだが、それが出来なくなった。
営業許可を得るには、建築基準法及び消防法に基づく一連の検査済証と、旅館業法(宿泊)、食品衛生法(食堂)の検査をパスして、営業許可が出される。
旅館業法や食品衛生法の申請には「申請者住所氏名」と「管理責任者住所氏名」が必要である。申請者はいわば経営者で、仮に「アメリカ在住」でも一向に構わない。しかし、管理責任者は「現地責任者」で、遠隔地は有得ない。

クライアントは東京を引き払い、橿原の地でユースホステルを始めるわけで、誰か代理の方に運営を委託するわけではない。だから、クライアント自身が管理責任者となり、住所はユースホステル所在地にすれば何の問題もない。
が、クライアントは現に東京に住んでおり、橿原に引越すのは9月中旬である。だから「そんな不正は出来ない」と、東京の住所を記入された。勿論、事前に窓口となる保健所とも話合い「奈良の住所で良い」と了解を取っており、クライアントにも重々説明申し上げたのだが、ついに聞き入れてもらえなかった。
結局、書類は「門前払い」である。

再度説得を試みたが、やはり駄目で、営業許可は諦めた。奈良県橿原市に引越されてから、クライアント自らに営業許可を得て頂くようお願いした。
全てにファジーな私など「方便」と思うのだが、クライアントには不正となるようだ。いつも私が「融通が利かない」と悪口を言っているお役人様が「凄いこだわりですね」と呆れていた。
990828(日)瑠璃色の鳥2
瑠璃色の鳥が気になって仕方が無い。この1週間で3度目撃している。
今朝も新池にカメラを持ってやってきたら、目の前を瑠璃色の鳥が池に向かってダイブした(写真の池)。とてもじゃないが私の動体視力ではカメラに納められない。
池を眺めていたら「なんかいてまっか?」と尋ねられた。私より2回りは先輩とお見受けしたご老人である。瑠璃色の鳥のことを話したら「ああ、カワセミだっしゃろ」とこともなげに言われた。どうやら、このあたりにカワセミが生息しているらしい。暫く「あそこに青サギの巣がある」とか「あちらに白鷺の巣が…」と会話を交わして分かれた。どうも新池は水鳥の宝庫らしい。

家に帰って、広辞苑で調べてみた。カワセミは清流の鳥と記載されているが、新池は清流ではない。

かわ‐せみ【川蝉・翡翠】カハ‥
ブッポウソウ目カワセミ科の鳥。スズメより大形で、尾は短く、嘴(クチバシ)は鋭くて長大。
体の上面は暗緑青色、背・腰は美しい空色で、「空飛ぶ宝石」とも称される。清流の指標種とされ、水中の小魚をとる。巣は崖に横穴を掘ってつくる。
ヨーロッパ・アジアに分布。なお、カワセミ科は世界に約九○種。ヒスイ。ショウビン。ソニドリ。
そこで、インターネットで野鳥図鑑→野鳥の会→カワセミ写真館と追跡してみた。良く似ているが自信が無い。野鳥の会に調査をお願いしてみようと思うが、金曜日の午後11時以降で無いと繋がらないらしい。来週が待ち遠しい。
カワセミ写真館URL:http://www.coara.or.jp/~kouichi/kawasemi.html
綺麗な写真が何枚も紹介されており説明によれば、大分の民家近くで撮影したとのこと。必ずしも「清流」に拘る必要はなさそうだ。
990829(月)ペイオフと朝銀
ペイオフ:金融機関が破綻した場合の預金者保護に、上限を設ける制度。
我が国では1000万円とされており、それ以上は「自己責任」となる。
来年4月から適用が予定されているペイオフを「延期しろ」との議論がある。意味がよく分からなかったのだが、説明によれば「ペイオフは例外」が世界の常識らしい。ペイオフを実施したのはアメリカだけで、それも過去の総額を合計しても、北海道拓殖銀行の破産処理の1/80にしかならないという。ペイオフは銀行の信用不安を助長するだけで何の得も無いと言うことのようだ。
一方、北朝鮮系の金融機関である朝銀信組が、破綻の危機に瀕しているという。これを助けるには「一兆円以上の公的資金」が必要と言う。
 1.北朝鮮系の金融機関で日本人はまず利用しない。
 2.破綻の危機と言われるが、経理内容が公開されない。責任者も不明確
 3.最大の破綻危機原因が、「本国送金」に有ると言う実態
 4.テポドン・日本人拉致事件等未解決な事項
朝銀信組は過剰な担保評価で貸付をして「本国送金の資金を捻出」しており、責任者の処罰問題も「本国に帰還」してしまえば責任を追求するすべが無い。いわば、日本の救済制度を利用した「合法的な詐欺事件」のイメージを払拭できないでいる。何とも割り切れない問題である。
金融界再編途上で学んだことは、信用維持にための「預金者保護」と「経営責任者処罰」である。しかし、朝銀信組問題は経営責任者処罰を適用できない上、ペイオフを適用すれば「思う壺」にはまる。何とも悔しいではないか!
990831(火)狭山池
大阪南部『南河内』を特徴付けるものは「古墳とため池の多さ」だろう。
以下想像である。
4世紀、この地に上陸した弥生人は、縄文人を駆逐して「河内王朝」を打建てた。農耕民族である彼らは、この地の河川の少なさに驚いたであろう。しかし、古墳築造の土木技術を使い、河川に代わるため池を設け、この地を「豊穣の地」に作り変えていった。

近年宅地化に伴い随分ため池が埋められた、それでもまだ無数にあるといって差し支えない。ただ、「じゅんさい」を摘むタライ船が見られなくなったのは残念である。こんな、ため池の中で、最古最大のものに「狭山池」がある。
狭山池は、平成の大改修のさなかである。狭山池ダムと称し、既に5年ほども工事が続いている、おそらく来年には竣工するであろう。
(話しが「だろう」で終わるのは、実に広報活動がなされておらず、正確にお伝えするには調査が必要のため)
目的は、ダム化により「貯水量を2倍にふやす」ことから灌漑用であろう。しかし、工事中も宅地化は進んでおり、完成の暁に「利益を得る農家がどれだけあるのか」少し疑問である。そのほか、治水やウオーターフロント開発も兼ねているだろう。

先日、資料館に出向いてみた。
小さなコンテナに資料館があり、申し訳程度に作られているに過ぎない。それでも、最古の堤防が「6世紀築造」とあり、その古さが分かる。ちなみに高さは「平成の大改修の1/3程度」である。遺構から、水を貯蔵するだけではなく「ポンプアップにて配水」していたことが実証されている。弥生人の知恵は、穴を掘って「ため池」と称するほど単純なものではないことが分かる。
余談である。
狭山池資料館が、安藤忠雄氏の設計で工事中である。従来のように「コンクリート」に拘らず作られているのは良いが、コンクリートほど「洗練されていない」感想がした。


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